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046 活性

■活性■




和人はユティスの助けで自分の頭脳をどんどん活性化していった。


(人間の頭脳は、大天才でよく使っているという人間でも、生涯通じて数パーセントを使っているに過ぎない。これを仮に後数%でも使えたら、どんなにスゴイことになるんだろうか。脳細胞のネットワークは1対1ではないし。発揮できる力は天文学的になるだろうな・・・)


和人はユティスがしてくれた頭脳の活性化について考えていた。


そんなある時、事務所の経理部マネージャーの茂木が、そわそわしながら事務所中をなにか探し回っていた。


がさがさ・・・。


「あーーーん、どこにやったのかしら・・・・?」

茂木がバッグや引き出しの中をなにやら一生懸命に探していた。


「なにやってんの、さっきから?」

岡本が茂木の側にやってきた。


茂木は進退窮まっていた。

「ねぇ、岡本、あなた、わたしのスマホ見なかった?」


「スマホですって?失くしたの?」

「まだ、そうと決まったわけじゃないわよ。捜索中です」


「それ、会社支給品のヤツでしょ?」

「だから、捜索してんじゃない」


「それ失くしたら、滅茶苦茶やばいわよ」

「だから、こうして探してんのよ」


「さっきここで使ったのよ。それは確かなの。でも・・・」

茂木の目はそこら中をスキャンしていた。


「茂木、あなた、事務所から出てないのね?」

「出てないわ」


「で、見つからないっか・・・」

「うん・・・」


(まいったわぁ・・・)

茂木は本当にあせっていた。


「会社の固定電話から鳴らしてみた?」

「やったわよ、とっくに」


「周辺で、びびびって震える音しなかったの?」

「しない・・・」


「車の中は?」

「ない」


「お手洗いは?」

「なかった・・・」


「一緒に流しちゃったとか?」

「んなわけないでしょ!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「読まれちゃ困るメールとかあるの?」

「沢山ある・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


茂木は今にも泣きそうになった。


「セキュリティキーは設定しているんでしょうね?」

「一応・・・」


「だったらそれはセーフね。みんなに言って探してみたら?」

「そんなことしたら、真紀に大目玉喰らうじゃない」


「しょうがないでしょ。どのみち届けなくちゃならないわよ」

「冗談じゃないわよ。警察署まで行くことになるんでしょ、紛失届けに」


石橋と和人が同時にそれに気づいた。


「どうかしたんですか?」

石橋は困りきった表情の茂木に尋ねた。


「う・・・」

茂木が嗚咽を始めそうになった。


「茂木が、スマホ、失くした・・・らしい・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


代わりに岡本が答えた。


「ええ?」

「しっ。真紀に聞こえちゃうじゃない、石橋。まだ、失くしたって決定したわけじゃないんだから」


きっ。


茂木が石橋を睨んだが、目には今にも溢れんばかりの涙が溜まっていた。

うるるる・・・。


「あのぉ・・・」

そこに和人もからんできた。


「なによ?」


くるっ。

3人は一斉に和人を振り向いた。


「よかったら、探しましょうか、オレも」

「聞いてたの?」


「すみません。聞こえちゃいました。お困りのようだから・・・」

「じゃ、真紀たちには内緒で手伝って・・・。内緒でよ・・・!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あ、はい・・・」



