098 不屈
■不屈■
実際、どれくらいの時間が過ぎたのかわからなかった。エルフィアの文明促進支援委員会の高次元時空観測室では、永遠とも思える沈黙が過ぎた。
「エルド、残念なお知らせです」
「やはりな・・・」
エルドはそれを予想していた。
「地球の座標を特定する情報が得られないうちに、時空の状態が変化して、システムが自動的に超時空通信をストップさせました。地球とのコンタクトが取れる可能性は、ほぼゼロです。未だ回復の兆しはありません」
「通信ログからのリバース解析は?」
エルドは念のために、解析状況を確認させた。
「失われたデータが、99,98%以上に及ぶため、絶望的です。もし、解析するとなれば、全数検査しかありません」
「二日以内に数千億の銀河座標の位置関係を、すべて検証するというわけか?」
「それで済めば幸運というものでしょう」
「どういうことかな?」
「たとえ銀河が特定できたとして・・・」
「なるほど・・・。地球の属する恒星が、銀河の中のどこにあるか、それが一番の問題だ、ということだな?」
「リーエス」
「一つの銀河に数千億の恒星があります。スペクトルや絶対等級がわかっていたところで、その銀河での座標がわからなければ、結局、地球を見つけ出すことはできないのです」
「リーエス」
エルドは頷いた。
「和人からの情報に役立つものは?」
エルドは次なる手を確認させた。
「解析中です」
「待ってください・・・」
「どうしたのだ?」
「大雑把なのでほとんど利用価値がないと思っていたのですが・・・」
「なにかあるの?」
「リーエス。和人の思考波から採取した、天の川銀河から230万光年しか離れていないという、アンドロメダという大銀河の形状があります」
「銀河間としては、割と近いぞ」
「リーエス。アンドロメダ銀河の直径は、20万光年あります」
「割と大きいな。それは、大きな手がかりじゃないか。天の川銀河のお隣さんということだな?」
「リーエス。しかも、お互い引き合っています」
「何億年か後、天の川銀河と衝突を起こすということだね?」
「リーエス。間違いないでしょう。唯一の手がかりといっていいでしょうね」
「さっそく、それも解析しよう」
「リーエス」
「天の川銀河の座標データにつながるそれ以外の情報は?」
「申し訳ございませんが、和人の情報ではあまりにも少なく・・・」
「仕方あるまい。彼は自分の銀河を俯瞰できない。知らないのだ・・・」
「カテゴリー2になったばかりでは無理もありません」
「まずは、そのアンドロメダ銀河とやらを探すことにしよう」
エルドはどんな手掛かりであろうと貴重だった。
「リーエス」
「待ってください。和人の知り合いのトアロ・オオタワラーというセレアム人の情報は使えませんか?」
「どういうことだ?」
「彼の話しによると、セレアム銀河は天の川銀河から5000万光年から5600万光年の範囲に位置しています」
「それは正しいのかね?」
「リーエス。セレアムはカテゴリー3です。トアロ自身は、セレアムの座標を見失っていますが、宇宙機の航行装置のデータを覚えていました。距離は確かです。それに、トアロは、天の川銀河の形状もセレアム銀河の形状も、そして、アンドロメダ銀河の形状も、どれも知っているはずです」
「そうですとも!彼はセレアムから来たんだ。必ず、目にしているに違いないです」
「彼の情報はあるのか?」
「ユティスが知っているか、どうか・・・」
「至急、調べよう。時間がない」
「リーエス」
地球ではエルフィアとの通信手段がなくなり、悲痛な状況だった。
「もう二度とエルフィアとは繋がらないのでしょうか?」
「わかりません・・・」
「万に一つでも可能性があるなら、われわれはできることをすべきだ。そうでしょう、博士?」
