表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
193/408

192 朝帰

■朝帰■




「うへ。だんだん重くなってきちゃった・・・」

俊介から受け取ったアンニフィルドを両手で抱え、和人は家に入った。


「2時半に、荷物受け取ったよ」

「あ、そう」

「これ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「和人さん、それは・・・」

「アンニフィルド。生モノだって・・・」

「あらあら・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「リーエス。疲れ切ってお店で眠っちゃたらしいんだ。常務が連れてきてくれたんだよ」

「そういうことじゃ、2時半のわたしもハズレってことね・・・」

「クリステア。もう、いいよ、賭けなんて」


「常務さんと、ずっとお飲みしていたわけじゃなかったのですか?」

「ジャンプのしすぎだわね・・・、ふわぁ・・・」

クリステアは右手であくびを隠した。


「シャンパン一口で、あっという間に寝入っちゃったって・・・」

「そうね、わたしもクタクタだもの・・・。うあーーーーっ・・・」

クリステアはまたしてもあくびをした。


「じゃ、そういうことで、後頼むわね、和人。おやすみなさぁーい」

「おやすみなさい」


ばたん。

クリステアのドアが閉まる音がした。


「しっかし、なんて格好してんだよぉ、クリステアは・・・」

「あーら、可愛いじゃありませんか?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「目の毒なの!」

「わたくしは?」

「きみは目の保養・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


だっだっだ・・・。


「言ったわねぇ、和人・・・」

ぼぎぼぎ・・・。


「ひぇーーー。クリステア、ごめんなさい!」


「わたくしたち、可愛いくないですか・・・?」

「そりゃ、まあ、可愛いに決まってけど・・・」


「和人さんがそう言ってくれて、とっても嬉しいですわ」

「ユティス・・・」


「はいはい。おしまい。おしまい。本当に寝るわよ、わたし」

今度こそ、クリステアはベッドに戻った。


「オレ、アンニフィルドを2階の部屋に運ばなくちゃ」

「和人さん」

「大丈夫。アンニフィルド、以外と軽いんだ。頭のせいかな?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「まぁ、和人さんったら、酷いですわ」

「えへ・・・」

和人はアンニフィルドを彼女の部屋に入れようとした。


かちゃかちゃ・・・。

「あれ?鍵がかかってるよ」


「どうしたんですか?」

「開かないんだ・・・」


「パスワードですわね」

「パスワード。時空ロックかぁ・・・。てことは、中に入れないじゃないか・・・。困ったぞ・・・」

和人はアンニフィルドを両腕に抱えたまま、ユティスに言った。


「そういうことでしたら、わたくしのべッドに運んでくださいます?」

「え?でも、そうしたら ユティス、きみの寝るところがなくなるじゃないか?」


「それなら・・・、心配いりません。んふ?」

にこっ。


--- ^_^ わっはっは! ---


たら・・・。

「まさか・・・」


「和人さんのお部屋がありますわ」

「ええーーー!」


「また、ご一緒させてくださいませんか?」

ユティスは甘え声で言った。


--- ^_^ わっはっは! ---


「ちょっと・・・、オレだって、男なんだからね」

「リーエス」


「理性なんかないんだからね」

「リーエス」


「オレ、寝る時なんにも着けないんだからね」


--- ^_^ わっはっは! ---


「リーエス」


「もう、容赦しないんだからね」

「リーエス」


「わー、拷問だよ、これ!」


「とにかく、アンニフィルドをわたくしのベッドに」

「・・・うん」

和人もさすがに腕が疲れてきた。


「よいしょっと」

どさ。


「ちょっと、和人さん。後ろを向いててくださいますか?」

「リーエス」


「アンニフィルドもこのままじゃ、リラックスして眠れないからかい?」

「うーん。少し違います・・・」


「じゃ、なに?」

「和人さんが、わたくし以外の女性の裸を見ちゃ嫌です・・・」

「へ・・・?」


--- ^_^ わっはっは! ---


ユティスはアンニフィルドのシャツやスラックスを脱がせて、ブラもはずして、下着1枚にした。


さ。

するする。


ささ・・・。

悩ましい衣擦れの音が、和人の煩悩を刺激した。


「うぉ・・・。色即是空、色即是空・・・」


ぽくぽくぽく・・・。

ちーーーん。


--- ^_^ わっはっは! ---


「これで、アンニフィルドも気持ちよく眠れますわ」


(とてもじゃないけど、正気を保てない)


「じゃ、オレ、下に戻るね」

「リーエス」


(ほ・・・。よかった・・・)


「和人さん?」

「なんだい?」


「すぐに、わたくしもまいりますわ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「まいりますったってさぁ・・・。オレ、ホントにしらないよ。警告したからね」

和人は一人つぶやいた。


(神様、仏様、オレの本能が暴走しないようにお願いします!)


