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竜神様のウロコ


寒さもひとしお身にしみる頃、中国の方では悪い風邪が流行り、

春節に中国人を国内に入れては、いけないと、ネットでは言われて

いたが、万福商店街と、クロちゃん神社では、クリスマスの

準備で浮かれていた。


「これは、『アドベントカレンダー』と言って、クリスマスまで

の期間に日数を数えるために使用されるカレンダーでね、この

日にちの窓を毎日一つづつ開けていくんだよ、中には、小さな

チョコレートが入ってるんだよ。」

クロちゃん神社の神主さんは、そう言って

クロちゃんに平べったい箱型の『アドベントカレンダー』を

渡した。

カレンダーは、クロちゃん、又べえ、カッパ、鶴ちゃん、亀ちゃん、

留、こけし、ひげ子達がサンタクロースから

プレゼントを貰っているイラストが描かれていた。

「わぁ~かわいいvvクリスマスまで楽しみね。」

クロちゃんが、そう言うと、クロちゃん神社の売店では、

『アドベントカレンダー』を求めて、沢山の人が押し寄せた。

「あ、しまった。」

クロちゃんは、口を塞いだが、後の祭りである。

「あ、忙しくなったから、私は手伝ってくるよ。」

神主さんは、売店の方へ行った。

・・・神社なのに節操もなく妖怪と、クロちゃんモチーフの

クリスマスグッツを売るってどうなんだだろう?

