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秋の周辺  作者: につき()
3/13

アライグマ/

アライグマ/


この頃

鉢水がすっかり

明るさに温んで

ホテイアオイは葉を伸ばし


夜になれば

カタカタと音がして

アライグマの夫婦が

訪れる


彼らは追い払っても

追い払っても

戻ってくる


その眼は緊張しているが

逃げ足にはからかいがあるのだ


わたしは忙しいのだと告げると

彼らは退屈しのぎに

うそだらけの歌を歌った


 あらあらあらあら

 あらいぐま

 なんでもたべます

 よくかんで

 がぶがぶがぶがぶ

 がぶりぐま


子どもがそれを覚えてしまって

わたしも気に入ってしまって

二番、三番まで


 あらあらあらあら

 あらいぐま

 おててもきれいに

 なりました

 じゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ

 あらいぐま


 あらあらあらあら

 あらいぐま

 みんななかよく

 ごあいさつ

 ばいばいばいばい

 またあした


市役所まで行って

捕まえるための檻まで借りて

ジャーキーを奮発して

猫がかかったらどうしようと

心配までしたのに


檻は伸び放題の庭草に埋もれ

雨ざらしのジャーキーには

だれも見向きもせず

猫のために玄関先に置くエサを

よってたかって食べている


だからというわけではないが

わたしの買う猫のエサは

特大八キロ入りの「まんぷく」だ

※但し、アライグマは害獣です。本気で追い払いと思っているのですけどね。

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