「色即是空、色即是空・・・」


ぽくぽくぽく・・・。

ちーーーん。


--- ^_^ わっはっは! ---


とんとん。

「どうぞ」


かちゃ。

「失礼しまぁーす」


和人の部屋にユティスがネグリジェ姿で入ってきた。


がらーーーん。

「まあ、すっきりしてて、とってもキレイなお部屋!」

「なんにもないってことかい?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「んふ。では、おやすみなさい、和人さん!」

すっ。


「へっ・・・!」

ユティスは、さっさと和人のベットに潜り込んだ。


--- ^_^ わっはっは! ---


(しまった。先手を取られた。これじゃ、オレが夜這いかけてるようなもんじゃないかぁ。自分のベッドなのにぃ・・・)


--- ^_^ わっはっは! ---


ユティスがベッドの中央を独占したため、和人はベッドが使える状況になかった。


「ちっ、しょうがないなぁ・・・」

和人はあきらめて床に寝転び、座布団を枕にした。


(あーあ、疲れた。疲れた。寝よ。寝よ)


和人はカーペットの上に寝転んだ。少々固くて寝心地は良くないが、なにしろ疲れていたのでたちまち眠くなった。


「ユティス、おやすみ・・・」




俊介は、その夜マンションにこっそり戻ってきた。


かちゃ。

「俊介、帰ったの?」


(姉貴だ。3時半だってのに、まだ、見積やってたのか。やば・・・)


「ああ、ちょっとシャワー浴びてから寝るよ」

「そう。黒磯さんに見積出しといたわよ」

「お、サンキュー。オレ、シャワー浴びて寝るから」

「あ、そう。じゃ、おやすみ」

「ああ。おやすみ」


俊介はバスルームに直行した。


「ちっきしょう。アンニフィルド・・・」


にたにた・・・。

「派手にやってくれたぜ・・・」


俊介は鏡を覗き込んで、言葉とは反対にニンマリと一人笑った。


「自分で確認できるだけで、4つか・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


(もてる男はつらいねぇ。どうしたものか・・・?)


「こんなにキスマークつけられたら、誤魔化しようがないよなぁ・・・」


俊介は首についたキスマークを指でなぞった。


「でも、悪い気はしないな・・・」


にたにた・・・。

「好きよ、か・・・」


にんまり・・・。


--- ^_^ わっはっは! ---


「アンニフィルドも、どこまで本気だか・・・。姉貴の言うとおり、オレ、惚れちまったかな。まいったぜ・・・。1週間で消えるかな・・・。こんなんじゃ、まじで、会社には顔を出せられないぞ・・・。さて、どこにばっくれるかな。姉貴が起きる前に、さっさと、うちを出ないと・・・。おっと、パスポートを残してたら、ウソがバレちまう」


俊介は、4日分の着替えをまとめると、バッグに詰め込んだ。


さらさらさら・・・。

俊介は、姉への置手紙を書いた。


「さてと。オレ様の愛する、姉貴様へと。見積、メルシー・ボクっと。で、オレ様は休養でパリにいくことにと・・・」

俊介は念のために読み返した。


「あれ?休養じゃなくて、急用の間違いだ・・・。つい、本音が出ちまったぜ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「危ない、危ない・・・」


ぱたんっ。

俊介は書置きを残して、マンションを後にした。




「うーん。朝だわ」

アンニフィルドは目を覚ました。


「あれ、ここ、どこかしら?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あー、ユティスの部屋ね。変ね、なんで、わたしがユティスの部屋に?」

アンニフィルドはすぐに自分が下着姿なのに気づいた。


「あらまあ、大変。なんて格好なの!」


--- ^_^ わっはっは! ---


アンニフィルドは自分の服を探した。


「あったわ」

きれいにたたまれて、それはアンニフィルドの横に置いてあった。


「なにがあったのかしら?わたし、ほとんど覚えてない。俊介とシャンパンバーに行って。グラス1杯だけよね。飲んだのは。あれしきで酔っ払っちゃったていうの。でも、どうやって、うちに帰ったのかしら?しかもユティスの部屋に・・・」


服を着ると、アンニフィルドはユティスの部屋を出た。


「おっはよう。ユティス。クリステア。和人。みんな、いる?」


「・・・」

しーーーん・・・。

アンニフィルドの挨拶には、だれも答えなかった。


「まだ寝てるのかしら?」

アンニフィルドは自分の部屋のドアを開けようとした。


がちゃ、がちゃ・・・。


「ロックかかったままだわ。そういうことぉ?わたしが部屋をロックしてたから、みんなして、わたしをユティスの部屋に運んだのね・・・。ということは、やっぱり、わたしはだれかに運ばれたのよ、ここまで。どこから・・・?だれに・・・?」


アンニフィルドは右手を顎にやった。


「俊介・・・。まっさかね。それに、裸同然にひんむかれちゃったってことは・・・?」


ほっ。

「大丈夫!貞操は守られてるわ。てことは、俊介がやったんじゃないと・・・」


「クリステア?」

アンニフィルドはクリステアの部屋のドアを開けた。


かちゃ・・・。

「開いちゃった・・・。あらあら。無用心だこと」


すぅ・・・。

クリステアはベッドで熟睡中だった。


「SSのくせに、無防備に眠りこけてていいのかしらね?」


がばぁ・・・。

「なにか言ったぁ、アンニフィルド?」


「きゃ!お、起きてたの?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「びっくりさせないでよぉ・・・」

「一応、起きてるけど。そのくらいで驚いてたら、SS務まらないわよぉ」


「いいの。ユティスは?」

「さぁ。部屋にいない?」


「ナナン。いないの。だって、わたしが寝てたんだもの」

「あーーーっ!」


「どうしたの、クリステア?」

「和人よ、和人、和人の部屋!」


「そういうことぉ・・・。見てくるわ」


とんとんとん・・・。

アンニフィルドは1階に降りていった。


「ちょっと、アンニフィルド、待ちなさいってば。入るんだったら、ノックぐらいしてからにした方がいいわよ」

「わかってるわよ。キッスでしょ?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ナナン。それ以上だったら、どうするつもり?」

「あは。仲間に入れてもらおうかしら?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「勝手になさい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