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140 見学

■見学■




兎にも角にも、ユティスは株式会社セレアムの社員として事務所に出るようになった。国分寺姉弟は、ユティスと和人を一瞬でも離すことはリスクが高くなると考えた。ユティスは超VIPであるが、一方、和人もエルフィアにとっては、地球代表のコンタクティーであり国賓だった。


「うむ。ユティスをおまえたちの会社の社員にし、和人と同じ職制にしたのは、けだし正解だな」


国分寺姉弟の実の祖父、セレアム人の内閣特別顧問の大田原太郎も、同意見だった。


「われながら名案だと思うわ」

真紀は電話の向こうで祖父が大きく頷いている様子が目に浮かぶようだった。


「わたしもそう理解している。ユティスと和人の二人の身の安全が脅かされることは、地球にもエルフィアにも悪影響を与える。できる限り一緒に行動するのが得策だろう」




入社早々、和人と2泊3日の衝撃的な出張旅行から帰ると、ユティスは社員たちに大歓迎され、みんなと楽しい会社生活が始まった。


「よう、ユティス。今週の金曜日はきみの歓迎会だぜ」

「まぁ、二宮さん。歓迎会がどういうパーティーなのか想像できませんけど、お礼申しあげます」


「なぁに、きみを歓迎するからには、飲んで、食べて、語って、笑う。わっはっはーーー、さ」

「まぁ、二宮さんて、面白い方。うふふふ」


中でも、二宮祐樹は和人の先輩で、体育会系の底抜けに明るい男だった。ユティスが精神体で地球に来ていた頃からの知り合いだったし、実際、二宮は国分寺姉弟の次に二人に仲良くなっていった。


「いやぁ、初めはさぁ、ユティス、精神体だっただろ?」

「はい」

「だからさぁ、マジ、幽霊じゃないかと思ってたんだぜぇ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「まぁ、ひどい・・・。うふふふ」


また、二宮はカラテの一級で黒帯手前だったが、去年、意中の喜連川イザベル初段に、昇段審査の10人組み手で上段蹴りを喰らいKOされていた。それ以来、二宮は完全にイザベルに圧倒され、調子が狂ってしまっていた。また、二宮は幼少の頃より古式剣術を父親から教わっていた。一撃必殺の上段の構えである。こちらについては、和人も、会社の人間も、だれも知らなかった。




次の日、二宮のたっての希望で、仕事も暇な時間に、真紀はユティスたちと道場見学に行くことになった。


「あ、どうも、社長さん」


真紀たちを出迎えたのは、優に身長180センチ、体重120キロ以上ありそうな巨漢が、足利道場の師範、足利尊道あじかがたかみちだった。


「なんでも外国のVIPがウチの道場を見学されたいとかですが、こちらの方がそうなんですかぁ?」

師範は、真紀の横で興味津々といった表情の、若い娘に注目した。


「はい。ユティスと申します」

にっこり。


どっきーーーん。


(なんて可愛い娘ちゃん・・・)


でれでれーーー。


--- ^_^ わっはっは! ---


「あ、はい。ご挨拶を丁寧にしていただき、無常の喜びです」

「はい」

にっこり。


「あーーー、今日は、せっかく見学いただくのに、ご案内申し上げました肝心の二宮一級が仕事で同席できませんで、失礼いたします」

師範は真紀に深々と頭を下げた。


「いえいえ、とんでもない。二宮は手前どもがお使いに出させましたんで・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「おお。やはりそうでしたかぁ・・・」

「ええ。昼間くらいは仕事をさせませんと・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「そんなに、ヤツはサボりますかぁ?」

「いいえ。本人はまったくサボってるわけじゃないんですが、周りから見ると、そうしか見えないことも、ままあるわけでして・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


道場では、喜連川イザベル初段が黒帯を締め、稽古に汗を流していた。見学とはいえその実、イザベルのセレアム就職を期待しての入社勧誘だった。ユティスは、実際に初めて見るカラテとイザベルに釘付けとなった。


