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プロローグ

 綴ってみませんか?


【商業都市エイビス】から始まる貴方の物語を


 ドワーフ・エルフ・獣人族・セイレーン・神族 個性豊かな種族(なかま)たちや


 商人協会・冒険者協会・国家をはじめとした様々な組織に彩られる


 冒険と・・・出会い・・・


 ロール制VRMMORPG「2つ目の物語online」


【異世界エデン】であなたも自分の役割を探してみませんか?




 フルダイブマシン『FD1』が発表されたのは4年前の夏。

 小説やアニメで見るそれにやっと現実が追いついたのかと、ゲーマー達は心躍らせ歓喜した。

 発売前の臨場感溢れる動画、自由に動くアバター達。

 いくつものMMORPG、FPS、シュミレーションがハードと同時に発売され、世界は空前のFDブームとなるはずだった。

 心躍らせ、徹夜で店頭に並び、ハードを手に入れたゲーマー達を待っていたのは、コンクリートのような、温度も質感もないオブジェクトと、なんとも言いようのない体の違和感だった。

「現実の世界とは違うのだ」と全身の感覚が訴えてくる使用感に、そして期待でできた理想と現実との落差に、『FD1』はわずか数日で一気にユーザー離れてしまう。

 その1年後『FD+』となり小型化は進んだが、性能の方は改善されなかった。


 現実と寸分変わりない仮想現実は、アニメや小説でしかありえないのだと、誰もが諦め始めていた頃、唯一諦めていなかったのが、『FDシリーズ』開発チームのチーフリーダー溝口(みぞぐち) 明彦(あきひこ)だ。

 若き天才プログラマー【茅野(かやの) 芽衣(めい)】をスカウトすると、わずか()()で完璧な感覚再現プログラムを開発、後続機となる『FD2』が発売された。

 今から2年前のことである。

 しかし、そのあまりの高性能さゆえに、ソフト開発が難航。多くの作品は大人の事情により調整途中のまま出荷、あるいは発売日未定になり、唯一の『FD2』の本来の性能を生かしきれるソフトは、茅野自身が試験的に作った【my room】というマンションの1室に、好きな家具を配置したり、冷蔵庫の中の食材で料理したりできる本体付属のデモ用ソフトだけという結果を生んだ。


 それから2年が経ったこの春、『FD2』公式ホームページで発表された動画に再び多くのゲーマー達が心躍らせることになる。

 それは、役割分担(ロール)制VRMMORPG「2つ目の物語online」の発表動画。

 溝口を中心とした『FD2』開発チーム作り出した新作ゲームだ。

 ハード発売直後から2年をかけ、開発されたこのゲームに世界の期待は一気に注目が集まった。


 季節は変わり夏。

 先行して行われた2週間クローズドβテストは、わずか2000人という狭き門で多くの悲劇を生んだ。

 内部機能の追尾カメラでLIVE放送が可能だったため、当選したLIVE放送に落選した多くのゲーマーが詰め掛けた。

 特に、守秘義務のないクローズドβテストは多くの情報と感想を落選者にもたらし、このゲームの期待度をさらに上げた。


 ゲームシステムはシンプルで、キャラ作成で選べるのは、役割(ロール)と名前のみ。

 その役割(ロール)も盾・火力・回復・生産の4種と大まかなもの。

 2つを選ぶだけで、後は【嗜好スキャン】のデータを元に自動作成される。アバターもスキル構成もステータスも。

 もちろん、アバターは現実とゲームで身長に大きな差が出ても操作しにくくならないように工夫されている。

 初期装備 木の棒(譲渡・破棄・販売不能)が自分のスタイルに合わせて成長していく。

 防具とアクセについては好みに合わせてカスタマイズや製作ができる自由度がある。


 風が吹かない、土に触っても手に付着したりしない、汗をかかない、慣れてくると、なんとなく現実より刺激が薄い感じがする程度の違いはあるものの、言われなければ、現実世界と勘違いしてしまうような完璧な世界。


 そんな評価を受けたクローズドβテストが好評のうち幕を閉じたのは1週間前。


 そして今日10時、正式サービスを向かえる。

未熟者ですがどうぞ暖かく見守ってやってください。

5/14 ロールに生産書き忘れ。修正

    世界の名前を追記

    色々修正。


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