魔法キター
「にげぇろおおおお!」
「ひょえーーー!!」
チャージーボアの群れから必死に二人は逃げていた。
追いかけているのはチャージボア約20匹それはさながら濁流のように二人にせまっていた正直あれに衝突したら死ねる。
「と!と、りあえずさあ!む、向こうの岩にかくれよう!」走りながら叫んでるから舌かみそうだ
「よ、よし!そうしよう」
直径約10メートルぐらいの岩に隠れる、チャージボアも猪突猛進といっても岩にぶつかるほど馬鹿じゃない為岩を避けて突き進む。
その岩を中心にチャージボアから隠れるようにそーと周りこみ奴らの後ろにでた。、
やつらはあれ?って感じできょろきょろしてる。
「どうする?このまま逃げようか?」
「ん~後ろからざぐっと倒してまたこの岩に隠れる。もう一度後ろからざくっといってを繰り替えしたらどうだ?」
「そんな簡単にいくかな?」
「んん~二人で2匹を10回か、まあなんとかなるだろ。」
「あ、ああ」
本当に大丈夫かよ。
そぉ~と近づく、俺は風、大地だ。自然と一体化しろ。自然を味方につけるんだ。
おおこえぇー ゆっくり近づき。おそらくもう俺たちのことは、あきらめたか忘れたのだろう、所詮は獣だ。そのへんの草をもしゃもしゃしている。
ゆっくり剣を持ち上げる。くそ手がプルプルしてやがる。そして剣を振り下ろす。
ビギャー、ギャー
くそ!一撃で仕留めそこなった。
声に反応した周辺のボアが集まって追いかけてくる。
ガイナスはうまく仕留めたみたいだが、追いかけてくるボアを見て冷や汗をたらしながら岩のほうへ並走する。
「ばか!もっとうまくやれよ」
「いや無理だよ、ガイナスと俺じゃレベル差あるし。」
後ろから地鳴りがする。さっきと同じ用に岩をぐるっと周り奴らの後ろに出ようとした、
が、正面にはこちらを見てブルルーと声を上げるボアの姿があった。
「やべあいつら部隊を半分に分けてたんだ。」
「ええ!?そんな賢いの?」
前からボアが迫る。何とかステップでかわすが横の岩にビタン!と張り付くようにぶつかってしまった。
周りをいっきにボアたちが取り囲む、やばい、これはやばい。ガイナスの姿を探したが姿がない。
え?どこ?轢かれた?
「ガイナス!?」
「ここだ掴まれ」岩に登っていたガイナスに手を引かれて岩を登った。
岩の周辺をボアが取り囲んでいる。チャージボアは足が短いためこの岩場に上れないが俺たちも降りられない。
「まいったなぁ」
まいったじゃねぇよ。だから俺は逃げようっていったじゃんか。
「どうしようか?」
それから2時間俺たちはまだボアと向き合ってた。
おなかすいた。
ボアは入れ替わりで周辺の草をむしゃむしゃしているようだ。
くそ兵糧攻めか。敵もなかなか策士だ。
その間ガイナスは寝てた、気楽なもんだな 俺も横になってた。
スマホの押してない機能を実験しようと思い、
剣のマークを押してみた、
−−−−−−−−−−−−−−−−
装備
右手
左手
体 革の鎧カスタム
腕 鉄の篭手
足 布の服
未使用装備
ブロードソード 短剣
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ブロードソードはすぐ横においてる。手から離すと未使用装備になるのか。
ブロードソードを押してみる【装備】【しまう】【音声ショートカット】
2つはなんとなくわかるが音声ショートカットってなんだ?
とりあえず押してみる画面に
【呼び出しポイントに該当装備をおいてください】
【宜しければYESを押してください】
【YES】
?とりあえず押して見る、 、 、 、なんも変わらん
画面はさっきの装備メニューに戻ってる。もう一度ブロードソードを押して音声ショートカットをなんとなく長押ししてみた俺の使ってたスマホだとヘルプとかプロパティとか出る項目もあったからだ。
【説明】の項目が出てきた。他の項目も長押しで説明とか出そうだな。
【音声ショートカットについて説明いてします。
この機能はMOBile Utility.v1.2以降使用可能な項目で
音声入力による装備の装着、出現の設定を行います。
なお、設定可能数は5個までとなっており最新の設定から6個前の設定については設定が解除されます。】
結局よく分からん。とりあえず立ち上がって「ブロードソード」
って言ってみた。 ?足もとにあるはずのブロードソードがない?
