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215 特訓

■特訓■




瀬令奈とテニスの試合をするはめになったもの、大問題が上がっていた。


ぽかーーーん。

「それで、テニスってなんですの?」


--- ^_^ わっはっは! ---


唯一の問題は、ユティスがテニスのなんたるかをまったく知らないことだった。


「やっぱり、知らない・・・。そうだよなぁ・・・」

既に、明日の13:00までに1日を切っていた。


「簡単なことよ。和人がユティスにテニスがなんなのか、どうするのか、イメージで伝えてくれれば、それでおしまい」


「あのさぁ、アンニフィルド。頭で知ってるだけじゃ、できないんだけど。テニスもそうだけどスポーツってのは、体を動かしてコントロールするんだからね。それ相応の練習を積まなきゃ、にわか仕立てなんて、できっこないよ。はぁ・・・」

和人はため息をついた。


「そうね、体の細胞の隅々まで運動記憶を伝えないとだめかも」

クリステアは相槌を打った。


「そうと決まれば、さっそく練習よ。いいこと?和人は、ユティスにあなたのテニスの知識を全部転送すること。まず家に戻ってテニスをする準備をしましょう」

「リーエス」


「オレ、コートを借りてくるよ」

「よろしく」




ユティスはテニスは初めてだったので、和人からイメージを送ってもらい大体の様子を掴むことにした。


(しかし、ユティスのテニスウェア姿は・・・。えへへへ)


--- ^_^ わっはっは! ---


「和人、なににやけているの?」

「だはっ・・・」


「和人さん、もっと真剣にやってください」

「えへ、そうはいっても・・・」


ぱこーんっ。

どかっ!

時速200キロ近いスマッシュが和人を襲った。


「痛ーーーっ!なにすんだよ、クリステア!」

「ハエが止るくらいのボールなのに、よけることもできないの?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「どこがだよ!」

アンニフィルドとクリステアのテニスウェア姿もセクシーですごかった。


(あは・・・。だけど、こっちも、けっこう。三人ともスタイル抜群ですごいじゃないか・・・)


--- ^_^ わっはっは! ---


ぱこーーん、ぱこーん。

SS二人のダブルでスマッシュが決まった。


「痛て、痛いって!」

「エッチ!」

「ドスケベ!」


--- ^_^ わっはっは! ---


和人はすっかり目のやり場に困ってしまった。


「だったら、そんなの着るなよなぁ!」


「じゃ、だぼだぼジャージの方がいいのぉ・・・?」

クリステアが目を細めて言った。


「そ、それも、イヤかな・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「やっぱり、スケベ和人!」


べーーー。

アンニフィルドがあっかんべーをした。


「う、うるさいなぁ!男なんだから、仕方ないだろ!」

「あっ、開き直った・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「さ、練習開始よ。時間がないんだから」

クリステアが他の3人に催促した。


「リーエス」




「はっ!」


どっかーーーんっ!

クリステアのファーストサービスが、和人の手前で炸裂した。


「だーーーっ、殺す気か!」

「音速には届いてなわよ」


--- ^_^ わっはっは! ---


確実に200キロ近く出ていた。

「届かなくていい!」

「あ、そう」


「きみたちの練習はもういいよ。必要ない」

和人はユティスに向き直った。


「じゃ、いくよ、ユティス。まずはゆっくりから。オレの打つボールを打ち返してくれるかな?」

「リーエス、和人さん」

にこっ。


「はぁーい」

ぽーーーん。


和人が球出しすると、ユティスは器用に返してきた。


「はぁーーーい」

ぱこーーーん。


「ナイス、ボール」

(ユティス、センスあるな。筋は相当いいぞ・・・)


「よし、次、いくよ」

「はぁーーーい」


ぽぉーーーん。


たったった・・・。

ぱぁーーーん。


「次だよ」

和人が、少し強めに、ユティスの逆サイドにボールを打った。


「はぁーーーい」


はぁーーん。


ずるっ。

「きゃ!」


すってーーーん。

ふんわぁ・・・。


ユティスは打ち損なって転んで、スカートがめくれ上がり、アンダースコートに包まれたお尻が丸見えになった。


(わぉ・・・。丸見え・・・)