「そうですな。ご提案、感謝します」
「エネルギー本流が太陽系に届くのに、どのくらい猶予がありますか?」
「せいぜい、2、3日というところです。もし、スーパーカミオカンデで、ニュートリノを検出したら、ほとんど時間は残されていないでしょう。せいぜい、2日か、そこら」
「すぐに、地球の宇宙座標を!」
「エルド。あなたの末娘、ユティスのことですけど・・・」
「ああ。相当なショックを受けている」
「放心状態が続いています。セレアムのことを確かめることなど、到底できる状況にありません」
「わかっている・・・」
「エルド。ユティスは、もう二晩も眠っている様子がないのです。そのままにして置くと、本人だけではなく、彼女の精神状態に反応して委員会に混乱が広がりかねません」
「メローズ。すまないな。いつも・・・」
「いいんです。わたくしもユティスを愛していますから」
「こりゃ、初耳だ・・・」
「冗談ではありませんよ。男性、女性にかかわらず、だれであろうがユティスを愛していない人間なんて、ここにはいません」
「ありがとう、メローズ・・・」
「それで、ユティスのことですが、アンニフィルドもクリステアもなんともできずにいます」
「そんなことはない。彼女らが、ユティスのそばに一緒にいてくれているだけでも、天の助けだよ」
「しかし・・・」
「わかった・・・。アマリアに預けよう」
「リーエス。それが、一番よろしいかと・・・。感謝します、エルド」
「父親というものは、娘がこういう事態になると本当に役立たずだな」
「なにをご謙遜を・・・。エルドほど、世の娘に取って、理想的な父親はいません」
「アルデリーム(ありがとう)、メローズ。きみの賛辞は、素直に受け取っておくよ」
「では・・・」
「総主教に連絡を」
「リーエス」
エルフィア大教会の総主教アマリアはユティスのことを聞き、急いでユティスのところに駆けつけた・
「総主教のお迎えです」
「ユティス!」
ささささ・・・。
ひしっ・・・。
エルフィア総主教はユティスに駆け寄り、その腕にかき抱いた。
「総主教様?」
とろーーーん。
ユティスの宙を見ていた目がゆっくりと総主教に合っていった。
「リーエス。わたくしですよ。ユティス。わかりますか?」
「リーエス。総主教様、どうしてここに?」
「あなたのためですよ、ユティス」
「わたくしのため?」
「リーエス?」
「なぜですか?」
にこっ。
総主教は微笑んだ。
「あなたを愛しているからです。だから、あなたを抱き締めに来たのです」
ぎゅうっ。
そう言うと、総主教はさらにしっかりとユティスを抱きしめた。
ぽわーーーん。
二人は淡い黄金色の光に包まれ、やがて、それは虹色に輝きはじめた。
ぱぁ・・・。
「ユティス。愛してますよ」
優しく暖かい総主教の抱擁で、ユティスはたちまち胸がいっぱいになり、突然、嗚咽をはじめた。
ぶるぶるぶる・・・。
「う、うっ・・・。和人さん・・・」
ぽろ・・、ぽろ・・・。
ぽろぽろぽろ・・・。
見開かれた大きなアメジスト色の瞳から、大粒の涙がいくつもいくつも零れ落ちていき、ユティスの頬を濡らしていった。
「和人さん、和人さん・・・。うううっ・・・」
にっこり。
ぴとっ。
総主教は、ゆっくりと微笑むと、ユティスを抱きしめたまま頬を添えた。
「諦めてはなりません、ユティス。どんなことがあろうが、諦めてはなりません」
ぎゅっ。
「お母様!」
ユティスは総主教をそう呼んだ。
「人を愛することは、なによりも尊いことですよ、ユティス」
総主教は娘の頭を優しく撫でた。
「お母様、わたくしは・・・」
