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Extra ネタ切れする陰キャ(もう無理です)

「継続は力なりぃ!」


 ある作品の、ある少女が無い胸を張って言っていた。


 毎度のことながら、言葉を思い浮かべるのには理由がある。そう、今回は……。


「葵さんネタ切れです」


「そうか、頑張れ」


 ネタ切れだった。継続は力なりと最初に言ったが、継続するための力が無くなっていた。


「……で、ネタ切れってなんだ。別に言葉が思いつかないなら図書室やインターネットで探せばいいだろう?」


「いえ、言葉自体は覚えてるんですよ。なんですけど……その言葉1つに対して考えてたら結局同じところに行き着くんですよ」


「あー、そういうことか。つまりあれだ、恋愛系の言葉について考えていたら自分の恋愛観についての話に行き着いてしまうから、結局同じ話になってしまうということか」


「はい」


 葵さんは僕の口下手な説明でも詳しく拾ってくれる。これもコミュ力なのだろうか。


「しかしどうしたものか……もういっそやめるか……?いや、でもなぁ……」


 葵さんが唸っている。まぁ下校中のことぐらいしか葵さんと話すこと無いし、会話好きな葵さんにとっては家での会話のきっかけが無くなるのは嫌なのだろう。


「……私の言葉を元に物語を作るとかどうだ」


「それをやれというのなら追い出させていただきますが」


「冗談だからそんな目で見ないでくれ。……じゃああれだ、学校で話したことを私に報告してくれ」


「……話す機会ゼロなんですけど」


「……それそうだな」


 少しは否定してほしかった。


「夢の内容とかどうだ」


「夢はあまり見ないので」


「一日の感想」


「ほぼ毎日『いつも通りでした』で終わるかと」


「読書感想文」


「悪く無いですけど毎日は流石にキツイです」


「うーむ……」


 僕たちは頭を抱えて悩む。僕も一緒に悩む必要はない気もするが。


「じゃあ……もうテキトーに考えてたこと言ってくれ。キーワードとか無くていいから、ふと思いついたことでいいから」


「……そんなんでいいんですか?」


「あぁ。私は話さえできればいいからね。それに、思いついたことについて考えるのは会話だって同じさ。会話だってその時思いついたことを話してるだけだ」


「……」


 なんか暴論言われてる気もするが、反論する点も無ければそもそもする気もないので従うことにした。


 明日から、前の生活に戻ると思うと少し寂しいような、楽になったような……そんな気分だった。

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