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誰でも勇者になれる世界  作者: ゆゆゆゆゆ
第2章 勇者がいろいろ知ったりする話
19/27

第19話 「またいつか」

もう少しまとめて投稿したいところですが、時間やらの都合で小出しになってしまい申し訳ないです。

「そういえばこのパネルってどうすれば消せるんですか?」

「ああ、そのことであればどこかに画面を閉じれそうなアイコンはないかのう?」

「えーっと……これかな?」


 パネルの画面をひと通り見回すと右上にバツのマークがあったので触ってみる。

 すると先ほどまで僕の目の前に広がっていた画面が一瞬で消え、バツのマークのあった場所には先ほどと同じように電源マークが残った。


(なんだかパソコンと似たような操作方法だな……これも前世の記憶のある僕が馴染みやすいようにってことか)


「消せました」

「そうか。ちなみに操作をする際はいちいち手を動かさずとも頭のなかで強く念じるだけで操作が可能じゃぞ」

「えっ!?そうなんですか!?」


 完全にSFの世界です。


(確かにパネルをいちいち手で操作をするのは面倒だし、何より人前でそんなことをしていたら完全に変な目で見られちゃうからそれは助かるな)


 そして実際に僕は手を使わずに操作を試みる。


(うーん……メニュー開けっ!!)


 そう頭の中で唱えると目の前に先ほどと同じメニュー画面が広がる。


「おおー」

「どうやら成功したようじゃな」

「はい、これは凄いですね」

「うんうん、そうじゃろう。なんせ私が直接お主に授けたもの(ギフト)じゃからのう」


 幼女はとても得意げだ。


「このパネルはお主の思考とリンクしておるから大抵の要求には柔軟に対応できるはずじゃぞ。先ほども言ったが要するに全てはお主のイメージ次第ということじゃ。これについては時間を掛けてゆっくり慣れることじゃな」

「なるほど……分かりました」


 どうやら思っていたよりこのパネルというものは使えそうだ。

 僕は素直に神様に感謝した。


「さて、では受名の儀も終わってパネル(おまけ)も授け終わったことじゃし、そろそろ私達は帰るとするかのう」

「えっ、もう帰ってしまうんですか?」

「私もまだお主と話をしていたい所なんじゃが、次の神務が詰まっておってのう。ああ、体の方はこの部屋から出ればまた元に戻るから安心してよいぞ。パネルも問題なく使えるはずじゃ。お主の場合は記憶について消去する必要もないしのう」

「……分かりました……それにしても……せめてもう10分、いえ5分だけでも……」


 まだこちらには聞きたいことが山程あるのでせめてもう少し待ってもらいたいと思っての僕の発言であったが---


「……ヒロマサよ、そんなに私と別れるのが辛いか……じゃが安心するのじゃ。私はいつでもお主のことを見守っているぞ」


 目に涙を浮かべているその幼女は何か勘違いをしているようだった。


「ヒロマサさん、申し訳ありませんがこう見えて神様は意外と忙しいので……」

「『意外と』とはなんじゃ!?」


 高野さんにまでそう言われてしまったら僕としてはどうしようもない。


「そうですか……あの、またお二人には会えるんでしょうか」

「そうじゃのう……お主が本当に私達を必要とした時、きっとまた会えるじゃろう」

「……」


 最初に別れた時とは異なる、とても曖昧な返答。

 すぐに会えるというわけではなさそうだ。


そんな顔(・・・・)をするでないヒロマサ」


 僕はどんな顔をしていたのだろう。


「では帰るとするかのう」

「はい」


 そう言った幼女と高野さんの体がどこからか発生した光に徐々に包まれていく。

 きっとあの光が二人を完全に包んだら僕はひとりになるんだろう。


「……お二人ともありがとうございました」

「礼など良い。神様として当然のことをしただけじゃ」

「私なんておまけで付いて来たようなものですから」

「それでも……ありがとうございました」


 こうして自然と御礼の言葉が言えたことで、僕は二人に会えて少し救われていたのだと気付いた。

 まだ1日しか過ごしていないが、右も左も分からない異世界で周りに僕の事情(転生)を知っている人など当然いない。

 そんな中で何の気兼ねもなく話すことができる二人の存在はとてもありがたいものなのだ。


「はぁ……また帰ったら神務か……もう神様辞めてもいいかのう……」

「何言ってるんですか、しっかりしてください」


 ありがたい……ものなのだ……




 次第に光が広がり、二人の姿は殆ど確認できなくなってきている。

 そして今にも見えなくなりそうな幼女が最後の最後に一番重要なことを教えてくれた。


「ああ、そういえばパネルのヘルプはこの世界の説明書も兼ねておるから参考にするとよいぞ」


(最初にそれを言って欲しかったなぁ……)


 そう思った瞬間---光が弾けた。

 僕はあまりの眩しさに目を閉じる。

 再び閉じた目を開けるとそこに幼女と高野さんの姿はなかった。


「……またいつか……会えるといいな」


 先ほどまで会話で溢れていた分、余計に静かに感じる真っ白な空間に再会を望む僕の声だけが響いた。

もう少ししたら時間を飛ばして学校入学編でもやろうかと考えてます。

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