七五三
紅葉が鮮やかさを増すこの頃、クロちゃんン家では、ママがクラリスの
七五三の着物を飾っていた。
「実家から送ってきたんです。」
「べべvv」
とクラリスは、嬉しそうにはしゃいでいる。
飾られているのは赤い着物で、桜や、梅が美しい柄だ。
「もう、クラリスも3つか、早いわね。」
クロちゃんは、言った。
「クロちゃん、クロちゃんにも着物縫ったのよ、ほら、前に又ちゃんが
くれた反物で、縫ったの。」
綺麗な桜の着物をクロちゃんに着せた。
すると、花紺青地に薄紅や、金糸銀糸の桜が舞う、煌びやかで、凛々しい
柄になった。
しかも、舞っている桜は、動いているのである。
一同、驚いた。
「わあ~綺麗!動くわ。」
クロちゃんが言うと、
「不思議ね、袴と羽織は、銀地に亀甲模様が織り込んであるの
ほら、よく合うわ。」
おばあちゃんが、袴と羽織を着せてくれた。
「でも、クロちゃん七五三は、終わっているけど。」
「クロちゃん神社のイベントだものクロちゃんは、御神体様だから
正装しないとね。」
おばあちゃんは、笑ったが、七五三を迎えるクラリスより
豪奢で、不思議な柄を着るのは、少し気が引けた。
クロちゃんは、クロちゃん神社に向かった。
クロちゃん神社と、各お店には、又べえが作った七五三草が
飾ってあった。
可愛い男の子と女の子の七五三草は可愛く大評判だ。
二人で千歳飴を食べたる姿は、とても可愛い。
クロちゃん神社の売店では、クロちゃんマークの千歳飴が
飛ぶように売れていた。
「なんだかすっかり、七五三ね。」
クロちゃんは、周りを見て言った。
クロちゃん神社の事務所の奥の部屋のドアを開くと、広大な
空間が広がっていた。
ここは、留の仕事場である、竜宮城の改装をした時のご褒美に
水神様から貰ったのである。
留は、一人で龍の戦車を作っていた、星明に怒られて、龍の戦車を
注文数作らないと、尖閣に行けないのである。
ふと横を見ると、子ペンペン号が10匹ほど並んでいた。
腹にペン1号と書いてある、ペンペン1号からペンペン10号までいる。
相変わらずパチモンのようなペンギンロボットだが。
「ペンペン号沢山つくったのね。」
「ああ、中国船を拿捕するのに、沢山作ったんだ。
これも別注で注文が入ったんだ、一台100万円だって、言ったら
100台発注が来たんだ、もっと吹っ掛ければ良かった。」
留は、ため息をついた。
「100台!妖怪はそんなにいないわよ。」
「ペンペン号は、妖力がない人間でも動かせる、エネルギーは、
太陽エネルギーだから、日に当てとくだけでいいんだ。」
留が言うと、
「それなら軽自動車くらいの値段だもん、注文くるよ、解体して、
自分達で作るかもしれないよ。」
みっちゃんが、言うと、
「俺は、十分金は、持ってるからよ、作りたきゃ勝手に作れば
いいよ。
ただ、みんなを守りたいんだ。」
「あ、留は、戦時中大陸に行った事があるんだよね。
辛い記憶思い出したんだね。」
みっちゃんが、言うと、
「え、大陸?そうなの?」
クロちゃんが言うと、
「ああ、人間の友達がいて、一緒に満州に行ったんだ、日本が
勝ってた時は、楽しかったよ、色んな物見たり、食べたたりね。
負けたら地獄だったよ。
現地で友達とはぐれて、友達を見つけた時は、中国人に殺され
てたよ。
だから、俺、殺したヤツ見つけて殺したよ。
逃げてた日本人は、みんな酷い目にあっていた、持ってたもんは、
奪われて、暴行されて、殺されたりしたよ。
日本人を酷い目に合わせて、ロシア人、中国人、韓国人みんな嫌い
だよ。
テレビで、能天気な「戦争反対!」と叫んでる連中に見せて
やりたかったよ。
戦争はしませんと、もろ手をあげたら、侵略されて、奪われ、暴行
され、殺される。
俺が、怖いかい?クロちゃん。」
留が言うと、
「ううん、酷い目にあったのね。
クロちゃんも天津甕星に、又べえを殺されたと思った時
殺してやりたいと思ったもの・・・気持ちはわかるわ。
留が無事で良かったわ。」
クロちゃんが、言うと、頭を撫でて。
「又べえは、幸せなヤツだな。
クロちゃん、いじめっ子っているだろう?」
「こう君。」
「その子は、喧嘩しない子を虐めるよね、クロちゃんも
いじめられる?」
留が聞くと、
「ううん、クロちゃん、投げ飛ばしてから、虐められないわ。」
「それは、クロちゃんが強いからだ、同じだよ。
戦争をしないには、強い国になる事だよ。
戦争を仕掛けられたら、必ず勝つ!戦争をしない国は、強い
国だ。
龍の戦車を作ったら、人間でも使える強い武器を作るよ。
皆を守る為にね。」
留は、クロちゃんの頭を撫でた。
「普通は、中国にみたいに、平気でよその国の海域に入ると、
普通の国は、戦争になるんだよ。
現にベトナムやフィリピン、インドネシアと揉めてるからね。」
みっちゃんは、言った。
「そうか、偉いのね、留は。
・・・でもこのペンペン号もっと、可愛くならない?
