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333 学府

■学府■




いつもの朝礼が株式会社セレアムで行なわれていた。


「いい、みんな、今日は1時からユティスの講演がT大であるんだから、間に合うように行くこと。重ねて言うけど、真紀と俊介の業務命令だから、特別用事がある場合を除いて全員参加よ」


社長代行の岡本が茂木と並んで社員たちに指示を飛ばしていた。


「はぁーーーい」

「うーーーす」


「二宮、あなたも行くんだからね」

「わかってますって」


二宮は二日ぶりに事務所に現われたイザベルを見ながら気のなさそうな返事をした。


「あのぉ・・・、わたしはどうすれば・・・?」

二宮に見つめられたイザベルは困った顔になった。


「イザベルさんも午後は参加してください。会社の業務の一環ですから」


にっこり。

岡本が優しく答えた。


「はい。ありがとうございます」

イザベルは嬉しそうに言った。


「ちぇ、朝からいないじゃないっすかぁ・・・」

二宮がユティスや和人の席を見て不満そうに言った。


「それは、講演会の準備にT大に行ってるからじゃないんですか?」

石橋が二宮に言った。


「石橋、ビンゴ。そういうことよ、二宮。あなたじゃないんだから、和人がサボってなんかないわよ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ひどいっすよぉ。オレだって朝からカフェに入ったりしないっす」

「健康な二宮が朝一入るのは、まずお手洗いよね?」


「茂木さん!」


--- ^_^ わっはっは! ---


ぱん、ぱん!


「わかったわ。話が長くなるから、そういうことで、いい、みんな?」

岡本が締めた。


「はぁーーーい」

「うーーーす」


「それで、講演会に、ひょっとしたら真紀たちが参加できるかもって」

岡本が言った。


「ええ、帰ってきてるんですか?」

「いいえ、帰ってきたってことじゃないけど」




がったん、ごっとん・・・。


「なんで電車なんか使ったりするのよ?ジャンプすればすぐなのに・・・」

アンニフィルドが文句を言った。


「ナナン。電車に乗る。地球の文明を知るにはとても重要なことですわ」


にっこり。

ユティスが言った。


「だけどさ、この人ごみよぉ・・・?」


ぐり・・・。

アンニフィルドが体勢を入れ替えた。


さわ。


「あはん・・・!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「和人ぉ、エッチ・・・」

「ご、ごめん」


アンニフィルドのお尻に和人の手が当たった。


「不可抗力。不可抗力だよ」

和人は懸命に弁解した。


「あは。あなた上手ね、なにげに女性に触るの・・・」

にこ。


--- ^_^ わっはっは! ---


「和人さん?」


「な、なに、ユティス?」

「わたくしでは嫌なのですか?」


ユティスがすねたような表情を見せた。


--- ^_^ わっはっは! ---


「わぁ、ユティス違うったら!」

「そう言えば・・・」

クリステアがそんなやり取りを見て、ユティスに真顔で言った。


「なんでしょうか、クリステア?」

「最近、和人とキッスしてるところ見たことないわよぉ。大丈夫、ユティス?」


--- ^_^ わっはっは! ---


クリステアはユティスに尋ねた。


「それがぁ・・・」


ちらり。

ユティスが不満そうに和人に流し目を送った。


--- ^_^ わっはっは! ---


「こら、なにを話してるんだよぉ。きみたち声が高い。しっ!」

慌てて和人がエルフィア娘たちを制した。



「キッスだってぇ・・・?」


ぎょ?

キッスと聞いて、たちまち車両の乗客たちが側耳をたてた。


--- ^_^ わっはっは! ---




「社長、瀬令奈さんと縁切っちゃって、正直、ウチ存続していけるんでしょうか?」


烏山ジョージの音楽事務所では、朝一で秘書兼会計兼受付嬢が心配そうに彼を見つめていた。


「まぁ、なんとかなるさ。アイツの曲の著作権はウチにある。当面、印税は入るし。ははは・・・」

烏山は一見陽気に笑っていた。


「それで、ユティスさんのことですけど、まだ正式に契約を交わせてないんでしょう?」


「そう、そう。そうなんだよぉ。エルフィア人は契約書にサインしないらしい。合衆国大統領も断られたって有名な話だぞ」


「人事みたいに言わないでください」


--- ^_^ わっはっは! ---


「そのうち、契約しただなんてウソがばれて、他の事務所に嗅ぎつけられますよ。ユティスさんたちをかっさらわれたらどうするんですか?」


「とにかく、彼女たちはどんな契約書にもサインしないとは思うんだが・・・」

「どうしてサインしないなんて信用できるんですか?」


「オレの感・・・」

「そんなぁ!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「とにかく、ユティスさんたち「エルフィア」を売り出す気はあるんですか?でなきゃ、キャッシュが入る手立てを今すぐ考えなきゃ・・・」

