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異世界バトルロイヤル  作者: コジロウ
戦いは突然に。
5/19

所詮はMOBU

傷の兄貴の名前はガイナス。

ギルド職員ではない。

ビギナーがモンスターの力を甘く見て、無闇に突っ込んで死ぬことが多々ある為、弱そうなビギナーに声をかけしばらく面倒を見ることでギルドから報酬を得る仕事をしているらしい。最近はビギナーが少ないから自分もクエストを行うが戦闘センスがないことは自分でもわかっているから、初級クエストしか受けないとのこと。

まぁ早い話がチュートリアルクエストをしてやんよってこと。

こんな怖い顔して弱いのか、ああ世紀末のあのマンガでも厳つい兄ちゃんはだいたい雑魚だったな。


「じゃあとりあえず飯でもいくか」


「ん、僕?」


「お前意外誰がいんだよ」


いやこの部屋他にも2人いるから。


「つべこべ言ってないで行くぞ」


俺は連れ出された、宿の近くの食堂に行く名前はどんぐり亭。どんぶり物メインだ


「なんでも頼め、今日は俺がおごるから。」


「えっいいんですか?稼ぎも少ないのに。」


「うっさい!」

意外と冗談通じるみたいだ。あははと笑いながら、オススメ日替わり丼のオーク丼を頼んだ


目の前に厚切りに乗った肉に特製のたれとキャベツらしきものが乗った丼が出される、

肉は噛み応えがありかめば噛むほど肉汁が出てきて実にうまい。

周りの客もガイナスの知り合いなのか、お疲れさまです。と声をかけてくる。


「あいつらも昔おれが手ほどきしてやったんだが、、、今はあいつらのほうが強いんだよな」

少しさびしそうにつぶやいてる。自分の限界がわかり、ギルドの上位ランクになることを諦めたらしい。なんか分かる気がする。人生は中々思うように進まないもんな。


しばらく話をしていて顔は怖いけどいい人なんだろうなと思った。

飯代は二人で銅貨5枚 約500円か安いな 


宿に帰りベットに寝転んでこれからのことを考えてみた。

ちなみに二段ベッドの上側だ下はガイナスだった。


この戦いは7人の英雄が死ぬまで終わらない。

3年後この戦いが終わらなければ死ぬ。

じゃあ俺が殺すか。

7人の英雄のだれかの下に付いて6人を殺すか。

いやいつ自分を狙うか分からないモブを下につける馬鹿はいないか

正直、人を殺すとか自分にできそうにないな。


それより明日のことを考えよう。まず俺は強くならなければいけない。

きっとこの世界は強くないと生きて行けない。

そう思いながらスマホを取り出す。メール通りなら今日2人死んだ

しかし実感がわかない

死んだ二人と何度か会話を交わしたがあいつらは

俺がいじめられても見てみぬふりをしていた。だから悲しいとは思わない。

だけどこの世界は元の世界と違い簡単に人が死ぬ。

だからこのメールを見て悲壮感や焦りが漂ってくる。明日は自分かもしれない。

強くならないと死ぬ。


明日からできることをがんばろう。


いつも寝る時間にはまだ時間がある

翔はスマホの袋のアイコンを押してみた、

ストレージ1/100   

薬草×10

と表示されている薬草を押してみると 【出す】、【捨てる】、【説明】 が表示される

ゲームくさいなあ実はこれ大規模なドッキリとかないよね

【出す】を押してみると目の前の草がポワッとでてきた

「うわっなんかでた!」

「うっさい!ゴキブリぐらいてめえでしまつして食え!」ガイナスが下で怒ってる

よっぽどあんたのほうがうるさいのに。


まあいいやこれはアイテムボックスかでもどうやって戻すんだ?

画面にはそれらしい文字はない。いろいろと試して画面に薬草が触れたときに

ポワッと消えていった。なるほど。ちなみに短剣をおいてみた短剣が消え

ストレージ2/100

薬草×10 短剣

になってたああ100個入るのか便利だわぁ


スマホのアプリに画面翻訳というアプリがあったので押してみた

カメラ機能なのか画面の後ろの天井が移った。少し暗いな。

翻訳ってことはこれでカメラをとれば日本語に変換されるのかな

ギルドでもらった案内書を移してみた。すると画面に映った文字がすべて

日本語に変換される。ARってやつか神すげえな。


英語のテストは散々だけどこの世界で生きるなら言葉も覚えないとな。

その日はとりあえず案内書をみて寝た




朝か。 夢じゃなかったんだな。

2段ベットの上なので天井が近い。はぁ親は心配してるかな。

まだ寝てるガイナスを起こさないようにベットをおり顔を洗って

近くのコンビニを探したがなかった。あたりまえか。

とりあえずおしゃれなカフェらしき店でサンドイッチが銅貨5枚した。

昨日の飯屋と同じか。高いな


とりあえず働かなきゃな。強くなりつつ生活費を稼ぐ。

やはりギルドか、、、いやだなぁ



ギルドに入りカランと音がして職員の親父が

「ようやく来たか」といい横にいたガイナスが

「逃げたかと思ったぜ」

と俺をこづき、職員の親父を指していう。

「この人がギルドマスターのゴッツ親父だ」

「親父は余計だ。お前見たいな息子はいらん。」

仲は良さそうだな。

「で、登録するんだろ?」

「そうですね、それ以外にお金の稼ぎかたが分からないし」

「まぁでかい図体してんだ、戦いには向いてんじゃねぇの」

「そうだな、とりあえず実力が分からんからな。おいエイブラムス」

親父が呼ぶと奥から顔までベールに包まれた怪しい人がでてきた、

「こいつのステータスを見てくれ」

「御意」

エイブラムスがこっちに近づき顔をわしづかみにする。

「なっなにお!」

「静かに」


エイブラムスに御され1分ぐらいおとなしくしていたら手を離して

しゅるしゅると紙に字を書いていく、なんて書いてんだ、読めん

その紙を親父に渡しエイブラムスは奥に戻っていった。


「ぷっ!LV1か!最近は子供でもLV5はあるってのに」

!? なんで知ってんだよ。さっきのか、さっきのでのぞいたってのか。エッチ!