「んーと・・・。ユティスならわかるかな・・・」

和人は目を閉じると、ユティスを呼んだ。


「ユティス?今、いい?」

「リーエス、和人さん」

ユティスが即答してきた。


「会社の一人がスマホを紛失したみたいなんだ。見つけてあげたいんだけど、きみにできるかな?」


「リーエス。お手伝いいたしますわ」

「ありがとう」


ぽわん。

ユティスは精神体となって、和人の脇に立った。


にこっ。


「あ、ユティス」


にこっ。

和人は、ユティスに微笑み返した。


「人の不幸がそんなにお可笑しいの?」

岡本が和人を怪訝そうに見つめた。


--- ^_^ わっはっは! ---


「いえ。なんにも・・・」

和人はすぐに真顔になった。


「それで、そのスマホはどのようなものですか?」

ユティスは和人にスマホの特徴を聞くように即した。


「うん。茂木さんに聞いてみる」


「茂木さん、それ、どんなのですか?形とか色とかメーカーとか」

「あなたのと同じマイフォンよ。色は白・・・」


「白のマイフォンだって、ユティス」

和人は頭の中で、ユティスに告げた。


「了解です、和人さん。和人さんにマイクロ波がお見えになるように、視神経の感度調整いたしますので、それを頼りにお探しくださいますか?」


「リーエス」

ユティスが言い終わるか、終らないかのうちに、和人の視界は一変した。


「うぁ・・・!」

「どうしたの?」


和人の声に、事務所中が和人を振り返った。


「いえ、なんでもありません。失礼しました」

「なにやってんのよ、和人!」

岡本が和人を睨んだ。


「すいません。もう一度、茂木さんの番号にかけてもらえますか?」


「わたしがします」

石橋が自分のスマホを取り出して、番号を入れた。


ぴっぽっぱ・・・。

とるるるーーー、とるるるーーー。


その途端、和人の目には石橋の左手がものすごく輝いて見えた。


「あ・・・。そういうことか」


--- ^_^ わっはっは! ---


「なにが、そういうことよ?」


「茂木、あなたは黙ってなさい」

岡本が茂木を制した。


ほわぁ・・・。

和人は事務所をふらふらと歩き始めた。


「違った。この明るいのは無線ルーターか・・・」

「こらこら、和人、ふらついてどこに行くの?」

真紀が和人に気づいて呼び止めた。


「ちょっと、気分が・・・」

「大丈夫?」


「少し休めば・・・」

「石橋さん、何回か繰り返してもらえますか?」


「あ、はい」

石橋はまたスマホに茂木の番号を入れた。


とるるるーーー。

「和人さん、こっちです」


ユティスの声に従って、和人は明るく光が点滅するお手洗いの方に歩みだした。


「和人、吐き気がするんじゃないの?」

真紀が心配そうに和人の後を追おうとした。


「いえ、ご心配なく」

「でも、ふらついてるわよ・・・」


「はぁ・・・」

「和人さん、そこみたいです」

ユティスはトイレを見つめた。


「女子トイレ?」

「リーエス。そこのゴミ入れから、マイクロ波が出ています」


すたすた・・・。

和人がトイレに近づくと、女性側の入り口が明るく輝いていた。


「ビンゴだね」

「まいりましょう、和人さん」


「え?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ユティス、ここは、女性専用だよ。オレ、入れないよ!」

「まぁ。そうでしたわ。うふふ」


「どうしよう?」

「どなたか事務所の女性に、お知らせするしかありませんわね」


たたた・・・。

その時、石橋が和人を心配して寄って来た。


「あの、大丈夫ですか、和人さん?」


「あ、どうも・・・。そうじゃなくて、茂木さんのスマホ、たぶん、女性用の洗面台脇のゴミ入れじゃないかと思うんです。そこからマイクロ波が出てる。紙タオルの中に埋まっちゃって、見えなかったんだと思います」


