13/13
白月/
白月/
ふとやかな白は
夥しき色線を従え
焼き尽くす赤の陰に
濡れる緑を許す
月
最も身近な夜に
何物にも侵されざるもの
たおやかな白い腕に
光輝く青
岩石の丘より見る
あれはわたしたちの星
瞬くように火が燃える
虚空は静かに
言葉を浮かべる
全く感傷的でなく
唯美しく
誰ひとりとして
沈黙などしない宇宙で
放たれる言葉は光
或いは形なき波として
無人の砂漠の砂として
産み落とされる雲母の一粒
大きな波のうねり
山脈の稜線を象り
いのちを超えていくものがある
巌の頑なさとして
保たれる形として
全ては
美しさを指向する
わたしは人を信じない。その雑駁な感性を。そして逞しき日常への足掛かりを。共有できない思いこそが原点となる。持ちきれない上澄みだけを求めている人よ。浅瀬の陰が見る者を映すとき、水底からも見られている。生き物は深みにもまた生きているのだから。