--- ^_^ わっはっは! ---


「きゃぁーーー!」

「あー、ユティス!」


かぁーーー。

和人は真っ赤になった。


たったった。

和人はネットを迂回して、ユティスの側にいった。


「大丈夫かい、ユティス・・・?」

「リーエス・・・」

ユティスは和人の手に掴まって起き上がった。


(わっお・・・。また、見えちゃった・・・)

にたぁ・・・。


--- ^_^ わっはっは! ---


(和人のやつ・・・)


アンニフィルドは和人にあきれた。


「あなた、ユティスに狙ってやってるでしょ!」


---^_^ わっはっは! ---


「まっさか、事故、事故!」


にたにたにた・・・。


「思いっきり、ニヤけてるわよ」

「しょうがないだろ、見えちゃったもんは」


「こういう時、エッチって言うのよ。ユティス」


--- ^_^ わっはっは! ---


クリステアが冷やかした。


にこっ。

「リーエス・・・。和人さんのエッチ・・・。うふ」

にこにこ・・・。


--- ^_^ わっはっは! ---


「そこで微笑んでちゃ、喜んでるってことじゃない、ユティス?」

「あら、喜んじゃいけないのですか、アンニフィルド?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ダメダメ。目つきはもっと真剣に」

きっ。


「こうですか?」

きっ・・・。


どっきん・・・。

(ユティス、こういう真剣なのも凛々しくてカッコいい・・・)


--- ^_^ わっはっは! ---


「だーーー。なに教えてんだよぉ!」


「なぁーーーんて、やっぱり無理ですわ・・・。和人さんを見てたら、自然と嬉しくなっちゃいますもの・・・。うふふ」


「こらこら、嬉しそうに言ってちゃだめじゃない、ユティス」

クリステアが手を振った。


--- ^_^ わっはっは! ---


「リーエス。和人さん、めっ!」

「ん、もう、なんなんだよ、きみたちは?」


「いいから、続けなさい、二人とも!」

「リーエス」

「リーエス」


ぱこーん。

すこーん。

ぱこーん。




しばらく練習しているうちに、ユティスの神経細胞の一つ一つが、運動を記憶しはじめた。


たったった・・・。


ぽーーーんっ。

すこーん。


たったった・・・。

ばしっ!


ずどぉーーーん。


1時間後には、なんと、そこそこアマチュア大会の優勝クラスレベルまでこぎつけてしまった。




「じゃあ、実戦レベルでいくよ」


和人のファーストサービスが、ユティスのフォアハンドに入った。

ぱこーんっ。


「はっ!」


ぎゅーんっ。


ユティスのリターンは、トップスピンを伴って、鋭い弧を描いて和人のバック側で大きく逆サイドに弾んだ。


ぼーんっ!

ぽぉんっ!

しゅん!


「うぁーっ!」


ぽんぽんぽーーーん。


和人はのけぞってラケットに当てようとしたが、ボールはあっというまに抜

けていった。


「す、すごいよ、ユティス!そのトップスピン、エース狙えるよ!」


「いいわよぉ、ユティス!」

「その調子よぉ!」

クリステアもアンニフィルドも喜んだ。


「はい!」

ぽーん。


「はい!」

ぽーん!




その後30分くらいでゲームをやった。ユティスと和人がペアとなりSS二人がペアとなった。


「はいっ!」


どかーーーん!

すかっ!

