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026 感謝

■感謝■




「アステラム・ベネル・ナディア(こんばんわ)。和人さん、ユティスですわ」


がばっ。

和人は飛び起きた。


「ユティス、待ってたよ!」


ぶわぁーん。


(ユティス・・・)

ユティスの精神体が和人の目の前に姿を現してきた。


ぺこり・・・。

「すみません、なんのご連絡もせずに1週間もご無沙汰しまして・・・」

ユティスは深々と頭を下げた。


「そんな、謝んないで。1週間は長かったけどかまわないよ。なにか深い訳があってのことだろ?もう、いいよ。こうして現れてくれたんだもの。あはは」

和人の気分は一気に晴れていった。


「はい。ありがとうございます。実は、和人さん・・・」

ユティスの申し訳ないという気持ちをひしひしと感じて、和人は優しい気持ちになっていった。


「いいよ。言いたくなければ・・・」

「ナナン。お伝えいたします」


「うん。それで?」


「エルフィアの文明促進推進プロジェクトの是非は、コンタクティーに多くを依存しています。地球の支援については全員が賛成というわけではありません。コンタクティーに和人さんについても・・・」


「そ、そうなんだ・・・」

和人は不安になった。


「最高理事のエルドは、反対派のコンタクティー適合テストをするべきという意見を無視できなくなりました・・・」

ユティスは無表情に答えた。


「それで、結局、オレはコンタクティー失格って訳わけなんだね?それを伝えにきたんでしょ・・・?」

和人はどうしようもない寂しさを覚えた。


「ナナン。こうして、わたくしが現れたのは、和人さんがそれに合格したことをお伝えするためです」

ユティスは慌ててそれを否定した。


「ええ?違うの・・・?」

和人は面食らった。


にっこり。

「うふ」

一転して、ユティスは例えようもなく優しく微笑んで、和人を見つめた。


「これからは、ずっと、ずっと、わたくしがお会いいたします・・・」

「ユティス・・・」


じわぁ・・・。

和人は喜びに胸がいっぱいになってきた。




ややあって、ユティスは説明を始めた。

「和人さん、実は・・・」


「どんなテストだったの?オレは、なにもそんな風に感じなかったけど・・・」


「申し訳ございません。実は、わたくしが和人さんの精神をハイパー通信でモニターさせていただいていました。エージェントとコンタクトした後、しばらくそれを絶った場合のコンタクティーの精神と行動のモニターです」


「そうだと、思ったよ・・・」

ほっ・・・。

和人は安心したように言った。


「意外ではないんですか?」

「ううん。きみがオレに応えてこないのは、きっと、なんらかの理由があるからだと思ったんだ」


「例えば?」

「そうだね。オレの精神が正常を保てるかどうか・・・」


「和人さん・・・」

ユティスはさらに申し訳なさそうになった。


「つい先日も、きみは言ってたよね。コンタクティーがあまりに夢を見るような性格だと、現実的な行動に支障をきたすって。それに、私利私欲のためにそれを利用とすることも、コンタクティーとしては不向きだって」


こっくり。

「リーエス・・・」

ユティスは小さく頷いた。


「かろうじて思い出したのさ。だから、きみを信じて待とうって・・・」

「和人さん・・・」


「オレこそ、きみを少しでも疑ったことを謝らないといけない。もう二度と、きみを疑ったりはしないよ・・・」


「和人さん!」

にっこり・・・。


ユティスの精神体は、見た目、実物とほぼ変わらないが、これは精神が宿ったイメージだった。ユティスの精神はそこにいるのだが、物理的には触れることも感じることもできない。