SNSでも可愛くないって不評よ。」
クロちゃんは、言った。
「そうかい、ディズニーみたいで可愛いと思うけど。」
留が言うと、
「SNSで、パチものペンギンとか、偽物の怪しい感半端ないとか、
キモイとか、実は中国製?とかけちょんけちょんだよ。」
みっちゃんは、スマホを見せた。
「酷いな。」
留は、ショゲてしまった。
「・・・下手に顔描くからよくなのよ。」
クロちゃんが言うと、
「そうだね、その方がましだね。
・・・まだ又べえの方が上手いかも。」
みっちゃんは、言った。
呼びつけられた又べえは、ご機嫌にペンキを塗り始めた。
しばらくすると、サンリオキャラのようなプリティーな
ペンペン1号が完成した。
「可愛い!!」
クロちゃんは、叫んだ。
「うん、又べえ良くやった!残りも塗っといてね!」
みっちゃんが褒めた。
「あ・・・・又べえに負けた・・・。」
留が複雑な顔で言った。
あれだけの芸術的な彫刻を作れるのに、可愛い物が何で苦手なの
かしら?
クロちゃんは、不思議に思った。
クロちゃん神社では、七五三の準備にみな勤しんでいた。
「クロちゃん。」
呼ばれて振り向くと、見知らぬ白い着物を着た6歳くらいの少女が
いた。
見事な銀髪が印象的なお人形のような美少女である。
「呼んだ?」
「私よ、小雪姫。」
「・・・誰かしら?。」
「・・・もう忘れたの?」
クロちゃんは、考えこんだ。
こんな印象的な女の子を忘れるはずはないのだが。
「2年前、私をお嫁さんにするって言ったじゃない!」
「えええ!!」
クロちゃんが驚いていると、
「お前、銀狐、お稲荷さんだね、。」
みっちゃんが言った。
「お稲荷さん?」
「いつクロちゃんのお嫁さんに、なる約束したの?
クロちゃん覚えがないみたいだけど。」
みっちゃんが言うと、
「二年前、あっちの宝満神社で、私が占いをしていたら、
最良の相手が現れると、出てたの。
振り向くと、クロちゃんがいたの、それで、クロちゃんと『妹背の誓い』
をしたの。」
そう言えば昔、女の子と芋を食べる約束をしたような・・・
でも、3つぐらいで、よく覚えていない。
「・・・芋を食べる約束が、何か?」
クロちゃんが不思議そうに言うと、
「『妹背の誓い』って言うのは、結婚する約束の事だよ。
『妹背』は、仲のいい夫婦の事だよ。
芋を食べる約束の事じゃないよ。」
「あ、そうなの?クロちゃん勘違いしてたみたい、
ごめんね。」
クロちゃんが謝ると、
「最近の人は、妹背なんて言葉は、知らないよ。
悪く思わないでね。」
みっちゃんが言うと
「でも、妹背を誓ったの!」
小雪姫は、引かない。
「あの・・・クロちゃん、子供だし結婚って言われても
それに、クロちゃん好きな子がいるし。」
クロちゃんが、しどろもどろに話すと、
「好きな子!ダメよ、折角言葉に呪をかけてたのに。」
「ちょっとして、クロちゃんが女の子言葉になるのは、
君のせい?」
みっちゃんが尋ねた。
「そうよ、残念なイケメンならモテないと思って。」
小雪姫は、言った。
「おかしいと、思ったんだよね。
クロちゃん兄ちゃん二人もいるし、性格も女々しくないのに、
女の子言葉。
でも残念ながら、女の子に、モテモテだよ。」
みっちゃんが言うと、
「クロちゃん、そんなにモテないわ。」
クロちゃんが慌てて言うと、
「美代ちゃん以外ならモテるよ、よっちゃん、えあちゃん、
クロちゃんのクラスの女の子達、こう君が虐めると、
クロちゃん、すぐ助けてあげるもんね、
モテないはずは、ないよ。」
みっちゃんは、言った。
「クロちゃん!浮気者!」
小雪姫は、膨れた。
「え、クロちゃんが悪いの????」
クロちゃんは困ってしまった。
佐藤古本屋では、星明が本の整理をしていた。
「星明、今日は。」
「あ、クロちゃん、みっちゃん、あれ、今日は、ガールフレンド
と一緒かい。」
「違うよ、この子は、クロちゃんの押しかけ女房だよ。」
みっちゃんは、言った。
「おし・・・ちょっとみっちゃん。」
クロちゃんが慌てると、
「クロちゃんモテモテだね!その子商売運が凄いよ。
今、お政さんにおやつ出してもらうね。」
星明が笑った。
佐藤古本屋の居間で、クロちゃんは、おやつを食べながら
宿題を星明に見て貰った。
「そう、それで正解だよ。」
星明は、すごく教え方が上手い。すごくわかりやすくて、
人をやる気にさせるような話し方だ。
「星明は、勉強教えるの上手いわ。よくわかるし、
