表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
253/408

253 地球

■地球■




「でも、まんざら嘘でもない」

大真面目でフェリシアスは言った。


「フェリシアス。マジにとらないでよ」

クリステアは両手を上に上げて、天を仰いだ。


「少なくとも、この二人は、超A級SSに違いない。エルフィアには、超A級のSSは20人程度しかいない」


「1人、2人、3人・・・、えー、今は、7人だね」

キャムリエルが指を折って数え、正確に答えた。


--- ^_^ わっはっは! ---


「いや、それぞれの任地で、職務をまっとうしているから、もっと少ない」

更に、フェリシアスが訂正した。


「二人ともマジで正確に言わないでよ。超機密事項だわ」


--- ^_^ わっはっは! ---


アンニフィルドが言った。


「それだけ、わたしたちを信用してるってことよぉ・・・」

ぱちん。

クリステアがフェリシアスに色目を使って言った。


「んん!ん!」


--- ^_^ わっはっは! ---


フェリシアスはまたしても咳払いした。


「見てご覧なさい。クリステアは、必ず、フェリシアスを弁護する方に回るから」

アンニフィルドがユティスに耳打ちした。


「アンニフィルド、それもよろしいんでは?」

「はいはい。わかったわよぉ」


「それで、住人は二人増えたわけだろ?」

「リーエス、和人」


「フェリシアスとキャムリエルは、どの部屋に寝泊りすればいいのかな?」

和人が気を回した。


--- ^_^ わっはっは! ---


「決まってるじゃない。フェリシアスは、クリステアの部屋。キャムリエルは、和人と一緒の部屋」


「だめ、だめだ。だめだ!それに、キャムリエルはリザーブだ。ここには泊まらん」


--- ^_^ わっはっは! ---


フェリシアスは、首まで真っ赤になって、すぐに否定した。


「わたしも、あなたたちと同じ部屋になるの?それは、遠慮するわ」

「アンニフィルド!」


「ユティスは?」

「わたくしは、クリステアさえよろしければ、問題ないと思います」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ユティス!きみは、なんてことを言うんだ!」

かぁーーー。

フェリシアスは真っ赤になって叫んだ。


「わたしは構わないわ」

「クリステア!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「恥ずかしがるから、余計、みんなが、気を使うんじゃない」

アンニフィルドが、にたにたしながら、フェリシアスを見た。


「そうですよ、フェリシアス」

「キャムリエル、おまえまでも!」


「ほれほれ、降参しなさい、フェリシアス」


--- ^_^ わっはっは! ---


「おほん!いい加減、作戦に着いてくれないかね。きみたちのおかげで、貴重な時間を浪費してしまった。さぁ、すぐに作戦に取り掛かってくれ」


「リーエス、ボス」

「リーエス、シェフ」

「はいはい」


「キャムリエル。わかってるだろうが、きみは、われわれSS3人に、もしもの場合があった時のためのリザーブに徹するんだ。打ち合わせの通り、アンデフロル・デュメーラで待機し給え。全員が、地上にいたら、相手に手の内を明かしてしまうことになる」


「リーエス。すぐに待機します」

「うむ」


「アンデフロル・デュメーラ」

「リーエス。SS・キャムリエル。転送準備完了です」

すぐに、アンデフロル・デュメーラが答えた。


「やってくれよ」

「リーエス、SS・キャムリエル」


「アンデフロル・デュメーラ。ボスのお声がかかるまで、例のお酒を、ぼくと一杯してようぜ」

「リーエス。仰せの通り、日本の黒糖焼酎を確保してあります。SS・キャムリー」


--- ^_^ わっはっは! ---


「こら、キャムリー!あたしの分、ちゃんと残しときなさいよ!」

アンニフィルドが叫んだ。


--- ^_^ わっはっは! ---


キャムリエルは、それには答えず、手を振りながら、たちまち白い光に包まれ、空中に消えていった。

ぶわーーん。


「なにを教えてるんだ、不謹慎な!きみたちは、キャムリエルにまで!規則違反だぞ!」

「命の水を飲むことが?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あなたと違って、あの子は、地球文明への順応性が高いのよ」