「ごめんなさい。すぐにお応えできなくて」

「あ、いいんだよ。1000回も秋は来てないから」


「まぁ・・・。エルフィアでは、『1日100万年』って言うんですのよ」

「それは、すごいや」


--- ^_^ わっはっは! ---


「なあんて。うふふふ・・・」

「きみにも、いろいろ都合があるだろうからね」

和人は眠気も吹っ飛び、ユティスとのコンタクトを楽しんだ。


「んふ・・・」

ユティスはなんとも言えない笑顔で和人を見つめた。


「ユティス・・・」

どこどき・・・。

和人は胸が高鳴った。


「だけど、どうして、オレたち、こうして話し合えるかなぁ?」

和人は疑問をユティスにぶつけてみた。


「真相はわかりませんが、あなたの通信デバイスが、超時空通信システムとなにかのきっかけで繋がってしまったのでしょう」


「通信デバイス?」

「リーエス。和人さんがノートPCとかおっしゃっているものです」


「これ?」

和人は今は電源オフ状態のPCを眺めた。


「はい。そして、和人さんがわたくしたちの文明促進支援システムに接続されて、パスワード、これはわたくし自身の名前だったのですが、和人さんがそれを入力されたからではないでしょうか?」


「ユ・ティ・スって、オレが入力したっていうの?」

「そうです。それでシステムが自動的にわたくしをアサインしました」


「でも、きみたちの世界の文字とオレたちの文字は、まったく違っているんじゃないのかい?」

「それは、どこかで文字変換が行なわれたからだと思われます」


「どうやって変換ができたんだろう?」

「それは、わたくしにはわかりません」


「今、繋がっているのはどうしてなの?」

「一度、和人さんとハイパー通信ラインを引いてしまったからですわ」


「じゃあ、これからは、ずうっと、きみとコンタクトできるの?」

「はい。今の時空の状態が続いている限り可能ですわ」


「そうなんだ」

にこにこ・・・。

和人の顔が大きくほころんっでいった。


「それに、和人さんは地球の代表です。地球は、わたくしたちにとって、初めての世界ですから、委員会はわたくしたちのコンタクトの継続を望むでしょう」


「地球代表かぁ・・・。照れちゃうな・・・」

和人は思わずはにかんだ。


「代表といっても、恐れなくてもいいんですのよ。普通にお会いしていただければ結構ですから」

「だから、きみと普通に会うなんて・・・、できっこないよ・・・」


かぁ・・・。


--- ^_^ わっはっは! ---


和人は真っ赤になった。


「では、どうお会いすればいいでしょうか?」

ユティスは期待するように和人を見つめた。


「い、いや。今のままでいいよ」

「良かった・・・」


「オレはなにをどうすればいいのかな?」

「ただただ、わたくしとコンタクトしていただけば、それでよろしいんですの。特にわたくしからなにかをお頼みすることはございません。地球の様子を確認することだけですわ」


「どういう風に?」

「わたくしが和人さんと行動をご一緒いたします。それだけでデータが収集されるのです」


「きみはセンサーの役目ということ?」

「リーエス」


「それで、そのデータはなんに利用されるの?」

和人はきいた。


「地球の文明促進支援に向けての準備ですわ。まずは、地球の文明がカテゴリーのどこに位置するのかを確認させていただきます。支援内容はそれから決定いたします。具体的には予備調査を含めて、そちらの時間で2年間、わたくしたちの代表が地球を訪問し、コンタクティーのお側にご一緒させていただきます。なにもなければ、恐らくそのまま、わたくしの担当となるはずです」


「ちょっと待って。き、きみが地球に実際に来るってことかい?」

「リーエス」


「地球の文明促進支援の準備をするために?」

「リーエス。和人さんのもとにおうかがいいたしますわ」


「オレのところにっても、オレただの市民だし、地球のことなんも知らないし・・・」


きょとん・・・。

「妙な話ですわ・・・」

ユティスは不思議そうにした。


「妙って?」

「和人さんは、地球のこと、なにもお知りにならないのですか?」


「ええ?」


--- ^_^ わっはっは ---


「そういう文字通りの意味じゃなくて、専門的に説明なんかできないってことさ」


「うふふ。専門的ってどういうことでしょうか?それなら、ご心配ありませんわ」

「地球代表だなんて恐れ多くて・・・」


「ナナン。和人さん、あなたは選ばれたのです」

「でも偶然に・・・」


「ナナン。それは違います。世の中のできごとに、偶然ということはおよそありません。ある理由があって、必然と必然がぶつかり合い、極めてミクロな要素で一瞬にしてどちらかに転ぶ。何度も何度も、そういうことが連鎖的に続くんです。それを偶然と呼ぶに過ぎません」