学校の先生よりわかりやすいわ。」
「そうだね、今の時代なら俺、大学教授になってたかも。」
星明が言うと、
「そうだね、最初は、大学講師になって、儲からないから、
IT企業が、金融にいって、ガッツリ儲けそうだよ。
星明は、金もうけ上手いもんね。」
みっちゃんは、言った。
「星明は、そういうトコしっかりしてるもの。」
クロちゃんが、笑うと、小雪姫がジッと見ている。
「あの~。」
「綺麗な銀の髪よね、本当に綺麗な碧の瞳。」
「そ、そうでもないわ、顔下膨れだし。」
クロちゃんが恥ずかしそうに言うと、
「綺麗な福顔だわ。」
「そ、そうかしら」
クロちゃんは、テレテレした。
「もう、美代ちゃん諦めたら?クロちゃん。」
みっちゃんが言った。
「えええ!!・・・嫌だわ。」
クロちゃんが悲しそうに言った。
「・・・という訳だから諦めたら?小雪姫。」
みっちゃんが言うと、
「気長に待つからいいわ。」
小雪姫は、ニッコリ笑った。
「すごい惚れられようだね。」
お政さんは、ケラケラ笑った。
「お政さん、このタルトタタンは凄く美味しいわ。」
クロちゃんが美味しそうに食べてると、
「美咲ちゃんレシピだかね、この人の思い出の味だからね。
甘酸っぱいだろう。」
お政さんが言うと、
「な、なんだよ、またからかって!」
慌てる星明をケラケラと笑いながらお政さんは、笑った。
「さっき留の所に行ってきたら、ペンペン号がパチモン
みたいで、可愛くないから又べえにペンキ塗らせたら
すごく可愛いだよ。」
みっちゃんは、星明に、スマホで撮ったペンペン号を見せた。
「だめだよ!こんなに可愛くちゃあ!」
星明は思えわず言った。
「え?何で可愛い方がよくないの?」
クロちゃんが聞くと、
「ペンペン号が怖いって、拿捕された中国人がトラウマに
なってるらしいんだよ。
尖閣に向かっていたら、段々力が抜けて、動けなくなって、
目がイった気味の悪いロボットがやって来て、同胞を次々に
飲み込んで行く・・・遂に自分も飲み込まれて!・・・・・
気が付いたら日本人が拿捕して、妖怪がへっへっと、やって
来て、
「『お前らたいがいにしないと喰うぞ!』と凄むんだ。
国に戻っても夢にうなされるらしい。日本怖い!って
凄いホラーらしいよ。」
星明が言うと、
「仕方ないな、留に塗りなおさせよう。」
みっちゃんは、言った。
留の仕事場で、留はペンペン号を塗り直しをした。
目が飛び出したり、皮がむけ肉がむき出したような、
血まみれとか、歯がむき出したりと、なんとも薄気味悪い
ペンペン号が沢山完成した。
もう、どこがペンギンロボットなのか・・・ペンギンの
面影はどこにもない。
その気味悪さに思わずクロちゃんは、
「夜中にこれと遭遇したら、一人でトイレに行けないわ。
夢に出て来てうなされそう。」
と言った。
「確かに怖すぎだね、留、凄い才能だね!
こんな不気味ななもん作らせたら、ぴか一だ!」
みっちゃんは、褒めた!
「どうだ!又べえ、思い知ったか!カッカッカッ!」
と留は高笑いをした。
「でも、女の子には、モテないなあ。
又べえは、嫁貰うぞ。」
又べえは、しれっと嫌味を言った。
「こ、こんなのが好きな子もいるぞ!」
留が反論すると、
「ま、気長に探せ!又べえは、仕事に戻るぞ。
でも、そのペンペン1号は、そのままにしてくれ!星華に
見せてやるんだ。
星華は、可愛いのが大好きだ、それに・・・。」
「それに何だ。」
不機嫌そうに留が言うと、
「星華は、『留さんいい方ね』って言ってたぞ。」
「仕方ない、ペンペン1号だけ、星華ちゃんに見せるまで、
そのままにしとくよ!畜生!」
と、悔しそうに言った。
「留いい奴だあ~。」
と言って又べえは、出て行った。
「美代ちゃんは、怖がるわね。」
クロちゃんが言うと、
「ねえ、美代ちゃんって、誰?」
小雪姫は尋ねた。
「クロちゃんの片恋の相手だよ。」
みっちゃんが言うと、
「可愛いの?その子?」
「・・・コケシに似てるかな。」
みっちゃんが言うと、
「とっても優しくて、可愛いわ!」
クロちゃんが怒って言った。
「・・・だね、クロちゃんの大好きな鰻のかば焼きの
神様が美代ちゃんの加護をしているんだよ。」
「その子に会わせて!」
小雪姫は、凄んだ。
クロちゃんと、みっちゃんは渋々小雪姫を美代ちゃんの
所に連れていった。
美代ちゃんは、丁度えあちゃんと、縄跳びをしていた。