「うーーーん、そいつはちょっと困ったなぁ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


烏山は右手を顎にやった。


「ちょっとどころじゃないんですけど・・・」


「売上、落ちてるのか?」

「ええ。先月から5千円も」


「そりゃ大変だ。経費でビールが飲めなくなる」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あのぉ、社長・・・、瀬令奈さんの新曲の著作権は全部ウチじゃないんでよ。配信料からコンサートの売上、CM出演料その他グッズやなにもかも一切です。数ヵ月後にはウチにはまったくお金が入ってこなくなるんです。わかってるんですか?」


「瀬令奈の新しいファンは冷たいなぁ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「新しくファンになった人たちは今の瀬令奈さんが大切なだけです」


「早まったか・・・」

「今さらですよ!」


「で、どうすればいい?」

「社長!」


--- ^_^ わっはっは! ---




(しかし、なんだってよりによって、わたしのミニコンサートがある日にあの女が来るのよぉ・・・。まったく腹立たしい)


時間は午前10時を大きく回っていたが、タレントにしては割と朝型の小川瀬令奈は自宅のマンションで歯を磨いていた。


しゃかしゃか・・・。

しゅっしゅっ・・・。

がらがら・・・。

ぱっ。


るるる・・・。

きんこぉーーーん。


瀬令奈のスマホがメールの到着を告げた。


(ん、もう、だれよ、こんな早朝らからメールをよこすなんて!)


--- ^_^ わっはっは! ---


瀬令奈は目一杯不機嫌な顔になると確認のため、スマホを持ち上げた。


(え、なになに・・・?)


メールは瀬令奈にとってその嫌ぁーーーな女に関してだった。


--- ^_^ わっはっは! ---


(ミニコンサートは、エルフィア大使の講演と時間をずらし、16時とします。リハはなしとします・・・)


ぴ、ぽ、ぴ・・・。


「はい、アクエリアス・ミュージック」

「わたしよ!」


「はい、瀬令奈さん」

「リハなしですってぇ!しかも開演15時だっていってなかったぁ?」


「申し訳ござません。警備上の理由とかで警察からの指示でして、われわれではいかようにも・・・」

「警備たって、T大のどこが危険なのよぉ!」


どかん!

瀬令奈は事務所の人間に爆発した。


「ですから、VIPの来場に備えて・・・」

「わたしなら大丈夫だって!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ですから、瀬令奈さん以外のVIPです」

「ええ?そこに、わたし以上のVIPが来るってわけ?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「いいですか瀬令奈さん。ユティス大使は異星人です。どんな講演も重要なんです。各国の首脳や科学者たちが参加するんです。ここを襲われでもして、ユティス大使たちにもしものことがあったら・・・」


「せいせいするわ!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あのですねぇ、地球の面目が丸つぶれになるんです」


むかむかむか・・・。


「警察の言葉をそのまま伝えたいわけね?」


「日本語が伝わるんであれば・・・」

「どういう意味よぉ?!」


--- ^_^ わっはっは! ---


瀬令奈は自分のミニコンサートが先に組まれていたにもかかわらず、T大がユティスの講演を明らかに優先していること知って、怒り心頭した。


「ジョージなら絶対にこんなことにはならなかったわ!」

瀬令奈はそう言って、思わず出た自分の言葉にはっとした。


「そんなことをおっしゃられても・・・」


烏山の事務所から移籍してしばらくたった瀬令奈だが、アクエリアス・ミュージックの人間たちにも、ようやく瀬令奈の真の姿がわかり始めていた。


「ん、もう!」


ぴっ!

瀬令奈は乱暴にスマホを切った。


どかどか・・・。

瀬令奈は足音も高くリビングに向かった。




「あり・・・」


今年のレジーナ女王の座を返上した女性格闘家のキャサリン・グリーンは、Z国エージェントのリッキー・Jとジェニー・Mの宿泊しているホテルを同じく根城にしていた。


「あいつら・・・」


朝食のため、キャサリンがホテルのレストランに行くと、ジェニー・Mがキャサリンを見つけて微笑んだ。


にこ・・・。

「こっちへ来たら、キャサリン?」


すたすた・・・。


キャサリンはこの二人がいるのを知っていたが、彼女らがキャサリンが宿泊してることを知っているのかどうかはわからなかった。


「はぁい、ミス・スパイ・ワールドZ国代表。それにマネージャーさん」

にた。


--- ^_^ わっはっは! ---


キャサリンは右手を上げて開口一発冗談をかました。


「レジーナ以来だな」


さっ。

リッキーが右手を差し出し、やんわりと握った。


「お久しぶり」

「引退した。スパイだけ余計だ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「で、次はどこで雇われたの?」