「はいや!」

がしっ。


「しいや」

がっ。


イザベルたちは、ちょうど、軽く組み手の稽古しているところだった。


「なんてムダのない美しい動きなんでしょう。ここにアンニフィルドをクリステアがいたら、きっと夢中になってしまうでしょうね」


「実は、ユティスもSSほどじゃないけれど、護身術は一応マスターしてるんだって言ってました」

和人が真紀に捕捉した。


「へぇ。ユティスが、こんなに武道に興味があるなんて意外だわぁ・・・。びっくりしちゃった・・・」

ぱちっ。

真紀はユティスにウィンクした。


「はい。エルフィアの文明促進推進スタッフは、男女に関係なくすべからく武道を習いますから」


「エージェントもなの?」


「はい。なぜなら、武道には精神鍛錬が第一義的に必須となるからです。支援先での護身的な意味も大いにあります。しかし、本来の目的は自己の精神修養ですわ。カテゴリー1的な自分本位の心を見つめ直すには、とても有意義な手段です」


「でも、あなたたち、エルフィア人は、カテゴリー4なんだから、争いごとや犯罪なんてないんだろうし、みんながみんな、武道なんてもの必要ないんじゃないの?」


「ナナン。カテゴリー4だから、生まれながらに精神がカテゴリー4、という訳ではありません。どんな人間も、幼い頃から、じっくり時間をかけて学習しなければ、カテゴリー1的な精神を克服することはできませんわ」


「ふぅーーーん。エルフィア人もそういうことなんだ・・・」


「はい。但し、その人、その人、学習内容と、進捗は異なります。その人に最適なプログラムが組まれますわ。わたくしたちは、真剣に、時には楽しみながら、それを続けるのです。ですから、二宮さんからカラテについてお伺いした時、とても興味を覚えましたわ」