そう思うが、飛ぶように売れているので、商売上手としか

いいようがない。

ふと壁を見ると、海保募集ポスターが貼ってある。

隊員達と、海カッパと、留が載っている、

『海カッパと一緒に海を守ろう!』

キャッチコピーは、『妖怪は友達!怖くないよ』

どっかで聞いたフレーズである。

「何でみっちゃんは、描かれてないの。」

『アドベントカレンダー』を見て、みっちゃんが膨れた。

「みっちゃんは、ぱっと見た感じ妖怪に見えないからじゃない?」

クロちゃんは、言ったが納得していない。

クロちゃんは、『アドベントカレンダー』の窓を開けて、

チョコレートを取り出し、みっちゃんに渡した。

「はい、次に何かグッツ作る時は、みっちゃんも忘れず

入れてくれるように、神主さんに頼んどくわ。」

クロちゃんは、ニコッと笑った。

「うん、頼んどくね。」

みっちゃんは、小さな袋からチョコレートを取り出した。

又べえのチョコレートだった。

「次は、みっちゃんのチョコにしてね。」

チョコレートを食べた。

クロちゃん神社のお堂の中から外を見ると、沢山の外国人

特に、中国人と、韓国人が楽しそうに旭日旗にクロちゃん

と海カッパの旗や、バッグやグッツを沢山買っていた。

「あれだけ日本を叩いておいて、なんなのかしら?」

クロちゃんが不思議がると、

「お守りになるんだって、海難事故にあっても助かるらしいし、

『クロちゃんの水』は、中国で流行っている悪い風邪が

治るとか、風邪にかからないとか評判らしいよ。」

『クロちゃんのお水』を売っている所には、沢山の中国人と韓国人が

並んで、『クロちゃんのお水』を飲んでいた。

「最近じゃ中国人が多く並んでいるんで、疲れたサラリーマン

が、なかなか飲めないらしいよ。」

みっちゃんは、言った。

クロちゃんは、なんとなく不吉な気がした。


「ただいま、山田パン屋のおっちゃんから、サンタパンと、

トナカイパンを貰ってきたわ。」

クロちゃんは、袋から焼きたての可愛いパンを取り出した。

「おやつのガトーショコラと、ゴボウのかりんとうと

一緒に親方達に持っていってね。」

「兄ちゃ、コレは?」

クラリスがアドベントカレンダーを見て聞いた。

「あ、アドベントカレンダーよ、クリスマスまで

の期間に日数を数えるために使用されるカレンダーなの、

この日にちの窓を毎日一つづつ開けていくの、

中には、小さなチョコレートが入っているのよ。」

そう言って、窓を開けて、チョコを出して、クラリスに

渡した。

「あんがと。」

クラリスは、小さな袋からクロちゃんチョコを出して

食べた。

「クロちゃん。」

小梅ちゃん、蛍ちゃん、小雪姫がジッと見ているので、

「あ、みんなにもあげるね。」

クロちゃんは、小梅ちゃん、蛍ちゃん、小雪姫や、ママ、

おばあちゃんに、窓からチョコを取り出して、あげた。

「まあ、ひげ子」

「私は、カッパよ。」

「親方だわ。」

「あ、歳さんだった。」

「コケシだわ。」

「あら、ニポポ人形。」

みんな違うチョコだった。

「色々あるのね。」

・・・一週間分なくなっちゃったな・・・。

クロちゃんは、お盆をもって、おばあちゃんン家に

向かった。


「みんな!おやつよ!」

クロちゃんと、みっちゃんが叫ぶと、

みんな集まってきた。

「今日も旨そうだな。」

ガトーショコラは、ねっとりとチョコが濃くって、口の中で蕩けた。

ゴボウのかりんとうは、カリカリに揚げたゴボウに、甘辛いタレが

なんとも言えず、無限に食べれる感じで、

サンタとトナカイパンは、チョコやホワイトチョコでかわいく

コーティングされいて、食べるのがおしいくらいだが、

外は、カリッと、中はふわふわのハーモニーが最高である。

それに、ゴンベエが六じいちゃんから貰ってきた、栗羊羹

は、栗の風味が何とも言えず、和三盆の上品な甘さが口いっぱいに

広がった。

みっちゃんが、アドベントカレンダーを見せて、

「ねえ、クロちゃん、コレみんな違うチョコが入ってたね。

みっちゃんも入っているよね。」

みっちゃんは、言った。

「そうね、入っていそうね。」

みっちゃんは、ジッと見ている。

クロちゃんは、空気を読んで皆に窓からチョコを取り出して

みんなに渡した。

・・・また無くなっちゃた・・・。

「星明だ。」

「ゴンベエじゃぞ。」

「鶴ちゃんだ。」

みんなは、チョコを食べた。

「まだ、みっちゃんが出ないね。」

みっちゃんは、がっかりして言った。

・・・みっちゃんが出るまで、みんなに食べさせる気なの

かしら?

「みっちゃん、全部開けてみていいわよ。」

クロちゃんは、言った。

「え!いいの!」

みっちゃんは、嬉しそうにチョコを取り出して、小袋から

チョコを取り出した。

・・・みっちゃんは、出なかった。

「出なかった・・・。」

みっちゃんは、落胆した。

「あ、今度頼んでみるわ、ね。」

クロちゃんは、慰めた。

すると、セヒと、チョコがやってきて、

「これが噂の『アドベントカレンダー』ですか、

クロちゃんと妖怪のイラスト可愛いですね。」

チョコが言った。

「クロちゃん、何で全部開けて、チョコ出してるんだ?

