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044 神罰

■神罰■




神社ではいいことばかりではなかった。和人たちが参道を歩いていると、突然柄の悪い男の叫び声がした。


どんっ。


「おい、気ぃつけんかい、ワレ!」

「きゃ!」


ばた。


若くいかにもチンピラ風の男が和人の目の前の年配の女性にぶつかった。


「す・・・、すいません」


ぺこり。

年配の女性はそこに倒れ、そのまま大慌てで男に謝った。


「まぁ、なんてひどい。ご自分から当たっておいて!」

ユティスは思わず叫んだ。


「オンドレ、今、なに言うてけつかる!」


--- ^_^ わっはっは! ---


男はそれが年配の女性の声だと勘違いした。男は彼女の前にしゃがみこむと、左手で彼女の顎を掴んだ。


「こら、ババァ、もう一辺、言いさらしてみぃ!」

「い、いえ、わたくしじゃありません・・・」


「オンドレの他にだれがおるんじゃ!ワイがわざと当たりよったってぇ?」


--- ^_^ わっはっは! ---


男のものすごい形相に彼女は震えあがった。


「お放しなさい、愚か者!」

突然、ユティスの毅然とした声が響き渡った。


「なんやて?」

どういうわけか、その男もそこにいる群衆もユティスの声をはっきりと聞いた。


「おう、おう、おう!」

今度はチンピラの男もそれを言ったのが、年配の女性ではないことがわかった。


「ひえぇ・・・」

年配の女性は恐怖に震え声を失っていた。


「おう、おう。今、言いくさりよったアマぁ・・・どいつだぁ!」

男はその場に仁王立ちになり、遠巻きにしていた群衆に上目遣いに目を向けた。


しーーーん。

しかし声がした方には男性しかいなかった。


「け、おらんやないかい。気のせいか・・・?」


--- ^_^ わっはっは! ---


(くそったれ。女に連れがおるんなら、そいつから有り金全部巻き上げたるんやに・・・。因縁をつける格好のチャンスやんけ。へっ、縁日に来くさるモンは、しこたま金を抱えとるわい・・・。カモ、カモ・・・)


男は再び年配の女性に、眼をやった。


ぴしゃーーーん。


「あなた、そのご婦人にお謝りなさい。そして、おとなしく立ち去りなさい」


その時、群集はまたもや毅然とした若い女性の声を聞いた。


「ど、どこや?アホンダラ!出さらせぇ!」

若い男は辺りに吼えまくった。


確かに和人の方から聞こえた。


(アマ・・・。おるやんけぇ・・・)

男は確信していた。


(和人さん、大丈夫ですわ。その方の頭脳波は把握しました)

(リーエス。きみを信じる)


すくっ。

和人は男の前に立ちはだかった。


「なんや、オンドレ?」

「・・・」


どかっ。


「おう。女がおるやろ?オンドレ、さっさと出しさらせや!」

男は和人にすごんでみせた。


「弱い犬ほど、よく吼えるってね・・・」

「きゃん、きゃん・・・」

ユティスが子犬の真似をした。


--- ^_^ わっはっは! ---


「な、なんやて?なにもんや、オンドレ!」

「そこのご婦人に謝れ。それと・・・」

和人は男のポケットを指差した。


「財布も返せ!」


がしっ。

男は和人の胸元を掴みかけた。


「なんや、オンドレ、わいに因縁つけよる気かぁ?だれが、ババァの財布盗んだやて!」


取り巻きはこの急展開に固唾を呑んで見守った。


「わたくしの声が聞こえませんか!」


その時、三度目の若い女性の声が響き渡り、群集のだれもが耳にした。今度は姿が見えないその声に男もひるんだ。


「ど、どこや?出さらせっ、アマァ!」


男はユティスを見つけることなく、必死で声の主を探した。


「神さま、神さまじゃ」

「神社の女神さまじゃ・・・」

そのうち、どこともなく群集のだれかが密かに囁いた。


--- ^_^ わっはっは! ---


「女神さまだ・・・」


ぴくっ。


「め、女神ですかぁ?」

ユティスはまた「女神」という言葉に反応した。


「どうかしたの?」

「ナ、ナナン・・・」


天川織姫命あまのがわおりひめのみことさまじゃぁ・・・」

「女神さまじゃあ・・・」


年配の何人かが神社に向かって頭を垂れた。


「ア、アホか、オンドレ!そないなモンおるわけあらへんがな!」

しかし、男には依然ユティスは見えなかった。


「なに言うてけつかる・・・」


「わたくしの前で暴言は許しません!」


ばしーーーん。

べたっ。

ばたばた・・・。


ユティスの声が響くと、男は抵抗できないほどの見えない力で、四つんばいになり道にへばりつけさされた。


「な、なにさらすねん!」

「愚かな。恥をお知りなさい!」


男は四つんばいになったまま、頭を除いて身動き一つできなかった。


「女神さまだ・・・」


群集も声を聞いていた。


「女神さまのお怒りだ・・・」

「なんと、罰当たりなことを・・・」


「ナンマイダ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「くそったれ!この21世紀に神も仏もあるかいな、アホ!」

