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忠犬ポチは、異世界でもお手伝いを頑張ります!  作者: 藤なごみ


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ポチの22話 炊き出しをやるよ!

 今日は孤児院の皆で、とある作業をするんだ。

 

「はい、どうぞ。いっぱい食べてね!」


 ここは街のスラム街って所で、ここには貧しい人がいるから、月一回教会で炊き出しをしているんだって。

 シスターさんとお料理ができるミッケちゃんが、お鍋いっぱいにスープを作ったんだよ。

 うつわにスープを入れて、やってきた人にポチ達が順番に配るんだよ。

 孤児院の皆でお手伝いをするから、この前薬草摘みで一緒になった犬のお兄ちゃんも一緒なんだよ。


「だから、僕はオオカミなんだ!」


 あ、また間違えちゃった。


 今日は炊き出しの他に、もう一つお仕事があるんだ。


「はい、どうですか?」

「おお、すっかり良くなったよ。ありがとうな」


 それは普段治療を受けられない人に、無料で治療を行うんだって。

 ポーションも使うけど、メインは司祭のお爺さんとリルムちゃんの回復魔法。

 お爺さんが回復魔法を使えるのはこの前見たから知っていたけど、リルムちゃんも魔法が使えるなんて凄いなあ。

 エルフのお兄ちゃんも回復魔法が使えるので、一緒になってスラム街の住民の治療にあたっています。


「はい、慌てないで順番に並んでね」


 この炊き出しには孤児院だけでなく領主様の奥様や侍従も参加していて、皆で炊き出しや整列をしています。

 食材やポーションは、領主様の奥様が用意してくれたんだよ。


「はい、どうぞー」

「お、ポチちゃんは今日はこっちの手伝いかい?」

「うん、そうだよ! スープを配っているんだ」


 スラム街の人には冒険者をやっている人もいて、ポチと顔見知りの人もいるんだ。

 スープを作っているミッケちゃんや、治療を行なっているリルムちゃんにも声をかけていく人がいるんだよ。

 

「流石ね。ポチちゃん達は顔が広いわね」

「ポチ、みんなとお友達になれて嬉しい!」


 領主様の奥様がポチに凄いねって声をかけてくれたけど、ポチも知り合いがいっぱい増えてとっても嬉しいの。

 だから、ポチは頑張ってお手伝いをするんだよ。


「ふう、今日はこの辺で終わりにしましょうね」

「はーい」


 お昼を少し過ぎた所で、炊き出しに並ぶ人も治療を受ける人も殆どいなくなったので今日はこれで終了です。

 皆で残った炊き出しのスープを食べてから、お片付けをします。


「スープ美味しいね。流石はミッケちゃん!」

「とっても美味しい」

「ありがとう!」


 とっても美味しいスープだったので、皆でミッケちゃんの事を褒めていたんだよ。

 ちょっと恥ずかしそうにしているミッケちゃんが、とても可愛かったよ。


「リルムちゃんも魔法が使えて凄いね」

「いっぱい治療していたね」

「そ、そうかな?」


 リルムちゃんも今日は治療でフル回転。

 リルムちゃんはいっぱい魔法を使って少し疲れ気味だけど、魔法を使えるって凄いよね。

 リルムちゃんはポーションも作れるから、どんどんと凄い治癒師になっていくよ。


「ポチは声かけもやっていないから、今日はスープを配るだけだったなあ」

「そうかな? ポチちゃんの配る所に並んだ列が一番人が多かったよ」

「うん、ダントツに長かった」


 おお、そうなんだ。

 ポチがスープを配っていた所が、一番列が長かったんだ。

 ポチは一生懸命にスープを配っていたから、全然わからなかったよ。


「つまり商店街のアイドル三人組は、ここでも大活躍だったのですね」

「ほほほ、そうですなあ」


 楽しそうに話をするポチとミッケちゃんとリルムちゃんを眺めながら、これまた楽しそうに領主の奥様とお爺さんがお喋りしていたんだって。

 今日の炊き出しも大成功。

 次は来月か、待ち遠しいなあ。

「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします

ポチちゃんを、ぜひよろしくお願いします

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