「あのなぁ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「とにかく、再会を祝って・・・」


ぎゅぎゅう・・・。

しかし、キャサリンはそれを思いっきり握り返した。


「痛ててて!」

たちまちリッキーの顔が歪んだ。


--- ^_^ わっはっは! ---


「親愛の印よ。合衆国じゃ握手に力を込めないと『デッド・フィッシュ:死んだ魚』って言って失礼になるからね。知ってるんでしょ?」


「力の入れ過ぎだ・・・」


ぷるぷる・・・。

キャサリンが手を離すと、リッキーは右手を振った。


「ここの朝食はバイキング方式だから・・・」

ジェニーがなにを頼もうかと辺りを見回しているキャサリンに言った。


「他人の皿から調達しろってかぁ?」

にたっ。


--- ^_^ わっはっは! ---


キャサリンが愉快そうに言った。


かちん・・・。


「そうじゃなくて、中央に並べてある料理から好みのものを持ってくるのよ。はい、あなたの分。取りなさいよ」


そう言って、ジェニーが大皿を一枚取るとキャサリンに渡した。


「ふぅーーーん。バイキングって言うから、てっきりだれかの皿の料理を力ずくで奪えってことかと思ったんだけど・・・。とりあえず、あんたのは不味そうだね」


--- ^_^ わっはっは! ---


ちゃ・・・。

ぱち。


キャサリンはフォークとナイフを持ってリッキーにウィンクした。


「あ、そのベーコンいただき」

「本気でやりかねないな、あんたは・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


まだ右手を痛そうにしてリッキーが言った。


「なぁーんてね。あたしはクロワッサンにスクランブルエッグとオレンジジュースでいい」


すたすた・・・。

キャサリンはそう言うと自分の言ったものを取りに行った。


「あんなのまで招待を受けてるの?」

ジェニーがしかめ面になってリッキーに尋ねた。


「さぁな。会場に行きゃわかるさ。ここで一悶着は起こすなよ」

「ふん。それくらいわかってるわ」

ジェニーはつんと鼻を反らせた。




「あ、可愛い」

「美人よねぇ・・・」


「ひょう・・・」

「スタイル、抜群じゃない?」


「あ、知ってる。今日の講演の講師、ユティスじゃない?」

「あ、ホントだ。エルフィア大使だ」


「じゃ、その隣にいるショートの美女が、お供のクリステアで・・・」

「プラチナブロンドのスーパーロングがお供のアンニフィルドだよ」


「あは。木戸黄門みたい」


--- ^_^ わっはっは! ---


「で、男、だれ?」

「風車の矢吉よ」

「うっかり六兵衛なんじゃない?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「カズトよ。カズト・・・。なに、カズトだっけぇ・・・」

「鬱の身や、カズト」


「暗ぁ・・・」

「超だせ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


ユティスたちがT大のキャンパスに入ると、外国人留学生には慣れているはずのT大生たちも次々と振り返った。


「悪い気はしないわねぇ・・・」

クリステアは済まして歩き続けた。


「わたしもよぉ・・・」


「はいはい、そうですか」

和人はSSたちを横目で見た。


--- ^_^ わっはっは! ---


「へぇーーー、これが天下の最高学府T大ね。俊介もここで勉強したんだ・・・」


アンニフィルドは、遥か遠くの別銀河、セレアムに行っている俊介に思いを馳せた。


すっす、すっす・・・。

ぺこり。


センスのいいファッションに身を固めた可愛い女子学生たちが、エルフィ娘たちに会釈して通り過ぎていった。


「はぁ・・・。俊介・・・」

アンニフィルドはぼんやり女学生を見つめた。


「それにしても女の子多いわね?」

クリステアがセミロングの女の子を目で追った。


「まぁ、ホント。みなさんとっても可愛いですわ!」

ユティスも頷いた。


「男は勉強どころじゃないんじゃない?」

「常務さん、ここではアメフト部だったらしいんですよ」


「それじゃあ、さぞかし、もててたんじゃない?」


「クリステア、ユティス?」

「リーエス?」


「あなたたち、なにか言いたいことあるわけ?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ん?なにか言ったぁ、アンニフィルド?」

「もう、いい!」


--- ^_^ わっはっは! ---


すたすた・・・。


4人は和人を先頭にキャンパスを進んでいった。


「で、大講堂ってどこぉ?」


アンニフィルドはT大の正門を通り抜けると、街中にある大学としては別格の広々としたキャンパスを歩きながら、大講堂を探すように見回した。


「まっすぐ行って、すぐ左だよ」

和人が目指す方向を指差した。


「よく知ってるわね、和人」

「まぁ、来たことがあるから」


「そっかぁ。あなたもここを出たんでしょ?」

クリステアがきいた。


「ええ?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「和人さんは高根沢教授とお会いしたことあるんですものね?」


