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7話 真紅のワンピース

前話までの元NPCのプレート表示LVの設定やスキル、装備品の簡易説明など大規模に修正を入れました。

本日の投稿遅れてごめんなさい。

 小屋からの帰り道、ウルフを2人で少し狩って行く。

 統合されてしまったが、先ほど取得した『生活魔法(闇)』のおかげだろう。待ち伏せは、気配に敏感なモンスターから感知されにくくなる。というもの曖昧なものだが、行きの何も出会わなかった林の中で、今はウルフと次々に出会っている。


 ウルフの経験値は5で猫ウサゼリーの半分ほど、1匹倒してボーナス込みで1人あたり3。経験値は美味しくはないが、肉が少しほしいので、出会ったのは狩っていくことにする。

 決して、クエスト続きでストレスが溜まっていたわけではない。


 朝出てきた東門が近くに見える位置にきた。ここまで来るとあまり出てこない。それでも、100匹は倒しただろうか。

 肉はダンテと合わせて10個。

 マッチョさんと狩ったとき3匹で3個出たことを考えるとクエスト補正がこの世界でも生きているのだろうか?まぁ、たまたまだろう。

 時刻はもうすぐ正午。昼食は早めに取ったので、このまま買い物に向かう。


 とりあえず、昨日冒険者協会でお勧めされたお店を回ろうと思う。


 まずは雑貨屋。木製のコップと食器、塩や胡椒、油などの調味料とテントや毛布、鍋なども念のため買っておいた。値引きしてもらって全部で4万エデン2万エデンずつ払い、コップと食器、毛布はそれぞれポーチに入れその他のテントなど1つでいいものは私が預かることになった。


 次に服屋。生産しやすいのか、中世風の世界によくある古着ではなく新しい服が売られている。デザインはあまり凝ったものがものがないが、種類は豊富でつい目移りしてしまう。


「俺の買い終わった。先に装備屋行ってていいか?」

「はやくない?」


 まだ、着いてから5分も経っていない。私も少しゆっくり選びたいので了解と伝えると、ダンテは店を出て行く。


(とりあえず、下着2セットと部屋着2セットとお出かけ用1着かなぁ。)


 現実的なところ、クリーンを覚えたので、着たきりすずめでも構わないのだが、それはなんというか乙女のプライドが許さない。といったところだろうか。

 部屋着はスウェットと思ったが、やはり売っていない。

 この世界で一般的だという生地の軽いワンピースを2着選ぶ。

 下着もスポーツタイプのようなものを選ぶ。まぁ、まな板ですけど。

 最後が本命。お出かけ用。正直、コレが一番迷う。ぴんと来るものがなく、店内をあっちこっち物色していると。見つけてしまった。

 店の端の方、古着のコーナーにその服はあった。この古着のコーナーは、全体的に縫製も生地も良く他のものに比べ、デザインも凝った物が多い。古着なのに値段も高く、普通の服の5~10倍近くの値段がついている。


「だめよ。そこのは勝手にいたずらしちゃ。」


 店員が慌てて駆け寄ってくる。自分の見た目忘れてた。私1人ではどこからどうみても子供が服を悪戯してるようにしか見えないだろう。


「あの、これください。」

「お家の人はどこ?お金ないでしょ?」

「お金はあります。後、こう見えても冒険者なので。」


 ライセンスを見せると納得したようで、


「そう、苦労してるのね。」


 そう言ってお会計をしてくれた。合計4万8千エデン。残金2千600エデン。お財布の中がだいぶ軽くなった。だがしかし後悔はしていない。

 買った後、試着室を借りて早速着替える。一刻も早くこのコットンシリーズ上下からおさらばしたい。


 着替え、試着室にある鏡を覗く。つい買ってしまったのは、深紅の生地で作られたフリルや黒のレースがついた長袖のワンピース。昨日ダンテにもらった白のもこもこのケープと合わせると季節がなんか違うようなきもするが、『生活魔法(複合)』の力を使えば、自分の周りは快適な温度に保てる。便利すぎる生活魔法。防御2ぐらいなら、見た目のが大事。ダンテからもらった外套で防御を補えてるからこそだが、どうせ当たらなければ問題ないだろう。