アンニフィルドは軽く片付けた。


--- ^_^ わっはっは! ---



「とにかく、こっちの事情を、国分寺姉弟と大田原さんには話しとかないとねぇ・・・」

「リーエス」


「それで、国分寺への連絡は、当然、アンニフィルドと・・・」

クリステアがアンニフィルドを見た。

にやり・・・。


「ええ?わたしがするのぉ?」

アンニフィルドが驚いて言った。


「当然。したいって顔してるのは、だぁれ?」

にこっ。

クリステアが笑って目を細めた。


「やれば、いいんでしょ、やれば!貸してよ、そのスマホ」

「リーエス」

アンニフィルドに頼まれるまま、和人はスマホを手渡した。


「どう使うの?」

「こう」


ぴ、ぽ、ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぱ、ぴ・・・。

とるるるるーーー。

ぴっ。


アンニフィルドは、ハイパー通信で国分寺俊介を呼び出した。


「お、和人かぁ?」

「違うわ。俊介、わたしよ・・・」


「おお、アンニフィルドかい?和人の借りたんだな?」

「あ、うん・・・」


「嬉しいねぇ。どうしたんだい?珍しい。きみからデートのお誘いなんて」

がくっ。


--- ^_^ わっはっは! ---


「仕事よ。仕事!」

「じゃあ、デートの約束だな。即、OKだぜ。姉貴の入れた予定なんか、全部キャンセルしてやる」


--- ^_^ わっはっは! ---


とんとんとん・・・。


「あのねぇ・・・」

アンニフィルドはテーブルを小突いて、眉を寄せた。


「迎えに行くよ。今晩、何時だい?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「そんなロマンチックなことじゃないの。緊急事態発生よ」

「なぁーんだ。デートじゃないのか?そいつは残念。じゃあな!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「バカ!待ちなさいってば!まだ、なんにも伝えてないじゃない!」

「そうっだけ?で、いったい、なんなんだ?」


「これこれ、こうこう・・・。ええ、そういうこと・・・。ええ、そうね。わたしたちは、ユティスと和人の守りを固めるわ。そっちは、大田原と連絡してよ」

「OK。わかったよ。で、何時がいい、迎えに行くの?」


「・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ん、もう!俊介!」

「あいよ。愛よ。愛してるよ。アンニフィルド」


--- ^_^ わっはっは! ---


「オレって詩人だなぁ・・・。ちゃんと頭韻を踏んでいるだろ?」

「ふざけてないで、ちゃんと聞いてよ!」


「聞いてるよ。それに、オレは、いつだって、ジョークは真面目に言ってるさ」


--- ^_^ わっはっは! ---


俊介は、わざと回りに聞こえるように、話しているようだった。


「だから、そういうの・・・、嫌なの・・・」

アンニフィルドは急に声を低くした。


「アンニ・・・」

「茶化すのは、止めてよ・・・」


俊介は、アンニフィルドが和人のスマホから話してきた時点で、彼女の周りには、クリステアやユティスたちがいるとわかっていた。


「悪かった・・・。ごめん。謝るよ、アンニフィルド・・・」

俊介も声を低くした。


「わかりゃ、いいのよ・・・」

「アンニフィルド・・・?」


「な・・・、なによ・・・?」

「オレのこと・・・、愛してるかい?」


どきっ・・・。

「前にも言ったとおり、オレはきみを愛してるぜ・・・」

「え・・・?バ、バカ。聞こえちゃってるじゃない・・・」

「そりゃ、愛の囁きは聞こえるように言わなきゃ、意味がない・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ばか。そうじゃなくて、周りにいるのよ。ユティスやクリステアが・・・」

「祝福してもらえよ、ユティスに・・・」

ユティスはエルフィア大教会の司祭の資格を持っていた。


--- ^_^ わっはっは! ---


「こ、こら、ホントに聞こえちゃってるんだからね・・・」

「オレは困らないぜ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「わたしが困るの。みんなにからかわれちゃうじゃない」

「よかったぜ。きみもみんなにもちゃんと愛されてるんだな・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「そ、そりゃ、そうよ」

「電話じゃ、なにもしてやれないけど、これで勘弁してくれ」


「な、なによぉ?」

「好きだよ。アンニフィルド・・・。ちゅっ」


「わわわ・・・」

アンニフィルドはユティスたちを振り向いた。


にこ。

にこ。

にこ。


--- ^_^ わっはっは! ---


「くっくっく・・・」

すべては筒抜けで、クリステアたちはアンニフィルドの側で懸命に笑いを堪えていた。


「アンニフィルドがハートを掴まれちゃうわけだ」

和人がユティスにそっと言った。


「そうですわね」

ユティスがアンニフィルドを見た。


「エルフィアには、こんな男いないもの」

クリステアが締め括った。


「と、とにかく、もう用は済んだんだから切るわよ」

「待った!」


「な、なにかまだあるの?」

「デートの約束。忘れるなよ?」


「ええ?」

「ロイ・ルデレールで8時に。エルフィア衣装で最高に決めてくれよ」


「き、切るわよ、もう!」


ぴっ。

くるっ。


「和人、全部聞いてたんでしょ?」

電話を終えたアンニフィルドが、真っ赤になって言った。


「ナナン。積極的に聞いてたわけじゃないよ。聞こえてただけでして・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「スマホって・・・、大嫌い!」