「二宮がねぇ・・・」

真紀は予想外というように、手を顎にやった。


「どうです?」

師範が3人に目配せした。


「わたくしは、とても素晴らしい組み手だ思います」

「オレ、いや、わたしもそう思います」

和人が相槌を打った。


「ええ、そうだわね。でも、わたしには、イザベルさんたち、とても動きが早くて、どんな技をどういう風に出したり受けたりしてるのか、さっぱりです」

真紀はイザベルたちの組み手を見ながら感心した。


「イザベルさんともう一方には、計画的な思考が感じられません。純粋に、感性で反応されてますわ」

ユティスは二人に魅入られたように話した。


「どうも、稽古をお褒めいただいて、わたしも嬉しいですよ。お察しの通り、ああやって無心にするから反応できるんです。身体が覚えてるというか。修練の賜物ですな・・・」

師範はユティスに微笑んだ。


「はい。いちいち考えていては、あのスピードにはついていけなくなりますわ」

「おっしゃる通りですな。あーーー、ユティ・・・」

「ユティスですわ」

にこっ。


「そ、そう。ユティスさん。あなたも、お国でなにかなさっていたとか?」

「はい。ほんの少しですけど・・・」

「そうでしょう。そうでしょう。でなきゃ、一目で、あの二人のやり取りを見抜くことはできませんからな。ははは・・・」




すたすた・・・。

やがて、稽古が終わりイザベルが3人のところにやって来た。


さっ。

ぺこり。


「おす。社長さん、ユティスさん、わざわざおいでいただき、ありがとうございます」

イザベルは、胸元で両手を交差させ十字を切ると、頭を下げた。


「こちらこそ、稽古を拝見させていただいて感謝するわ」

「そうですわ、イザベルさん」


「そんな、大袈裟なぁ・・・」

イザベルはユティスの笑顔に口元を緩めた。


「それにしても、ご熱心ですなぁ」


師範の足利は、真紀たちがイザベルを株式会社セレアムへリクルートしに来ていることを知っていた。


「うふ。いろんなイザベルさんを見てきてるけど、ここが一番輝いて見えますわ」

「そんな、社長さん・・・」


かぁ・・・。

イザベルははにかんだ。


「うわっはっは。こいつはいい。就職内定だな、喜連川!」


ぽん。

師範はイザベルの肩を叩いた。


「師範まで・・・」


「うちに、来てくれるわよね?」

真紀がイザベルを優しく見つめた。


「はい。今のところ第一候補です」


にこっ。

「そっかぁ・・・」

真紀は微笑んだ。


「まだ、第二候補以下は、ないんですけど・・・。うふ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「本当?それなら、とっても嬉しいわ!」


真紀はイザベルの両手を取った。


「でも、微妙な関係になるな、喜連川?」

「おす・・・」


「二宮さんですわね?」

ユティスが和人にウィンクした。


「うん」

「なるほど・・・」


「イザベルさん、うちに来たら、先輩の後輩になるんだね?」

和人もイザベルに微笑んだ。


「おす。そういうことになります」

「複雑になるわねぇ・・・」


「ま、喜連川、おまえはいいとして、二宮は、黒帯のおまえをどう呼ぶかだな?」

「おす・・・」


「決まってますわ。『イザベルちゃぁん』、です。んふ?」


--- ^_^ わっはっは! ---


かぁ・・・。

ユティスの一言で、イザベルは真っ赤になり、道場中は爆笑の渦となった。


「わっはっは!」

「あっはっは!」

「うふふふ」


「こ、困ります、わたし・・・。そんなんで、会社を選んでるわけじゃないです・・・」


みんなは、二宮がイザベルに首ったけなのも知っていた。


「え?違うのか、喜連川?」

「お、おす・・・」


「二宮には言わん方がいいぞぉ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あははは」

「うふふふ」

道場はまたしても爆笑となった。


「しかし、最初に落とした方は、二宮ではなく、喜連川なんですわ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「わははは」

「うふふふ」

「あははは」


「二宮も浮かばれんよなぁ・・・」


「お、おす。でも師範、それ、一応セクハラですよ。それに二宮さんにも失礼です・・・」


そこのだれもが、昇段審査の組み手で、二宮が喜連川の左上段で沈んだことを知っていた。




金曜日はユティスの新人歓迎会だった。


「えー、9時から、いつものをやるぞ。当番は二宮、お前」

朝礼で、俊介が今朝いる人間を集め二宮に言った。


「うーーーす」


ぽけーーー?


ユティスにはなんのことかわからなかった。


「いつものって、何なんでしょうか?」

「今日の株式市場の任意銘柄の相場当てだよ」


「そ・・う・・ば・・あ・・て・・?」

「知らないの、株?」

「ナナン。申し訳ございません。お野菜かなんかですか?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「あー、それは、蕪ね。発音は同じでも、ものはぜんぜん違うんだ」

和人がそれに答えた。


「すみません。言葉を習いたてなんで、あおの、よく・・・」

「いいよ。いいよ。無理ないって」


「ご説明をお続けください」

「うん。株ってのはね。会社の分割所有権のことで、広くみんなから、運営資金の出資を募るんだ」

「はい・・・」


「それを売買する専用のお店が、証券取引所。一般人は証券会社というお店を通じて株を買うんだ。儲かって人気のある会社の株は値上がりして、損ばかりしてる会社は人気がなくなって値下がりする、って訳さ」