「美代ちゃん!」
「あ、クロちゃん、みっちゃん。」
「これが、美代ちゃん?・・・・。
目が・・・・。」
クロちゃんが小雪姫の口を塞いだ。
「どうせ、目が線よ。」
美代ちゃんが不貞腐れて行った。
頭上では、美味しそうに鰻のかば焼きの神様が泳いでいた。
「でも、この子、鰻のかば焼きの神様のご加護があって、
すごくいい匂い。」
小雪姫は、美代ちゃんを嗅いだ。
「ね、クロちゃんが好きになるはずでしょう?」
みっちゃんが笑った。
「でも、私の方が可愛くて、金運もあるわ。」
小雪姫は、自信満々に微笑んだ。
「アンタ、誰?」
えあちゃんが聞くと、
「クロちゃんの押しかけ女房だよ。」
みっちゃんが、苦笑いした。
「クロちゃんは、私と結婚するの!」
えあちゃんが凄むと、
「まあまあ可愛いけど、私の敵じゃないわね、ただの人間
じゃない。」
小雪姫が、言うと、
「そんな事ないわ、えあちゃんは・・・。」
クロちゃんが言いかえると、
「あ!あのデブまた女の子虐めてる!」
えあちゃんは、こう君が女の子を虐めているのを見つけて、
走っていって、蹴りをくらわした。
「イタあ~!あ!お前男女!」
こうくんが叫ぶと、
「アンタ又か弱い女の子虐めていたわね!くらえ!」
ほっぺを殴って、往復びんた!最後は、股間を蹴り上げた。
こうくんは、泣きながら、うずくまった。
「とっても強いの。」
クロちゃんが言った。
「痛そう、死ぬほど痛いね。」
みっちゃんは、言った。
「大丈夫?こう君。」
クロちゃんは、心配そうに聞いた。
そして、泣いている女の子のぐちゃぐちゃの三つ編みを
見て、綺麗に編み直した。
「これで、可愛くなったわ。」
と、ニッコリ笑った。
女の子は、泣き止んで、
「ヒック、うん、ありがとう。」
と小さな声で恥ずかしそうに言った。
そして、向こうに行った。
こう君もフラフラと、歩きながら
「覚えておけよ!」
と言って、逃げて行った。
「明日、女の子に泣かされた事クラス中に言っとくよ!」
みっちゃんは、大きな声で言った。
「みっちゃん、容赦ないのね。」
クロちゃんは、驚いて言った。
「クロちゃん、女の子に優しすぎ!」
小雪姫は、言った。
「あ、当たり前の事をしただけよ。」
クロちゃんが言うと、
「クロちゃん、無自覚のモテ男だからね。
ライバルは、多いよ。」
みっちゃんは、笑った。
「クロちゃん!」
セヒと、チョコがやって来た。
「あ、兄ちゃん!」
「クロちゃん、えあちゃんに捕まったら、スッポンみたいに
離れないですよ、災難ですね。」
チョコが言った。
「えあ、クロちゃんが可哀そうだろう!
好きな子がいるのに!どうしてもっていうなら
腕ずくでも諦めてもらうぞ。」
セヒが言った。
「いいわよ!セヒ勝負よ!アタシが勝ったらクロちゃんは、
アタシのもの!負けたら諦めるわ!」
えあちゃんは、言った。
「な、なんで決闘になるの???ねえやめてよ。
セヒ兄ちゃんは、女の子に乱暴なんてしないでしょ?」
クロちゃんは、慌てた。
「コイツは、女じゃないからな!」
セヒは、言い捨てた。
「あの~」
クロちゃんは、困った。
「では、私は、セヒお兄様を応援いたしますわ。」
小雪姫は、言った。
セヒと、えあちゃんは、宝満神社で勝負する事となった。
「ねえ、二人共辞めてよ、えあちゃん、可愛いワンピースが
汚れるわよ。恵理子おばちゃんに怒られわ。」
クロちゃんが言うと、
「その時は、クロちゃんが新しいの買って。
さっき可愛いの見つけたの、それ買ってね。」
えあちゃんが言った。
負けても新しいワンピースをgetするつもりだ。
宝満神社に着くと、二人は、決闘を始めた。
えあちゃんの鋭い蹴りがさく裂、セヒは、避けながら、
えあちゃんをおもっきり殴った!えあちゃんは、
怯んだが、おもっきり頭突きした。
なかなかいい勝負である。
「ねえ、やめて!二人共!」
クロちゃんは、叫んだが、止める気があるのは、クロちゃん
だけである。
美代ちゃんと、小雪姫は、チョコは、セヒを応援している。
みっちゃんは、両方応援している。
・・・なんでみんな止めないの?
困惑しているクロちゃんに目もくれず二人は、闘っている。
「えあちゃん!パンツが見えました!」
チョコが言うと
「後で見物料とるからね!」
えあちゃんは、怒鳴った!
すごく可愛い子だが、お嫁さんは勘弁して欲しい。
兄ちゃん勝ってくれないかしら。
やっぱり、やめさせよう!
