一章終了時点でのセリア、オルラーデ周辺
ネタバレを含みます
第一章終了時点での人物紹介
●セリア
・空色のショートヘア。朱い目。一人称は私。
一章時点では勇者付きのためギルドの戦闘制服を着用。
肌に張り付くインナースーツ、ワイシャツ、ブレザー、スリットの深いショートスカート、厚底のブーツ。
オルラーデ所属時には識別表示のためにオルラーデの紋章をギルドカードとともに下げていた。
冒険者の街「レイラインズ」以降はブレザーとショートスカートではなくジャケットとハーフパンツ。
子供の頃に野生生物に襲われているところを助けられ、勇者に憧れる。
冒険者だった両親を早くに亡くし、ギルドの冒険者訓練学校に入学。その後勇者付きとしてオルラーデに派遣。
勇者ナルシックとともに未踏破ダンジョンの攻略中、ケシニから派遣された冒険者パーティ【夜の明星】に奇襲され死亡。
しかし勇者を願い続けたデザイアが覚醒。呼び出してしまったキュリアスに魂を囚われ、勇者へと至る。
願いは勇者になること。そのために死の間際キュリアスを呼び出し、勇者にされた。
その後の肉体はキュリアスの知る唯一の勇者クレイルのコピー。それを更にセリアの魂に合うようにリビルドしたもの。そのため男性器等男女の性差に関わるものはない。当然子宮等もないが、彼女が望めばあるいは……
一章ラストで勇者の右腕を使い潰し失うが、キュリアスの助言により右腕を再構築する。ただしクレイルの右腕ではなく、キュリアスの右腕をイメージしたもの。現時点では性能差はないが、若干右腕のほうが肌触りがいい。
・聖剣ヴォルグラス
元はクレイルが使用していたガラスの剣。世界で初めて神に捧げられたステンドグラスを砕いた破片。魔でできたすべてを斬り裂くだけでなく、自身の(刃の)消滅と引き換えに触れたものを切断する祝福を受けている。
ステンドグラスの破片であるため生成する度に色や形が異なる。尚全てをかき集めてもステンドグラスは完成しない。神の顔だけがくり抜かれている。
セリアのヴォルグラスは勇者のデザイアに付随するものであるため、魔力によって大きさを変えることができ、魔力が切れると自然消滅する。ガラス片を大量に生成すれば盾のように使用することもできる。
スカイフィッシュ戦ではそれを利用し、シャンデリアのような、あるいはドリルのような円錐状のガラス塊を作り上げた。
・ギルド式近接格闘術
短剣を所持した状態を想定した合気と柔術のキメラ。あるいはCQC。正当な流派ではなく、あくまで護身用の体術。ギルド相手にナメた態度をとる人間も少なからずいるため、少なくとも本部勤務の職員は全員何かしらの戦闘術を身に着けている。
特に勇者付きは戦闘に携わることも多いため、セリアの格闘術はより攻撃性が高い。
・宿での出来事。
クレイルの肉体をベースにしているため人格とは別にキュリアスを憎んでいるし愛している。更にセリアには命の恩人であるため魂や精神もキュリアスに憧れ、好んでいる。
そのため脱衣をするという状況で無防備なキュリアスにいたずらをしかけた。本番は一生書かない。
甘いものが好き。趣味は英雄譚収集。
●キュリアス・エ=クレイル
・艷やかで光を飲み込むような深緑のロング。玉虫色の不思議な輝きをする目。一人称はわたし。
髪は斜めにバッサリと斬られている。肌は透き通るほどに白く、人らしくない。
初出現時は全裸。その後セリアを追跡し、勇者付きの制服を無理やり着ていた。冒険者の街「レイラインズ」以降はクリーム色のドレス風ワンピースとブーツ姿。描写していないがアクセサリー類もつけているだろう。
かつて勇者クレイルに倒された神殺しのデザイア。魔王と呼ばれていることもあるが本人に自覚はない。
星そのものが神に対抗するために生みだした存在であり、自然そのもの。あらゆる生物のデザイアを持ち、あらゆる生物を生成可能。一章では風呂でセリアを驚かせ、スカイフィッシュの拘束に古代植物を出現させた。
魔物は生物ではないので魔物のデザイアは使用できない。だが魔物のデザイアを真似る生物がいるので能力を得ることはできる。それがキュリアスにとって有用であるかは別だが。
神殺しの存在であり、神が死んだと聞いても納得していない。多分どこかにいる。
また復活した現在では神と人以上に世界を蝕む存在、ダンジョンと魔物の存在を認知したため、それらを滅ぼすために行動することにした。