「決して、諦めてはなりません。ユティス。愛は時空を超えます。たとえ、何億光年と離れていようとも、瞬時に伝わります。それが、愛です。愛は、大宇宙のすべての根源。すべてを愛でる善なるもの、それそのもの。そして、意思ですから。物理的な時空に惑わされてはなりません。この大宇宙を満たすもの、あなた自身を信じなさい。あなたの愛を信じなさい。カズトはあなたの目の前にいます。あなたを待っていますよ」
「お母様!」
ぎゅ。
「うう・・・」
ユティスは、総主教の腕に包まれ、ほとんど声を出すことなく泣き続けた。
ちゅ・・・。
大司教は、悲しみに震えるユティスを優しく抱きしめたまま、そのダークブロンドの髪にそっと口づけをした。
「すべてを愛でる善なるものよ。汝、ユティスの願いを聞き入れ給え。彼のものの心を伝えたるものを、今、再び、ここに戻し、二人を繋ぎ給わんことを。ジェラ・グラスデラ・フェルミエーザ・エルフィエーザ、アマリア・エルマ・ユーグ・セルビドレア・ヨソーラ(エルフィア大教会総主教アマリア・エルマ・ユーグ・セルビドレア・ヨソーラが祈る)」
さっ、さ、さーーーっ。
総主教は大きく微笑むと、ユティスにエルフィア銀河の象徴を描いた。
「すべてを愛でる善なるものが、汝、ユティスとともにあらんことを・・・」
「ア・リーエス(お言葉どうりに)・・・」
ユティスは無意識に唱えた。
ぽんぽん。
「きっと、時空は回復しますよ、ユティス」
総主教は、娘を抱きしめたまま、その背中を軽く叩いた。
「ううう・・・。アルダリーム・ジェ・デーリア(ありがとうございます)。お母様・・・」
かくん・・・。
そう言うと、ユティスは、安心したのか総主教の腕の中で気を失うように眠りについた。
エルドは、今手元にあるデータから、地球の位置をなんとしても割り出そうとしていた。
「エルフィアから80億光年以内の全銀阿のデータベースをセット」
「リーエス」
「アンドロメダ銀河の情報をセット」
「不規則型銀河と楕円銀河、そして明らかな棒渦状銀河は除外。渦状銀河、直径20万光年プラスマイナス10%」
「地図情報セット完了」
「サーチ開始」
「リーエス。サーチ開始します」
「うまくいくだろうか?」
「時間との競争です」
「わりと大きな渦巻銀河ですからね。天の川銀河もそこそこありますから、ペアとして考えると、対象個数はずいぶんと限られてくるはずです」
「それでも、銀河そのものは何億個もあるわけだから・・・」
「リーエス。あ、もう、はじき始めましたよ」
「候補1、候補2、検出しました」
「早いな」
「まぁ、あれだけの情報しかないわけですから、そうとうな曖昧検索をするしかありません。候補といっても、確率にするとどれも3%くらいかと・・・」
「それでは候補だけでも・・・」
「何万個にはなるでしょうね」
「きみ、地球へのスーパーノバのエネルギー波は、地球に後どれくらいで到達する予定だ?」
「60時間程度しかありません」
「それで、間に合うのか?」
「やるしかありません」
「そうだな・・・。きみに言うとおりだ」
「候補12、候補13、候補14検出・・・」
「続けてくれたまえ」
「リーエス。エルド」
「総主教座下!」
「座下!」
「まぁ、クリステアにアンニフィルド。来てくださったのですね」
「リーエス」
大司教は二人と抱き合い頬を寄せ合って、それぞれの頬に口づけをし合った。
「ユティスは?」
アンニフィルドがきいた。
「心配ありません。今は、自分の部屋で眠っています。わたくしは、もう、大聖堂に戻らねばなりませんので、後は、お二人にお預けします。ユティスをどうか診てやってくださいますか?」
「リーエス。もちろんです」
「アルダリーム・ジェ・デーリア(ありがとうございますわ)」
総主教は一言礼を言うと、二人に微笑んだ。
「そんな、もったいない・・・」
「総主教としてではなく、母としてのお願いです。あの娘には十分一緒にいてあげられないのが、とても残念です。今だって・・・申し訳ない気持ちでいっぱいです」