クリステアのファーストサービスは、和人もユティスもかすりもしなかった。


--- ^_^ わっはっは! ---


「クリステア、これじゃあ、ちっとも練習にならないじゃないか!」

和人がぶつぶつ文句を言うと、クリステアは笑いながらセカンドサービスを打ってきた。


「はい、召し上がれっと・・・」


ずどぉーーーん。


かっ。

ぼよぉーーーん。


それでも、そこそこテニスをやってきた人間よりは相当速く、和人はやっとついている感じだった。


「和人、ちゃんと取れるように入れてんだから、それくらい取んなさいよ!」

クリステアは不満げに言った。


「ファイトですわ、和人さん!」

にこっ。


「アルダリーム、ユティス・・・」

ユティスは前衛から和人を振り向いて言った。


「わたし、手持ち無沙汰・・・!」


--- ^_^ わっはっは! ---


ぶらぶら・・・。

アンニフィルドはラケットを構えもしないで、立ったまま、ラケットをくるくる回した。


「もう、目いっぱい遅くするから、今度こそ打ち返してよねぇ」

「リーエス・・・」


「そうそう、これ以上遅くなんてできないんだからね」

「わかったってばぁ」


「いくわよぉ。えい!」


だっ。

ぽーーーん。


だっだっだ・・・。

ぽーーーん。


ゲームはSSたちが相当手加減したので、ようやくユティスと和人の練習になってきた。  


「フォーティ、サーティ。はいこの一球、決めれば、あなたたちの勝ちよ」


アンニフィルドは和人のサービスを待った。


「よし!いくよ、ユティス」

「リーエス!」


「はぁ!」


かきん。

びぃーーーん。


「ありゃぁ・・・」

和人のサービスは、ラケットに変な風にあたっため、アンニフィルドのバック側に、ゆっくりとスライス回転しながら曲がっていった。


ぼわーーーん。


「あー、あーー、あぁ・・・。お昼寝ができちゃいそう・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


ばしっ!

どかーーーんっ!


アンニフィルドの強烈な弾丸リターンが、和人の右サイドラインギリギリに炸裂した。


「アウトッ!・・・ですわ。3ミリ」

ユティスがニコニコしながら言った。


--- ^_^ わっはっは! ---


「3ミリかい?」

ぷるぷる。

和人は頭を振った。


「あははは。わかっちゃったか。狙いすぎたわね」

アンニフィルドは愉快そうに笑った。


「ホントに3ミリだったの?」

「リーエス。正確には3.2ミリだけど、誤差の範囲ね」

クリステアが補足した。


--- ^_^ わっはっは! ---




4人は休憩を取った。


「ふふ。これだけできるようなったら、もう、大丈夫よ」

クリステアも笑った。


「さてさて、これで明日の準備もよし。あとはお家に帰って汗でも流して、カプチーノいただいて、リラックスしましょう」

アンニフィルドが言った。


るるる・・・。

「あら、和人、電話よぉ」

「あ、うん」


ぴっ。

「はい。宇都宮です」




国分寺から電話きて和人は、なりゆきで瀬令奈とテニスの試合をすることになったことを伝えた。


「瀬令奈と賭けテニスだって?」

「そうなんですよ」


「で、なにを賭けたんだ?」

「オレたちの芸能活動とネットでの自由」


「なんだって?」

「勝てば、瀬令奈はオレたちに一切手出しない。負ければ、オレたちはネットやTVで歌やショーはしない。もちろん、デビューもなし」


「圧倒的におまえたちが不利じゃないか。ネットはオレたちの宣伝になる二つとない武器だし、エルフィア人たちを守る盾なんだぞ。それを理解してんのか?これを賭けるなんて馬鹿げている。だいたい、テニスのなんたるかを、ユティスは知ってるのか?」


「さっき練習もしたし、なんとかなると思います」


「アホか。小川瀬令奈って・・・、確か・・・。あーっ、思い出した!本名は、小川洋子。芸能活動する前はプロテニスプレーヤーを目指したこともあるんだぞぉ!」

「ええ・・・?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「インターハイで優勝もしてるはずだ。それにペアを組んでいた相手は、そう、だれだったかなぁ・・・、プロテニスプレーヤの、大、・・・大沢理香だ。世界ランキング25位だったか忘れたが。えい、とにかく、ちょっとテニスができるくらいだと考えていたら、大怪我するぞ。ネットで確かめてみろ、和人」


