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053 湖畔

語り部のアンニフィルドよ。ここから第二部に入るわ。今まで和人は地球に縛り付けてられてたけど、頭脳の活性化とともに精神体となってエルフィアに行くことができるようになったの。ユティスとの恋が進展する中・・・。後は続きをご覧あれ!

■湖畔■




和人の頭脳活性化が進み、ついに、ユティスは和人が自分を精神体化させてエルフィアに招くことに成功した。


「うふ。今度は和人さんと立場が逆転ですね?」

そこには実体のユティスがいた。


「そういうことになるのか・・・」

「リーエス。うふふ」

ユティスに優しく示唆されて、和人は感慨深げに頷いた。


「ここ、エルフィアなの?」

和人は柔らかな明るい部屋にいた。


「リーエス。んふ?」

「そっか・・・」

精神体の和人は実在のユティスとエルフィアにいるのだった。


「それで和人さんがエルフィアに来れたことですけど、それは和人さんの頭脳が活性化してきているから可能となったものです。二宮さんには当分無理ですから、このことをお知らせになるとがっかりされると思います」

ユティスは二宮に気を遣った。


「うん。先輩には黙っておくよ。美女の楽園にはまだ招待できないって」

「まぁ!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あはは・・・」

「うふふ。映像なら、いつでも二宮さんにもお見せできますわ」

ユティスは申し訳なさそうに言った。


「そんなことないよ。きみには、十分すぎるくらいしてもらってるんだから。きみに会えたことで先輩も大満足なんだよ」


「そうですか。うふふふ」

「リーエス」


「さぁ、まいりましょう」

「うん」




ユティスは和人を連れて部屋を出た。エルフィアは初めて見た映像以上に、美しいところだった。


「・・・!」


和人はしばらく声も出なかった。目の前には光に溢れた自然が、広がっていた。


「うわぁ、なんて美しいところなんだろう・・・」

和人は体中がリラックスし、たちまち心が安らぐのを感じた。


「うふふ。エルフィアの第一印象はいかがですか?」

「言葉にならないよ・・・。ステキすぎて・・・」


ぽかーーーん・・・。

和人は口を開けたまま呆けたようになった。


美しい自然の中で、エルフィア人は地球人とはかなり違った服装をしていた。ゆったりとして優雅なものだった。加えて、人々は美しく、女性については例えようもなく美しかった。


「ユティス、きみもそうだけど、エルフィアの女性はみんな天使みたいに、とっても優雅なんだね?」

「お褒めにあずかり、ありがとうございます」


「なんか天国か楽園に来たみたい・・・」

「そう、おっしゃってくださると、わたくしも嬉しいですわ」


「あ、あれは?」

和人はゆったりとした服装の多い中、ぴったりとした服をきた一員を見つけた。


「セキュリティ・サポートの方たちですわ」

その大変機動的な服装をしている者はセキュリティ部門に属していた。


「警察のようなもの?」

「ナナン。違いますわ。警護担当です」


「エルフィアにも、そんな役目の人間が必要なの?」


「ナナン。彼女たち、彼らは、エルフィアが文明支援する世界で、担当のエージェントとコンタクティーの身の安全を確保するためにいます。あの方たちはあらゆる能力に抜きん出たスペッシャリストたちですわ。エルフィアでは犯罪はほとんど起きません。一部の政治家を除いて・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「なるほど。地球と同じだね」

「うふふ。冗談ですわ!エルフィアにはそんな方はいらっしゃいません」


「それに、けっこう、女性の警護担当員がいるんだね・・・」

「リーエス。男性ばかりでは、支援世界の人たちに警戒心を与える場合が多いのです。その点、女性が一緒に赴任すると随分違った結果になります」


「なるほど・・・。それで、大丈夫なの?」

「リーエス。女性が能力的に男性に劣ることはありませんわ。あの方たちが、わたくしたちを守ってくれるのです」


「え・・・?じゃ、オレときみにも担当のセキュリティ・サポートの人がいるわけ?」


「はい。まだ正式にアサインされているわけではありませんが、わたくしがエージェントとして正式に地球に派遣されることになりましたら、最低2人はすぐに一緒に赴任します」


「たった2人?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「リーエス。でも、とても強力な人たちです。どんな時にも必ず助けてくれる頼りになる方たちですわ」


「へえ・・・。スーパー・マン、スーパーウーマンてわけなんだ・・・」


「リーエス。そのうち、ご紹介する機会があると思いますわ」

「うん」


「うふ?」

にこにこ・・・。



ユティスは和人を伴い、楽園のような美しい景色の中をさらに歩いた。


「ここは、お気に召して?」

「うわー、なんてキレイなんだ」


ユティスは次に和人を入江か湖畔のようなところに案内した。


「んふ?」

にっこり。


何組かの男女が幸せそうに寄り添い、語り合っていた。柔らかく暖かい日差しを受けて、ユティスがゆったりとした衣装と一緒に景色に映えていた。和人は思わずユティスに見とれた。