クロちゃんは、無理やり二人に割って入った。
勢いで、えあちゃんから、足を蹴られ、セヒから
顔を殴られた。
「グエッ!・・・二人共もうやめて。」
クロちゃんが倒れると、二人は、慌てた。
「クロちゃん大丈夫?」
二人は心配そうにクロちゃんを見た。
「だ、大丈夫よ、もう二人共ケンカやめてね。」
クロちゃんが言った。
「クロちゃん、足元見て、何か壊れてる。」
みっちゃんが言った。
気が付くと、塚っぽい物を壊していた。
すると、その壊れた塚っぽい物から、黒い邪悪な物が
セヒと、えあちゃんを捕まえた。
「きゃ~!!」
「わぁあ~!!」
二人共悲鳴を上げた。
「お前達なの、ありがとうね、おかげで外に出れたよ。」
邪悪な物は、おどろおどろしい女の姿に変わっていた。
「兄ちゃん達をはなして!必殺!桜吹雪!」
クロちゃんは、必殺桜吹雪をお見舞いしたが効かない!?
「必殺!スクリューウォーター!」
必殺!スクリューウォーター!は、女の体をすり抜けた。
「滅滅!」
カビは、生えなかった。
「必殺技が全てきかない!?」
クロちゃんが青ざめると、
「実態がないのね。
・・・貴方は、どうして悪霊になったの?」
小雪姫は、尋ねた。
「男に裏切られた!役者のようにいい男だった。
私達は、愛し合ったはずなのに!
駆け落ちしようと、約束したのに、約束の場所に来なかった。
ゆるさない~。
佐吉さんを連れて来て。」
女は、呟いた。
「その人もう死んでると、思うよ。」
みっちゃんは、言った。
「連れて~来て~・・・。」
女は言った。
「・・・誰か代わりのいい男を連れて来て、油断した
ところで、二人を助けよう。
この辺りに、いい男はいない?」
小雪姫が、言うと、
「う~んカダ兄ちゃんは?パパじゃ歳食いすぎかしら?」
クロちゃんが言うと、
「日本人じゃないじゃない。
イケメン・・・あ!白皙さん!」
みっちゃんが言った。
「あ、それ!頼んでみよう。」
クロちゃんは、言った。
「私が、見張っているので、すぐ連れて来て!」
小雪姫が言った。
「白皙さん!助けて!」
クロちゃん神社の交番に着くと、クロちゃんは、叫んだ。
「あ、クロちゃん、どうしたんだい?」
「セヒ兄ちゃんと、えあちゃんが悪霊に捕まったの!
助けるのに協力して!」
クロちゃんが言うと、
「え!それは大変だ!安西さん、池面さん助けに行きます!」
白皙さんが言うと、
「クロちゃんの友達の妖怪に退治して貰う訳にはいかないの
かい?
我々の手に負えないと思う、どちらかと神主さんとか、
お坊さんにお祓いして貰う方がよくないかい?」
安西さんは言った。
「その亡霊は女の人でね、昔、自分を捨てた役者みたいに
いい男を連れて来いって、いうの。
イケメンを連れていって、油断したところで兄ちゃん達を
助けようって事になったの。」
「わかった、我々も行ってみよう、池面は、クロちゃん
神社の神主さんを連れて来てくれ。」
安西さんは言った。
宝満神社では、悪霊と、小雪姫が、睨みあっていた。
「あの~役に立たないかもしてないけど、宝満神社の
神主さんも呼んできましょうか?」
チョコが聞くと、
「チョコお兄様、一応呼んで来て下さい。」
小雪姫は、言った。
チョコは、慌てて、神主さんを呼びに行った。
すると、クロちゃんが白皙さんと、安西さんを連れて来た。
「お待たせ!イケメンを連れてきたわよ!」
悪霊は、白皙さんを見た。
「・・・こんないい男じゃない・・・。」
悪霊は、呟いた。
「え・・・良すぎた?池面さんの方が良かったかしら。」
クロちゃんは、困った。
すると、
「クロ~ちゃん!」
池面さんがクロちゃん神社の神主さんを連れて来た。
「あ!池面さん!あ!クロちゃん神社の神主さんもイケメン
だわ!いけるかも。」
クロちゃんは、振り向くと、そこには、落胆した悪霊が不服
そうに。
「ちが~う・・・。」
誤魔化せそうになかった。
「クロ~ちゃん!」
みっちゃんが、星明、親方、又べえ、鶴ちゃん、亀ちゃんを
連れて来た。
「佐吉さん・・・。」
悪霊が反応した。
・・・え?あ、星明は結構イケメンかもと、思っていると、
「お鈴ちゃん!どうして悪霊に?」
親方が叫んだ。
「え?そっち???」
「親方ですか!?鬼瓦のような顔じゃないですか!」
チョコが言うと、
「役者の虎之丞にそっくり・・・。」
悪霊が言った。
「虎之丞?」
「昔の人気役者で、『勧進帳弁慶』が得意だったんじゃ。」
親方が言うと、
「つまり、弁慶にみたいなごっつい役者だったんだね。」
みっちゃんが言った。
「佐吉さん・・・どうして・・・いなくなったの?・・・。」
お鈴が尋ねると、
「お鈴ちゃんが、妖狐に憑りつかれた時、助けるのに妖力を
使って・・・妖怪の姿を見られたからじゃよ。
流石に妖怪と夫婦にはなってくれないじゃろう?