「マジか、こりゃ大変だな。ああちなみにさっきのは観察眼をもつエイブラムスだ」

ガイナスが説明してくれる。

「おまえどこぞの坊ちゃんかなんかか?図体でかいから楽だと思ったのにな」

そんな、見捨てないで~あんた~

「まあとりあえずランクEを上がるまで面倒はみてやるよ」


ランクEとは

ランクはS,A、B、C、Dまであり

ランクEとは公式なランクではなくギルドがとりあえず誰にでも渡す仮免許のようなものだ

ちなみにSランクは大陸で数人 Aランクは国に数人、Bランクは町に数人しかいない。

C,Dは下級ランクで、下級クエストしか受けられない。CからBになるには町のギルドの承認が BからAには国のギルドの承認が、ランクSにはギルドの総本山の承認が必要になる

B以上はそのランクのクエストしかうけられない、って案内書に書いてたな


つまり俺はまだペーペーの新米ですらないってことか


「そんな馬鹿にしてるけどガイナスはいくつなんだよ」

「おれか?おれは戦士のLV21だそれでもこの町の下のほうだゴッツ親父がLV41だな」

「まぁガイナスがいればこのクエストぐらいならいけるだろ。ほれ」

紙を渡される。読めん。

「お前文字読めないのか?」

はぁ~とため息をつくガイナスをほっといて

「なんてかいてるんですか?」

「ゴブリン討伐指令だ」ガイナスがよこでこたえる。

ゴブリンて昨日の凶悪な小人ですか?

いきなり殺しですか。いやだわー

「この辺にはそれより弱いモンスターはうーぱーラビしかいないからな」

「うーぱーラビ?」

「ああでもあれはほぼ愛玩動物だからな。殺すなよ。」


「しゃーねぇ、とりあえずいくか」ガイナスが俺を引っ張る後ろ向きで引きづられる俺をみながらギルド内の人たちは苦笑いをしていた。






町の外ガイナスと歩く

「お前武器ってその短剣だけなの?」

「うん。お金ないからね」

「まあLV1ならロングソードも重いよなぁ」といって自分の剣を差し出す

手を離した瞬間ズシッとした重みが手に伝わる。重!

「こんなん扱えんの!?ガイナスすごいな」 

そういえばガルスはもうひとつデカイ剣だったな。

「昨日ガルスって人に助けてもらってさぁ」

「えっ!おまえガルスさん知ってんの?ランクA目前ていうぐらいのBの人だぜ

昨日もオークリーダー刈ってたらしいし。」

「オークリーダー?」

「オークの中でもひときわでかい豚野郎だよ」

あれか。俺が死に掛けたときの豚ムキムキか一刺しだったもんなガルスさん強いんだ。



「この辺にたしか、、、あっいた」ガイナスがゴブリンを見つける

ゴブリンは身長100cm体重20キロという子供程度の大きさだ

「じゃあお前いってこいよ」

「えっ二人でやるんじゃないの?」

「それじゃお前が成長できないだろ。」

「そうだけど」

しぶしぶ俺はゴブリンに向かっていった。


ゴブリンは凶悪な目がこちらを向き、奴もこっちを敵と認識したみたいだ。

なんかギャイギャイ耳障りな声を出してる。

俺はそのまままっすぐ進み短剣を上に掲げ走りながら振り下ろした。

ゴブリンを切り刻む俺のイメージをよそに固い皮膚は俺の一太刀を受けても

小さい切り傷を作る程度で致命傷にはほど遠い、

「うそぉ!やばい、まずい」

一撃でしとめれると思っていた翔は次の行動を考えていなかったため

ゴブリンの攻撃である爪に肩を引き裂かれた。

「いってぇえ!」

「馬鹿!お前剣使ったことねぇのかよ短剣で一撃でしとめるなら体を乗せて突け」ガイナスが叫んでる

「助け、助けてくれ!」

ガイナスが近くに走ってきてるのは分かるがゴブリンの追撃のほうが早い。おそらく頭に噛み付くためにジャンプしてきていた、自分の生存本能かたまたまか俺は剣を腰に構えとびこんでくるゴブリンに思いっきり突き刺した。 ゴブリンは突き刺されたまま俺の肩をガジガジ齧ってる

剣ごとゴブリンの体を突き飛ばし、痛みに意識が途切れそうになるのを我慢する、


やがてゴブリンのギィギィ喚く声が小さくなり目の光を失っていく。

そしてゴブリンは死んだ。


なんだろうか肩の痛みよりも、虫より大きな生き物を殺したことがない俺にとって

ゴブリンの息絶える瞬間はすごく精神的にまいる。



俺はこんな世界で生きていけるのか?自然と目には涙がたまっていた。



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