これ毎日一つづつ開けるんだろう??」

セヒが言うと、

「みっちゃんのチョコが出るまで開けたの。」

「で、出なかったのか。」

セヒは、みっちゃんを見ながら言った。

みっちゃんは、すっかりショゲていた。

「まあ、仕方ないな、そうそうクロちゃん、水神様から

さっきお使いが来て、クロちゃんにって、預かったん

じゃ。」

親方は、小さな小瓶を3つ出した。

「これは何?」

「水神様の加護のある水で、飲むと風邪をひかなくなるんじゃ

よ、寒くなってきたら持って来てくださったんじゃろ。」

親方が言うと、

「ねえ、何で3つあるの?」

「黄色は、普通の風邪、青はインフルエンザ、赤は、中国で

流行している悪い風邪予防になるらしい。」

「ふ~ん」

クロちゃんは、3つの瓶の水を少しずつ飲んだ。

すると、胸の真ん中に小っちゃいウロコが3枚生えた。

赤、青、黄色のウロコだ。

「よかった、明日ママがインフルエンザの注射を打ちに

連れて行くって、言ってたけど、もう注射しなくていいわね。」

クロちゃんが嬉しそうに言うと、

「あ、俺もその水飲む!注射嫌だもんな。」

「チョコも飲みます!注射しなくていいですね。」

兄ちゃん達は、嬉しそうである。

「そう言えば又べえは?」

「さっき大奥さんが、又べえと、星華ちゃんの為に用意した

部屋に連れていったぞ。」

親方が言った。

「え、又べえは、おばあちゃんン家で暮らすの?」

クロちゃんは、驚いた。

と言うのも、又べえだけは、クロちゃんの家に住んでいる。

寝る時は、セヒの部屋にセミダブルのベッドを2つくっけて

いて、クロちゃん、セヒ、チョコと寝ていたからである。

「新婚だから、子供と雑魚寝はしないぞ。

クロちゃんン家は、家族が多いから大奥さんが、気遣って

くださったんじゃろ。」

親方は、言った。

・・・そうか、又べえは、これからは、おばあちゃんン家で

暮らすんだ。


その頃、又べえは、又べえと、星華ちゃんの為に用意で、

沈黙していた。

白い花模様の壁に、ピンクの花柄で、フリルたっぷりのカーテン

白いロココ調の家具、真ん中にはダブルベッドが、もちろん

ピンクの花柄で、ブリブリのフリルだ。

「綺麗な部屋だな、ばあちゃんありがとう。

でも又べえは、クロちゃん達と一緒がいいな。

ずっと、外で寝ていたから、みんなと一緒だと、暖かくて

楽しいんだ。」

「何言っているの!又ちゃんは良くても星華ちゃんが、

ダメでしょう!」

おばあちゃんに一括された。

又べえは、ショゲてしまった。


「あ、又べえ!お部屋どうだった?」

戻ってきた又べえに、クロちゃんが聞くと、

「綺麗な部屋だったけど、クロちゃん達とワイワイと

一緒に寝れないのは寂しいな。」

又べえは、ションボリした。

「ねえ、親方、妖怪の結婚ってどんなもんなんなの?

その子供とか・・・。」

おばあちゃんが聞いた。

「妖怪の種類にもよるからな、・・・ま、その件は儂が

指南するから大丈夫ですじゃ。」

親方は言った。

「ま、親方がついてれば心配ないと思うけど。」

おばちゃんは、ほっとした。

「又べえもチョコ食べたら?」

クロちゃんは、アドベントカレンダーのチョコを差し

出した。

「可愛いなあ・・・あ!星華がいる!」

又べえは、星華のチョコを眺めた。

「それ、又べえにとっていたの、今日中に食べ・・・。」

言う間もなく又べえは、パクッと食べた。

「うっかりすると、他のヤツに喰われるからな。」

・・・あんがい又べえは、チャンスは逃さないタイプ

だった。

気が付けば、お嫁さんもGETしている、間抜けな顔なのに

凄いなと思う。

「な、クロちゃん、大事なもんは、他を蹴落としてでも

手に入れないと後悔するぞ、みんな応援してるからな。」

又べえが言った。

「うん、ありがとう。」

・・・意外と又べえは、鋭いとクロちゃんは、思った。


翌日、クロちゃん達は、近所の丸吉(マルヨシ)内科にいた。

インフルエンザ予防接種をする為である。

「でね、クロちゃんと兄ちゃん達は、水神様のお水を飲んで、

ご加護を貰ったからインフルエンザにかからないの!