すぐ江戸を出て、50年くらしいして戻って来たんじゃよ。
お鈴ちゃんは、誰かと夫婦になって、幸せになっていると思って
いた。」
親方は、力なく言った。
「妖怪でも良かった・・・。
命がけで助けてくれたもの・・・優しくて・・・
他の人なんて・・・佐吉さん・・・好きだった。」
悪霊は、悲しそうに言った。
「お鈴ちゃん、悪かったな・・・まさか待っていてくれるとは、
思わなかった。
お鈴ちゃん、苦しいかい?何でそうなっちまった?」
親方が聞くと、
「佐吉さんがいなくなった後・・・私は・・・佐吉さんを思って
気を病んでしまった・・・そして・・・死んだ。」
お鈴は言った。
親方は、青ざめてしまった。
「佐吉さん・・・何で50年も帰って来なかったの・・・。」
お鈴は尋ねた。
「お鈴ちゃんを諦めるためじゃよ・・・50年すれば死んでると
思った。
50年して戻ってきたら、近所の人にお鈴ちゃんは、どっかに嫁に
行ったと聞いたんじゃ。」
親方が言うと、
「娘が取り殺された・・・のが・・・体裁が悪いから・・・
お嫁に行った事に・・・されたの・・・。」
お鈴は、答えた。
「・・・佐吉さん・・・本当は・・・別の人と夫婦になって
いたんでしょう・・・。」
「・・・悪かった・・・お鈴ちゃんが、妖怪の儂を好いて
くれるとは思えなかったんじゃ。」
親方は、謝った。
「・・・許さない!」
お鈴ちゃんが大きくなり、気が付くと、セヒとえあちゃんは、
妖狐に捕まっていた。
「え!何時の間に!?」
クロちゃんが驚くと、
「妖狐にあの悪霊は、操られていたんだよ。」
みっちゃんが言った。
「悪霊に気を取られていたが、二人を捕まえていたのは、
妖狐だったんだ。」
星明は、言った。
「兎に角封じよう!」
クロちゃん神社の神主さんは、何やら呪文を唱え始めた。
すると、お鈴と妖狐は苦しみ始めた。
「神主さん、おばあちゃんの実家の綾小路家の先祖を
祭っている神社の血筋の人で、かなりの能力者らしいよ。」
星明は、言った。
「すごい人だったのね、イケメン採用じゃなかったのね。」
クロちゃんは、感心したが、その時!
妖狐が神主さんを弾き飛ばした!
「お前、許さないよ!殺してやる!」
妖狐が神主さんに襲い掛かると、パコ~ン!とみっちゃんが
大槌で、クロちゃんが打ち出の小槌で応戦した!
「何だい!お前達邪魔するのかい!」
妖狐は怒り狂った!すると、バシッ!薙刀で切られた!
妖狐が振り向くと、小雪姫が薙刀で攻撃していた!
「お姉さまでしたのね!妖狐と成り果てて、封印していたの
ですが、復活しないように見回りに来て正解でした。」
小雪姫は、キッと睨んだ。
「小雪姫ちゃんのお姉ちゃんで、封印していたの?」
クロちゃんが聞くと、
「そのお鈴さんに憑りついていたのです、親方に退治された後
まだ、生きていたのです。
そして、親方がここを去った後、親方を探していた、
お鈴さんに再び憑りついて悪さをしようとしていたので、
私がお鈴さんごと封印しました。」
「じゃ小雪姫が封印できるね、良かった。」
「あの時は、親方が弱らせてくれていたので、私でも
封印出来ました。
しかし、今は、妖力が強くなって、お鈴さんの神通力の
影響でしょうか?」
「え!ひっよっとして、お鈴さんごと、ここに埋めて
封印したの?」
みっちゃんは、尋ねた。
「仕方がなかったのです・・・私じゃそれが精一杯でした。」
クロちゃんと、みっちゃんは、顔を見合わせた。
「と、とにかく倒そう。」
クロちゃんは、打ち出の小槌で、正面から襲い掛かった!
打ち出の小槌は、ビヨ~ンと伸びて、妖狐を攻撃した!
みっちゃんは、大槌で連続で足を狙った!
小雪姫は、背中から薙刀で攻撃!
又べえは、頭上から攻撃した!
星明は、神主さんと、一緒に呪文を唱えた。
親方は、悪霊と化したお鈴に話かけた。
「もう、お鈴ちゃんやめてくれ、頼む!儂がみんな
悪い、恨みがあるなら儂だけにしてくれ。」
「嫌・・・ゆるさない・・・寂しかった・・・
ずっと・・・待ってたのに・・・。」
お鈴は、ドンドン黒くなり、妖狐の力はまし、四人は
振り払われた。
必殺!桜吹雪!」
クロちゃんは、必殺桜吹雪をお見舞いしたが、妖狐は、
少しひるんだが、あまり効かない
「必殺!スクリューウォーター!」
必殺!スクリューウォーター!もたいして効き目がない!
「滅滅!」
カビは、すぐバラバラと、風化してしまった!