にこ。

ユティスは和人に微笑んだ。


「うん、そうだった。一度入ったもんね」

にま・・・。3


--- ^_^ わっはっは! ---


「地球の大学って、エルフィアと同じね」

「どう同じなんだい?」

和人はアンニフィルドにきいた。


「何度も入ったり出たりできるんだもん・・・」

アンニフィルドがとぼけたように言った。


--- ^_^ わっはっは! ---


「ここの卒業さぁ、ウチは社長と常務だけじゃないんだよ」

「ということは、お二人の同期だっておっしゃる岡本さん、茂木さんもですか?」

ユティスが和人に確認した。


「そういうことだね・・・。みんな頭いいんだよ・・・」


和人は普段は学歴コンプレックスに悩まされることは皆無だったが、T大のキャンパスの学生の中、今日ばかりは、久々に自分がなんか小さい存在のように感じた。


「大丈夫ですよ、和人さん。和人さんの頭脳はとってもいいですわ」

「アルダリーム(ありがとう)。でも、そんなことないよ・・・」


「和人さんの頭は悪くなんかありません。リーエス。それに、偏差値のより高い大学に入ることよりも、だれと何をお勉強してきたかの方が大切ですわ。一生懸命お勉強して、人生を照らしたり変えたりするような体験はどこでもできます。大学を卒業してからも・・・」


ユティスはそう言って、和人の腕に自分の腕を絡ませた。

ぎゅ・・・。


「あ、ユティス・・・」


にっこり。


和人と顔がくっつきそうなくらい近くになったユティスは、最高の笑顔でこっそり言った。


「さぁ、和人さん、せっかくのT大です。お勉強しましょ。んふ?」

「な、なんの・・・?」


--- ^_^ わっはっは! ---




T大の大講堂は優に2000人入れるくらいの大きさだったが、ほぼ半分以上の席がうまっていた。


ざわざわ・・・。

ぞろぞろ・・・。


「こんにちわ」

「どうぞ、中に入りください!」


「よっ」

「あ、学長、どーも」


ぺこ。

理学部の学生が頭を下げた。


「わたしもこっちに座るぞ。どれ・・・」

どか。


「お嬢さんと一緒で?」

「あら、学長の娘に思われて光栄だわ」


ぺこり。

学長と同姓の美しくも愛らしい女の子が学長の側で会釈した。


にこ。

学長の隣には彼の妻がいたのだが、彼女はT大薬学部の4年生だった。


「え、違うんすかぁ?」

「まぁ、どっちでもいいけど・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「そうっすか。こんちわ」

「うむ。」


「招待席の後ろから順にお詰めください!」


ぞろぞろ・・・。


「途中で立ち止まらないで中に詰めてください!」


案内と書かれた腕章をつけた学生や職員が、次々と訪れる聴衆たちを席に案内していた。




「恵美くん、聴衆の入りは順調のようだね?」

「はい、高根沢教授」


にこ。


「ユティスさんたちは、打ち合わせの後、あれからまだ戻っとらんのかね?」


そわそわ・・・。

高根沢は大講堂のステージ横の出演者控え室で落ち着かない様子だった。


「みなさん、学内見物に出かれたままですが、もうすぐ戻ると思います」

高根沢博士の助手はこともなげに答えた。


「しかし、大使の講演まで、あと30分を切っておるぞ」

「それなら大丈夫です。彼女たちは瞬間移動して戻ってきますよ」


「瞬間移動?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「変ですか、表現が?」

「あの、恵美くん、わたしが言いたかったのは・・・」


「はぁ、だいたい、こういうのは時間通りに始まった試しはありませんから」

にっこり。


--- ^_^ わっはっは! ---


「うむ。仕方がないなぁ・・・」

高根沢教授の時計は正午を過ぎたところだった。




「あーーー、テス、テス・・・」


ぴぃーーー!


「只今、マイクのテスト中。只今マイクのテスト中・・・」


ぴーーー!


「はい、マイク・ボリューム調整終了」


「よぉーし、完了だ。音楽スタート」

「了解」


ぴっ。

じゃんじゃんかじゃーーーん。


バックミュージックが流れ始めた。



「あ、これ、小川瀬令奈の曲だ・・・」


学生たちは今日の夕方から始まる小川瀬令奈のミニコンサートを知っていた。


「でも、これ移籍前の曲よ」

「そういやぁ、そうだな」


一組の学生カップルがバックミュージックに耳を傾けていた。


「今日、演るのかしら、瀬令奈?」

「さぁな。移籍しちゃったからな。著作権とか複雑なんじゃねぇ。演んないかも」


「えーーー!わたし、この曲が好きなのにぃ!」

「オレに言うなよ。オレに!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ん、もう。ちっともわかってくんないんだから!」

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