「でもさ、そんなミクロな要因を明らかにすることできるの?」


「はい。和人さんのおっしゃるとおりです。わたくしたちにわかることは、もっと大きな視点から見ると言うことです。そうすれば、ある確率を以って大方のことは予想できる範囲内にあるということです」


「で、なぜ、オレが選ばれたことが必然なんだい?」

和人は最大の関心事に触れた。


「『すべてを愛でる善なるもの』は、時空において常に言う出会いを用意します。時には衝突、時には融合。いずれにせよ、この大宇宙においては、出会いを避けるわけにはいきません。そうすることによってのみ、世界は、素粒子のレベルから進化していくのです。星々もそうです。最も単純な水素原子も出会い、融合し、ヘリウム原子となり、さらに、それが出会って、もっと重い元素となります。やがて、すべての生命の源である炭素原子や酸素原子が、こうして生まれます」


「有機質ができるというわけだね?」


「リーエス。これを避けることはできません。この大宇宙が生まれてからというもの、何百億光年という時空においても、あまねく出会いは用意され、それによる進化は必然です。進化の最初のステップこそが、出会いなのです。『すべてを愛でる善なるもの』の原初の力は、出会いを要求するのですわ。それこそ、クォークのレベルから、銀河レベルまで。生命体においても、そうです。この大宇宙に、生命はそうやって誕生し、やがて進化し、大宇宙を愛で満たしていくのです」


「出会いとか衝突とか、今一、ピンと来ないんだけど、事故も出会いなの?」

「事故であろうとなかろうと、出会いの形はたくさんありますわ。出会いがなければ、この世界にはなに一つ存在しません・・・」


「『すべてを愛でる善なるもの』、その意思が『出会い』。そうなのかい?」


「リーエス。正確に言うとそれは手段です。あくまで、最終の目的は『愛で大宇宙を満たすこと』です。何億年単位で考えないと、理解はできないでしょう。わたくしたち人間の感じられる時間では、それを理解するにはあまりにも短か過ぎます」


「とても信じられないよ・・・」


「現実に、こうして、わたくしは、和人さんと出会い、お話しています。この現実を、理由が説明できないからということで、否定されますか?」


「いいや、現実は現実として認めるよ」


「うふ。アルダリーム・ジェ・デーリア(ありがとうございます)。ぜひ、それをお認めになってください。わたくしは和人さんの出会い、それを受け入れています。どんなに確率が低くても、これは偶然ではありませんわ。確率を計算してみますか?恐らく10のマイナス100乗の、そのまた・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ストップ、ストップ。タンマ。いいよ。数字を聞いたところで頭が痛くなるだけだし、どんなに天文学的に低い確率だとしても、実際こうなったんだから、オレにしては確率は1に違いないしね!」


「うふ。ご理解いただけて、とても嬉しいですわ」

ユティスは幸せそうな目になった。


「それに・・・」

「まだあるの?」


「リーエス。文明支援プログラムの開始以前にも、和人さんは毎日わたくし宛てにメッセージを続けてくださいました」

そこで、ユティスは目を閉じて、思い出すように言った。


「ええ?どういうこと?」

「日記のようなもの。とても短い文です」


「それは・・・」

和人はいつもやってる良いこと日記を思い浮かべた。


「リーエス。すべて、わたくしお読みしていますわ。もう、1年近くになるかしら。お返事することができなくて大変申し訳けございません。システム上の問題がありまして、わたくしではどうにもお返事ができませんでした・・・」