「何て強さなの!?」
強力な妖狐の力にどう戦えばいいのか・・・。
あの悪霊が、妖狐に力を与えているようなのだけど・・・。
「なあ、お鈴ちゃん、お鈴ちゃんさえよければ、儂と夫婦に
なってくれないか。
悪霊と、妖怪なら末永く一緒に暮らせると思うが、
どうじゃ?」
親方が言った。
すると、お鈴を取り囲んでいた、禍々しいものが消えて
お鈴の表情が優しくなり、可憐で可愛い娘の顔になった。
「佐吉さん・・・嬉しい・・・。」
そう微笑むと、お鈴は消えてしまった・・・。
「お鈴ちゃ~ん!」
親方は叫んだ。
・・・成仏したのね。・・・妖狐の力が弱まっている!
みっちゃんは、大槌で連続攻撃した、怯んだところに、又べえが
大ばさみでジョッキン!と右でを切り落とした!
腹を親方がバックり!と切った。
後ろを小雪姫が薙刀で、切った!クロちゃんが
「必殺!スクリューウォーター!」
必殺!スクリューウォーター!で連続攻撃!
怯んだところを星明と神主さんの呪文で封じた。
小雪姫の封印の呪文で、石になった。
すると、向こうからチョコが宝満神社の神主さんを連れて
走って来た。
「ク~ロちゃん!遅かったですか・・・。」
チョコが血まみれの皆を見て言った。
「昔、ここに妖狐を封じた塚があるとは聞いていたが、本当
だったんだな。
クロちゃん、皆さんありがとうございました。」
宝満神社の神主さんは言った。
「どう処理しましょうか、一応記録にとりますか。」
三人のお巡りさんは、現場検証を始めた。
セヒは、クロちゃんにハグして、
「ありがとう、クロちゃん、又助けてくれたな。」
「兄ちゃん、無事でよかった。」
すると、物凄い力で、えあちゃんが抱き付いた。
そして、クロちゃんのほっぺにチュッとキスした。
クロちゃんは、テレてまっかに、なった。
「ありがとう!メチャカッコよかった!アタシ絶対に
クロちゃんのお嫁さんになるね!」
クロちゃんは、一瞬にして、氷ついた。
「離れなさいよ!クロちゃんが困っている。」
小雪姫は、無理やりクロちゃんと、えあちゃんを剥がした。
「クロちゃん、ワンピース汚れたし、やぶれちゃった。
新しいの買って!」
えあちゃんは、クロちゃんにねだった。
「え~!何でそうなるの。」
「ママに怒られるじゃない、ね。」
「え~。」
クロちゃんが困っていると、
「うちの神社の封じいた悪霊が、迷惑かけたね、その服は
弁償してあげるよ。」
宝満神社の神主さんが言った。
「え、いいの?」
「昔、宝満神社の神主の娘がいて、結構な神通力を持って
いたが、妖狐に憑りつかれ、封印されていると聞いている。
お稲荷さんの協力で封じたと、聞いていたが、
本当だったんだね。」
宝満神社の神主さんが言った。
そうだったんだ・・・。
ふと見ると、親方が塚の近くでしゃがみ込んでいる。
「親方・・・。」
「悪かった、ずっと待たせていたんだな。
ここで、よく二人で逢引きをしたな・・・。
子供の七五三をみながら子供が生まれたら
お祝いしようとか言っていたな。」
すると、チョコが、
「親方は、人間に化けれるんですね、化けてみて下さい。」
すると、親方は人間に化けた。
「どうだ、いい男じゃろう。」
「・・・あんまり大差ないですね。
妖怪ってバレても関係ないレベルです。」
チョコが言うと、
「なんじゃと!」
親方は、怒りだした。
「お鈴さん、親方が妖怪でも好きだったんだ。
今更遅いけど、お鈴さんと話して、お別れした方が
良かったね。」
みっちゃんは言った。
「悪霊が、あっさり成仏したのは、俺とクロちゃん神社の
神主さんの浄化の呪文のおかげだよ。」
星明が言った。
「本当に驚いたよ、無事で良かった。」
クロちゃん神社の神主さんは、言った。
そして、親方のに言った。
「お鈴さんが成仏できたのは、親方が『夫婦になろう』って
言ってくれたからですよ。
一番欲しい言葉をあげたのですよ。」
「ああ、ありがとう。
そう言ってもらえると、少し救われる気がするわい。」
親方は、言った。
万福商店街の子供服の「ぷちハート」さんで、えあちゃんは
新しい赤いワンピースを着てご機嫌だった。
「ねえ、さっきのピンクのワンピースの方がいいかしら?」
何枚も着替えて、クロちゃんはうんざりしていた。
「それが可愛いわ!一番似合うわ。」
・・・なんでもいいから早く決めて欲しいわ。
大体何でクロちゃんまでワンピース買いに付き合わされるの?