--- ^_^ わっはっは! ---


「小川瀬令奈の本名が、小川洋子だって、ホントですか?」

「ああ。それから、明日からオレたちは留守にするから、試合にはいけない。悪いな。頑張れ、応援するよ。それから、もう一つ・・・」


俊介は一呼吸置いた。


「アンニフィルドたちにもよろしくな!」


ぴっ。

「ちぇ、常務、ちっとは心配してくれてんのかな?」


和人は俊介の言った、瀬令奈のテニス暦が気になっていた。




寮に戻ると。和人は早速小川瀬令奈のことを調べてみた。


「あわわ・・・、ホントだったんだ!」

「和人、なにをさわいでるの?」

アンニフィルドが和人の肩越しにPCを覗き込んだ。


「だれのこと調べてたの?」

「瀬令奈だよ・・・」


「あの菜っ葉ぁ?」

むっかぁ・・・。


--- ^_^ わっはっは! ---


「今更、菜っ葉のことを調べてどうすんのよぉ?高飛車のバカ女ってことがわかってりゃ十分じゃない」


--- ^_^ わっはっは! ---


「そうじゃなくて、彼女、本名が小川洋子って言うんだ」

「はいっ?瀬令奈ってのは偽名なの?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「偽名って言うか・・・。芸能人は、覚え易く、カッコいよく、イメージ戦略というか、そんなことで、本名とは違う名前を名乗るのが慣習だよ。それはみんな知ってることさ」


「せっかく親に付けてもらったというのに?」

「まぁ、親とは限らないけど・・・」


「自分の名前が一番いいんじゃないの?」

「と思うけどね」


「小川洋子って方がいいじゃない?なんでわざわざ菜っ葉にしたの?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「そりゃわかんないよ。しかし、オレも小川洋子なら知ってるよ」

和人は小川洋子のプロフィールを読んでいった。


「テニスの名門、聖イザベラ女学院卒だよ・・・。え、インターハイで、女子シングルス準優勝、女子ダブルス優勝だって?そんなにすごかったんだ・・・。大変だぁ・・・」


和人は声を荒げた。

「とんでもないのと、やることになっちゃった!」


「性格が悪いってのはわかってるじゃない」


--- ^_^ わっはっは! ---


じゃ、なくてだねぇ・・・。


「だから、なんなのよ?」

クリステアが和人にきいた。


「瀬令奈は、プロなみの腕があるってこと」


「それって、瀬令奈さんがテニスがお上手ってことなのでしょうか?」

ユティスが無邪気にきいた。


「上手どころじゃないよぉ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


さぁ・・・。

和人は青ざめた。


「そりゃ上手いに決まってるじゃないか。高校日本一だよ。それに、世界ツアーで活躍中の女子テニス・プロの大沢理香とペア組んでたんだぜ」


--- ^_^ わっはっは! ---


大沢理香は世界ランク25位だった。アマチュアのレベルでは、奇跡が起きても勝てる相手ではない。和人はドーンと落ち込んだ。国分寺は正しかったのだ。


「本当なの、それ?」

アンニフィルドは和人に確認した。


「間違いないね」


「でもね、明日は混合ダブルスでしょ。瀬令奈のペアのお相手は烏山。未知数だけど、少なくとも大沢理香じゃないんだから、勝算は大いにありね」


にこっ。

ポンと手を打って、アンニフィルドはいつもの明るい彼女に戻った。


「それに、瀬令奈も、本格的なテニスの試合なんて、何年も経験してないんでしょ?」

クリステアも同調した。


「大丈夫ですよ、和人さん」

ユティスも和人を安心させるように和人に微笑み言った。


「そっかなぁ。だといいね」

和人は不安が少しずつなくなっていくのを感じた。


「そうそう。それから常務が試合には行けないんで、アンニフィルドたちによろしくってさ・・・」

和人は何気なく俊介の伝言を3人に伝えた。


「アンニフィルドたち・・・?」

「主役のユティスじゃなくて・・・」


「あの、俊介がぁ・・・?」

「俊介さんがですか?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あれ、どうかしたの?」

3人娘の驚いた顔を見て、和人はわけがわからなかった。


「うふふふ」

「あははは」

ユティスとクリステアは見合い、にっこりうなずいて、アンニフィルドに目を向けた。


「よかったですわね、アンニフィルド」

「そうよ、アンニフィルド」


「ええ・・・。さ、もう休んだほうがいいわね」


--- ^_^ わっはっは! ---


ぽ・・・っ。

アンニフィルドがほんのり赤くなって締めた。和人は、まだまだ、なんにも気づいていなかった。

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