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 エリシアはトンネルの直前で、標識に目を留めた。




  ↑直進「シャトルベイ方面」

 ←出口「プラントエリア方面」



「……どっちにしろ厄介ですわね」


 だが、問題は背後についているXRH-2だ。追撃が続けば無事にシャトルベイにたどり着くのは不可能に近い。




 トンネル内に入った瞬間、彼女の目に飛び込んできたのは、大破した装甲車とその周りに転がる死亡した隊員たち。




 バイトの仕業か? 一瞬で状況を察したエリシアの脳裏に閃きが走る。


「……トンネル内じゃ、さすがにあいつも入れないみたいですわね」


 大胆な決断を下し、エリシアは突然装甲車を急停車させた。そして、あろうことか車を降りる。


「ここからは……私の独壇場ですわ!」


 彼女は意図的に車を放棄し、周囲の異様な静けさを利用して次の行動に移る準備を始めた。




 エリシアはトンネル内に転がる重たそうな破片を拾い上げ、再び装甲車に運び入れる。




 そして、ハンドルを勢いよく回し、装甲車をUターンさせた。


「これで……よし!」


 アクセルペダルにその破片を乗せ、エリシアは一気に車から飛び降りる。


 ——ゴオオオオオオ!


 無人のまま、装甲車はエンジン音を轟かせながらトンネルを引き返していく。狭いトンネル内で加速するその巨体は、まるで制御不能の猛獣のようだ。




「さあ、そっちはどう出ますの?」




 エリシアは不敵な笑みを浮かべながら、装甲車がXRH-2の進路を混乱させることを期待し、静かに身を隠した。


 エリシアが隠れながら様子を伺っていると、無人のまま進む装甲車がトンネルを抜け出した瞬間、XRH-2が反応した。


 上空からミサイルが発射され、まっすぐ進むだけの装甲車に見事直撃!




 ——ドカァァン!




 爆発音が轟き、装甲車は瞬く間に炎上。黒煙が空へと立ち昇り、破片があちこちに飛び散った。上空ではXRH-2がスポットライトを浴びせ、トンネル周辺を捜索している。


「ふぅ……予想通り、ね」


 エリシアは大破した車両の壁に身を隠しながら、周囲を見渡す。




 そして、近くに転がっていた死体からスナイパーライフルをぶんどった。




「これで少しは遊べそうですわね……」


 狙撃態勢を整え、彼女は上空のヘリを睨んだ。




 XRH-2がエリシアの装甲車に着弾し、車が炎上すると、機体は慎重に着陸した。




 数人の隊員が降り、被疑者の遺体を確認しようと炎上する車両に近づいていく。


「……ミスは許されませんわね」


 エリシアはスコープを覗き込み、狙いを定める。


 スコープの向こうには、数人の隊員が無防備に歩いている。ライフルを構えたまま、距離を確認する。XRH-2までの距離は射程内だ。


「いきますわよ……」




 ——バン!バン!




 二発の銃声が響き、二人の隊員が即座に崩れ落ちる。混乱する部隊を背に、エリシアは素早く地面に落ちていたハンドガンを拾い、全速力で走り出した。


「——目指すは、操縦席ですわ!」


 弾丸が飛び交う中、エリシアは一直線にXRH-2の操縦席を目指して突進する。




 エリシアは走りながらハンドガンを乱射し、弾丸が飛び交う中でバリケードを展開。展開した魔法のバリケードが飛んでくる弾丸をすべて防ぎながら、彼女は一気にヘリに肉薄する。




 ——ゴォォォォ……。




 ヘリのローターが回転を始め、揚力が発生していた。上空に浮き始めたXRH-2の扉から、身を乗り出して銃撃してくる隊員がいる。


 ——パンパン!……カチカチ。


 弾切れか? と思った瞬間、エリシアのハンドガンは空になっていた。




「キエエぇえええ〜!」




 エリシアは叫びながら弾切れのハンドガンを投げ捨て、被弾する覚悟で、離陸しかけたヘリの床に手をかける!


 風圧と弾丸の中で、エリシアは力を振り絞り、必死にヘリへとよじ登る。


 エリシアがヘリにしがみついていると、隊員の一人が彼女の頭を踏みつけようと襲いかかる。


「くそ!降りやがれ!」


 しかし、エリシアは瞬時に隊員の足を掴み、渾身の力で引き摺り下ろした。隊員はバランスを崩し、床に叩きつけられながら機外に投げ出される。


 操縦士がそれに気づき、慌てて振り向き、銃のスライドを引いた。




 その瞬間、エリシアは素早く手を伸ばし、銃のハンマーに指をかけた!




「甘いですわよ!」


 操縦士の銃が不発に終わり、エリシアは彼の手から銃を奪おうとさらに力を込める。


 エリシアは操縦士の腕をねじり上げ、無理やり関節を曲げさせる。操縦士は抵抗する間もなく、その動きのはずみで自分の首元を拳銃で撃ち抜いてしまった!


「……あら、残念でしたわね」


 血飛沫が舞い、操縦士は息絶える。エリシアはすかさず彼をヘリから放り投げ、空中で回転するヘリコプターの操縦桿を握り締めた。


「さて……どうしましょうかしら?」


 エリシアの冷笑が、暗いコクピットに響く。


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