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それらしい陰キャ(語彙力がない故に)

「初心忘れるべからず」


 昔から日本に伝わる言葉だ。どこかの小説の少女は「ずっと初心でいなきゃいけないんじゃない、成長しても忘れるなってだけ」といった内容を言っていたが……たしかにその通りだ。


 少し話が違うかもしれないが、僕は昔に比べて人と関わる時間が増えた。だからといって今までの人生を悲観することもなければむしろ良い思い出とすら思っている。

 というか、今までの積み重ねがあったからこそ今の僕があるわけで。


 話を戻すと『初心忘れるべからず』には『慣れても慢心せずに、謙虚でいる事を忘れるな』という意味がある。ただ、もちろんさっきの通り常に初心でいろというわけではない。時折思い出すだけでいいと思う。


 僕も初心を取り戻すべく脳を大回転させているわけだが、改めて感じるものがあった。



 語彙力が少ない。



 千葉さんに相談したら『理系だから仕方ないっしょ』とか『日常会話で困らなければいいじゃん』とか言われたが、それでもやはり気になってしまう。


 国語の教科書を見てみると、思いも寄らないユーモア溢れる文章が書き綴られている。どうせなら僕の脳内もこんな綺麗な物にしたい!とは思うのだが、そのためにも語彙力が必要不可欠というわけだ。


 別に知らない単語が多いというわけでもないし、小説を読むタイプの人間なので同年代と比べたら語彙力はある方だとは思う。だが、いざ自分で使ってみろと言われると言葉の幅が狭まる。


 例えば、帆船が緩やかな川に浮かんでいおり、これを文章に表すとすればどうする?と言われたとしよう。


 今僕は帆船と言ったが、もし自分が目にした場合は「船が川に浮かんでいる」という短絡的な文章だけでそういう細かい点の説明が疎かになっている。


 いや、細かい点とすら言えないかもしれない。帆船という単語一つで船の形を表すことができても、具体的な特徴を形容詞で補う事だって出来る。もちろん形容詞は一例であってそれ以外も使えるんだろうけど。


 つまり、僕の脳内は同じようなは文型の繰り返しだったり、状況を比喩表現も無しに文字にしているだけということだ。綺麗だとは言い難い。


 まぁそもそも日常で比喩表現を言うような人とは会話が難しそうだし使う機会もなさそうだが、語彙力を鍛えるというのは別に悪いことではないはずだ。


 これで難しい言葉を使ってマウント取るとかだったら最悪だろうけど。



「語彙力か……そう言えばあまり考えたことが無かったな。会話の際は自分で言葉を選ぶが、その際に悩んだことは殆ど無い……語彙があるというよりもは限られた単語のやりくりが上手いだけだろうけどね。


 私としてはソウスケ君がより面白いことになるかもしれないから賛成だね。……嫌そうな顔をするんじゃない」

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