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忠犬ポチは、異世界でもお手伝いを頑張ります!  作者: 藤なごみ


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ポチの38話 暴れ黒犬だ!

「逃げろー!」

「暴れ黒犬が出たぞ!」


 急いで冒険者ギルドの外に出ると、商店街の人が次々に逃げていくの。


 カンカンカンカン。


 街の中は、異常を知らせる鐘が鳴り響いているの。

 こんな街中は、ポチ初めてだよ。


 えーっと、りっちゃんは……

 いた!

 りっちゃんは足が悪いから、まだ馬車に乗れていないよ。


「りっちゃん、大丈夫?」

「ポチ、逃げて。暴れ黒犬が現れたわ」

「暴れ黒犬?」


 りっちゃんが言っていた暴れ黒犬って何だろう。

 と思ったら、すぐに正体が分かったよ。


「早く避難、ぐふぉ」


 あ、兵隊さんが突然現れた大きな黒い犬獣人に蹴っ飛ばされて吹き飛ばされている。

 兵隊さんを蹴っ飛ばしたのは、とっても悪そうな犬獣人だよ。

 あの大きな黒い犬獣人って、ポチ見覚えがあるよ。


「あー、ポチに噛みついてきた大きな犬だ!」

「俺も会いたかったぜ、チビ犬よ」


 目の前に現れた大きな黒い犬獣人を見て、ポチはピンときたよ。

 真っ黒な毛色で顔はワンちゃんみたいだけど、顔に大きな傷があるの。

 あれは、ポチが思いっきり噛み付いてできた傷だな。


「チビ犬とやった後、俺は捕まえられて保健所に連れていかれたんだ。そこで他の犬と一緒に処分されちまったんだ」

「それは、お前がポチやりっちゃんを虐めたからでしょう!」


 捕まって処分されたのも自業自得でしょ。

 ポチのせいじゃないもん!

 何だ何だと、商店街の人がポチと黒い犬獣人の事を固唾を飲んで見ているよ。


「この世界に来て、力が正義だと感じたよ。弱い奴らばっかりで退屈だったよ。俺を傷付けたのは、チビ犬お前だけだったなあ」

「むやみに暴力を振るってはダメなんだよ!」


 やっぱりこの大きな黒犬は、ポチ大嫌いだよ。

 大きな黒犬は、顔の傷をぽりぽり触りながらニヤリとしているよ。

 こんな奴に負けてたまるか!


「いまだ! 確保しろ」

「うぜえ、邪魔するな!」

「ぐわー!」


 兵隊さんが一瞬の隙をついて大きな黒犬を捕まえようとしたけど、また蹴り飛ばされちゃった。

 でも、黒い犬獣人はそっぽを向いているから、これはチャンスかもしれないぞ!

「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします

ポチちゃんを、ぜひよろしくお願いします

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