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恋する陰キャ(陰キャはいつも、片思い)

「あの人が私を愛してから、自分が自分にとってどれほど価値あるものになったことだろう」


 ゲーテの言葉だ。今日も何か考えようと思ったが、少し寝不足で頭が回らない。なので、格言を放課後に調べ、そこからなにか考えようと思ったのだ。


 この言葉が意味するのは多分『愛の尊さ』と『必要とされる喜び』かなにかだろう(予想だが)。


 愛の尊さ自体は恋愛小説とかでは知れるが、あくまでフィクション。リアルの愛なんて家族からしか貰えていない。ので、これについては考えないでおこう。言えるとしたら、母さん父さん、いつもありがとうぐらいだ。


そして、必要とされる喜び……陰キャには関係ないな、うん。これはこの言葉を選ぼうとした僕が馬鹿だったとしか言いようがない。


 いや、必要とされたことはあるだろう。しかし、それは僕が必要とされたのではなく、誰かが必要とされていて、偶々僕だったということばかりだ。


 こう言葉で表すと僕の人生は少し貧相なものに聞こえるが、僕自身困ってもいないし楽しめているから気にしないことにした。


 ……どうしたものか。家までまだ道のりはあるぞ。そうだ、他の言葉を探すか、思い出すかしよう。


 僕は立ち止まり、スマホで検索しようとしたのだが、そこで1つ言葉を思い出す。


「頭のいい人には恋ができない。恋は盲目である」


 ……誰の言葉だっけ。忘れたがいい。家に帰って調べておこう。


 恋が盲目だから頭のいい人には恋ができない……この式は多分成り立たないだろうと思う。なので、ここでいう頭のいい人は『冷静沈着』や『理性的』という意味だろう。


 僕の場合は一見理性的に見えるかもしれないが、冷静沈着でもなければ興味があればどんどん関わるタイプだ。もし興味がある人間が一人でもいたら、おそらくその人間に恋のような感情を抱くだろう。それは、相手が女でも男でも。


 僕が恋をする可能性はあるということはわかったが、それ以上は何も得られなかった。……今後もこうならないように睡眠はとらなければ。




「あぁ、私も大まかに言うと同じだな。ただ、私は人間に興味津々だ。もし恋をするとしたらその中でも群を抜いて興味が湧くやつだろう。それが例え女でも男でも……え、ソウスケくんもそうなのか。はぁ、会話を好む性格なら今すぐにでも婚姻届を提出するのだがな」

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