自然のデザイアである彼女の魔力はこの星の総量と変わらない。使ったそばから世界に還元していくので実質無限。しかしダンジョンの存在により世界の魔力総量そのものが目減りしているため、かつての全力は出せない。
使命は世界平和。願いは調和。彼女自身のデザイア能力はまだない。
キュリアスを助けた理由は、本人にもよくわからない。それはキュリアスの意志ではなく、セリアのデザイアによる強制力が作用したため。
名前にクレイルが入っているのは、本当は自分が勇者になろうと考えていたため。もっと言うなら勇者とは勇者クレイルを指すものであり、クレイルになろうとしていた。無理だったのでその肉体はセリアに与えた。
神話の時代に勇者クレイルによって討伐され、その魂はゼニサスによって封印されていた。(そうしなければ自然のデザイアである彼女は、自然が存在する限り無限に復活するため)
封印の地はゼニサスが作り出した世界の狭間。セリアたちが攻略に向かっていたダンジョンである。ダンジョン(実際にはゼニサスが作り出したのでダンジョンではない)の神殿の魔石柱(ダンジョンコアだと思われていたもの)に封印されていたのだが、ゼニサスが死んだため世界そのものが安定を失った。
不安定になった世界は他の世界と接触し、ダンジョンを次々に生み出すことになるのだが、偶然キュリアスの封印の地にもダンジョンとなりうる傷が発生し、入り口が生まれてしまった。こちらの世界と接続されたことによりキュリアスは復活。魔石柱を内側から食い破り、本編へと繋がっていく。
・聖剣ヴォルグラス
キュリアスのヴォルグラスはクレイルやセリアのものと違い、自然のデザイアによって生み出した偽物。しかしその能力自体はクレイルのものと遜色ない。唯一の違いは実物なので自然消滅しないこと。
・黒い魔力
彼女の魔力は自然由来のものであり実際には無色透明だが、キュリアスという存在を魔王だと認識している何者かのイメージに魔王のような黒い魔力へと変色している。実際の魔王の魔力が黒いかは不明。
・宿での出来事
キュリアスの肉体は非常に敏感である。しかしながら神経に伝わった時点で情報の取捨選択が自動的に行われるため、性的に感じることはない。そもそもキュリアスとは一個体ではない。細胞の一つ一つがキュリアスである。
なのでくすぐったい、わずらわしい、とは感じるが性的な気分にはならない。しかし彼女が望めばあるいは……
またキュリアスがセリアの過度なスキンシップを拒否しないのは、今回のキュリアスにとってセリアは自身の直接の子供のようなものだから。じゃれつく我が子を拒否するようなことはない。
冒険譚や英雄譚、勇者の出てくる話が好き。よくセリアのコレクションを読み漁っている。
●ワトラビー
・ハーフエルフ時は薄い翡翠色のショートヘア。碧眼。高身長だがスレンダーな中性的な体型。耳も短かった。
エルダーエルフ後は濃い翡翠色の髪と眼。胸が大きくなったがAがCよりのBになった程度。耳はエルフよりも長く、本人曰く顔立ちも立体的になった。
出会った直後はハーフエルフだったが、本人の潜在的な願望もありキュリアスにエルフへと退行進化させられた。元々魔術が得意であったがそれによりより原始的な魔術、魔法が扱えるようになった。
勇者付きだが勇者や国に付いていないフリーの職員。現在はセリア・キュリアス組の専属。
彼女も勇者付きらしく戦闘術は身につけているが、魔術による制圧と拘束がメインであり近接戦闘はご基礎的な護身術のみ。一応肉体強化魔術もあるが、ハーフの時は得意ではなかった。
願いはエルフとして生きていくこと。しかしデザイアをしてもそれには至らなかった。(願いを割く割合が足りなかった可能性はある)
キュリアスによってエルフとして生まれ変わったので彼女に心酔している。またキュリアスの術を祝福だと信じ切っているので、キュリアスによって変化させられたセリアや他の人物にも無条件で仲間意識を持っている。
ジャンクフードが好き。事務仕事が得意。ハーフエルフの際に一部差別的な仕打ちを受けたため、エルフ以外の人種を見下している節がある。
エルフとは神話時代に魔法を遺伝させるため一部の人類が願い続けて進化した存在である。そのためその歴史を知る古いエルフや同じ境遇にあった亜人種と呼ばれる人種たちも人間との混血を極端に恐れる。
