第2話#嘘だよ
キミと星を見たら泣いてしまう。
綺麗で、星は繋がれて一つになる。
ナナちゃんとキミはAという星座だとしたら、アタシは仲間外れのB。
「星を見に行こう」
って言われて・・・三人で見に行くことになった。プラネタリウムだけどね。
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休めばよかった。そう思ったのは今。何仲良くしちゃってんの?何イチャイチャしてんの?もっと早くくればよかったかも。ていうか、休む。
『風邪ひいた』と一文のメールをナナちゃんに送る。そして曲がり角から二人を見てた。気になって仕方ないのだ。
キミとアノコは手を繋ぐ?
キミとアノコは何を話す?
キミとアノコはkissをする?
メールが帰ってきた。
『そうなのっ(>_<)今から家に行こうか(?_?)』ナナちゃんからメール。顔文字使ってて、女の子らしくて、カワイイなと思った。きっと、哲也はこんな所に惚れた。
とりあえず『来ないでいいよ。デートしてきな』家に来てお母さんが『もう出たわよ』なんて言われたらとんでもない。ばれる。
「来ないでだってーどうする?てつ〜」
“てつ”は彼女限定の呼び方。
「じゃ、麗菜には悪いけど・・・行くか!」
なんか涙が出てしまった。星は見ていないよ?きっと、アタシに見せたことのない、顔で、笑顔で、ナナちゃんに話しかけたから。
アノコに話しかけたから。
なんか、足が勝手に動いて、結局アタシも星を見た。キミの近くで。
「ふぅお腹いっぱい!ちょっとトイレ行ってくる☆」
そう言って、ナナちゃんがトイレに行って、哲也が一人になった所でアタシは出ていき、哲也の腕をひっぱって、曲がり角に連れてきた。
「やめてください。人呼びますよって・・・麗菜?!風邪じゃなかったのか?」
「嘘だよ。あれは・・・二人が来てたから。辛かったから」
アタシは告白したも当然だと思っていた。“このまま時間を止めて”願えば叶う。よく言うけど、ウソだと思った。
「ま、よく分からんけど行こうぜ。奈々葉心配してるし」
何よ。奈々葉、奈々葉って。アタシは何回キミの口からその名前を聞いたと思う?どんだけ辛かったかと思う?今、辛いって言ったよね?
「もういいっ・・・」
さっき泣いたばかりなのに、また目から雫が落ちる。ただ走ったまっすぐ、どこにも向かわずに。