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異世界バトルロイヤル  作者: コジロウ
暴虐の国
16/19

命名

子供を育てるのは、大変だ。


少し目を離すとあっちへちょろちょろこっちをぺろぺろ。

食べ物を見ればすぐかぶりつくし、

夜はすぐ夜泣きする。


ん、犬の話だがな。


------------



さっき目覚めた真っ白な仔犬は俺の手をぺろぺろすると寝床から出てきて

すぐ横に横たわる親狼の近くに擦り寄っていった。


母親だったのかもしれない。おっぱいのあたりをクンクンして

あおーん あおーん。って鳴きだした。


、 、 、ごめんな、お母さん殺したのはおれだ。


、 、 でもおれが一人前になるまで育ててやるからな。



ひとしきり鳴いたあと諦めたのか、寝床にトコトコあるいていった。


いつまでも仔犬と呼ぶのも不便だな。

名前をつけよう。

でも俺は3年後この世界にはいない。

帰ってるか死んでるかだ。むやみに名前を付けて情がわいてもな。

いや違ったな。3年後というより今日死んでもおかしくない。こいつが一匹で生きてけるようになるまでだけだ。後のことをかんがえても仕方がないな。



じゃあお前の名前は。、 、 、シロだ。


、 、 、 、今おれことを単純なやつだとか思ったやつ


起立!、、よし。いないな。


いやそもそも俺にネーミングセンスとかないから。

他は厨ニ感満載なフェンリルとかケルベロスとかアヌビスとか

後で考えると恥ずかしい名前ぐらいしか思い浮かばん。

よってシロだ。いいだろシロ。2文字で呼びやすいし。


シロは豆柴みたいな見た目の犬だ。いや仔狼か、でも見た目は真っ白な仔犬だ、コロコロしてる

両親は本でしか見たことのないけど日本オオカミって感じの見た目だったのに成長するとシュッとするのだろうか?


抱き上げる、2,3キロぐらいか。耳をぺろぺろしてきてくすぐったい。

「ヌ、おぉほ」

気持ち悪い声が漏れてしまった。

他の人に聞かれていなことを祈りたい、いやここ森の奥深くだし、いるわけないか



シロにご飯が必要だと思い。熊肉を焼いてあげるとハフハフしながら食べてた。よかった歯も生えてるし俺と同じ食べ物で大丈夫そうだな。

ご飯を食べたシロはウトウトとしてぽてんと横になり寝てしまった。

やっぱりまだ子供だな。


シロが眠りについたあとシロの両親の亡骸を地面に埋めて上げた。

いままでモンスターを何匹も屠ってるしこれからも殺すだろう。

弔って上げたからといって俺の業が無くなるわけではない。これは完全に俺の自己満足だ。

それでも泣いてるシロを思うと弔わずにはいられなかった。

シロの両親の埋まっている土の上に大きい石を置く。だれも墓だとは思わないだろう。

いつか俺もこの世界で人知れずいなくなってしまうのだろうか。


洞窟の中に入ると奥でクーンクーンと鳴いている。

やっぱり親がいなくなって寂しいのかもしれないな。

俺は、シロを抱きしめながら眠りについた。


翌日朝のまどろみのなか覚醒していない俺の顔ににゅるっとした生暖かい物が何度も当たる

目を覚ますとシロが俺の顔を舐めてた。

そんなに美味しいのかおれ。確かに良い出汁でてるからな。

どうやらお腹がすいたみたいだ。

熊肉を焼いてやり朝ごはんにする。


ああシロをどうしようか。犬用の首輪やリードがないしな。

歩きではこいつはついてこないし。


座禅を組んで考えてみる。

ポク、ポク、ポク、 ポク、 チーン。

よし!リュックの中の物をストレージにしまいリュックの中にシロを入れる。

ファスナーを調節して顔だけ出るようにした。


あまり強いモンスターが出るとまずいな。シロはまだ小さいから高速で移動すると負担になるだろう。出来るだけモンスターに遭遇しないようにいこう。

迷わないように海沿いを、とかいってたけどよく考えたら俺にはスマホのマップ機能がある。

こまめに確認すれば目的の方向に進めるはずだ。


周辺を警戒しながら、森の中を進んでいった。


途中大きい蜘蛛のようなモンスターを見つけたが食料にもなりそうにないし。

見つからないように進んだ。途中の犬サイズのウサギは申し訳ないが食料になってもらう。素早い動きはシロの負担にはなるかと思ったが。後ろを見ると鼻を舐められてしまった。どこまでも人を舐め腐りおって。


、 、 、かわいいから許す!


