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十五夜の夢

金木犀の甘く爽やかな香りが漂いはじめた頃、

クロちゃんは、スイートポテトを食べていた。

バターの香りが口の中に広がり、程よく口の中で蕩けた。

「美味しいね。」

クロちゃんは、みっちゃんに言った。

「櫻子ちゃんのスイートポテトは、格別だね。」

「うまいな。」

親方達もお茶を飲みながら言った。

「儂は、焼き芋も好きだがな。」

そう言って、親方は、焼き芋もかぶりついた。


その時、ママがやって来た。

「クロちゃん、妖怪が、クロちゃんに、沢山お土産

持ってきているわよ。」

「妖怪が?誰かしら?」


クロちゃんが、玄関に行くと、沢山の、穀物、

野菜、果物が置かれていた。

「天津甕星様からだ、クロちゃんが豊穣の踊りを踊ってくれた

おかげで、今年は、豊作で、しかも美味い作物が実った。

そのお礼だ、受け取ってくれとの事だ。」

星鬼は、言った。

「わざわざありがとう!そうだ、お菓子や、パンがあるの、

天津甕星にお土産にあげるね。」

クロちゃんが言った。

「それは、天津甕星様がお喜びになる。

・・・それから、コケシは、どうした?」

「コケシ?美咲さんの事?」

「天津甕星様が、美味しいお菓子を伝授してくれたので、

褒美を下された。

コケシに渡さないといけない。」

「美咲さんなら、万福商店街でバイトしてる時間じゃ

ないかな。

連れていってあげる。」

クロちゃんは、星鬼達を連れて、万福商店街へ向かった。


鶴屋千年堂では、新作の大福を鶴ちゃんがこさえていた。

「和栗バフェ2つ、お願いします。」

美咲コケシが、言った。

「はいよ!美咲ちゃん、新しいスイートポテト大福こさえた

から、手が空いたらたべなよ。

スイートポテトと、生クリームに、キャラメルソースを

かけて、餅で包んだんだ。

感想聞かせてくれよ。」

鶴ちゃんが、言うと。

「わあ!楽しみ!鶴ちゃんのお菓子美味しいもの!」

嬉しそうにお茶を持って、お客さんの所へ行った。

「可愛いね!」

鶴ちゃんが言うと、

「鶴ちゃん、美咲ちゃんと付き合えば?」

鶴屋の兄ちゃんが言うと、

「ダメだよ、あの子は、10月の始めに成仏するんだ。

それに・・・生きてた頃の彼氏がいるからな。」

鶴ちゃんは、暖簾の間から、誠に、お茶を出す美咲を

見ていた。

すると、クロちゃんが裏口から入って来た。

「今日は、美咲さんいる?」

「クロちゃん、いらっしゃい!美咲ちゃんは、

接客中だよ、ちょっと待ってなよ。

ほら、新作のスイートポテト大福はどうだい?