アンニフィルドはスマホを和人に返した。


「人に貸す時は、音量、下げといてよね!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「秘密の会話が、できないですって!」

「まぁ!」

「わぉ!」


「音量の調節は自分だってできるじゃないか。ほれ、このボタンを押したら下がるだろ?」

ぴぴぴぴ・・・。


「知らないわよ、そんな原始的な装置」

アンイフィルドがむくれた。


「そんなに原始的なら、エルフィア人のきみになら、操作方法くらいすぐにわかってもいいんじゃいのかい?」


「くっ・・・」

和人はアンニフィルドの虚を着いた。


--- ^_^ わっはっは! ---


「うるさいわねぇ、もう!」


「あっはっは!」

「うふふふ!」

「あははは!」


「どうでもいいけど、あなた俊介に愛してるって言ってもらえたんでしょ?」

クリステアがアンニフィルドを慰めようとした。


「言葉なんかで、満足できないわよ!」

「え?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「まぁ、アンニフィルドったら、俊介さんにもっとなにかして欲しいのですか?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「きゃあ」

「うふふ」


ユティスとクリステアは抱き合って、アンニフィルドを見つめた。

にこにこ・・・。


「うぇーーーん。みんなして、いじめるぅーーー!」


--- ^_^ わっはっは! ---



 

ぶわんっ。


一方、超非公式で地球を訪問することになったエルフィア人たちは、ユティスたちが現れたところから、ほど遠くないところに実体化した。


「ノンビザで来てしまいましたね?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「わたしは、入国税を払うつもりは毛頭ない」


--- ^_^ わっはっは! --- 


総勢5人で、そのうちの一人、ブレストは真面目くさって言った。


「まったく、野蛮世界だな。ここか、テラ(地球)とやらは・・・?」

ブレストは公園の真ん中で他の4人とあたりを見回していた。



「な、なんなんだ?」


公園のベンチで寝そべっていた男は、光とともに、いきなり実体化したエルフィア人たちを認めると、口をあんぐりと開け、体を起こした。


「・・・」


(げ、見つかっちまった!)


--- ^_^ わっはっは! ---


つかつかつか・・・。


「おい、そこの男、ここはテラ(地球)か?」


ブレストは非公式訪問のため、地球語のハイパーラニングは十分受けていなかった。それで、エルフィア語で横柄に言い放ったが、男には、まったくの未知の言語であった。


(くっそう。オレは、英語以外の宇宙語は知らねぇんだ・・・)


--- ^_^ わっはっは! ---


男は、ぼけーっとした表情をしていたが、わからないというように、両手を広げた。


「あーーー、ぜんぜんわからん。外人か?何人かしらないが、英語なら通じるかもな」


男は少ない英語の語彙力を総動員した。


「ハロー。アイ・アム・タナカ・・・。ですけどねぇ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「キャニュー・スピーク・エングリッシ?」


--- ^_^ わっはっは! ---


(こいつ、なにを言ってる?)


「痴れ者め!わたしは、ここが、テラ(地球)か、と聞いているんだ!」


「おー、いぇい!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「貴様、答えろ!」

ブレストは男が理解していないことに早くも切れかけていた。


「どうしました。ブレスト?」

シェルダブロウがブレストに言った。


「こやつ、わたしの言うことを理解してるいるのか?」

「もちろん。あなたが腹を立てていることくらい、理解していますよ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「こいつ、本当に地球人か?」

「リーエス」


ブレストは、エルフィア語で話していたため、男がわかるはずもなかった。


「ははは・・・。なんたっけ、こういう時は・・・。えーと・・・」

男は、日本人以外は、外国人はみな英語を話すものだ、と信じていた。


「ハ、ハ、ハロー。ディス・イズ、えーと、えーと、ニッポンね!」


「ここは、テラ(地球)か?」

今度はシェルダブロウが尋ねた。


「寺が、どこかってか?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「寺は寺だが・・・。おー、イェ!」


「きっさまぁ・・・」

ブレストは男に切れた。


「テラ(地球)かと、きいてるんだ!」

「寺?オー、寺ね、イエス、イエス、寺、あっちにあるね」

男のイエスが、ブレストたちの耳には、リーエスに聞こえた。


「イエーーース。イエス。寺、テラ、テラでぇーーーーす」

「テラ、リーエス。と言っているな?」

ブレストはシェルダブロウに確認した。


--- ^_^ わっはっは! ---


「そうじゃない?」 

そこでゾーレが言った。


「わかった」

男が指差した方向は、奇しくも、Z国大使館の方角だった。


「よし。テラ(地球)だ!そうだな?」

ブレストが断定した。


「イエース!」

「リーエス。間違いありません」

シェルダブロウがブレストに頷いた。


--- ^_^ わっはっは! ---

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