そして夜になり夜営を行った。元の世界でタープと呼ばれる横に布はなく密閉性のない屋根だけものだ。見通しがいいほうがいいだろうと思い買ったが雨は防げるが風や虫に対しては無防備だ。しかたがない。

寝ているときモンスターがくる心配もあったが、歩き通しで疲れていたこともあり寝てしまった。




耳元で甲高い声が聞こえる。

「キャン!キャン!ウ〜!」

ん〜あと10分。

ん!いってぇ!鼻噛みやがった!こ、このバカ犬!

シロを見るとなんか怒ってる?警戒してんのか

ズン!ズン!ズン!

さっきまで聞こえなかったがなんかでかいのが来ている。地面が地響きのように震えている。その音と振動はだんだんと大きくなっていく。

外を見るとの約50メートルぐらい先にある木の横に頭ひとつ上に出た人の顔のようなものが見える


は?あの木5メートルぐらいあるよな。

やがて月明かりに照らされ巨人の顔が見えてきた。

目が一つ、鼻がないのか。


てかこの世界月あるんだな〜。


翔は余りに現実離れした大きさのモンスターに現実逃避することによって冷静を保った。

「いやいやそんなん考えてる場合じゃないって」

横でシロがキャンキャンいってる

こいつ元の世界のゲームでも見たことあるな。


サイクロプスか。こんなにでかいんだな。


俺の約3倍のデカさ、長身細身の翔に対して敵はボディビルダー並みのムキムキボディ。普通に考えたら戦うとか比べる意味もないぐらいの戦力差がある。5歳児が大人と殺し合いするようなものだ。


しかし この世界はレベルアップによって得られるステータス増強により、その腕でそんなん持ったら折れるだろう。とか骨と筋肉の強度以上の力がかかってるだろ。とか物理法則を無視するかの様なことができる。


それに魔法という遠距離攻撃がある。俺は何度も自分よりでかい敵と戦ってきた。故に 、 、 、殺れる。殺ってやる!


「シロ!お前は隠れてろ!」


理解できたのかどうか分からないがシロはサイクロプスと反対方向に逃げて行った。


サイクロプスはこちらに気づいたが脅威だと思っておらずちらりと見たあと、先程自分で仕留めたボアの肉を貪っている。骨ごと食ってんのかバリバリボリボリと嫌な音がここまできこえてくる。


「やろうなめやがって。」


翔は木の間を縫うように走り。サイクロプスに接敵した。アサシンのLVが15まで上っていた為ほんの数秒。今ならオリンピックの世界新記録だって出せられるだろう。

肉を食っていたサイクロプスは全く警戒してなかった為、翔はサイクロプスに知られることなく足元まできた。


遠くて見てもデカいと思ったが近くだともっとデカく感じるな。


後ろに周りこんだ翔の目の前にはサイクロプスのケツがあった。当然だが何にも履いていない。モンスターだが人型の為、翔は汚いケツを見てうげっきたねぇと思った。


さて、どうやろうか。


「ファイヤーストーム!」

サイクロプスを中心に炎の竜巻が出現する。しかし


サイクロプスはその炎の出現を感じた瞬間飛び跳ね、前転をしてファイヤーストームの効果範囲から脱出した。

確かにファイヤーストームのような範囲魔法は周りに対する影響が大きい為、魔法が発動して熱気が炎となり渦を巻き始めるまでが遅い。今までの敵はそれでも効果範囲に逃れることができなかったがサイクロプスはデカい。魔法が発動して熱を感じてからでも逃れることができるだろう。


「くそっ!ファイヤーボール!」

30を超える火の玉がサイクロプスに当たる。しかしサイクロプスは皮が分厚いのかほとんどダメージはなさそうだ。しかしやはり熱いのか何個かは手ではたき落としていた。


先程まで敵意もなかったサイクロプスだが魔法を使ってくると分かった為、翔を脅威と認識していた。翔は近くに来たから戦ったまでだが、とんだやぶ蛇だった。後は攻撃の手が剣しかない。

生活圏に出現した脅威を倒す為、サイクロプスは近くに置いていた木の棒(ほぼ一本の木だが)を手に取り翔めがけて振り下ろした。


翔は右に転がり込んで避ける。地面に当たった直径50センチほどの木の棒は大地を叩き強烈な音と振動を放った。


マジかよ、あんなん当たったら死ぬよ!