男はまだ吠えていた。


ささっ。

和人は年配の婦人が立ち上がるのを助けた。


「さぁ、大丈夫ですか?」


すくっ。

「あ、はい。おかげさまで、ありがとうございます」

彼女は和人に礼を言った。


ユティスの声は続いた。


「さぁ、あなたには、ここでしっかりと反省をしていただきます」

「なんやて?」


男は半ば半狂乱になってユティスを探した。

「どこや、どこにおるんや、出さらせぇ!オンドレ・・・?」


「今より、あなたはご自身より50センチ以内に近づく生命体への運動反応が、10%に減ぜられます。また、5センチ以内ではさらに3%にまで減ぜられます」


「やかましわい!」


「そして・・・、うふふ。その下品な言葉を大いにお直しする練習をせねばなりません。これはあなたが心底悔いるまで続きます。たった今から、あなたに以上のことが適用されました」


(なに言うてんねん、どアホ!)

男はそう言ったつもりだった。


「お言葉をもう少し上品にせねば、なりませんわね?」


女性の言葉の後から、男の口から出てきた言葉というと、彼の意図するものとはまるっきり違っていた。


「なにをおっしゃいますか、愚かなお方。お頭でも変になされましたの?」


(ああ、なんじゃ、い、今のは?)


「ああ、なんなのでしょうか?今のは?」

男の声は高く裏返っていた。


--- ^_^ わっはっは! ---


回りの人たちは男の言葉のあまりの変わりように声を失っていた。


(くそったれ!ワイ、どうなってんねん・・・)


「落としものを召されし方、わたくしはどのようになってしまったのでしょうか?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ぶふ・・・」

「わははは・・・」

「あははは・・・」


「天川織姫命の天罰じゃ・・・」

「そうだ。そうに違いない」


人々はようやくそれが女神さまの罰なのだとわかってきた。


(おんどれ、見せもんじゃあらへんわ)

「あなた方、お見せするようなものでは、ございませんわよぉ」


--- ^_^ わっはっは! ---


男もこうなると、バチが当たったのかとうすうす感じはじめてきた。


(おい、そこのクソババァ、ワイに、なにしくさりよった?)

「もし、そこの奥様、わたくしに、なにかなさりましたの?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あ・・・、あはははは・・・」

「わははは・・・」

「おほほほ・・・」


回りは男のオネェ言葉に大爆笑になった。


(くっそう!)

「落としもの!」


しゅっ。

しゅーーー。

ぽ・・・。


男は目一杯拳を振り上げ和人になぐりかかっていったが、和人の50センチ手前で拳はいきなり失速した。


とろーーー。

ぱしっ。


--- ^_^ わっはっは! ---


和人の5センチ手前で極めてゆっくりとなり、和人になんなく払われてしまった。


(な、なんなんだ?)

「な、なんなのでしょうか?」


「神さまの罰だよ。改心するまで続くよ。聞こえなかったのかい?」

和人は余裕たっぷりに、男に微笑みかけた。


「まだ、わかりませぬか。あなたが改心せねば元には戻りません」

ユティスの通る声がみんなの頭に響いた。


「あわわわ・・・。わたくし、どうしてしまったの?」

男はすっかり気が動転していた。


--- ^_^ わっはっは! ---


(助けてくれ、助けてくれ!)

「お助けくださいまし!お助けくださいまし!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「わははは・・・」

「あははは・・・」

今や、回りは笑いの渦となった。


「なんの冗談で、わたくしに罰が下りましたの?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「・・・」

ユティスはなにも語らなかった。


「わたくしが悪うございました。女神さま、お許しくださいまし!」

男は半狂乱で泣き叫んだ。


どたばた。


群集には、男が往来でうつ伏せで手足をバタバタやっているのしか見えなかった。


--- ^_^ わっはっは! ---


しかし、男の悲鳴でなにやらとてつもない恐怖を体験しているらしいと推測できた。


「お助けくださいまし・・・!」

そして男は気を失った。


「和人さん、終わりましたわ」


「ま、まさか死んだんじゃ?」

「ナナン、気を失っただけです」


そう言うとユティスは男の意識を回復させた。


「お起きなさい」

「あ、うう・・・」


男は起き上がろうとして、初めて和人のそばのユティスを認めた。


「て、天女・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


ユティスは男に優しい眼差しを向けると、右手を大きく上げ男に向かって振り下ろそうとした。


「ま、待ってくださいまし・・・。わたくしが悪うございました」

「あのご婦人にお謝りなさい」


「わ、わかりました・・・」


ぺたぁ・・・。

男は年配の女性に謝り、彼女の靴に額を擦りつけた。


「もう、二度といたしません」

男の目から涙がこぼれていた。


「本当ですね?」

「ご勘弁くださいまし。財布もお返し申しあげます」

男はズボンのポケットから女物の財布を取り出し彼女に返した。


「そ、それは・・・」

「わたくしが、あなた様にぶつかった時、いただいた、いえ、返すつもりもなく一時拝借いたしましたもので・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


