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フラグ人形



あっという間に商人の国から元の場所まで戻ってきました。

しつじさんはしゃがみ込み、地面に刺さっている青い小さなフラグを抜きました。



「さっそく使ってみましょうよ」


私は100万pinも出したフラグ人形がどれほどもモノか試したくてしょうがありませんでした。


「構わないよ」


現在ひつじさんの空間ポケットから足が出たフラグ人形を無造作に引っ張りだします。


力が加わっていない人形は取り出すとグニャっと無造作に地面に崩れ落ちました。

見た目は何ら人と変わらないのでなんだか気味が悪いです。


目立つと意味がないといわれたので、みすぼらしいモノを買いました。

手入れしてないボサボサのダークブラウンの髪の毛、服もとても良い服とは言えません。

まさに世の中のおじさんといえばこんな感じだろうとイメージを具現化したようなフラグ人形でした。




「どうやって使うんですか?」

すごい格好で倒れているフラグ人形を見ながら、苦笑いしてしまいます。


「説明書をもらってあるよ」

そういってしつじさんは一枚の紙を取り出しました。




――――――――――――

【使い方】

契約者の魔力で動きます。

食事や飲料水などの必要はありません。

人に勧められた場合など、人として見せなければいけない場面では食料を口にするようになっています。



①契約者の魔力を流してください。

②そのまま指示に従ってください。


――――――――――――




「これだけですか?」

一枚の紙のさらに上の半分しかない説明書をみると私は更に渋い表情になります。


「とりあえずやってみよう」

しつじさんはフラグ人形に触りました。


フラグ人形はパチリと目を開けました。

地面に力なく横たわっていた体はしっかりと足をつけ立ち上がりました。


『魔力供給を確認しました』

「しゃ、しゃべった・・・」


表情もなく淡々と口を動かし事務的で可もなく不可もない男性の声です。



『これより設定を行います』

『おっさん、バージョン3,1、制御度3、臨機応変4.5、コミュニケーション力4』


「制御度っ??」

なんだか良く分からない事を言われてますがそのまましばらく待ちました。



『名前を決めてください』


「名前はどうしましょう?」

「ひめさんが付ければいいよ」


私は少し考えました。

見た目がこうなので、名前だけでも可愛い感じにしてあげたいですね。


「キャンディ」

「キャンディ??」

「だめですか?」

「駄目じゃないけど、」

「じゃあ決まりですね!」



『キャンディ、了解しました』

『性別は男』

『性格は陽寄りになってます』


『知人と認識するのは今ここにいるお二人でよろしいでしょうか?』

「はい」

『了解しました』




『しまう場合に対し、空気を抜き圧縮機能も付いています』



『尚、このフラグ人形は契約者の魔力によって動いているため必要な容量は離れていても自動的に吸収され、供給されます』


『なんらかの事情で魔力が供給できない状況に置かれた場合、フラグ人形は停止しますが確認でき次第再稼働します』


『フラグ人形は生活の中で性格、設定を修正していきます』


『また、性格や作業に支障・問題が確認された場合速やかに買い付けの店へご連絡お願いします』










『これですべての設定を終わります』

フラグ人形、もといキャンディはゆっくりとまた目を閉じました。

さっきの事務的な感じとは違う人のような息遣いが分りました。






「よろしくお願いします、キャンディ」


私よりも若干背が高いキャンディを見上げて笑いかけます。

キャンディは私につられるように少し目細めて口を開きました。



「よろしく」


男性特有の低く、耳障りの良い声が聞こえました。

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