これ食べて、待ってなよ。」

鶴ちゃんは、皿にスイートポテト大福を乗せて、勧めた。

クロちゃんと、星鬼達は、スイートポテト大福を皿から

取って食べた。

「美味しい!スイートポテトと、生クリームと、

ほろ苦いキャラメルが合うわ!」

クロちゃんは、喜んだ。

すると、店内は、客で一杯になった。

「しまった!つい、言っちゃったわ。」

クロちゃんは、口を押えた。

「こんな美味い菓子があるなんて、凄いな

この店。」

星鬼達は、驚いた。

「おや、よく見たら、この間捕まえたやつらじゃないか、

なんか、和解したらしいね。」

鶴ちゃんが聞くと、

「あの時は、任務とはいえ、本当にすまなかった。」

星鬼達が謝ると、

「ま、終わった事だし、クロちゃんと、大黒様が

水に流せって言うなら仕方ないさ。」

鶴ちゃんは、言った。

「鶴ちゃん、お土産に沢山の、穀物と、野菜と果物を

貰ったの、家にあるから、好きなの持ってっていいわよ。」

クロちゃんが言うと、

「珍しい食材が手に入るのかい!ありがたい!早速

貰いに行くよ。」

鶴ちゃんは、喜んでクロちゃんン家へ向かった。

「凄い勢いで、走って行ったわ。」

クロちゃんが、驚いていると、

「あら、クロちゃん、来てたの?」

美咲コケシが言った。

「あ、美咲さん、天津甕星のご褒美を星鬼達が

届けに来てくれたの。」

クロちゃんが、言うと

「この間は、美味しいお菓子をありがとう。

天津甕星様からの賜り物だ。受け取れ。」

ムーンストーンのペンダントを渡した。

「まあ、綺麗!ありがとうございます。」

美咲は、三日月にムーンストーンが付いたペンダントを

撫でた。

「そのペンダントは、次の満月の夜に、お前を生きてた頃の

姿に戻してくれる。」

「え!そんな事ができるの!?」

「ただし、満月の間だけだ、それが過ぎると、元に

戻る。」

星鬼は、言った。

「わあ!嬉しい!」

美咲コケシは、喜んだ。


バイト時間が終わると、美咲コケシは、近くのブティクに

行った。

可愛い秋物のワンピースを見て、あれこれ悩んでいた。

「どれにしようかな。」

洋服を選ぶワクワク感は、久しぶりで、アレコレ考えて

しまった。

「美咲さん!ワンピース買うの?」

クロちゃんと、みっちゃんが聞いた。

「そうよ、迷うな。

・・・靴もいるわ、あ、下着とか、靴下とかいるわね。」

美咲コケシは、嬉しそうだ。

「美咲さん、何かしてあげられる事ない?」

クロちゃんが聞くと、

「クロちゃんには、死ぬ前にお世話になったわ、

十分よ、面白いコケシライフも楽しんだし、

また、生きてた頃の姿に戻れるし、ラッキーよ。」

「・・・美咲さん、成仏して、生まれ変わったら、

何をしたいの?」

「平凡な事だけど、、今度は、お嫁さんになって、

ウエディングドレスを着て、寿命を全うできたらいいな。」

美咲コケシは、笑った。

「うん、今度は幸せになれるよ。」

「ありがとう。」

美咲コケシは、笑った。


クロちゃん神社の事務所では、十五夜祭りの企画を星明達が

していた。

「なんか、十五夜っぽい盛り上がる何かないかな?」

星明は、考えこんでいた。

「星明頑張っているわね。」

「あ、クロちゃん、みっちゃん、十五夜祭りの企画

なんだけど、十五夜草植えたり、してるけど、

なんか盛り上がる企画ないかな?」

「十五夜ねえ・・・月なら、かぐや姫とか出て来ると

いいわね。」

くろちゃんが言うと、

「かぐや姫かあ、そりゃ、天に帰ると盛り上がるな。」

星明が言うと、

「儂が、かぐや姫の牛車をこさえてやるぞ!空飛ぶ牛車だ!