「この薄紅色のワンピース似合う?」
小雪姫がワンピースを着て出て来た。
神主さんからお礼に買ってもらえる事になったのである。
「ねえ、クロちゃん!」
「クロちゃん、見て!」
夕方家に帰りつく頃は、クロちゃんは、グッタリになっていた。
夕飯は、おばあちゃん特製のミートローフと、ポタージュスープ
とかぼちゃのサラダだ。
ミートローフは、ホールケーキみたいに、ひき肉のパテにトマト味の
マカロニを挟んで、上にマッシュポテトをホイップクリームみたいに
搾りだして焼いた、ケーキ風のミートローフだ。
美味しいひき肉と、プリプリのマカロニ、それとクリーミーなマッシュ
ポテトのハーモニーが絶妙だった。
夕飯のミートローフを食べながら
「クロちゃん、大変だったのね。で、その子は?」
ママが尋ねると、
「クロちゃんの押しかけ女房だよ。」
みっちゃんが言った。
「よろしくお願いします。」
小雪姫は、ニッコリ笑った。
「クロちゃん、モテるのね。」
ママは笑った。
・・・ママ反応それだけ?
こうして、小雪姫は、クロちゃんン家に住む事になった。
七五三の日空は綺麗な秋晴れで、気持ちのいい日よりだった。
又べえが、親方を宝満神社の妖狐が石された所に連れて来た。
「親方、見てくれ。」
妖狐の石の前に、不思議な花が、白無垢の綺麗なお鈴と、
羽織を着た親方が嬉しそうに微笑んで、二人で三々九度で
お酒を飲んでいた。
「お鈴ちゃん・・・又べえ・・・これ。」
「もう、お鈴ちゃんは成仏したけど、供養に作った花だ。
親方は、気が済むまで世話すると、いいぞ。」
又べえは、得意げに言った。
「お前、クロちゃんと会って変わったな。
弟子にした頃は、妖怪もどきの変な草花を作って、退治
するのに大変だった、何回お前を退治してやろうと
思った事か・・・お前、優しい妖怪になったな。
ありがとよ、又べえ。」
親方が涙ぐんでいるので、又べえは驚いた。
「どうしたんだ、親方!ビックリするだろう!
それより、クロちゃんの晴れ姿を見に『クロちゃん神社』
に行くぞ。」
又べえに引っ張られて、二人は、クロちゃん神社に向かった。
クロちゃん神社では、沢山の七五三の子供や人々でごった
返していた。
そこに正装の羽織袴のクロちゃんが現れた。
着物は、花紺青地に薄紅や、金糸銀糸の桜が舞う、煌びやかで、
凛々しい柄で、しかも、舞っている桜は、動いているのである。
そして、羽織袴は、見事な亀甲模様、背中には、見事な登り龍
が刺繍が施され、しかも生き生きと動くのである。
みんなクロちゃんの羽織と着物にくぎ付けになった。
「あれ、私が刺繍しましたの、いい出来でしょう。」
小雪姫が言った。
「だから動くんだね、いい腕しているね。」
みっちゃんが言うと、
「大事な我が君の為ですもの腕をふるいますわ。」
「クロちゃん、愛されてるね。」
みっちゃんは、笑った。
「みんな!七五三おめでとう!これは、クロちゃんからの
プレゼントよ!」
クロちゃんは、櫓の上から小さい袋に入った千歳飴を沢山投げた。
「わ~っ」
と歓声が上がって、次から次へと千歳飴を皆拾った。
そして、クロちゃんは踊り出した。
「良き日~♪吉日~♪花咲き乱れ~♪今日は~目出度い七五三~
♪ああ~幸あれ~♪今日は目出度き~♪良き日かな~♪」
そうすると、いきなり桜が咲き乱れた!紅葉と桜!この不思議な
風景にみな驚いていると、クロちゃんの頭からたっちゃんが
目を覚ました。
「ん・・・何か楽しそうだね、クロちゃん。」
そう言って、飛んで大きな龍となり、クネクネと踊り出した。
妖怪達も踊り出し、楽しい祭りとなった。
クロちゃん神社の事務所に帰ると、
「兄ちゃん!千歳飴!」
クラリスが手を差し出した。
「あのクロちゃんが投げた飴欲しかったみたいなの、
でもほら、私達は遠慮しないと。」
ママが言うと、
神主さんが千歳飴を差し出した。
「はい、クロちゃんの特性千歳飴だよ。」
クラリスは、にこ~(⌒∇⌒)と笑って千歳飴を貰った。
「あんがと。」
ふと外を見ると、
「鶴屋千年堂では、クロちゃんの妖狐退治のバターサンド
を発売中です!」
鶴ちゃんが叫んでいた。
「亀屋瀬万年堂では、クロちゃんの妖狐退治のお饅頭を
販売中です!」
亀ちゃんが叫んでいた。
・・・皆商魂たくましいわ。
そうすると、親方がすごくご機嫌で、やって来て、
「クロちゃん、儂は、今日初めて又べえを弟子にして
良かったと思ったぞ。
ちょっと、見せたい物がある。」
親方に連れられ、宝満神社に着くと、人だかりが。
「これが、クロちゃんが妖狐退治をした所で、これが石に
された妖狐です。
さっき気が付くと、妖狐が憑りついていたお鈴の花嫁と、
お鈴と恋仲だった妖怪の花が咲いていました。
こんな不思議な事があるんですね。」
神主さんが説明している。
「さっき来た時は、あれは無かったな。」
又べえが指さす先には、でっかい看板があった。
「クロちゃんの妖狐退治」細かい説明書きも
書いてあった。
・・・皆商魂たくましいわと、思うクロちゃんだった。