「え?それ、本当ですか?」

「はい。だから、オレは入れないから、石橋さん確かめて来てくれますか?」

「あ、はい、わかりました」


すたすた・・・。

がさごそ・・・。


「あ、ありました!」

女性用のお手洗いから石橋の嬉しそうな声がした。




「石橋!」

岡本は石橋の声で、真紀がすっかり気づいたことを察した。


「あなたたち、さっきから変だと思ったら、なんか探してたのね」

「あ、いや・・・」

茂木は口ごもった。


「ありました、スマホ!」

石橋は、右手に茂木のスマホを持って、嬉しそうに茂木のところに戻ってきた。



「こらっ」


こつん。

真紀はスマホを石橋から取り上げると、茂木の頭を軽く叩いた。


「はい。もぅ・・・、なにやってんのよぉ・・・。かんべんして・・・」

真紀はそれを茂木に渡し、続けて溜息をついた。


「あったからいいようなもの、本当になかったら、どうするつもり?」

「はい、すいませんです・・・」


「んもう、しょうがないわねぇ。今回は見なかったことするけど、ちゃんとしてよ」

「はい・・・」

茂木は小さくなって、真紀の説教を神妙に聴いていた。




「見つかってよかったですわ」


「リーエス。ユティス。ありがとう」

「どういたしまして」


「では、マイクロ波視覚感知を切りますわね?」

「うん。これ、今後も使える能力になるの?」


「リーエス。ただし、わたくしがお手伝いしないと、まだ和人さんお一人では難しいかと・・・」

「そっかぁ・・・」


「では・・・」


「え?もう、帰っちゃうの?」

「うふ。いて欲しいですか?」


「そうして欲しいと言ったら・・・?」

「リーエス。少しの間でしたらご一緒できますわ」


「うん。嬉しいよ」


ぴとぉ。

ユティスは頭を和人の肩に預けるようにして、隣の席に座った。




「でかしたわよ。よく見つけたわね、石橋」

岡本が感心して石橋を見つめた。


「ありがとう、石橋!」


ぎゅぅ。

茂木は涙ぐんで石橋を抱きしめた。


「いえ。わたしじゃないんです。和人さんが・・・」

「和人?」


「はい。和人さんがトイレにあるから、行って取ってきてくれないかって、わたしに頼まれたんです」

事情を知らない石橋は開け広げに答えた。


「和人ぉ?」

「はい」

和人は4人のところに行った。


「あなたが見つけたの?」

「オレじゃないんです。ただ、そっちの方から光が・・・・」


「光?」

茂木が首を傾げた。


「どこにあったの、石橋?」

「はい。使用済み紙タオル入れの中です」


「ゴミ入れってこと?」

「はい」


「和人。どうして、スマホがそこにあるとわかったの?」

「どうしてったって・・・、光が・・・」


「光、話中のピカピカってあれ・・・?」

「というか・・・」


「あなた、女性用のゴミ入れを引っ掻き回したんじゃないでしょうね?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「し、してません!男が女性用に入れるわけないじゃないですか。第一そんな時間なんかなかったですよ」


「和人さんは入ってません。わたしが和人さんに代わって探したんです」

石橋が助け舟を出したが、岡本は信用してなかった、


「変体・・・」

「冤罪です。冤罪!」


--- ^_^ わっはっは! ---




A社ではキックオフ・ミーティングも終わり、Webサイト改造プロジェクトがスタートしていた。


「和人、あなた時計、気にしてるの?」

真紀の言葉に和人ははっとした。


「やばい、時間ぎりぎりだぞぉ」

和人は慌てて書類をカバンに突っ込むと、椅子を元に戻した。


がたっ。

ぱさっ。

ぽとっ。


和人は、すぐに出口に向かって、早足で去っていった。


「A社、行ってきまぁす」

「行ってらっしゃい」


和人は出かけようとして、石橋の脇を通った。


ごん。

「すいません!」


和人は石橋の机にカバンをぶつけたことを謝って、飛ぶように事務所を出て行った。


石橋の視線は和人を追っていた。


ぽつり・・。

(あーあ、今日も声かけられなかった・・・。わたし、だめね・・・)


石橋はしばらく和人の出て行ったドアを見つめ、やがて視線を床に落とした。


(あれ、なにかしら?)


ひょい。


石橋は床に黒いパスケースのようなものを見つけ、拾い上げた。


(大変!これ、和人さんの運転免許証だわ!)


どたばたっ。


石橋はすぐに出口に駆け出した。


「石橋?」

「どうしたの、石橋?」


「神さまのお助けです!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「はぁ?なにを言ってんのかしら・・・?」


ばたばた・・・。


ばーん。

しゅうっ。


石橋は自動ドアを急い通り抜けると、和人を呼んだ。


「和人さぁ~~ん!和人さぁ~~ん!」


たったったった・・・・。


和人の姿は既になく、駐車場へ向かっているようだった。石橋はそのまま和人を追っかけていった。




「石橋・・・」

事務所のみんながびっくりしていた。


「どうしたっていうの?」

事情を理解できない事務所の人間たちは、お互い顔を見合わせた。


「石橋が和人を追いかけて出ちゃった・・・」

「神さまのお助けかぁ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ええ、なんですって?」

「仕事ほったらかして、和人を追っかけて行っちゃったのよ」


「そうそう・・・」

「あの娘、ひょっとして・・・、和人のこと好きなの?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ということよね・・・」

「え、知らなかったの?」


「そうよ。去年の会社ハイキングの捻挫事件以来ずっとよぉ」

「えーーーっ!」


「ショック・・・。知らなかったわ・・・」

「一大事ね・・・」


「和人さぁ~~~ん、なんて叫びながらさぁ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「いきなり昼真っから男の追っかけなんて。石橋、大胆すぎるわぁ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あの娘がねぇ・・・」

「恋する乙女は、なにをしでかすかわかんないから」


「でも、らしくないわぁ・・・」

「とにかく、わたしもびっくりだわ」

「わたしもよぉ・・・」


がたっ。

「ちょっと、様子を見に行ってくる」


石橋チームのチーフ、開発部マネージャーの岡本が席を立って外に出て行った。




「和人さぁーーーん!」

石橋は、急いで駐車場に行った。


ぶるんっ。

ぶろろろ・・・。

ちょうど、和人が車を出していったところだった。


「和人さぁーーーん!」

石橋は免許証が入ったパスケースを手に持つと、それを大きく振った。


「和人さん、免許証!免許証!」


ぷるー、ぷるーーーっ。

和人はバックミラーに必死で手を振っている石橋を見つけた。


(ええ?石橋さん、なんで?ひょっとして、事務所の外までオレを見送りに来たってぇ?まずいじゃないか噂にでもなったら・・・)


--- ^_^ わっはっは! ---


「和人さん、忘れてまーーーす!」

石橋は必死で和人に叫んだ。


(駐車場まで見送り?冗談だろ?手まで振って。や、やばい。後で事務所のみんなになにを言われるかわかったもんんじゃない・・・)