いいだろ!」

留が言った。

「いいね!かぐや姫は、誰に頼もうかな。」

星明が言うと、

「美咲さんどうかな?次の十五夜にね、天津甕星に貰った

ペンダントで、生きてた頃の姿にもどれるらしいの。

満月の間だけど。」

クロちゃんが、言うと、

「そうか、頼んでみるか。

でも、ブテックでワンピース選んでいたって聞いたけど、

ウエディングドレス着たいとか。

みっちゃん情報だけど。」

星明が言うと、

「女の子は、十二単にも憧れているんだよ、頼んだら

絶対、着たいって言うよ。」

みっちゃんは主張した。

「聞いてみたら?」

クロちゃんも同意した。

・・・何か楽しい思い出を作ってあげられたらいいな。


美咲コケシは、佐藤古本屋で、店番をしていた。

星明と、クロちゃん、みっちゃんが入ってきた。

「ただいま。」

「あら、クロちゃん、みっちゃん、いらっしゃい。」

「今日は美咲さん。」

「今度クロちゃん神社で、十五夜祭りをするんだよ、

で、最後に、かぐや姫が天に帰って行くって、演出を

考えてるの。」

みっちゃんが言った。

「素敵ねえ、絶対見に行くわ!」

「でね、かぐや姫役をお願いしたんんだけど、

いいかな?」

「え!私でいいの!嬉しい!きゃー!どうしょう。」

美咲コケシは、はしゃいだ。


十五夜祭りは、沢山の人が訪れていた。

クロちゃん神社に急ピッチで、留が作った舞台で、

MPK48がダンスを踊っていた・・・

かと思うと『炭坑節』を踊り出して笑いを誘った。


クロちゃんも家族と、十五夜祭りを見に来ていた。

「あのクロちゃん、お手伝いがあるから事務所に

行ってくるわ。」

そう言って、みっちゃんと、クロちゃん神社の

事務所に向かった。


事務所に行くと、星明、鶴ちゃん、亀ちゃんがいた。

「あ、みんな、今晩は。」

「あ、みっちゃん、クロちゃん。

美咲ちゃん、まだ生きてた頃の姿に戻らないんだ。」

「もし、コケシのままだったら、どうするの?」

「・・・その時は、コケシのかぐや姫でいくよ。」

星明は、言った。

「え~!」

月からの使者の女官の装束を着た、お政、小梅、蛍が

不服そうに言った。

「コケシのかぐや姫は、クロちゃん神社って感じで

いいよ。」

みっちゃんが言った。

他の女の子の妖怪も渋々納得した。

すると、美咲コケシが、かぐや姫の装束で、出て来た。

「あ、クロちゃん、生きてた頃の姿に戻らないの

・・・どうしよう。」

「大丈夫よ、美咲さん綺麗よ。

コケシのかぐや姫でいく事になったの。

安心して。」

クロちゃんは、笑った。

「そう、良かった。」

そう言って、美咲コケシが外に出て、月の光をあびると、

ふわりと、ペンダントが輝いて、人間の美咲になった。

「わあ~綺麗ね!美咲さん!」

クロちゃん達は、驚いた。


美咲コケシが、舞台に行くと、天の上から雲が下りて来た。

沢山の美しい女の妖怪達が、大きな龍、たっちゃんに乗って

クロちゃん神社に舞い降りた。

美しい金の牛車には、月と、星々の彫刻が施されていて、

それが、ゆらゆらと、輝き流れるように動くのである。

中央には、かぐや姫を思わせる、美しい女の彫刻が

瞬きをしたり、微笑んだりしていた。

しかも、牛車には、牛がいない、ひとりでに動くのだ。

ある。

不思議で、美しい牛車に、皆驚き、見とれた。

かぐや姫も輝き、神秘的な美しさだった。


「凄いわね、留。まるで生きているみたい。」

