幼い姉妹の七夕
『ななちゃん、今日は七夕だよ』
と、かなお姉ちゃんは絵本を持って妹のななちゃんに話しかけます。
『たな…』
ななちゃんは、大好きなお姉ちゃんに絵本を読んでもらうのが楽しい時間
『た・な・ば・た だよ』
かなお姉ちゃんは、ななちゃんに丁寧に教えます。
『たなばた』
ななちゃんは、お姉ちゃんが教えてくれる言葉に興味津々です。瞳をキラキラ輝かせて、お姉ちゃんを見つめます。
『1年に1度だけ、織姫様と彦星様が天の川を渡って会える日なんだよ』
かなお姉ちゃんは絵本を読み聞かせながら、ななちゃんに教えてあげます。
『おりひめちゃま』
さ行が舌っ足らずで話すななちゃんが、可愛いなぁ…と思っている かなお姉ちゃん。
絵本を読んであげる、かなお姉ちゃん。ななちゃんのペースでゆっくり読んでページをめくります。
『おほちちゃま(お星様) いっぱいだぁ』
ななちゃんの瞳はキラキラ輝き、絵本に夢中な様子。
絵本を読み終わっても、ななちゃんは
『おりひめちゃま(織姫様)とひこぼちちゃま(彦星様)、ほち(星)の海だね』
ななちゃんは、かなお姉ちゃんに読んでもらった絵本のお話を、お話しするのも大好きです。
『そうだね。織姫様と彦星様、星の海を渡って会えるね。なな、今日の夜にお空を見てみようか?』
かなお姉ちゃんは、ななちゃんにお星様を見せてあげたら喜んでくれるかな? と思い声をかけます。
『うん、おちょら(お空)みる』
ニコニコ笑顔で、嬉しそうに返事をしました。
夜になり、大好きなお姉ちゃんと手を繋ぎ夜空を見上げる、ななちゃん。
幼い姉妹を、天の川から見つめて微笑んでいる 織姫様と彦星様が、今夜見られそうですね。