願いの果てに進化したため、願い続けなければエルフは存続し得ない。
ちなみにエルフの森と呼ばれるギルド保護下の自治区はエミニア大森林の中に存在する。
◆オルラーデ側の人物
●勇者ナルシック
・金髪碧眼の優男。キザったらしくいつも笑みを浮かべている。
新品の銀鎧。儀礼用の宝石剣を装備。戦闘面において宝石剣に価値はないが、魔術師なら話は別。ナルシックに魔術の知識はない。
性格はわがままで強欲。領民が領主に傅いていたため、自身も同様に偉いのだと勘違いしたタイプ。
・デザイア能力『適正価格』
珍しい精神干渉系デザイア。限定的な洗脳に近いが、効果としては魔術契約をより緩く締結し、より強く拘束するもの。
金を払うから言うことを聞けというだけの能力だが、この能力下にあると多少理不尽な状況でも逆らおうという選択肢が頭に浮かばなくなる。
これのためにセリアはダンジョン内で奇襲してきた冒険者相手に、たった1人で殿を務めるという状況を飲み込んでいた。もちろんセリア自身の英雄願望がなかったとは言い切れない。
1度目の勇者試験はギルドマスターがルナではなく別の人物であったために賄賂で合格。2度目の試験には受からなかったため、その座をナルキスに奪われた。
●ライツェ
・ウェーブのかかったピンクのロングヘア。瞳もピンクだが元が碧眼のため紫に近い。
・たぶん本編で語らないかも知れない設定。
ライツェの願望は『楽に生きる』こと。
冒険者の孤児であり、生まれてすぐにギルドの冒険者育成学校に入れられた。そこには同じような境遇の人間が多かった。
冒険者への福利厚生の手厚いギルドだが、裏を返せばそれだけ危険な職業であるということ。制圧済みのダンジョンですら、魔物という資源を求めて挑むのなら死を覚悟しなければならない。自分の父はきっとそんな現場で、雄々しく散ったのだろうと思っていた。
歳を重ね自分の将来を考え始めた頃、突然父を名乗る男が現れた。男は冒険者で、そこで真実を知った。否、知らされた。
母親は商売女だったこと。男は母親の客だったこと。男には金がなく、私を捨てて逃げたこと。そして、その金の足しにライツェを売るつもりだということ。
幸か不幸か、ライツェには魔術の才能があり、父の元から逃げ果せることには成功した。
だが若い女が1人で生きていけるほどこの世界は甘くも優しくもなく。結局のところ、父の望んだ結果になってしまった。1つだけ違うのは自分を売ったその金が、自分の手元にあるということだが。
商売女として「レイラインズ」近くの花街で暮らしていたが、ある日現れた客がかつての孤児院での知り合いだった。冒険者として成功していた彼に買われる形で仕事を辞め、ギルドの事務仕事に着く。
ギルドでのキャリアアップを目指して勇者付きの試験に受けると合格。そして本編へと至る。
なお身売りした理由は衣食住に困っていたから。ライツェは孤児院の知り合いに買われたが、それは店からの開放という意味だけであり、婚約や奴隷になったわけではない。ただの自己満足によって居場所が移動しただけである。
淫魔リリスとのハーフ。
リリスについては本編に出すのでここでは語らない。とても強い魔族。ライツェの魔力が高いのはコレのせい。
●領主ナルドス
・金髪碧眼。線の細い老人に見えるが、ストレスのせい。(50代)
エミニア崩壊後、自身の領土と領民を守るためにいち早くギルドへと身売りした人物。幸いにしてオルラーデは穀倉地帯であったため、金はなくとも売れる資産はあった。
強欲ではあるため隣の領土であったケシニとは元々不仲。ナルドス曰く「鉱石は食えん。なぜ対等な取引ができると思っている?」
オルラーデを国にするために勇者が必要だったため、ナルシックを立てたのだが勇者になっても彼の精神は変わらなかった。
領主としてはそれなりに有能。親としては失格。ナルシックへの愛情は領民にかけるそれと変わらない。
ナルシックが勇者の資格を失ったため、あるいは失うのが目に見えていたため、双子の妹であったナルキスを呼び戻した。
●ナルキス
・金髪縦ロールのドリルお嬢様。碧眼。
ナルシックの双子の妹。ギルド本部の冒険者訓練学校にいたため戦闘能力も申し分ない。そもそも同じ試験を彼女は合格している。
たぶんしばらく出番はない。