クロちゃんは、言った。

「そうだろう、なかなかいい出来だろう。」

留は、自慢げに言った。


その牛車に美咲コケシが、しずしずと、近づて行った。

すると、すうっと牛車は、美咲に近づいた。

「わぁ~すごいのね、この牛車、牛がいないわ。」

美咲は、驚いた。

女官役のお政さん達が、牛車に乗るのを手伝った。

「美咲ちゃん、今日は、いつもより五割り増しで

綺麗よ。」

お政さんが、言った。

「わあ、嬉しい!」

美咲は、喜んだ。

牛車に乗ると、かぐや姫一行は、空高く舞い上がって、消えて

しまった。

そうして、十五夜祭りは、終わった。


空の上では、たっちゃんの上から、美咲達が地上を見下ろした。

街の小さな沢山の光は、キラキラして、とても

綺麗だった。

「まるで、夢みたいね。」

美咲が言うと、

「妖術で、姿を消して、今から地上に降りるわよ。」

お政さんが言うと、一行は、地上に降りた。

カッパ池の所で、クロちゃん達が待っていた。

「さ、美咲さん急いで着替えないと。」

お政さん達が、美咲を連れて行った。

「あ、ワンピースに着替えないと、コケシに戻るわね。」

美咲が言うと、

「ワンピースじゃなくて、コレよ。」

お政は、純白のウエディングドレスを持って来た。

「え!コレどうしたの?」

「星明が、美咲ちゃんの願いをかなえたくて、用意したのよ。

さ、着て、早く。」

小梅ちゃんが言った。

ウエディングドレスを着た美咲は、とても美しかった。

袖は、パフスリーブで、ウエストが、キュッとしまった、ふんわり

したドレスで、胸元は、豪華なフリルと、白いバラが

あしらわれていた。

お姫様みたいなドレスだった。

「わ~素敵!なんだか夢見たい。」

美咲が喜ぶと、手を引いて近くの教会へ急いだ。

教会に着くと、

「星明が、花婿を用意しに行っているから、少し待っててね。

これで、花婿が星明なら笑うわね。」

お政さんは、笑った。

しばらくすると、協会の扉が開いて、花婿が入って来た。

「お待たせ!」

星明が言った。

美咲は、花婿を見て驚いた。

「誠さん・・・。」

「大丈夫、俺、誠さんに、術をかけたから、彼は、夢だと

思っているよ。」

星明は、言った。

「星明さん、ありがとう。」

美咲は、言った。

「美咲ちゃん、綺麗だよ。」

誠が言うと、美咲は嬉しそうにほほ笑んだ。


二人の結婚式が始まった。

「新郎誠、あなたはここにいる美咲を、

病める時も、健やかなる時も、

富める時も、貧しき時も、

妻として愛し、敬い、

慈しむ事を誓いますか?」

「誓います。」

誠は答えた。

「新婦美咲、あなたはここにいる誠を

病める時も、健やかなる時も、

富める時も、貧しき時も、

夫として愛し、敬い、

慈しむ事を誓いますか?」

「誓います。」

美咲は、答えた。

二人は、指輪の交換をし、誓いのキスをした。

そして、美咲は、花嫁ブーケを投げた。

「キャー」

と女の子は、とろうと頑張ったが、

クロちゃんが、受け取った。

「あら、困っちゃったわ。」

そう言って、クロちゃんは、ブーケをママに渡した。

女の子達は、ガッカリした。


「ねえ、星明、アンタがお婿さんじゃなくて、

良かったの?」

お政が聞くと、

「いいんだよ、誠さんは、美咲コケシが、美咲ちゃん

だって知ってたんだ。

誰か美咲ちゃんを気の毒に思って、教えたらしいんだ。

『僕が知ったってわかったら、美咲ちゃん気にするだろう?