年配の女性は驚いていた。男のチャンスは、ほんの1、2秒しかなかったはずだった。それを確実にものにしたのだ。


「あなたには強力な暗示がかかっていますわ」

ユティスの声は回り中に響いていった。


「あなたに先ほどのような感情が湧き出ると、体の反応と言葉に変化を起こすことになります。今度、このようなことを行えば二度目ですね。二度目の発動は500年は解くことはできません」


--- ^_^ わっはっは! ---


きょとん・・・。

「500年?」


「短すぎましたか?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「は、はい。十分です・・・」

男は震えていた。


--- ^_^ わっはっは! ---


「どこだ?」

どかどか・・・。


だれが呼んだか、はたまた騒ぎを聞きつけたのか、交番から警官がやってきた。


「署のものだ。これが見えるか?」

和人の隣の男が警察手帳を出した。


「け、ポリ公・・・じゃない、巡査長殿・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「今のが真実なら、現行犯逮捕するぞ。後ろを向け」

「やかまし・・・、お静かにしていたけますか?」


--- ^_^ わっはっは! ---


男は急に背中を見せて逃げようとした。しかし、たちまちユティスの暗示が効力が発揮し、男は再び体中の自由がきかなくなった。


「わーぁ、お助けくださいましぃ!」


どたばた・・・。

男は道の真ん中でひっくり返り手足をばたつかせた。


「一人でなにを騒いでる?」


--- ^_^ わっはっは! ---


がち。

警官はわけがわからなかったが、男に手錠を掛けた。


はっ・・・!

その瞬間、男は正気に戻った。


「う・・・」

男は汗をびっしょりかいていた。


「そこのお方・・・」

あたりにユティスの声がこだまし、警官もそれをしっかりと聞いた。


「うん?だれですか、今しゃべったのは?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「正直にお生きなさい。今後500年は学びを実践していただきます」

「天女さま、わ、わかりました。お約束申しあげます・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


男は生体エネルギーの光に包まれたユティスの前にひれ伏した。




ぺこり・・・。

「本当に、ありがとうございました。あの、お礼に」


ぺこ、ぺこ・・・。

年配の婦人は和人に何度も頭を下げた。


「なに言ってるんですか。いいんですよ。オレはなにもしてませんから」

「そうは言っても、命の恩人に」


「誓って女神さまのおかげですよ」

和人は周りには見えないユティスを振り返った。


どきっ。


「か、和人さん・・・」

ユティスは、またしても『女神』という言葉に反応した。


「まさか、あなたは女神さまの・・・」

「単なる知り合いですよ」


「ありがたや・・・」

彼女は和人に手を合わせた。


--- ^_^ わっはっは! ---


「じゃ、お気をつけて」

和人はそう言うとすたすた歩き去った。




「今のはなんだったんだ?」

男を押さえつけたまま、若い警官は群集がうなずいているのを不思議そうに見回した。


--- ^_^ わっはっは! ---


「お巡りさんかい?」

「はい。いかにも、本官は百万世橋署の者です」


「聞こえましたでしょ?ここに祭られた神社の女神さまじゃて・・・」

「女神さまって・・・、そんなことがあるのかぁ?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ここにおるもんは、みんな聞いたんじゃ・・・」

「ああ、そうです」


「全員です・・・」

「わたしたちが、証人です」


「だが、ありえんだろう・・・?」

「ありがたいごとです」


「お巡りさん、この人を許してやってください」

年配の女性は、泣きべそをかいている男を見つめて言った。


「でも、こいつは・・・」


「被害者が訴えを取り下げれば、よろしいんですよね?」

「しかし、事実は消せませんよ。所で調書を取らないと・・・」

警官は困ったように言った。


「あら、そうかしら?」

ユティスの声が響き、警官も含めてみんなが声の主を探した。


--- ^_^ わっはっは! ---


「あ、天川織姫命さまじゃ・・・」

「お放しくださってけっこうですわ。この人はもう悪いことはできません」


ユティスは警官に向かって軽やかに言った。そして、一同もそれを聞いた。


「だ、だれです?」


「ふふふ。わたくしは、この世界の者ではありません」

「この世のものじゃない?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「それって、もしかして、天川織姫命さま・・・、ですか?」

「いいえ。そう呼んでいただくのは、光栄ですが・・・」


ぱち。

ユティスはいく分恥ずかしそうに和人にウィンクして言ったが、一同は、ユティスが女神だと解釈した。


(ユ、ユティス!)