ユティスがそれに目を通していると知って、和人は猛烈に恥ずかしくなってきた。


かぁ・・・。


「1年も前からあれを読んでたんだ?」

「リーエス。最初に『ユティス』って書かれてますでしょ?」


「やっぱり、そうなんだ・・・」

「わたくし宛てに、毎日のようにメッセージが書き込まれているんですもの・・・」


かぁーっ。


--- ^_^ わっはっは! ---


和人はたちまち赤面して、顔中が熱くなってきた。


ぽ、ぽぉーーーっ。


「ですから、読まざるをえませんでしょ?」


ぽっ。


どういうわけか、ユティスも赤くなって困ったような表情をしたが、すぐに嬉しそうに笑顔に戻った。


にこにこ・・・。


「いつもいつも『ユティス」』って始まっていて、最後は『アルダリーム・ユティス(ユティス、ありがとう)』って、必ず書いてあるんです。わたくし宛てだと確信してましたわ」


にこにこ・・・。


「ホント、いつも感謝のことばかり。なんだか、わたくし自身が幸運に囲まれていて癒されているようでした。困った時にも、悲しい時にも、和人さんの感謝の日記で、自分が生かされているということを強く感じました。そして、自分が存在することを、大宇宙の『すべてを愛でる善なるもの』と、わたくし自身に感謝できました。和人さんの言葉で、どれだけ心が安まったかしれませんわ。わたくし、和人さんの日記を毎日楽しみにしてました。そして、和人さんと会話できれば、どんなにステキなんでしょうって・・・」


じぃ・・・。

そこまで言うと、ユティスは和人を見つめた。


どっきん!


「うん。あはは・・・」

和人はすっかり照れていた。


「わたくし自身が人を癒すサイコセラピストだというのに、他の方に癒されてしまうなんて、とっても変ですわよね・・・?」

「きみを癒すだなんて、そんなぁ・・・」


かぁ・・・。

和人は無性に恥ずかしくなった。


「本当にオレのつぶやき読んでたんだ・・・?」

「リーエス。いくつか面白いと思ったものをお話しましょうか・・・?」

ユティスはにっこり微笑んだ。


「いいよ。いいよ・・・」

(二宮さんのことや、変なこと、つぶやかなくてよかった・・・)


--- ^_^ わっはっは! ---


和人は安堵した。


「あのつぶやき、なんて心が休まるんでしょう。和人さんって、きっと、とっても優しい方なんだと思っていました」


「そんなぁ、たいそうなもんじゃないよ」

和人は恥ずかしくて穴があったら入りたい気分だった。


「ナナン、その通りでしたわ。こうしてお話ししまして確信しました。和人さんがコンタクティーとして選定された理由です。わたくし、和人さんのお気持ちがよくわかります」


「ユティス・・・」

「和人さん・・・。一言で言うと、とても心の優しいステキな方」


にこっ。

ユティスは、少し潤んだような目で優しく和人を見つめ、微笑んだ。


どきん・・・。


「や、優しいって・・・」

「本当ですわ。和人さんは、さぞかし女性に人気がおありなんでしょうね?」


「え?ま、まっさか・・・。オレ、ガールフレンドの一人もいないんだよ。女の子にもてた試しなんかもないし・・・」

和人はあわてて否定した。


「あら、ご謙遜ですか?」

「事実だよ・・・」


和人は自分の気持ちを見透かされそうで、ユティスと目を合わせていられなくなった。


「きみこそ、オレのこと持ち上げてくれてる。いや、いいんだ。本心でなくても。あはは」


ユティスは、一瞬、理解できないような表情になったが、すぐに天使のように微笑んだ。


にっこり。


「本心です。わたくしの素直な気持ちですわ。ですから、和人さんが文明支援システムにアクセスされた時には、わたくし自身が直接和人さんにメッセージを届けれるように、最高理事に強く希望したのです」


「そうなの・・・?」


「リーエス。そして、その願いはすぐに聞き入れられました。システムの相性検証でも、和人さんとわたくしの相性は今までにないくらい高確率でうまくいくと出ました。和人さん、これは、けっして偶然ではないのです。わたくしたち、出会うべくして出会っているのです・・・。なぜなら・・・」


「必然ってこと・・・」

「リーエス・・・。魂の・・・」

和人はがぜんと気分が良くなってきた。


「あは。ちょっと気分いいかな。魂のなんとかって?」

「気になさらないで・・・。独り言ですから・・・」

「そ、そう・・・」


「和人さん。あのぉ、一つ、お願いがあるんですが・・・」

ユティスは、遠慮がちにきいてきた。


「うん、なにかな?オレにできることだったら・・・」

「リーエス。あのつぶやき、ずっと続けてくださいますか?大好きなんです・・・」


どっきん!

