7/13
海/ 錦秋/
海/
秋の海へ行きたい
誰もいない
波打ち際の
海星は少し寒そうで
巻貝は白く空っぽで
晴れた空には
少し雲があって
呼ばれもしないのに
振り返りたくなって
あの海の彼方は 何処まで行っても
水ばかりで
キラキラと
ギラギラと
怖いような
広がりと深さと
いのちの気配がする
錦秋/
白よ
なぜそんなに
赤よ
そしてわたしはそこへ
まったく自業自得の空虚に
青空は満たされ
届くはずのない彼方への
光が繰り返し放たれ
無作為のまま朽ちる陋屋に
鳥が一羽
どのようにすべきか
錦秋は途方に暮れる
まだ熱はある
この平地に
ゆらゆらと残っている