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Episode12 忘れていたこと

第12話です。書く時間がねえ…。

 とりあえず、セレナードに戻ることにする。だが、その道中もいったい俺が何をみんなに相談しようと思っていたのか全く思い出せなかった。

「さっきから何かしら?徹。あなた、すごい百面相よ?」

 詩乃が怪訝な顔で相変わらずこちらを見る。…まあ、そうだよな。俺自身、いったい何が起こっているのかわからない。なにかを相談しようと思っていたのだが、その内容が思い出せない。忘れるくらいの物なら、別にどうと言うこともないような気もするのだが、どうも放置したくない。

「いや、悪い。本当に思い出せないんだ。ものすごく大事なことのようなものの気がするんだが…」

 気持ち悪い。思い出せないのがとても気持ち悪い。

「どういうことなのでしょうか?いまいち要領を得ませんわね…。何に関することかも忘れてしまったのですか?」

 エリーナが俺に質問してきた。

「…ああ。全くだ」

 俺は頭をかきむしった。

「……朝はなんともない様子だったけど、何かあったの?徹」

 詩乃が少し考えてそんなことを言ってきた。今朝の俺…か。

「そうだな…ん?」

 ちょっと待てよ。そういや俺、今朝のホームルームで転校生としてみんなに挨拶してから記憶がないな…。…というかむしろ、そのときどんな挨拶をしたのかも曖昧だ。

「…な、なあ、エリーナ。俺が今朝、どんな挨拶をしたか思い出せるか…?」

 気になってエリーナに訊いてみる。

「え?と、徹様の挨拶ですか?そうですわね……あら?」

 しかし、エリーナの反応も鈍い。眉間にシワを寄せて考えるそぶりをするが、思い出せないようで、四苦八苦し、最終的には。

「申し訳ありませんわ…。私、思い出せないようです…」

 本当に申し訳なさそうにエリーナはそう言った。しっかりしているように見えるエリーナにもそういうことはあるのだろうか。瞬間そう思ったのだが。

「私も覚えてないわね…」

 芳しくない表情で詩乃までもがそう言った。詩乃が覚えてないなんてよほどのことだ。結構しっかり者だしな。

 だが、そんなことを考えている間にも、セレナードに着いてしまう。結局、結論は出ずじまいか…。

「まあでも、そんなに大切なことだったらそのうち思い出すでしょ」

 詩乃は軽くそう言った。どうだろう。本当に大したこと無いことだったのだろうか。何故か俺は自分の部屋に戻るまでの間、ずっとその事が頭から離れなかった。




「う~ん…」

 どうにもスッキリしない。なにかを忘れているような気がして。自分の部屋のベッドに寝転がっていた俺は起き上がり、自分の部屋のなかを一周して、またベッドに寝転がって…というのを繰り返していた。しかし、どれだけ時間が経とうとも、「なにかを忘れているような感覚」は抜けきらず、結局ただボーッとしているだけの時間になってしまっている。

「……よし」

 仕方がないので、俺は割りきって自分の力(オリジンの能力)を発動させる練習をして見ることにした。

「確かあのときは……」

 エリーナを助けたときが、俺が最初に能力を発動した時だ。今思うと本当に無謀な行動だったと思うが、あのときはなにか発動時にきっかけのようなものがあったような気がする。…そう言えば……。

「あのとき何か声みたいなものが聞こえた気がする…」

 使用者の極限状態を確認…って言ってたな。ということは?

「極限状態になればいいのか…?」

 …いやいやいや。さすがにそれはない。そんなことになったら俺は能力を発動する度に精神がおかしくなりそうだ。

「ウーン…」

 ダメだ。まだ俺には早かったのか。オリジンを使いこなすことができれば少なくとも詩乃に協力できる機会が増えると思ったんだけどな…。

 などと、そんなことを考えていたそのとき。

「ん…?」

 俺のSSDが振動していることに気づく。これは…。

「知らない番号だ…」

 SSDは通信機器であると同時に生徒手帳でもある。当然学籍番号もちゃんと記録されている。この学籍番号がそのままSSDの電話番号の役割を果たす。今俺のSSDに表示されている番号は知らないものだ。

「…はい、篠宮です」

 試しに応答して見ると。

「ふむ…。これは篠宮徹殿の生徒番号で合っているのだろうか?」

「…え、レイアさん…?」

 なぜか応答したSSDから聞こえてきたのはレイアさんの声だった。

「ど、どうしたんです…?」

「うん…?いや何。ちょっとお前さんに話があっての。私はどうやら話忘れていたことがあったようだから、伝えておこうと思ってな」

「はあ…」

 伝え忘れていたこと…か。

「ほれ、あの“娘”のことじゃよ」

「……?」

 娘…?

「おいおい…。忘れたわけではあるまい?今日、おぬしは私のところに新聞の女子の力になりたいからとケビンとともにやってきたではないか」

「……あ……」

 その瞬間、俺は頭の中がはじけ飛ぶような感覚に見舞われた。

「うぐ…!」

 直後、とんでもない頭痛が襲い掛かる。


 ……オリジン、自動起動オートスタート。所有者の異常状態を感知。所有者に何かの魔術行使が行われていると判断。オペロンコード「愚者(the fool)」から対処可能なスキルを検索(サーチ)……完了(コンプリート)

 状態異常解除スキル、「デストロイア」を発動します。


「…天童さん…」

 気がつけば、俺はその名前を呟いていた。

更新はものすごく遅いです。申し訳ありません。

2019/8/12変更

オペロンコード「トール」→「愚者(the fool)」に変更しました

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