ってうわ!ブロードソードが体の横に浮いてる。俺が動くとついてくる
うん。良い子だ。5秒ぐらい立つとブロードソードが空中から落ちた。
うわぁ!足に刺さる!
足に刺さりはしなかったが転がって岩の下に落ちていった。
しかも落ちた剣はボアの体に刺さり、ボアはピギョー!とか言いながら向こうに
走り去っていった、、、オラの剣返すだ!
「ブロードソード」剣が戻ってくる。こりゃ便利だ
よしこれでブロードソードを投げる→呼び出すのループでボアを追い払える。
「何やってんだ?」ガイナスが目覚めたようだ。
くそこれじゃ武器投げループが使えないっ。
それからしばらくたった頃遠くに人影が見えたので助けを呼ぶため叫んだ。
「うおおい!たすけてくれー!」
人影はこちらに気付いたのか近づいてくる、どおやら3人だ。
「こんなところで偶然だねえ!」
ガルスさんだった。距離にして100メートルおそらくそれ以上近づくとボアは向こうに反応する。
「見ての通りの状況になってしまいました!助けを呼んでもらえないでしょうか?」
「君はいつもピンチだねぇ、今助けるよ!」
よこでシルファスがやれやれって顔してる気がする、よく見えんが。
ガルスさんがすごい速度で走ってくる。
その横をシルファスの矢が援護するように飛んできてボアの眉間にドツという音をたてて突き刺さりズタン!と倒れる。 え!一撃?矢で?
ガルスさんに突進していたチャージボアがガルスさんの目の前で二つに割れる。
左右の前方から交差するようにチャージボアがガルスさんめがけて突っ込んでいった。あたる寸前ガルスさんの姿がゆがんだと思ったら一歩前に出た位置で剣を横に一回転させ2匹を同時に屠る。
その一瞬で他のボアは勝てないと悟ったのか散り散りに逃げていった.
「わわ、おっきいですね」1匹がエリシスさんに向かっている。大丈夫か!?
エリシスさん!エリシスさーん!
「えい!ファイヤーボルト!」赤い炎の弾がバチバチ音を立てながらチャージボアにぶつかり一瞬でボアは焼き猪になった。
「あ!ファイヤーボールとサンダーボルトまじっちゃいました。」
うお!魔法!キター!
黄昏よりも暗き・ ・ ・ ・ ・的な詠唱いらないんだね。
中二な拙者的には残念だが、実用的に考えたら必要ないほうがいいんだよな。
「すみません、たびたび助けていただいて。」
「いやこういうのは助け合いが大事だよ。それにしても、あんなむれに二人で戦ったらあぶないよ」
「そうですよね、ご迷惑おかけしました。」
「今後は気をつけないとね。」
「ほんとすみません。」
ガルスさんはがはははっと笑っているが内心はやれやれと思ってるんだろな。
オルステラへの帰り道エリシスさんに魔法を教えて欲しかったのできいてみた?
「エリシスさん、魔法はどうやったら使えるようになるんですか?」
「そうね。たとえばファイヤーボールだと魔力をグンってやって赤い魔法でバーンってやるんだけど」
あかん。この人、天才肌の人や。そして説明が下手すぎる
「かあさんに魔法を教わるのは無理だ。」
めずらしぃなシルファスが声をかけてくるとは。
「昔ぼくも教わろうとしたけど意味がわからなかった、いや意味など無く。体感でしゃべってるんだ。」
「シルちゃんひどいなぁ、でも回復魔法は覚えたじゃない。ほら痛いの痛いの飛んでけ~のやつ」
「あれは魔法体系としては無茶苦茶なんだけど」
「魔法体系?」
「ああ魔法は国や地域、民族によってやり方が違うんだ。ていうか、なんでそんなことも知らないんだ?旅商人の息子ならそれぐらい知ってるだろ?」
ああそんな設定だったな
「いや俺、親父にいろんなこと丸投げで人と話す機会がなくてさ」
「それにしたって、 、 、 、まぁいい、魔法の話だが、イメージをどれだけできるかが大事だ」
「イメージか、 、 、」
「魔力はそのイメージを読み取り具現化する。イメージを構築するのが難しければ、詠唱を行うことによっても言霊が魔力に伝わり発動することができる。」
「詠唱!?」
「ああ、ファイヤーボールなら【灼熱より出でし、紅蓮の火球、その身をもってわが敵を燃やし尽くさん】ファイヤーボール!」
シルファスの右手にさっきエリシスさんが使った火の弾より小さい物が出現する。バチバチいってない。ああ、あれは電撃まじっちゃいましたって言ってたっけ。
そのボールをシルファスが目線を上あげカッと見開くと目線のほうへ飛んでいった。
詠唱カッコイイ!俺の!俺の中二魂も燃え上がるぜ!
