第1話 「2048番」
初投稿ですので生暖かい目で見てくれれば幸いです。
週に1回以上更新できるよう頑張ります……
瞼を開けた瞬間、目の前に飛び込んできた光景---それは市役所?だった。
目の前には複数の簡易的な仕切りで区切られた相談窓口の様なものが横一面に並んでいる。
そして僕、須藤広将はその相談窓口の待合スペースと思われる場所に備えられたベンチに座っていた。
(なんで僕はこんな所にいるんだ……)
何故この様な場所に自分がいるのか思い出そうとするがどうしても思い出せない。まるで頭に霧がかかったかの様に、そう、漠然と思い出せないのである。
周りを見渡すが僕の住んでいるT市の市役所ではないことはすぐに分かった。以前、用事で訪れたT市役所とは明らかに雰囲気や内装が異なるからである。
そして僕は自分の持ち物に何かヒントはないかという発想に至る。
(僕が今来ているのは制服……ということは少なくとも学校に行く途中、又は学校からの帰り道にここに来たってことか……でも鞄もなにもないな)
制服のズボンのポケットに手を入れ何か入ってないかと確認もしたが何も入っていない。
(普段なら携帯電話と財布が入っているはずなのにどちらもポケットに入ってない……明らかに普通じゃないな……)
そしてズボンのポケットを調べ終え、次に上着のポケットを調べようと手を入れた瞬間、カサッと指先に紙の様な物の感触を感じそれを取り出す。
それは病院や市役所等でお馴染みの番号札であった。短く切られたレシート用紙に『2048番』とだけ書かれいる。
(こんな番号札貰った記憶はないけど、紙が折れたり劣化が全くないところから考えればこの施設の番号札……って考えるべきだよね?)
番号札を見ながらますます疑問が深まり自分の頭上で?の嵐が吹き荒れていると---
「番号札2048番の方……番号札2048番の方はいませんかー?」
声色からして若い女性の様である。