ぽかーーーん。


「きれいだね・・・、ユティス・・・」

和人は夢見心地で独り言を言った。


「自然のままですから」

「いや、そうじゃなくて、きみの・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


そこまで言いかけて慌てて和人は口を閉じたが、ユティスにはすべてが伝わっていた。


「うふふ。アルダリーム・ジェ・デーリア(ありがとうございますわ)。さ、一緒に座りましょうか、和人さん?」


(やっぱり聞こえちゃったよなぁ・・・)


「あ、・・・うん」


すうっ。

ユティスは和人と並んで水際に座った。


さらさら。

ゆらゆらーーー。

ふわぁ・・・。


そよ風が吹きユティスの髪を揺らした。


にこ。

どきっ・・・。


ユティスは笑うと、和人を愛しそうに見つめ、和人は大きく息をついた。


「はぁ・・・・」


それを見てユティスは恥らうように赤くなった。


かぁーーー。


「和人さん・・・。こうしていると、わたくし、不思議にとても心が落ち着きます」


「オレは逆・・・」

「え、そうですか?」


「うん。心臓バクバク。えへへ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「まぁ・・・!」

にっこり。

でもユティスはそれを歓迎し、ゆっくりと微笑んだ。


「和人さん?」

「なあに?」


和人を呼ぶと、ユティスは静かに立ち上がり、両手を腰の位置でそのてのひらを上にして大きく広げた。


「すべてを愛でる善なる者より、宇都宮和人、汝に永久とわの幸があらんことを。フェルミエーザ・エルフィエーザ、ユティス・アマリア・エルド・アンティリア・ベネルディン(エルフィアの司祭、ユティス・アマリア・エルド・アンティリア・ベネルディンが祈る)・・・」


「ユティス、それは?」


「和人さんの幸せを、エルフィア教会の司祭としてお祈りいたしました」

「あは。それはとっても光栄だね。ありがとう、ユティス」


「うふ。この祝福の言葉はエルフィア教会の司祭資格を持った人間にしか口にできないのですよ」


「どういうこと?きみには司祭の資格があるってこと?」


「リーエス。幸い、お母さまも、お父さまも、司祭の資格があります。わたくしは、幼い頃から手ほどきをしていただきましたので」


「それで、司祭の資格を持っているというわけなんだね?」

「リーエス」


「エルフィアのような超高度な文明世界でも、神さまとか信じるの?」


「ふふふ。とにかく、お祈りはいつもしていますわ。お祈りにはとても強い力が働きます。遺伝子にさえ働きかけます。わたくしたちはそれを善なる力として利用します。大いなる大宇宙の不思議な摂理と意思。それをどう呼ぶかはその世界世界で異なりますけど、エルフィアでは『すべてを愛でる善なるもの』と呼んでいますわ」


「でも、エルフィアはカテゴリー4の超高文明世界じゃないの?そこに宗教が必要なのかなぁ・・・?」


「科学で大宇宙の真実をすべて解き明かすことは、わたくしたちにもできていません。未知なるものは未知のまま、取り合えず、そうしておきます。無理に理屈をつけて説明しようとするなら、もうそれは科学ではありません。では、それを宗教と呼びますか・・・?」


「どうだろう・・・?」

「それは宗教ですらありません。カルトです」


「カルトかぁ・・・」


「リーエス。宗教とは、もともと、とても物理的な観察と考察に基づく、論理性を持った哲学的なものですわ。もし、地球の宗教がわたくしたちのものと異なるものと言うのであれば、それは後世の方が自分勝手な解釈で染め上げた結果、今ある宗教になったのです。本来の真の宗教を非論理的な神秘主義と一蹴することは一種の偏見ですわ。科学で証明できる事象を一つ一つ確認しながら教義を確かめる姿勢が問われます」


「そうなんだ・・・」


「例えば、日常的に不思議なことは起きています。あまりに小さく、あまりに当たり前すぎて、わたくしたちが気づかないだけです」

「ふうん・・・」


「それですら、科学で十分な説明などできそうにありません。わたくしたちは、大いなる大宇宙の不思議な摂理と意思を事実として認めています。今ではもう、それを神さまとは呼びません。余りに人間に都合よく、凝人化され過ぎていますから。それでは、大宇宙の意志と力を正しく十分に言い表すことができないのです・・・」


「なんて、言ってるんだい?」


「ですから、『すべてを愛でる善なるもの』。それが、わたくしたちの信じているものです。神さまという言葉は文学や詩の世界でしか用いません。それに、わたくしたちにも、エルフィア教会というものがあります。教義は物理学と矛盾していませんし、押し付けもありません。そこでは、わたくしたちみんなが癒され、安らかにくつろげるところです。和人さんは、なにかお信じですの?お祈りはしまして?」