「大丈夫ですわ、総主教様。あなたほど強い愛をお持ちの方が、なにをおっしゃいますか」
「クリステア・・・」
「ユティスは総主教様を深く愛してますわよ」
「アンニフィルド・・・」
「ユティスはあなたそっくりです。顔、姿形はもちろんですが、性格と言おうか、人間性と言おうか。話し方まで、瓜二つですわ。とにかく、ユティスは、ご両親の愛を一身に受けて育ったのです」
「まぁ・・・」
「そうですとも。愛情深く、優しく包み込むような暖かい心を持った、本当に女神か天使か見まごうような娘。エルフィアにも、ここまでの女性はどれだけいることか・・・」
ぎゅ。
クリステアは総主教と抱擁し、優しい気持ちでいっぱいになった。
「ユティスは、幸せに育ったからこそ、幸せを振りまけるのです。すべてを愛でる善なるものの愛を素直に信じ、受け入れられること。これこそ幸せになるための基本です」
ぎゅ。
アンニフィルドも微笑みながら、総主教と抱擁した。
「アルダリーム・ジェ・デーリア(ありがとうございます)。お二人とも・・・。実の姉妹のように、ユティスを愛してくれて・・・」
「当然ですわ。それにしても・・・」
「あなたたちがいてくれて、ユティスもわたくしも本当に幸せです」
「総主教様・・・」
「座下・・・」
「ユティスの心は手に取るようにわかります。ユティスは、彼を・・・、地球人のカズトを愛しているのですね?」
「リーエス。それはもう・・・」
「早く彼にお会いしたいわ」
「総主教様・・・」
「ユティスが彼を愛しているというのなら、わたくしにとっても家族です」
「アンニフィルド、クリステア。汝らに、すべてを愛でる善なるものの祝福があらんことを・・・」
「ア・リーエス(お言葉どうりに)」
総主教は、アンニフィルドとクリステアと頬を寄せ合い、抱き締め合った。
地球との連絡が絶たれて、さらに、1日が経とうとしていた。
ふーーーうっ。
「メローズ、どうかな?」
エルドが自らを落ち着かせようと深く呼吸した。
「アンドロメダ銀河の候補を、8653個出ました」
「1000億個中の8653とは、すばらしく少ないな」
にっ。
エルドが微笑むと、周りも固かった表情を少しだけ崩した。
「よし。詳細の絞込みをしよう。アンドロメダ銀河は、天の川銀河から230万光年だったな?」
「リーエス。周囲にそのような銀河とペアになっているか、チェックします」
「うむ。それに、アンドロメダ銀河の数10万光年となりには、直径5万光前後の渦巻銀河が一つある」
「和人の情報ですか?」
「ああ。よって、天の川銀河が属している銀河団は、その3つの渦巻銀河からできていると思われる」
「あの、それは、早急すぎるかと・・・」
「どうした、メローズ?」
「他の二つは渦状銀河と判明していても、天の川銀河が渦状銀河とは限りません。もしかしたら、棒渦状銀河かもしれない。そうは思いませんか?」
メローズは渦状銀河ではない可能性を指摘した。
「なるほど。メローズ、きみの言うとおりだ。天の川銀河が棒渦状だという可能性も考えた上で、さらなる絞込みをしてみてくれたまえ」
「リーエス」
ぴっ、ぽっ、ぴっ・・・。
「エルド?」
「きみか、ミラーグ」
「リーエス」
「入りたまえ」
「アルダリーム・ジェ・デール(ありがとうございます」
「ディアテラに関する情報かね?」
「リーエス。あまり詳しくないのですが」
「いや、今はどんな情報でもありがたい」
「パジューレ(どうも)」
「それで?」
「ディアテラに関する古文書に、ディアテラから見た星図がありました」
「それは幸運だ。どこまで情報を確認できたのかね?」
「実は大変な情報がありました」
「座標かな?」
「それを探査するに必要な情報です」
