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推理する陰キャ(世界の見え方について)

「朝の訪れを喜ぶのも、朝の訪れに落胆するのも、あなたの考え方次第だ」


 どこかの本にこんな言葉があった気がする。


 突然だが今、僕の左側に植木鉢がある。今までであれば僕は目にも止めなかっただろう。しかし、こんな事を考えたから認識することが出来た。


 さらにまた話が変わるのだが、日本には「世界が違って見える」という単語がある。それはつまり、辛い道を乗り越えた先に素晴らしい世界が待っているのではなく、乗り越えた先では世界の見え方が変わっている、という事だ。


 まぁ要するに、だ。その人の気持ちや考え方によって見え方、聞こえ方、感じ方……あらゆるものが違ってくると僕は推理したわけだ。


 「脳が都合のいいように解釈する」だとか「要らない情報はシャットダウンする」だとか聞いたりもする。それもまた取捨選択の基準が考え方に左右される事に他ならない。


 一応、こんな僕にも落ち込んでいた時期もあったし、その頃の思い出の色はセピアどころか白黒でしかない。だが、ここ数ヶ月の思い出はとても眩しいパステルカラー。最近だから、とかではなく当時の気持ちの問題が理由だと僕は思う。


 じゃあ世界がパステルカラーに見える僕は「よし、朝が来た」と喜ぶのかという事になるのだが、これもまたその時々で変わる。


 まず前提として、朝も昼も夜もただの日常の中の時間でしか無い。そこに『何かしらの要素』が絡むことで時間に感情を抱く事になるだろう。


「今日はテストがあるから憂鬱な朝だ……」


「昼からデート!なんて素晴らしい朝だ!」


 こんなふうにだ。まぁ僕の場合はテストで機嫌を損ねる事は無いしデートなんて夢のまた夢な訳だが……あくまで例え話なのであしからず。


 これは朝が嫌なのではなく『テストが近い』ことに憤慨したり『デートが待ち遠しい』ことに浮き足立っているだけだ。


 朝単体で嫌いだという人もいるかもしれないが、それもまた要素が絡まっているはずだ。


「朝弱いんです、頭痛くて」


「眩しい死ね」


 これも、裏を返すと『頭が痛く無い朝』は嫌いではないだろうし、『眩しくない朝』も嫌いではないだろう。いや、眩しいは時間という概念の都合上太陽の位置やらなんやらが関与しているし、それはつまり要素無しでも朝が嫌いというわけな気もするが……深く考えないようにしよう。今更前提を覆すのは面倒だし。


 えっと、つまり。結局は状況によりけり、というわけだ。


 人間は感情を抱き、頭で考える生き物。感想だって千差万別。当たり前だ。


 ……。


 なにを考えたかったんだっけ。見切り発車過ぎてわからなくなってる気がする。


 まぁ、家近いし、こういう日があってもいいだろ。




「これはまた広げた風呂敷をそのままにしているね……。何が言いたいかを先に決めたらいいんじゃないかい?ゴールがあれば道のりがどうであれ目指すことが出来る。


 ちなみに私は朝は『新しい事が待っている』ので好きだし、昼も『午後が待ち遠しい』ので好きだし、夜も『一日の終わりとして明日への期待が高まる』ので好きだ。


 理由はつまり考え方、理由が違えば見え方が違う。それは自分と他人だけではなく、過去現在未来の自分も、だろうね。


 それにしても……あー、最初の話に戻るわけだが。ここまで酷いのは初めてだ。どこか具合でも悪いんじゃないか?」


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