これが証拠のウロコよ。先生も飲んだらインフルエンザに、

かからないわよ!」

クロちゃんは、主張した。

「でも、科学的な根拠は何もないよね。」

先生が言うと、

「科学的な根拠は何もないけど、『クロちゃんのお水』の

癒しの効果は、あるって先生言ったじゃない。」

クロちゃんは、引き下がらない。

「確かに、効果はあるね。でも何の根拠もないからね、

予防接種はするよ。」

クロちゃん達は、問答無用で予防接種を打たれた。

「でも、クロちゃん個人的な興味なんだけど、その水

飲んでもいいかい?効くかどうか確かめたいんだ。

まだ、先生は、予防接種してないんでね。」

半泣きのクロちゃんに、先生は、言った。

丸吉は、まだ40前の優しい先生で好奇心旺盛である。

最近は、歳さんと仲良くなって、医療の情報交換を

している。

「はい、先生。効果が無くなったら、ウロコは自然と

はがれるわ。」

そういってクロちゃんは、3つの小瓶を渡した。

先生が小瓶の水を飲むと、胸に3つのウロコが生えた。

「本当だ、不思議だね。効果があるといいね。」

何気に嬉しそうである。

・・・お水の効果は、あると思ってるなら注射しないと

いいのに・・・。クロちゃんは、思った。

「ほらほら、泣いてないで、クロちゃん、注射頑張った

ご褒美に、クロちゃん神社で、アドベントカレンダー

買ってあげるわね。」

「え!いいの?」

「セヒから聞いたわ、みんな開けて、みんなに分けて

あげたんでしょう。」

ママは、笑った。


「え、売り切れ・・・。」

クロちゃん神社のクリスマスクロちゃんグッツもアドベント

カレンダーも昨日の内に売れてしまっていた。

「あ、ごめんなさい、バイトの子が知らないで、残さず全部

売っちゃったの。」

巫女さんは、気の毒そうに言った。

「あ、ない物は仕方がないわ。」

クロちゃんはショゲた。


次の日学校で、クロちゃんの胸のウロコが疼いた。

ちいちゃんの方をみると、疼く・・・。

「ちいちゃん、インフルエンザにかかっているわ。」

クロちゃんが突然言い出した。

「こうくんもインフルエンザにかかってるわ。」

みんなは、ちいちゃんと、こう君から離れた。

クロちゃんは、ちいちゃんと、こう君の頭に手のひらを当てて、

「やっぱり熱があるわ、先生早く返した方がいいわ。」

クロちゃんが言った。

先生もちいちゃんと、こう君の頭に手のひらを当てて、

「確かに熱がある、二人共早く帰りなさい。」

先生は、言った。

「クロちゃん、よくわかったね。」

「このウロコが疼いたの。

ちいちゃん、後でクロちゃんのお水持って行くわね、飲むと

早く治るから。」

「ありがとう、クロちゃん、待ってるね。」

ちいちゃんは、お礼言った。

「こう君にも持って行ってもいいけど、きっと効かないわ。

いつもクロちゃんに、意地悪するから水神様のご加護は、

貰えないと思うの。」

「いらないよ!」

こう君は、怒鳴った!そして怒って帰って行った。


クロちゃんは、家に帰ると、ペットボトルに『クロちゃんの水』

を入れてちいちゃんの家に行った。

「これ、ちいちゃんに飲ませてね、早く治るから。」

クロちゃんは、ちいちゃんのママに『クロちゃんの水』を渡した。

「ありがとう、クロちゃん。治ったらまた、遊んであげてね。」

ちいちゃんのママはお礼を言って、お菓子をくれた。

クロちゃんは、お菓子をスヌーピーリュックに入れて、クロちゃん

神社に向かった。

「インフルエンザがクラスで、流行りそうだから、みんなに

『クロちゃんの水』を飲ませて、軽くなるようにするの。

クロちゃん神社の花壇の手入れをしている、親方と又べえに

言った。

「明日、『クロちゃんの水』をクロちゃんの学校に届ければ

いいじゃな、まかしとけ。」

親方は、言った。

「お願いね、もうすぐおやつよ。

あれ、小雪姫ちゃん呼んで来てって頼まれたの。」

「ああ、小雪姫は、宝満神社にいっとるよ。

石にして封印した妖狐に水神様の水を毎日かけとる。」

「あ、宝満神社ね、解ったわ。」

クロちゃんは、宝満神社に向かった。

行く途中に『クロちゃんの水』を飲ませている所を通ると、

沢山の中国人と、韓国人が『クロちゃんの水』を飲んでいた。

胸のウロコが疼いた、ちょっと嫌な予感がした。