和人は石橋の伝えたいことをまったく理解していなかった。


「和人さぁーーーん!」

和人はとりあえず、車の窓から手を振った。


(こういう時は、取りあえず応えとくしかないか・・・)


「石橋さん、どうも、行ってきまぁーーーす!」


にっこり。

ぷるっ。

和人も窓から手を出し、にこやかに手を振った。


--- ^_^ わっはっは! ---


「和人さん、免許、免許!」


和人は石橋の思いをそのままにして、駐車場を後にした。


ぶろろろろーーー。




「はぁ、はぁ・・・」

石橋は前かがみになり、大きく息をした。


(このままだと、和人さん、免許証不携帯で捕まっちゃう。どうしよう・・・。そうだ!確かA社に行くのよね、和人さん。わたしが届けてあげるしかないわ!)


--- ^_^ わっはっは! ---


一度A社に和人と一緒に行ったことがあったので、石橋はすぐに自分の車に乗り込んで、和人を追っかけることにした。


ちょうど、そこを岡本が目撃した。

「石橋、本気・・・?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「石橋!あなた、なにやってるの?」

「和人さんを、追っかけなきゃならないんです!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「追いかけるって、あなた・・・、真昼間よ」

「そんなの関係ありません。行ってきます!」


--- ^_^ わっはっは! ---


ばたん。

ぶろろろ。


「関係ないって・・・、石橋、自分のしてること、わかってるのかしら?」


--- ^_^ わっはっは! ---


ぶうーーーっ。


石橋の車が和人の後を追っかけて駐車場を出て行った。


「あーあ・・・。行っちゃった・・・」


岡本は石橋が和人に恋をしていることを知っていた。

「恋は盲目って、本当ね。羨ましいわぁ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---




かちゃ。


力なく戻ってきた岡本は事務所中の視線を浴びた。


「どうだったの?」

「どうって・・・、行っちゃったのよ。和人を追っかけて・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「和人を追っかけていっちゃったって?」

「そう。行っちゃったの・・・」


「ええ?」

「『真昼間よ』っていったら、『そんなの関係ありません。行ってきます!』だって・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


事務所中の人間が石橋の行動を完全に誤解してしまっていた。


「きゃあ!」

「やっぱり!」

「石橋、大胆!」


--- ^_^ わっはっは! ---




「あーーん、どうしよう?」

石橋は必死で考えていた。


「そうだわ。和人さんのスマホに連絡入れなきゃ。いや、運転中よ。伝言とメールにした方がいいわね。とにかく、入れなきゃ・・・」


石橋は駐車場を出て、大通りに出る手前の信号が赤になったので、スマホを取り出した。


「手短にしなきゃ・・・」


ぴ、ぴ、ぴっ。

ぴ、ぴ、ぴっ。


つぅーーー。

ぴっ。


「これでいいわ」


石橋はメッセージを終えると、和人の車を追っかけはじめた。


ぶろろろ・・・。


「A社ってここから15分くらいだったような。一度、行ったことあるから・・・」


石橋は慎重に運転をした。


「ここで、わたしがスピード違反で捕まったりしたら、ミイラ取りがミイラだわ。どうせ掴まるんなら・・・。うふふ。きゃ・・・!」


--- ^_^ わっはっは! ---


るるるる。


「あ、スマホ・・・」

和人はスマホのメッセージの着信を確認した。


「石橋さんからメールだ。なんだろう?」

信号が赤になり、和人はメッセージを確認した。


「免許落っことしてます。わたしがA社にお届けします」

「石橋さん・・・」


がさ、がさっ。


和人が探すと、ポケットには免許証の入ったパスケースがなかった。和人はやっと理解した。


「ホントだ。やばい。A社に行くまで、いいポリスにも悪いポリスにも捕まんないようにしないと・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


ぷっぷーーー。

クラクションの音が聞こえた。


「後ろの車・・・、ひょっとして・・・」


和人がバックミラーを覗き込むと、遥か後方に石橋らしき赤い車を確認できた。


ぱっ、ぱっ。

石橋は軽くヘッドライトを点滅させた。


「ん?」


和人がそれに気づきバックミラーを見ると、後ろの車の運転席では石橋が必死で手を振っていた。


「やっぱり、石橋さんだ・・・」

和人はウインカーをつけ、車のスピードを落として左側に寄った。


しゅーーーっ。


「和人さん!」

「石橋さんが免許証を届けてくれるなんて、やっぱりユティスのご加護かな・・・」


とりあえず石橋の気持ちは感謝するとして、和人は今日のいいこと日記のトピックをこれにしようと思っていた。


--- ^_^ わっはっは! ---

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