「こんな感じだ。イメージができるなら詠唱は必要ない、他にも魔方陣を描いたり。魔晶石を使ったり方法は色々ある」
「ああ前、誰かも言ってたが魔晶石って?」
「魔力を吸収、発動できる鉱石だ、だから何でしらないんだ。船だって魔晶石でうごいてるだろ!」
「ああすまん。」ちょっとこの設定がめんどくさくなってきたな。しかたないか。
「ちなみに純粋な自然のなかの魔力溜まりがすごい年月を掛けてできる魔石というのもあるがそれとは別物だ」
魔石かそんなのも有るんだな。異世界すごい
「シルちゃん教えるの上手だね。魔導協会にも行けるんじゃない?」
「魔導協会?」
「魔導協会のことは俺も良く知らない。かあさんは?」
「魔導協会は魔法の情報がいろいろ集まるところよ。新しい魔法を作ったら発動方法を買い取ってもらうこともできるわ」
「ただ魔法協会はその国の機関だ、魔法は軍事力に直結するからな。魔力協会に魔法を安易に売ると他国から恨まれることもある注意した方がいい」ガイナスがきゅうに入ってきた。
「ていうか翔は戦士だろ?魔法なんて使えてもすぐ魔力切れになるぞ」
「魔力切れになるとどうなるの?」
「そりゃ魔法が発動しなくなるよ」
「気絶するとかではないんだね」
「気絶?そんなことにはならんだろ。でも戦闘中の大事な場面で魔法が発動しないなんてことになったら危ないだろ?」
そうかそりゃ危ないな、おれだったらパニくるわ。
それにこの世界の人はMPを数字化して認識できないからあらかじめ何発なら放てるとか感覚でしかわからないよな。休んでもいくら回復したかわからないし
しかしおれにはスマホがある。ある程度計算しながら戦える。
「でも魔法が使えたら遠距離攻撃もできるじゃん。遠距離なら発動しなくてもなんとかなるしさっきのボアも岩の上から攻撃できるじゃん。」
「なるほど確かにそうだ、俺も魔法覚えようかな」
「とりあえずファイヤーボール使ってみていい?」
「やってみろよ。まず魔力を丸く集めることを意識しながら詠唱を唱えたら使えると思うぜ」
「わかった【暗黒より出し紅蓮の炎、その身をもって我が身を燃やせ】」
「あっちょ「ファイヤーボール」」
ビー玉ぐらいの赤黒いなんかが出てきた、紅蓮じゃない、まっくろ○ろすけ?
その玉が自分めがけて飛んでくる
!痛!肌が黒くなってる!焦げとる!いやそれだけじゃなく黒くなってる
「馬鹿!詠唱間違ってるし!しかも複合魔法とか馬鹿なのか器用なのかわからんわ」
「大丈夫?回復魔法かけるね」心配してくれるエリシスさん。やさしいなぁ
「痛いの痛いの飛んでけ〜!」
当たった箇所が光、痛みがなくなる。あぁ気持ちええわぁ癖になりそう。
こんなことされたら、こんなことされたら、惚れてまうやろー!
「お前馬鹿か?我が身を燃やしてどうする」
「テヘッ」
「キモいわ!」
この先エリシスさんと翔がくっつくというストーリー展開はありません