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驟雨/
驟雨/
姦しき夥しさから離れ
黙り込む驟雨の後で
路地は薄闇に暮れ
蜘蛛の巣があった
立派だと呆れた
中央に鎮座する無知な蜘蛛のように
わたしは待ち受けていた
雷鳴は轟かず
潮騒は遂に尽きた
叶わぬ涼しさに
量り売りの旅情が
幼さなさは透明性だと
霞む瞳の日本画が言う
後れ毛の憂いを果たせぬままに
雨が降っている
雨が降っている
雨が雨を連れてくる
やがて尽きる雨の言葉に濡れて
あなたは静かであれ
fff
雨が止まない。水音が絶えない。未だ叶わぬように。