 予定よりだいぶ時間が掛かってしまった。パーティチャットでダンテに呼びかける。


『ごめん。遅くなっちゃった。』

『大丈夫。こっちも防具を交渉中。』


 急いで装備屋に向かう。商品のメインは武器のようで、店内には所狭しと様々な武器が並んでいる。奥に進むとダンテが店主とカウンター越しに話していた。

 どうやら真剣に話しているようなので、目的のものを探してしまおう。


 武器の多い店内で防具は1箇所にまとまっていたのですぐに見つかる。

 皮のサンダル。

 素足に靴を履くのがどうしても違和感があった。値段は2千400エデン。足首の部分にも紐があり、動きやすさは工夫されている。

 早速買うことにする。サイズはこのくらいだろう。


 丁度ダンテの交渉が終ったようだ。私も靴の会計をお願いして、早速、靴を履き替える。

 ダンテもさっきまでつけていなかった黒の光沢のある外套をつけている。


「ぉ、服変えたな。それで戦えるのか?」

「問題ないでしょ。そっちも黒のマントとは中々。」

「だろ?でさ、わりぃ、お金使い果たしちゃったわ。」

「こっちも残金、200エデン。」

「勝ったな。こっちはゼロだ。」

「まぁ、狩るしかないかな?」

「そうだな。」


 この後、露天街も見に行くつもりでいたのだが、使い果たしてしまったのなら仕方ない。

 協会に寄って猫ウサゼリーの討伐依頼を受け、西門を出る。今日は派手に狩るつもりなので、昨日より奥、最初倒された辺りまで進む。また、やつに会えるのでは?と期待したが、そこにはところどころに石のある草原が広がっているだけだった。

 昨日と同様に分かれて狩ることにする。現在時刻は3時。

 ケープのお陰かMPの消費が回復量に追いついている。これなら、昨日よりもテンポを上げても大丈夫だろう。ダンテの位置を気にしながら、狩りを続ける。


 どうせ、ウォーターボール1発なので、折角だから狩りながら、色々実験してみる。

 その結果、昨日は立ち止まって詠唱していたが、動きながら詠唱してもスキルは問題なく発動する。ゲームだと極端に威力が落ちる仕様だったが、こちらではなんとなく、魔力が乱れている感覚を正せば威力もあまり落ちないことが分かった。


 もうすぐ5時になる。冒険者協会は22時まで、宿の夕食も21時までなので、19時半ぐらいまでは狩りをしても大丈夫そうだが、寄りたい場所があるので、今日はここで切り上げる。


 西門を通り冒険者協会で討伐依頼の報告と納品をする。

 討伐数840匹。Lvも上がったせいか、昨日より多い。

 討伐報酬4万2千エデン、ゼリーの欠片432個、兎の毛皮250枚、うさしっぽ38個で15万6千200エデン。1人当たり9万9千100エデン。

 今日はうさしっぽが数の割に少なかった。そして、当然ケープのドロップもなかった。

 それでも、討伐報酬と納品報酬で懐がだいぶ暖かくなった。

 今日も帰りにベテラン冒険者に酒場に誘われるが、予定があるので丁重にお断りする。


 朝も来た貧民街の近くの修道院。プリエさんとシエルさんは夕方も慌しく食事の準備をしている。


「こんばんわ。」

「あら、ダンテさんにリコちゃん。服が違うから一瞬わからなかったわ。」

「これ、夕食にどうぞ。」


 ポーチから狼の肉を取り出す。全部で約3キロ。少ないが、何かと合わせて使うなら十分だろう。


「いいの?頂いて?」

「少ないですが、皆さんで。」

「ありがとう。いただくわ。」

「それでは、また。」

「いつでも来てくださいね。今度は昼間にでも、遊びに。」


 孤児院の庭に居る子供たちの大きい子で私より少し大きいぐらいの身長だ。逆に言えば、10歳を過ぎる頃には孤児院を出て独り立ちするのだろう。

 私の見た目でも問題なく冒険者協会で登録できてしまう訳だ。

 街中でも、中学生にも満たないような子がたくさん働いていた。

 中学生ぐらいになると立派な戦力だった。

 8歳から2年間無料の学校があるという設定だったから、それを卒業すると働き始めるんだろう。商業都市だからきっと他の都市よりも環境がいいはず。


「おい、行くぞ。」

「あ、ごめん。」


 孤児院の庭を見て考え事をしていた私にダンテが話しかける。今出来る事は、実際何もない。でもいつかは。そう思いつつ孤児院を後にするのだった。


 宿に戻る。時間も丁度いいので、先にご飯を食べてしまおう。2人で食堂に向かう。食堂は昨日と変わらず賑わっていて、入り口で水を取って、空いていた奥のほうの席に2人で座る。