今まで何度も死に直面していた翔だったが。強烈な音と振動は人の本能に直感的な恐怖をもたらしていた。


固まっている翔に対してサイクロプス追撃を加える。

地面にめり込んでいる棒を翔の方に振る。近い位置から振られた為、速度は出てなかったが避けることができず、脇腹に当たり吹き飛ばされた。およそ10メートルほど飛んだ翔は木に当たり止まった。


!?痛みよりまず驚きが脳を支配した、その後急激に全身が痛みが信号を脳に訴えてくる


腹が、胃が、頭が、腕が、痛い。息ができない。


痛い。痛い。怖い、死にたくない。無理だ。あれは無理だ。


人間の戦うような相手じゃない。逃げなきゃ。


ゼィゼィと息をしながら逃げる手を考えていた。


サイクロプスはトドメをさすためドスドスと翔のそばに近寄ってくる。


俺の速度ならこいつは追ってこれないだろう。


なんとか膝に手をついて起き上がった翔は逃げること考えていた。

しかし目の端に木に隠れているシロが写った。

クソ、シロがいたら逃げ切れない。クソっ見捨てるか。


いやだめだ。いやだ。


そして渾身の力を込め木の棒が振り下ろされる。


横に転がるように避ける。先程の再現だ。この後木の棒が横に振られる。


しかしサイクロプス棒の横振りはこなかった。


翔の後ろの木を縦に割り裂きいた為棒が抜けなかったのだ。


今だ!


翔はすぐさまサイクロプスに近づき反時計周りに回転ジャンプしながら剣を呼び出した。


「ブロードソード!」

左側に両刃の剣が出現する

「ブロードブレイド!」

右側に正面を向いた片刃の剣が出現する。


ジャンプ中に落下するまで回転しながらサイクロプスの左肩から左膝のまでをズタズタに切り裂く。

音声ショートカットの呼び出した後の5秒間は設定した位置に登録した物が追従する。例えば俺が左に動けば左に回転すれば俺を中心として回転する。そして手に握っている剣と違い手や体に反作用が無い為、勢いを殺すことなく回り続けた。

5回転した後地面に着地した。 


『回転剣舞十連』おれはそう命名した。


「グゥオオオオオ!」

サイクロプスは痛みに叫び声を上げたようだ


しかし、 、 、


5秒立つ前に剣らしきものが地面に落ちていた。


見ると剣は2つとも中程で折れていた。

折れた剣はサイクロプスの肩に2つとも刺さっている。

折れると音声ショートカットの追従機能はなくなるようだ。

つまり最初の一撃目から折れていたようだ。


クソ、武器がない!あっ弓!


「ショートボブッ!」

クソ、噛んだ!どこまでも締まらないな俺

「ショートボウ!」

左の側に弓が背中に矢筒が出現する。矢と弓はセットで設定できるのは便利だな。


痛みから立ち直りこちらを向き押したサイクロプスに矢を射る。

心臓のあたりに当たり、やった!と思ったが皮が固いのか表面にきずを付けただけだった。

あ~クソ、サイクロプスの定番の弱点といえばやっぱり目か!


目を狙って射る。しかしサイクロプスは目を両腕で庇い守った。

ちくしょー!あっ!でも庇うってことはやっぱり弱点なんだろう。


もう一度目を狙って射る、当然サイクロプスは目をガードする。


その隙に翔は木の後ろに隠れる、ほふく前進を使いさらに遠ざかる。

目を隠してたサイクロプスは翔を見失いキョロキョロしていた。


翔は100メートルほど離れた後、木と木の間から毒を付与した矢を引いていた。


「こっち見ろ!デカブツ!」


周囲を警戒をしていたサイクロプスは翔の方を見た。矢を射る。


それは吸い込まれるようにサイクロプスの目に刺さった。


「グゥガアア!あああ!」


ダダをこねるようにサイクロプスが暴れだした。


今のうちに逃げよう。


「シロ!」


周囲を探す。


「シロ!」


「キャン!キャーン」


いた!抱き抱えてサイクロプスとは反対の方ににげる


タープは諦めてリュックにシロを入れて走った。



この森怖いな、あんなのが他にもいるのか。剣折れたな。武器がないぞ、これからどうする。


時間は真夜中だが眠ることができず森の中を歩いていく。


進路側には先程のサイクロプスがいる為、大きく迂回していくことにした。


時間は2時を回った所。さっきの戦闘から3時間近く歩いている。


眠い。シロは寝てる。気楽なもんだな。



森が途切れる。やっと抜けたのか。いやこの周辺だけ木がないだけだ。


あっ 家


そこには木が生えていない直径100メートルぐらいのエリアにぽつんと家が建っていた。


少し休ましてもらえないだろうか。


「すみません。すみません。」

扉を叩く。出てこない。

「すみません。あけてください」

出てこない。もういいや、疲れた。


そして翔はその場でシロを抱いて寝てしまった。


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