表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王女の婿選び  作者: 羽月
4/29

第4話

やっと2山を崩し終えた所で、私はギブアップした。


「今日はもう駄目。これ以上見ても相手の情報が入ってこないわ!!」


そういうと、レイナは頷きながらもう一つの山を片付け始めた。


「えぇ、お疲れ様です。本日は実によく目を通されたと思います。ゆっくりお休みになられて下さい」


そういうと、レイナは楽々と山を抱え部屋を後にした。


「・・・・はぁ。よくあれをあんなにも軽々と持てるものね。・・・・というか、燃やしてくれないかしら」


思わず本音がぽろりと零れてしまった。


「っはぁ!!!!つっかれたっ!!」


あれだけの絵姿に目を通すのも一苦労だ。

しかも、全くイイ男はいない。


「本当に時間の無駄ね!これならまだ、政務の仕事をしていた方が何倍もマシよ」


そもそも、あと2年も時間があるのに、急がせすぎなのだ。

まだゆっくり探しても間に会うだろうに・・・。


「・・・まぁ、今はそんなことも言っていられないか」


ふぅと溜息をつくと、よっこらせとソファーから身体を起し、窓の傍まで歩く。

シャッとレースのカーテンを開け窓を開ける。

そこには、城下を見渡せるバルコニーがある。


「・・・・今日も、町は平和の様ね」


遠くに見える町がどうなっているかは分からないが、どこからも煙らしきものが上がっていない。

その事にほっと胸をなでおろす。


「姫様。お身体が冷えますよ」


後ろを振り返れば、レイナが部屋に戻って来ていた。


「・・・・大丈夫よ。こんなにいい天気なんだから」


そういうと、レイナはそっと目を伏せた。


「・・・・そう、こんなにいい天気で町も明るいの。これがいつまでも続けばいいわ」


ぽつりとつぶやいた声がレイナに聞こえたかどうかは分からない。

だけど、それは誰しもが願う願いだと皆が知っている。

3年前に起ったあの出来事を知る誰もが・・・・・。


「さぁ、夕食にしましょう!!もう、目が痛くて肩もこって仕方がないわ!デザートはブルーベリーを使ったタルトがいいわね!!」


くるりと後ろを向いて部屋に戻ると、レイナもいつもと同じ様に返してくる。


「姫様。今更夕食のメニューの変更など、料理長を困らせるおつもりですか!本日のデザートは、イチゴのミルフィーユでございますよ」


「あら、それも美味しそうね。あぁ、お腹がすいてきたわ。早く行きましょう」


私達は、部屋を後にし、食堂へと向かった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