「おまたせ~。今日の料理中身熱いから気をつけて~。」

「ありがとう。いただきます。」


 こちらの文化にはないようだが、つい言ってしまう。

 今日の料理はロールキャベツとサラダに昨日と同じ果実系の飲み物だ。やっぱりおいしい。

 量も結構あるのだが、完食できてしまう。


 帰りがけにシャワールームを覗くと埋まっていたので仕方なく部屋に戻る。クリーンをかければ綺麗になるのだが、体を洗わないとなんとなく落ち着かない。やっぱりシャワーを浴びると違う。

 シャワーの前にお互いのステータスを確認することにした。


「「ステータスオープン」」


-----------------------

 リコ  Lv4→6

HP 70/70→90/90 MP 96/96→108/108

力   1

防御  1    +7

魔力  32→36 +1

器用  21→22

敏捷  11  +3

ロール補正

 回復LV4→6(魔力+9→11、HP+60→80、回復量+30%)

スキル

 水魔法LV1→2(ウォーターボール、newキュア)

アディショナルスキル

 空白

 空白

 空白

技能

 バックステップ PC補正 生活魔法(複合) 

 初級採集 魔力操作 下ごしらえ 狩猟

装備 (重量5/6)

 武器  木の棒(魔力+1)ロック状態

 頭   なし

 上衣  深紅のドレス(消費MP半減 防御+2)

 下衣  装備不可

 靴   皮のサンダル (敏捷+1)

 アクセ 赤いリボン(補正なし)

 外套  うさ耳フード付きケープ(MP回復弱 防御+5 敏捷+2) 

-----------------------

-----------------------

 ダンテ Lv4→6  ヘイスト状態(装備効果)

HP 160/160→200/200 MP 30/30

力   22→23  +1

防御  10→12  +52

魔力  10

器用  1

敏捷  23→25  +11

ロール補正

 盾Lv4→6(防御+9→11、HP+60→80、被ダメージ-30%)

スキル

 剣術LV1→2(ラッシュ、newダブルスラッシュ) 

アディショナルスキル

 空白 

 空白 

 空白

技能

 バックステップ PC補正 生活魔法(複合) 

 初級採集 下ごしらえ 狩猟

装備 (重量14/28)

 武器  木の棒(力+1)ロック状態

 頭   なし

 上衣  コットンシャツ(防御+1)

 下衣  コットンパンツ(防御+1)

 靴   皮の靴 (敏捷+1)

 アクセ 青いピアス(補正なし)

 外套  黒飛竜のマント(防御+50 敏捷+10、装備効果:ヘイスト)

-----------------------

----------------------

 深紅のドレス☆☆☆☆

簡易説明文

 魔力を感じやすくなる。

----------------------

----------------------

 黒飛竜のマント☆☆☆☆☆

簡易説明文

 飛竜の突然変異種の鱗を加工したマント

----------------------

----------------------

 『魔力操作』

簡易説明文

 魔力の流れを理解し、操作可能

----------------------


「ぉ、いい服かってんじゃん。」

「そっちもさすがだねぇ。」

「アイテム名見えてたからな。飛竜のシリーズはクローズのとき王都でみただろ?」

「馬鹿みたいな価格で並んでたねぇ。安い脚で1部位3200万とかだっけ?やるなぁ。」


 確認した服はすごいオプションが付いてた。技能の魔力操作もおそらくこの装備のお陰だろう。

 今の今までただの古着だと思ってました。見た目さえよければいいなんて、服に失礼でしたごめんなさい。しかもワンピースじゃなくて、ドレスだったよ。全く確認してなかった。

 そして、消費MP半減。どおりでLvUPの回復でぎりぎりだった昨日とは違って今日は余裕だと思った。

 そして、ダンテの装備もすごい。聞くと、埃被ってカウンター裏の棚に置いてあったらしいクリーンかける前はかなり汚れが酷かったんだとか。完全に掘り出し物です。本当にこういうところ抜け目ない。

 そして、スキルLvもやっと上がった。2個目のスキルゲット。


----------------------

 『キュア』

簡易説明文

 水の力で対象を癒す

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----------------------

 『ダブルスラッシュ』

簡易説明文

 高速で2回攻撃する

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 ステータスを確認した後、再度見に行くと空いていたので、部屋からタオルをとってきてシャワーを浴びにいき、今日買ったワンピースと下着に着替える。

 できればお風呂に浸かりたい派だが、今は無理なので諦める。街に公衆浴場みたいなものもないみたいだ。残念。

 部屋に戻り、窓からの風で涼んでいると、交代で出て行ったダンテも戻ってきた。早いが、今日は寝ることにしよう。おやすみなさい。


 こうして、2日目は平和に終るのだった。

次は水曜21:00予定です。

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