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夜の声/ 秋の光/
夜の声/
夜の声がする
これ程の静けさで
消えていく熱の
黄金比の揺れ
どこへも向かえぬ
揺らぎとしての
遠く近く
どこにもいない
今、ここであること
歪な視界の円形として
ひろがりをやめない
非連続のわたしたちは
シンメトリックと
アンシンメトリックの
生まれた場所
秋の光/
秋の光が来た
待ち望んでいたような
そうでないような
空は青でなく白でなく
明るい悲しさで
風はからりと透き通る寂しさで
色づく木々の香りが漂っている
少しきな臭いような埃っぽいような懐かしさで
子どもたちの瞳のような煌きが辺りに満ちている
何時までも輝いている幻の光だ