和人はたちまちうろたえた。


「女神さまじゃ・・・」

その場にい合わせた全ての人がそれを聞いた。


「ありがたや、ありがたや・・・」

「天川の命さまじゃ・・・」

そして、口々に女神を称える言葉を口にし祈りを唱えた。


「それじゃ、お巡りさん、よろしく」


すたすた・・・。

和人はその場を後にし群集の中に消えた。


「しかし、調書に神社の女神が現われてスリ兼暴漢を取り押さえ・・・、いや、こいつが勝手にお縄になって・・・、ありゃ、どう書けばいいんだぁ・・・?ちょっとぉ、待ちなさい、きみぃ!」


--- ^_^ わっはっは! ---




すくっ。


「おす。じゃ、わたしバイトがあるんで、お先に」

イザベルは、縁日の演舞の打ち上げ会もそこそこに、立ち上がった。


「えっ、バイトっすか、これから?」

がっくり・・・。

二宮は肩を落とした。


にこっ。

「はい」


ちょこん。

イザベルは、一礼すると、座席を後にした。


「あ、喜連・・・」

二宮はやっとの思いで手に入れたイザベルの隣の席で一人愚痴った。


「せっかく隣の席になったっていうのに・・・」


「喜連川さんのお帰りです」


「おす」

「おっす」


「失礼します」


ぺこ。

イザベルは一礼した。


「おす」

「うっす・・・」

二宮は一気に酔いが覚めていった。


ぽん。


「二宮・・・」

足利師範が叩いた。


「うっす。師範・・・」


「しけた顔しとるなぁ」

「いえ、そんな」


「なら、いいんだが。今度こそ、おまには黒帯取ってもらわんとなぁ」

「うっす」


「瓦割り、見事だったぞ。正直、お前にゃ無理かと思っていたが、よくやった」

「うっす。ありがとうございます」


「ホント、すごいです。二宮さん」


うっとり。

女性の道場生の一人が、二宮を尊敬の眼差しで見た。


(ちぇ、オレが言って欲しかったのはイザベルちゃんにだよ・・・)


--- ^_^ わっはっは! ---




「ありがとう、ユティス」

「はい。どういたしまして」


「一時はどうなることかと思ったよ」

「悲しいですね、ああいう方が実際にいらっしゃるなんて・・・」


「・・・」

和人は声が出なかった。


「カテゴリー1決定だね。これで、地球の支援も終わりなの?」


にこ。


「ナナン。地球はカテゴリー2ですわ。一度ならず自星をお出になられているんですもの。もっとひどいことがあろうと、わたくしの気持ちに変わりはありません」


「どうして?」

和人は思わず聞き返した。


「一つは、カテゴリー2の世界では、さきほどのようなことは、大宇宙において普遍的に見られる状況でもあります。なにも地球に限ったことではありませんわ。エルフィアの支援はこれを乗り越えるためのものです。そして、もう一つは・・・」


「もう一つは・・・?」

「和人さんの地球だからです・・・」


ぽっ。

ユティスの頬がほんのり赤くなった。


--- ^_^ わっはっは! ---


「オレの地球だから・・・?」


「リーエス・・・。地球は、わたくし自身にとってとても大切な世界です。和人さんそのものと言ってもいいくらいに・・・。その地球を見放すなんて、どうすればできるんですか?」


にっこり。

ユティスはゆっくり笑みを広げた。


「わたくしとて、理性とは程遠い存在ですわ。常に感情のおもむくままとは申しあげませんが、感情を無視できるほど強くもありません。わたくしの感情が地球を求めています。和人さんの地球を・・・。わたくしはここが好きです。本当に好きなんです・・・」


「地球はオレそのもので・・・。ユティス・・・」


にっこり・・・。

ユティスは、ゆっくりと和人に微笑んだ。


「和人さん、先程は、とても凛々しくてステキでしたわ」


「だって、あれは全部ユティスがやったんじゃないか」

「ナナン。そんなことありませんわ」


じーーーぃ。

ユティスは、大きな深い紫色のアメジストのような瞳で、優しくじっと和人を見つめた。


(和人さん、もう少しお気持ちがわかれば、もっと楽しくなりますのに・・・)


じぃーーー。


「うふふ」

「あは」


二人は同じタイミングで見つめ合い微笑み合った。


ぽっ。


そして互いの想像に頬を染めた。


ぽっ。

「ユティス・・・」


ぽーーーっ。

「和人さん・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---

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