「オークションみたいなものですね?」

「リーエス。まさにその通り」


「毎日、売り買いするわけですか?」

「そうだね。売りたい買いたいって人が一人でもいる限りね」

「リーエス。わかりました」


「それでね。毎日、3時に東京株式市場が閉まるんだけど、一つ銘柄を決めて、会社のみんなで、その終値を朝一に予想するんだ」


「銘柄?」

「あはは・・・。株を売り出している会社のことだよ」


「それで?」

「予測が当たれば、1万円。当たんなくても、一番近い人が1000円」


「お支払いするんですか?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「もらえるの!」


「どなたが、そのお金をお支払いされるんですか?」

「社長と常務のポッケトマネー、というより会社からの臨時ボーナスかな。名目は、たぶん、教育補助金だと思うよ」


「すごいんですね、社長と常務さん!」

「ああ、実行力があって、キレル人たちだよ。気前もいいし皆からの信頼も厚い」


「うぉほんッ!」

俊介は一同を見回した。ユティスと俊介を入れて14人だった。


「今朝はなぁ・・・。うわぁ・・・、眠い・・・」


ほわぁ・・・。

二宮が大きくあくびをした。


「それから前から言ってた通り、今日はユティスの歓迎会をする」

「うぁーい、うぁーい!」

「6時からだ。欠席は認めん。幹事は、和人。以上!」


(げげげ・・・)


「常務、今日なんですか?オレ、車ですよ!」

「ユティスの歓迎会を忘れたお前が悪い。帰りは歩け」

「そう、そう、あなたが悪い、和人」

茂木が追い討ちをかけた。


「それに幹事っても・・・」

俊介は平然と続けた。


「当然じゃないか。ユティスの教育係なんだから」

「教育係?」

「うちは、新人の教育係りは新人に選ぶ権利がある」


--- ^_^ わっはっは! ---


「へぇ?」

「ユティス。きみは、仕事を教えてくれる教育係りを、事務所の中から一人、自分で決めることができるんだが、いったい、だれが最適だと思うかな?」


ぱちっ。

俊介の言葉に合わせて、真紀がユティスに意味ありげにウインクした。


--- ^_^ わっはっは! ---


「リーエス。わかりました」


「それでだ、ユティス。だれに仕事を習いたいのか、みんなの前で、もう一度言ってくれたまえ」


俊介はにたりとしてユティスにきいた。


「和人さん。宇都宮和人さんが、いいですわ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「そんなの、聞くまでもないじゃない」


「あーあ。お熱いことで」

「じゃ、よろしくね、和人」

ユティスの選択はもうみんなにバレバレだった。


じーーー。

にっこり。

ユティスは和人をじっと見つめ、そして最高の微笑を送った。


「ほれ、言っただろ。和人、おまえが幹事だ」

「んなこと言われても。突然過ぎますよ」


「政府の期待を裏切ることができるの?」

真紀が追い討ちをかけた。


「政府?」


岡本が首をかしげた。


--- ^_^ わっはっは! ---


「ユティスぅ・・・」

「楽しみですわぁ!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「うわーぁ・・・」

「やる気がないなら・・・、ほんじゃ、ばらすぞ!」


「な、なんなんですか、いきなり」


「和人とユティスの出張旅行ウラ話。聞きたい人?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「はぁーい!」

「はーい!」

茂木をはじめ、みんなが一斉にコーラスをした。


「なに言ってんですか、常務。待ってください。みなさん、秘密なんかないですよ!それに、それ、セクハラじゃない、パワハラかな?どうでもいいけど、プライバシー侵害です!」


「だれが費用を持ったのかなぁ?和人くん・・・。ええ?」


--- ^_^ わっはっは! ---


にらめっこーーーっ!

「いいんだな?ユティスと温泉宿。こんなことや、あんなこと・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「何もないです・・・」


じーーー。


「これが最後・・・、ばらしていいんだな?」

俊介は岡本たちに目配せした。


「ロイヤ・・・スイー・・・―ム、なんたら、中って・・・。スマホでモニターした二人の会話・・・。聞きたいヤツいるかぁ?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ええっ・・・!」