「でかしたぞ」
「結果から申しあげます」
ビヨルカがエルドに言った。
「報告してくれたまえ」
「リーエス。これが、ディアテラ銀河、仮にディアテラがある銀河をこう呼びますが、それを中心とした、半径3000万光年の地図がほほ作成できました」
ビヨルカの話しに、エルドは一縷の望みを見出した。
「なんと・・・」
「これです。直径1万光年以下の矮小銀河は省かれています」
エルドの目の前で空中スクリーンに3次元投影された銀河地図に、エルドはうなった。
「あまり銀河が密集した宇宙域ではないな・・・」
「リーエス。特筆すべきはディアテラ銀河が直径10万光年はある、大きな渦状銀河、ないしは棒渦状銀河であること。その200万光年あまり離れたところに、同じく直径20万光年もある渦状銀河があることです。そして、その脇には、さらに5万光年の小さな3つめの渦状銀河があります。この3つの渦状銀河がこの小さな銀河団の主要構成メンバーです」
「うむ・・・」
「そして、重要なのはこれほど小さな銀河団は、どの銀河団でも中心をはずれた端にか存在しないということです」
ビヨルカの言葉重要だった。
「つまり、われわれは銀河クラスタの周辺から探査すべきと?」
「リーエス。まずは、エルフィア銀河団を当たるのが順序かと」
ミラーグが締めくくった。
「わかった。アルダリーム(ありがとう)。ミラーグ。ビヨルカ。大変な手がかりだ」
「どういたしまして」
エルドが執務室に戻ると、秘書のメローズが彼の帰りを待っていた。
「いかがでしたか?」
「メローズ。ディアテラ周辺の銀河地図が手に入った」
「本当ですか?」
「ああ。ミラーグとビヨルカのチームが、エルフィア大司教から借りた古文書から導きだした。これを見てくれ。なにか思わないかね?」
メローズは思わずエルドを見つめ返した。
「こ、これは・・・」
「リーエス。わたしもそう思った」
「和人の記憶から引き出した、アンドロメダ銀河周辺に酷似しています」
「どちらも、3つの渦状銀河が主な構成銀河だ」
「その大きさと位置はほぼ同じですね」
メローズもそれに同意した。
「ミラーグたちの作成地図と照合してみてくれたまえ」
ぴっ・・・。
ぴぴ・・・。
ぱっ・
「うむ・・・」
「ほぼ、一致しますね。ディアテラ銀河の伴銀河と、アンドロメダ銀河の伴銀河の大きさ、そして、相対位置も同じです」
「よし。3000万光年周辺の銀河座標を追加してくれ給え」
「リーエス」
ぴつ。
「作成完了です。いかがですか?」
メローズは銀河地図を眺めながら、エルドに確認を求めた。
「きみはどう思うかね?」
「希望が湧いてきました。これで、全銀河データベースからリストアップした候補銀河をさらに絞り込めると思います」
「もし、ディアテラ銀河と天の川銀河が同一ではなく、誤っていたら・・・」
エルドは一応予想が外れた場合のことをきいた。
「リーエス。いくら一致点が多くあるとはいえ、この膨大な数の中から探すんですから、間違いである可能性は大いにあります」
「うむ・・・」
「・・・」
「・・・」
二人はしばらく黙り込んだ。
「信じてみますか?」
ややあって、メローズが言った。
「リーエス。闇雲に探すより、少しでも可能性がある方を、優先してみよう。時間はほとんど残っていないが、諦めはせん・・・」
「わたしもそれに賛成です。今から候補銀河のすべてを検証したみたところで、時間内に天の川銀河にたどり着く可能性はかなり低いと言わざるをえません」
「よろしい。ミラーグの情報をセットしてくれたまえ」
「リーエス」
こうして、エルドたちは『失われた惑星』があるディアテラ銀河と、『地球』があるという天の川銀河を同一とみなし、エルフィアから周辺半径億光年内の銀河地図を検証し始めた。