「オレ?」

「リーエス」


「困った時ならね・・・。無条件で神さまに祈るよ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ふふふ」


「しかも、だれにも負けないくらい熱心に!」

「まぁ、しょってますのね。ふふふふ」


--- ^_^ わっはっは! ---


ユティスは声をたてて笑った。


「あははは。だめかなぁ、そんなんじゃ?」

「まったくしないよりは、ずいぶんましだと思います」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あははは」


「うふふふ。それで、地球ではどんなことをお祈りをするんですか?」

「そうだね。神社に行った時、言わなかったっけ」


「ナナン・・・」

ユティスは微笑みながら静かに首を振った。


ゆらり・・・。

ポニーテールがゆったりと揺れた。


「あ・・・。なんて可愛いんだろう・・・」

和人はつい口にした。


「なにか口にされましたか?うふふ・・・」

「あ、いや・・・。ナナン・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「えーと、お祈りだったよね?」

「リーエス」

にこ。


「お金持ちになりますようにとか、出世しますようにとか、家族みんなが健康でありますようにとか。試験に受かりますようにとか。赤ちゃんが無事生まれて育ちますようにとか・・・」


こくん。

にっこり。

ユティスは深く頷いた。


「他にはどんなものがありますか?」

「そうだ、こんなのもあるよ・・・」


「リーエス。なんでしょうか・・・?」


わくわく・・・。

ユティスは期待するように瞳を輝かせた。


「恋が実りますように、とか・・・」

「まぁ、すてき!」

ユティスの頬がほんのり赤みを帯びた。


「あーーーっ!」


(しまったぁ・・・!)


かぁーーー。


--- ^_^ わっはっは! ---


和人は自分の口にした言葉に恥ずかしくなった。


「うふふ・・・」

「えーと・・・、あはは・・・」


(ここで、ユティスに突っ込まれたら、どうしよう・・・)


「えーーーと、それでね・・・」


和人はすぐに誤魔化しにかかったが、手遅れだった。ユティスが和人を見つめて質問してきた。


じぃ・・・。


「和人さんは、恋をしたことがおありですの?」


どきっ。

「ええっ!ま、まぁ、一応、人並みくらいには・・・」


かぁーーー。


--- ^_^ わっはっは! ---


「その時、恋が実るようにお祈りをしましたか?」

「あ、いや、たぶんしなかった。彼女を見てるだけだったから。大して話したこともなかったし、付き合ったりなんかしたこともなかったよ・・・」


「まぁ、それは切ないですわ・・・」

「う、うん・・・」


「和人さんのお好きだった方というのは、どんな女性だったのでしょうか?」

「え?まだ死んでないと思うけど・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「まぁ、ひどい。言葉尻をお捕まえになってばっかり・・・」

ユティスはちょっとすねたふりをした。


「あ、ごめん。そういうわけで言ったんじゃないんだ・・・。あの、そのぉ・・・」


あたふた・・・。


「ぷ、ふふふふ!」


きらきら。


--- ^_^ わっはっは! ---


ユティスは眼を輝かせて、さらに一歩突っ込んできた。


「どんなお姿だったのですか?」

「どんなって・・・、髪型とかが・・・」


和人は学生時代の通学電車の中で、ポニーテールを揺らしていた女の子を思い出した。


「わたくしに少し似てらしたとか・・・」

ユティスは自分の髪に手をやった。


ゆらゆら・・・。


--- ^_^ わっはっは! ---


「しまった・・・。心を読まれちゃった・・・」

「うふふ。ごめんなさい。少しだけ聞こえてしまいましたわ」


「きみに、隠し事はできないね・・・」

「まぁ、和人さん。聞かれては困ることでも?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ないことを祈るよ、これからもずっと・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


ずっきゅーーーん!

ユティスはずばり核心を突いてきた。


あたふた・・・。

「い、今だって?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「リーエス・・・」

ユティスのなにか期待するような微笑に、和人は完全に動揺してしまった。


「うん・・・。まぁ・・・。ちょっと、そういう質問は、こ、困るかなぁ・・・」


(恋してる対象の本人を目の前にして、そうそう簡単に告白できるか、そんなこと!)