「はぁーーーい!」


すーーー。

「おーい。全員近くに寄れ!ハドルだ」


--- ^_^ わっはっは! ---


「はぁーーーい!」

みんなは、アメフトのオフェンスよろしくQB俊介の周りに集まった。


「え、なになに?」

「和人、よくない秘密持ってんじゃない?」

「聞きたーい、聞きたーい!」

「和人は、ユティスとぉ・・・!」

「えーっ、貸切の混浴露天風呂ですって!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「お風呂で、そんなことまでぇ?」

「きゃあ!和人、卑猥ねぇ!」


「最後通告。和人は一人で24万円経費を使ってくれた。1泊・・・」

「わ、わ、わかりましたよ!」

「観念したな」


--- ^_^ わっはっは! ---


「違います!」

「ま、いい。和人、場所はお前が確保しろ、予算1人3000円!」


「ちぇ、つまんなーーーい!」

「聞きたかったなぁ、和人の秘密!」


「続きは会場で!」

「賛成!」


「ホレ、時間ないぞ。さっさと、探してこい」


「えーーーっ!今日の今日ですよ。花金に空いてるとこなんてないですよぉ」


「諦めるんじゃない、和人。それから今日は、会場探しを兼ねた外回りを許可する。ユティスの同行も許可。ただし、クライアントを10社回ること!」


--- ^_^ わっはっは! ---


「外回りを許すですってぇ・・・?命令するの間違いでしょ・・・」


--- ^_^ わっはっは! ---


「常務、鬼ですね・・・」

「何か言ったかぁ?」

「何でもない・・・です・・・」


「だったら、とっとと行く!」


「これ、名刺ね。ユティスさん」

石橋がユティスに名刺を入れたケースを渡した。


「株式会社セレアム、Webマーケティング部、ユティス・デュレルフィエーザ」


「まぁ、なんですの、このエルフィア人のユティスというのは?」

「だれもフルネーム知らなかったから・・・。気に入らないですか?」

「いいえ、すてきなカードをいただきまして、ありがとうございます、石橋さん」


「和人とユティス、社長公認のデートってことっすか?」


--- ^_^ わっはっは! ---


二宮が石橋の前で言った。


どきっ・・・。


(え?どういうこと?)


石橋はさっとユティスを見た。


「先輩、デートだなんて、なに言ってるんですか!仕事ですよ、仕事!」

「二宮、いい指摘だ。仕事さえできりゃ、デートしようが何しようが、オレは関知しない。ペアを組むのは信頼できる同士が一番いい」


「信頼できる同士?和人とユティスがぁ?トホホ・・・オレもしたいっすよ、デート・・・仕事中に・・・」

「イザベルなら、毎日いつでも会ってんじゃないの、仕事中に?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「ま、真紀さん!」

「あら、二宮、今日はコンビニにお弁当買いに行かないのぉ?」

真紀がさらに突っ込んできた。


「う、うっ・・・。社長、今日はイザベルちゃん非番だって、知ってていってるんでしょ?」


--- ^_^ わっはっは! ---


「そーうね。データはウソつかないから」

「うふふふふ・・」


(社長さん・・・ホント、面白い方なんですね!)

(最悪だぜ!)

(そうですか? わたくし、社長さん好きですよ・・・でも・・・)


「いつまで、ベタベタやってんだぁ、そこぉ!」


--- ^_^ わっはっは! ---


俊介の雷がとんだ。


「は、はい!」


(怖えーーーーーーーっ!)


「ユティス、こんなことになっちゃてごめん。きみは会社の新人社員ってことになってるのはともかく、オレがきみの教育係だってこと・・・」


「依頼人は、大田原さんですよ。彼がすべてお膳立てしてくれていますわ」


「そういうことか・・・。影の内閣官房長官・・・」


「うふふっ、信じられませんかぁ?」

「それより、早く行かないと間に合いませんよ、外回り」


「それ、外回りだけど、実体ではユティスは初めてだろ?」

「はい・・・」


「10社はきついけど、付き合ってくれるかい?」

「はい」


和人とユティスは、外回り兼ユティス歓迎会の会場探しで、事務所を後にした。

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