(大好きだって・・・)


「あの感謝のつぶやき・・・」


がく・・・。


--- ^_^ わっはっは! ---


「あ、あれね、ははっは・・・。そうだよね。そうそう・・・」


「お嫌なんででしょうか?」

「ちっとも嫌なんかないよ。ちゃんと続けるよ。ただ、愛読者がいるなんて知らなかった」


「わたくし、和人さんのつぶやきを読み続けて、大切なことに気づきました。それで、わたくしも、和人さんのように、ステキなことだけを日記につけるようにしたのです」


「なんだって?」

「はい。自分でステキだったと思うことだけを、毎日、感謝してつけるのです」


「それで、大切なことに気づいたの?」


「リーエス。3つのことですわ。1つ目は、わたくしは自分で考えていた以上にとても恵まれているのではないかということ。すべてを愛でる善なるものや、天使がわたくしを見守ってくださっている。それを感じることができました。これをいつも感謝しています」


「そうだね」


「2つ目は、良いことや感謝できることをすぐに見つけられるようになっていることです。自分についてそれができるようになると、不思議に他の人のいいところもすぐに見つけられるようになっていました。どなたとでも、簡単にお友達になれます。これにも感謝していますわ」


「いいことを見つけられる天才だね」


「うふふ。リーエス。そして、3つ目は特に大事でした。それは、悪いことをいちいち覚えていないということです。3ヶ月前にはどんなに悪いことがあったのか、すぐに思い出せないのです。ナナン、完全に思い出せないことの方が多いですわ」

「あははは。そりゃ、ものすごく良い才能だよ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「リーエス。ということは、その時にはそう思えても実際はそんなに重要なことでもなかったということですよね?」

「そうそう。その時は深刻に思えてもね」


「これは、心の健康に大変良いことだと思いませんか?」

「うん。・・・実は、うすうすオレも気づいていたんだ、それ・・・」


「やはりそうでしたのね!」

ユティスは両手を胸の前で合わせ、幸せそうな表情になった。


「うん。でも、それを人に説明できるようなものじゃなかった。確かに、きみの言うとおりだ。3つあるよね。ありがとう、ユティス。オレも書き続けるよ」


「嬉しい!」

ユティスは心から喜んだ。


ふさっ。

ユティスのポニーテールが揺れて、その笑顔は最高に愛らしかった。


にこっ。

じい・・・。


和人はますます赤くなった。


「照れちゃうな、そんな風に見つめられると・・・」

「では、どんな風に見つめればよろしいですか?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「だから・・・、きみに見つめられること自体が・・・」

「リーエス。承知いたしました。どうせなら、うんと笑顔を差しあげます」


にこ、にこっ。

ユティスは最高の笑顔になった。


「はい、和人さん!」


--- ^_^ わっはっは! ---


かぁーーーっ。

どっきん・・・。


和人は、その瞬間、自分がユティスに完全にノックアウトされたのを知った。


(だめだ・・・。オレ、ユティスに恋しちゃってる・・・)


「うふふ、和人さんも、とってもステキですわ」


(ユティス。オレ、ホント、完璧にまいっている・・・)


「まあ、嬉しい!わたくしのこと気に入ってくださいますのね!」

ユティスはすばやく和人の思考をとらえた。


「気に入るもなにも。きみに・・・」

最後は言葉にならなかった。ユティスはたいそう喜んで満面笑顔になった。


(たまんないや、この笑顔・・・)

和人は心臓が破れそうになるくらいドキドキしていた。


(このまま、ユティスに見つめられたら、焼け焦げちゃいそう・・・)


--- ^_^ わっはっは! ---

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