--- ^_^ わっはっは! ---


「いらっしゃらないのですか?」

「そんなこと言ったって・・・」


「んふ?」

にっこり。


--- ^_^ わっはっは! ---


ユティスは、そんな和人の気持ちを察してかどうか、満足そうに微笑んだ。

「じゃ、ユティス。き、きみはどうなの?」


ぽっ。

和人の切り返しに、ユティス、少し恥らうように微笑んだ。


「たぶん・・・」

「たぶん?」


「今がそうかもしれませんわ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「えっ、今だってぇ・・・?」


ずっきーーーん。

和人は大ショックだった。


(ユティス、好きな人がいるんだ。当然そうだよなぁ。これだけ可愛いくて、すてきなんだもの・・・)


--- ^_^ わっはっは! ---


「みなさんのおっしゃる恋というものが、よく理解できないのです。アンニフィルドたちからお話しいただいたのですが・・・。毎日、毎晩、夢に出るくらい好きな人というのは、まだ・・・」


「やっぱり・・・」

がくっ・・・。


--- ^_^ わっはっは! ---


「でも、とってもステキって方は、いますわ。そのお方とは、一緒に過ごす時間がとても楽しくて、ドキドキしたり、わけもわからなくなるくらい会いたくなってしまいますし、その方のことを思うと、時々、息ができないくらい胸が痛くなるような感覚になります。ふと気づくと、その方のことを考えていることも、しばしば・・・。もし、これが恋というものなら、恋かもしれませんわ・・・」


「ああーーーっ。完璧に恋だよ、それ・・・」


がく、がくっ・・・。

和人はさらに肩を落とした。


--- ^_^ わっはっは! ---


「どうかしましたか?」


「ちょっとね・・・」

がっくり・・・。


ユティスが心配そうに、すっかりしょげている和人を見つめた。


「あはは・・・。ん、いや、気にしなくていいよ・・・」

和人は元気なく答えた。


--- ^_^ わっはっは! ---


「あのぉ、和人さん?」

「な、なに?」


「もう少しだけ、ご一緒するお時間をいただけますか?」

「う、うん・・・」


にこっ。

「よかった・・・」

ユティスは満面笑顔になった。


「え?」

「和人さん・・・」


「なに・・・?」

そして、ユティスは和人の耳元に小声で囁いた。


「わたくし、今が一番楽しいんですのよ」

「ええっ?今が・・・?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「リーエス・・・」


ぽぉ・・・。

ユティスの頬は明らかに赤く染まっていた。


(どういうこと・・・?)


和人はそれの意味するところがまだ信じられなかった。


(ま、まさか、ユティスの恋って・・・。オレ、期待していいのかな?)


--- ^_^ わっはっは! ---


どっくん、どっくん。

和人の心臓が張り裂けんばかりに早鐘を打った。


「オーレリアン・デュール・ディア・アルティーアー・・・」


その時、ユティスが和人に暖かい眼差しを向けると、透き通った声で歌いはじめた。和人は天使のような歌声に聞き入った。


ぽわーーーん。


たちまち、ユティスの体から虹色の光が徐々にあふれ出し、身体全体を包み込んだ。


「うわぁ・・・!」


和人はユティスの歌に魂が揺さぶられるような、不思議な感覚になった。ユティスの歌声は和人をどんどん癒していった。ユティスも夢見心地のようになり、和人に手を差し伸べてきた。


さあーーーっ。


「ああ・・・」


すかっ。


和人はその手を取ろうとしたが、イメージ体の手はユティスをつかむことはできなかった。


にっこり。

ユティスは歌い終えると、和人を優しく見つめた。


「ユティス・・・。きみは、なんてステキなんだ・・・」

思わず和人は口にした。


にこにこ。


「アルデリーム・ジェ・デーリア(ありがとうございます)、和人さん」


「まるで、天使かと思ったよ」

「んふ・・・」


かぁ・・・。

ユティスは大そう嬉しそうだった。


「この歌は?」

「これは、幸せを願うお祈りの歌です。家族や、友人、大切な人に捧げる、古くからあるもの・・・」


「それを、オレに?」

「リーエス。和人さんに捧げました・・・」


じーーーん。


和人は胸が一杯になった。和人は、胸の奥底から湧き出てくる優しい気持ちに、すっかり満たされていた。


じわーーーぁ・・・。


それに、なぜだか自然と涙があふれてきた。


「あの・・・」

「和人さん・・・?」


じわり・・・。

和人はそれ止めることができなかった。


「ユティス。オレ・・・」

「和人さん、大丈夫ですか?」


ぽたり・・・。

ぽたり・・・。


ユティスは和人の涙に気づき、和人の涙を拭こうとした。


すかっ。


しかし、ユティスはそれを拭くことはできなかった。


「あ・・・」


「ユティス?」

「リーエス・・・」


ユティスはそれがとても悲しかった。


「申し訳ございません、和人さん・・・」


「いいんだ。オレ、精神体だから・・・。本当にステキなプレゼントをありがとう、ユティス。一生忘れないよ・・・。あは」

和人は微笑んだ。


「ユティス、きみは最高だよ。なんて言っていいかわからない・・・。言葉にできないくらい嬉しいよ。ホント・・・」


にっこり。


ユティスはそれを見て、和人に応えるように微笑み返した。

「和人さん・・・」

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