駄弁る陰キャ・リターンズ(帰ってくるの早っ)
「王道があってこそ、邪道も輝くのよ!」
ある作品の、ある少女が無い胸を張って言っていた。
確かにその通りだ。普通、一般、王道……そういう基準となるものがなければ世の中は何事も評価も判断もできなくなる。
それだけではない。真ん中となるものがなければ人は集まらず、世界は混沌となるだろう。まぁあくまでも想像上だが。
そして、王道と邪道は表裏一体。どちらかがなければもう片方も存在しないのは明確だ。王道という太陽があるから邪道という月が綺麗に輝く……そういうことだ。
そして、この表裏一体は僕たち陰キャと陽キャにも言える。この2つで二極化するのもどうかとは思うが、そうやって楽しんでいる陽キャがいるからこそ一人で静かに楽しんでいる陰キャもまた目立つのも事実だ。
しかしアニメなどの創作物だと陰キャも陽キャもごちゃまぜで楽しむことが少なくない。そして、それに憧れるものも少なくないだろう。
だがそれはさっき言った通り、ただの混沌だ。悪いことでもなければ先生にとっては良いことでもあるだろう。
だがリアルでそんなクラスがあればどうだろうか。僕は近づきたくない。僕の思考回路を受け入れるような人とは関わりたくない。普通に怖いわ。
あれ、てことは葵さんのこと怖がるべきなのか?いや、あれは僕と同じなだけか。余計に怖いわ。
でもそう考えると僕と気が合う女性は後にも先にも葵さんだけの可能性もあるな……。まぁ人生はまだあるしわからないか。
そういえばそろそろ期末テストか。勉強したくないな……。葵さんがとやかく言ってくるタイプじゃなければいいが。
ちなみに前も言った気がするが、テストの成績はそんなに悪くない。ただ今回は竜田と話してたりして勉強時間(ただ教科書を読書しているだけだが)が減っているので少しは勉強しようと思う。
「おお、勉強か。精進しろよ。……え?何も言わないのかって?えっと……いい成績だったらケーキ買ってやるぞ!住まわせてもらってるからな。……違う?あぁ、そういうことか。
どうせ、いわなくてもやるだろう?それなら言わないほうが互いのためだ。
……わかったわかった、ケーキはちゃんとやるから。はぁ……言わなきゃよかったな」