宝満神社では、小雪姫が石にして封印した妖狐に『クロちゃんの水』

をかけていた。

「小雪姫~!おやつよ、何しているの?」

「姉に『クロちゃんの水』をかけて浄化してますの。

姉は、自分が一番の人で、自分は綺麗でスタイルも

いいと、勝手に思いこんでましたの。

目が大きく、まつ毛が長いのが自慢でしたが、口卑しく

小太りで、常に三段腹で正直、綺麗と思った事は、ありませんの。

飽きっぽく、料理もお裁縫もそこそこ出来ましたので自分は

上手と、言い張り、精進を怠り、私よりずっと下手なくせに

色々難癖つけてましたの。

そういうおごる気持ちがドンドン膨らんで、妖狐と成り果て

たのです。」

「小雪姫は、お裁縫も上手だもんね、クロちゃんの羽織の

刺繍とっても上手だったもの。

朝ご飯のう巻きもとっても美味しかったわ。」

「私は、日々精進しておりますもの。

日々精進を重ねると、格が上がりますの。」

「偉いのね。」

「それを怠って、自意識過剰になりますと、姉のように妖狐と

成り果てますの。

妖狐には、なりたくありませんから。」

クロちゃんは、少しキュンとした。

「美代ちゃんより小雪姫が好きになった?」

みっちゃんがいきなり出て来た。

「み、みっちゃん!・・・それはないわ。」

クロちゃんが口ごもった。

「鰻の神様の魅力は強烈だね。」

「大丈夫、脈はありますわ、大人になるまで気長に待ちますわ。」

小雪姫は、言った。

「あの~・・・。」

クロちゃんは、焦った。

「凄い惚れられようだね。」

みっちゃんは、笑った。

クロちゃんは、ふと宝満神社を見渡して、考えた。

「ねえ、小雪姫、クロちゃんと2年前会った時、大人だった?」

クロちゃんは、尋ねた。

「思い出しましたの?そうですわ、今はクロちゃんに合わせて

ますの。」

小雪姫は、ぼうっと光りすらりと美しい16~7歳くらいの

目元涼しい品の良い細面の美少女の姿になった。

「わあ、綺麗ね。

こんなお姉ちゃんだったら、記憶が一致しないわ。」

クロちゃんは、言った。

「うふv綺麗うれしいvでもクロちゃんに合わせますわ。」

小雪姫は、小さくなった。


家に帰ると、クロちゃんは、おやつをお盆に乗せて、おばあちゃんン

家へ行った。

「みんなおやつよ!」

クロちゃんは、みんなを呼んだ。

おやつは、チョコマフィンとシュトーレンである。

紅茶とコーヒーを歳さんが入れてくれた。

「最近コーヒーの味が気に入っね。」

歳さんがコーヒーの香りをかいだ。

焼きたてのチョコマフィンのカカオとバターの香りが口一杯

に広がった。

シュトーレンは、日にちを置いて食べる物らしいけど、

やっぱり焼きたてが一番美味しいと思う、ふんわりの

方がクロちゃんは、好きだった。

紅茶は、ダージリンである、親方は、おやつが何でも緑茶を

愛飲している、緑茶派である。

「ねえ、歳さん、クロちゃん神社の『クロちゃんの水』を飲ませて

いる所で、中国人とか、韓国人が並んでいた所を通ったら胸のウロコが

疼いたんだけど。」

歳さんは、ちょっと驚いて、

「そう言えば、最近は中国で悪い風邪が流行ってるらしいね。

後で様子を見に行くよ。」

歳さんは、言った。


おやつを食べた後、クロちゃんは、歳さん達とクロちゃん神社へ

向かった。

クロちゃん神社の『クロちゃんの水』を飲ませている所に着くと、

歳さんは、顔をしかめた。

「インフルエンザもいるが、今まで感じた事のない風邪を持って

いる中国人が何人かいるな。」

近くに寄って、様子を確認して、クロちゃんの所に来て、

「何人か隔離した方がいいな。どうするか・・・。」

しばらく考えて、

「クロちゃんは、『クロちゃんの水』を飲んで浄化しておくんだよ

。」

「歳さん、どこ行くの?」

「感染者を隔離する、ペンペン号を使う。」

歳さんは、走って行った。

気が付くと、シロがクロちゃん神社の『クロちゃんの水』を

飲ませている所で、

「ワン!」と吠えて感染者を固めている。

恐れおののいている、中国人、韓国人、その他外国人、日本人は

向こうからやってきたペンペン号に、思わず逃げ出した!

目はむき出し、血走り、歯をむき出し、目玉はギョロギョロと

動き、牙をむき出し、感染者を次々に飲み込んで行った。

留が作った中でも最高に気持ち悪い!