知らないフリすれば、また会いに来れる。

成仏するまで、見守れれば、それでいいよ。』

って言ってた。

・・・かなわないなって思ったし、

美咲ちゃんの願いをかなえてやりたかったんだよ。」

切なそうに星明は、言った。

「アンタ、いい人だね。

いい人過ぎて、幸せ掴み損ねるタイプだね。」

お政は、言った。

「そうだと、思う。」

星明は、言った。


式が終わって、美咲は、ワンピースに着替えた。

小さな千鳥格子のワンピース、丸襟で長袖で、

綺麗なプリンセスラインのワンピースだ。

「美咲さん綺麗だったわ。」

クロちゃんが、言うと

「ありがとう、じゃ、私達、満月の間にその辺りを

散策するわ、ハネムーンの代わりに。」

そう言って、美咲コケシと、誠は二人で歩き出した。

月の光の中、二人は楽し気に消えていった。

それをクロちゃん達は、見送った。


次の日、学校から帰ってクロちゃん、みっちゃんは、

万福商店街の佐藤古本屋に行った。

美咲は、美咲コケシに戻っていた。

「今日は、美咲さん!」

「今日は、昨日はありがとう。」

美咲コケシは、言った。

「あれから、どうしたの?」

「二人で、この辺りを散策して、誠さんを家まで

送っていったわ。」

美咲コケシは、指輪を撫でた。

「その指輪どうしたの?」

「私にあげようと、買ってたらしいの。」

「そうか、よかったね。」

「いい冥途の土産になったわ。

星明さんには、本当に感謝ね。」

美咲は、言った。

「気にしなくて、いいよ。

美咲ちゃんは、よく働てくれて、爺さんの面倒もよく

見てくれた。」

「でも、それは、バイトだから。」

「料金以上に良くしてくれた、俺からのボーナスだよ。」

星明は、笑った。

「・・・星明さん、ありがとう。

妖怪の中じゃ一番好きよ。」

美咲は、言った。

星明が、嬉しそうにしてると、

「じゃ、男の中じゃ何番目?」

みっちゃんが聞いた。

「え、誠さんの次かしら。」

「・・・十分だよ。」

星明は、言った。

「じゃ、今度は、星明と結婚式やってよ!

着物調達するよ!」

みっちゃんが、いたずらっぽく笑った。

「私、コケシだけど、それでいいなら、いいわよ。

今度は、和装の花嫁さんね。」

美咲コケシは、笑った。

「え!いいの!俺が好きなのは、コケシの美咲ちゃん

だから嬉しいな。」

星明は、言った。

二人見つめあって、ふふっと笑った。

・・・いい感じなのにな。

クロちゃんは、思った。


クロちゃん神社のお社のクロちゃんの部屋で、

クロちゃんは、みっちゃんと、亀屋の栗どら焼きを

食べていた。

「美咲さんは、お婿さんが星明でもいいのね。」

クロちゃんが言うと、

「よくしてくれたサービスと、まんざらでもないんだと

思うよ。

どのみち成仏するから、和服の花嫁になってもいい

くらいなもんだよ。」

みっちゃんは、言った。

「楽しい思い出か、でも成仏したら、記憶なくなるんでしょう?」

「うん、全ては、ひと時の夢だよ。

儚いね。」

みっちゃんは、言った。

あの綺麗な花嫁の美咲を誠は、夢だと思っているのだろう。

・・・十五夜の夢、儚い美しい夢だと。

クロちゃんは、少し切なくなった。

クロちゃんは、ふと部屋のマジックミラーを見た。

誠がやってきて、お参りしている。

「誠さん、・・・あれ、チョコ兄ちゃん。」

チョコが近づいて、携帯を誠に見せていた。

誠と話をした後、誠は、ポケットから財布を出し

2万円をチョコに渡していた。

「みっちゃん、見た?」

「見た!行こう。」


「まいどあり。」

とチョコは、2万円誠から受け取った。

「チョコ兄ちゃん!

何で誠さんからお金受け取ったの?」

クロちゃんが、叫ぶと。

「写真買ってくれました。」

見ると、この間の二人の結婚式の写真だ。

「チョコ兄ちゃん、いつの間に。」

「きっと、誠さんが買うと思って、ですね。」

チョコは、しれっと言った。

「いくらで売ったの!」

「一枚千円です。あいつは、全部買う!即答でした。」

「ぼったくりじゃないの!

ダメ!お金返すわ!写真を消して。」

クロちゃんが言うと、

「クロちゃん、絶対、美咲ちゃんには、バレないように

するから。」

誠は、言った。

「何、固い事を言ってますか、これぞウィンウィンです!」

「ダメ!お金返すから、写真消して、ね、誠さん。

・・・あれ?いない?」

誠は、足早に去っていた。

「チョコ、それで、何かおごってよ。」

みっちゃんが言った。

「何食べますか?ま、万福商店街じゃ、クロちゃん大明神を

連れてれば、どこでもタダですが。」

みっちゃんは、考えて、

「じゃ、新しいゲームソフト買って、皆で遊ぼう。」

「何がいいですか?」

「ファイナルファンタジー7リメイクとかどう?」

「決まりですね。」

クロちゃんを無視して、二人は、ゲーム屋さんへ

歩き出した。

「クロちゃん!おいてくよ!」

みっちゃんが叫んだ。

・・・いいのかしら?

何か、腑に落ちないクロちゃんだった。

それでも、もうすぐ別れが来る恋人達を

思うと、切なくなるのだった。














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