君が知りたい
※主人公は自分のことを「僕」といっていますが一応女の子です!BLではありません!
※微エロ??
僕は君がわからない。
君は本当に僕のことが好きなの??
僕は好きだよ。
僕は君のことが大好き。
けど…
「愛してる」
君が僕に愛の言葉を告げるとき、
君の目は乾いたままだ。
君の声は冷たいままだ。
どうして嘘つくの??
君が僕のことを好きじゃないんなら…
無理して僕といなくていいんだよ??
僕は寂しいけど…
僕は君が幸せであって欲しいから。
僕には君がよく分からないよ。
だって僕は君のほんの一部しかしらない。
僕は君を全部全部知りたいんだ。
「ねぇ、君のコトを教えて?」
「何言ってるんだよ。もう知ってるだろ?こうして一緒にいるんだから」
君はそういって笑う。
冷めた笑顔。
違う。
僕はそんな笑顔が見たいんじゃないんだ。
「どうして君はいつもちゃんと笑ってくれないの?」
「笑ってるよ」
「笑ってない」
だって君の笑顔は作りものの笑顔。
心からの笑顔じゃない。
「それならおまえが笑ってみてよ」
僕は笑顔をつくった。
「おまえもちゃんと笑ってない」
「そんなのいきなり笑えるわけないでしょ?」
僕が頬をふくらませて言うと君はいつもの冷たい微笑を浮かべる。
「そういうことだよ。笑顔なんて意図的につくれるものじゃないんだ。反射的な笑顔に文句言われたくないね」
君は何でも理屈で解決してしまう。
そういうことじゃないの。
そんな言葉が聞きたいんじゃないの。
「ねぇ、君はどうして君のコトを何も教えてくれないの?」
「またそれか…」
あきれたような君の顔。
「ねぇ、教えて」
僕が問い詰めると君は軽いため息をもらした。
「さぁね。オレにもよくわからない」
君は軽く微笑んでそう言うと僕にキスをする。
「んっ……」
深い、深いとろけるようなキス。
そして、
冷たくて、乾いたキス。
それでも僕は君が欲しくて、君を求める。
君が僕の首筋に舌をはわせる。
君が僕の肌に触れる。
そうして僕は君に溺れていく。
気がついたら朝になっていた。
隣にはすでに起きて上半身をおこしている君。
君は窓からどこか遠くを眺めていた。
声をかけようとして、思わず息をのむ。
だって…
君の頬をキラキラ光る雫がつたっていたから。
「ねぇ、どうしたの??」
君が振り返る。
そしていつものように冷たい微笑をうかべた。
「あぁ、起きたの。おはよう」
君はそう言って僕の頬に軽いキスをする。
僕は君の顔が離れるまえに君の頬に触れた。
そして君の涙に触れる。
「どうして君は…泣いているの??」
君の目が軽く見開いた。
そしてその瞳に影がさす。
「…おまえには関係ない」
その口調にはトゲがあった。
もうこれ以上踏み込んでくるな。
そう言ってるみたいだった。
けどそんなの関係ない。
僕は君のコトを…
君の良いトコロも悪いトコロも全部知りたいから。
僕は君の瞳をじっと見据えた。
君はしばらく負けじと応戦してたが、やがてふぅっと小さなため息をつく。
君の頬に触れている僕の手が君の大きな手に包まれた。
「…寂しいんだ」
「えっ…??」
君がぽつりとつぶやいた一言に、僕は驚きの声を漏らす。
「オレはいつも1人だから」
君はそうつぶやいたきり、何も言わなかった。
けど、僕はそれだけで気づいてしまった。
知りたくなかった君の悲しみに。
触れたくなかった君の苦しみに。
気づきたくなかった…
君の、孤独に。
涙があふれてくる。
本当は、ずっとまえから分かってたんだ。
でも、知るのが怖かった。
知ってしまったら、同時に僕が見てた今までの君はニセモノだって分かってしまうから。
僕は本当の君に触れることさえできないと分かってしまうから。
『君は何も教えてくれない』
違う。
ただ、僕は…
君の孤独に触れるのを恐れていただけ。
でも…
大丈夫。
大丈夫だよ。
僕はやっと君を知ることができた。
僕が君を分かってあげる。
僕が君の乾きを潤してあげる。
僕が君に温もりを与えてあげる。
僕が君の孤独を埋めてあげる。
僕は君を抱きしめた。
「もう大丈夫だよ?僕がずっと君のそばにいてあげる」
だからもう…
1人だなんて言わないで??
しばらくの間、沈黙が続いた。
君はどんな顔をしているんだろう。
僕は君の肩に手を置いて君を見た。
君は笑っていた。
いつもの冷めた笑顔。
でも、少し、ほんの少しだけ、いつもと違う気がした。
そして優しい声が僕の耳に届く。
「変な子」
ポルノグラフィティのROLLを聞きながら書きました。
思いっきり歌詞を参考にしています…(汗