・・・あの外国人達は、怖くて、もう二度とクロちゃん神社に

来れないかもしてない、パニックになっている。

「ペンペン号、あれしかなかったのかしら?あのかわいい1号

とか。」

「星華ちゃんに見せるまで、汚れるから留が、貸さないよ。

留は、星華ちゃんが好きだから。」

クロちゃんは、驚いて

「あ、そうなんだ、留、複雑ね。」

「留にも彼女紹介してあげないとね、でも留は、オタクだから

女心をつかむのは、難しいみたいだね。

蛍ちゃんと、小梅ちゃんにも振られたからね。

小さくて、可愛い子が好きなんだよ。」

みっちゃんは、言った。

「そうなんだ、知らなかった。」

・・・留いい奴なんだけどな、クロちゃんは思った。

「あの中国人達は、どこに隔離するのかしら。」

「歳さんの『神威病院』だよ。」


夜になると、歳さんは帰ってきた。

「どうも中国で、流行っている悪い風邪らしいんだ。

症状が一致するものがない、念の為、スタッフには、完全防備

と、消毒を徹底させてる。

3人ほど、熱が出たり、具合が悪くなっているが、

ウィルスを持っていても、無症状なのが殆どだ。」

歳さんが言った。

「無症状の人達は、返したの?」

「いいや、この辺にバラ捲かれたら困るので、ペンペン号で

中国に強制送還したよ。」

「勝手にそんな事して大丈夫?」

「妖怪のした事は、政府は、知らん顔するそうだ。

超自然現象には、責任はとれないとするらしい。

それより、中国の悪い風邪のデーターが欲しいそうだ。

今は、ステロイド剤と、『クロちゃんの水』を飲ませている。」

・・・海保募集のポスターは、妖怪使っているけど。

「『クロちゃんの水』が効くの?」

「ああ、浄化作用があるんだよ、科学的な根拠はないけど、

『神威病院』では、患者に飲ませたり、洗ったりしている。

竜神様のご加護があるからな。」

『神威病院』では、歳さんは知識と、妖力で患者を治している。

いつの間にか、病院の先生達から大先生と呼ばれている。

危険な手術や手に負えなくなったら、歳さんが処置して

いる、患者を治す為なら妖怪に頼るのもよしとしいる。

『神威病院』の関係者は、影の大先生が歳さんという公然の

秘密である。


翌日から、『クロちゃん神社』で中国の悪い風邪の感染者の

捕獲が始まった。

「おら、おら、感染者逃げるな!」

妖怪達が、交代で中国の悪い風邪の感染者を捕まえている。

怖いロボットに吸い込まれていく様は、ホラーだ。

ペンペン号に追いかけられた、中国人や韓国人は阿鼻叫喚で

ある。

「もう『クロちゃん神社』には、中国人や、韓国人来ない

かもしれないわね。」

「もう来なくて、いいよ、悪い風邪を流行らせたら困るからね。」

みっちゃんが言うと、

「そうでもないよ、追っかけられてる同胞を楽しそうに、動画

撮ったり、写メ撮ってるよ。」

星明が言った。

彼らは、ロボットに追いかけられる同胞を楽し気に、動画

撮ったり、写メ撮ってる。

「ああいう人種だよ、日本人も撮ってるけど。」

もうペンギンロボットとは、言えない程怖くて、気持ち悪い

ペンペン号に追いかけられるのもイベントらしい。

クロちゃんは、複雑な気持ちで見ていた。


家に帰ると、セヒ待ち構えていたセヒが、クロちゃんに、開けてしまった

アドベントカレンダーを渡した。

「クロちゃん、中に小さいチョコレートや、キャンディ、クッキーを

入れておいたよ。

毎日開けて、食べながらクリスマスを待つといいよ。」

アドベントカレンダーの小さいな扉に、お菓子が入れてある。

「ありがとう、セヒ兄ちゃん。」

クロちゃんの顔がほころんだ。

最初の一つを開いて、キャンディーをセヒに渡した。

「はい、兄ちゃん。」

「ありがとうクロちゃん。」

「にいちゃ!」

クラリスがじっと見ている。

クロちゃんは、次の扉を開いて、出て来たビスケットを

クラリスに渡した。

「はい、クラリス。」

それを見ていたチョコが、

「お前バカですね、また無くなりますよ。」

「はい、チョコ兄ちゃん、いいの。

この中から出すと、お菓子が楽しくて、美味しいの。

ウキウキして、楽しいの。」

クロちゃんは、チョコに3つめの扉をあけて、キャラメルを

取り出し、チョコに渡した。

「空になったら、又入れといてやるよ。」

セヒは笑った。

「ありがとう、セヒ兄ちゃん。」

クロちゃんは、少し幸せな気持ちになった。

ふと、テレビを見ると、クロちゃん神社のペンペン号が

感染者を捕獲している映像が出た。

「クロちゃん神社で、不気味なロボットが、中国人をさらって

行ってしまうという事件がありました。

さらわれた中国人は、中国で流行っている新型の風邪に感染

している事が解りました。

重傷者は、神威病院へ、軽症者及び無症状者は、ロボットが

中国に強制送還したとの事です。

新型の風邪については、まだ情報が入っていませんが、中国人

達の間で、密かにこの風に『クロちゃんのお水』が効くと

の噂があり、感染を隠して入国した可能性があるとの事です。

引き続き調査するとの事です。

次の情報が入り次第、順次お知らせします。」

・・・悪い風邪が入ってきている・・・大丈夫かな。

「クロちゃん、ひどいね。」

みっちゃんが言った。

「本当ね、悪い風邪がこの辺りでも流行るわ。」

クロちゃんが言うと、

「あのペンペン号は、みっちゃんが動かしていたのに、

無視だよ!」

・・・それ?

「みっちゃん、それどころじゃないわ。」

「ね、クロちゃん、テレビ局の人に言って!」

「そんな事言われても・・・。」

クロちゃんにどうしろと?そう思ってしまうクロちゃんだった。

そして、嫌な予感がするのだった。



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