第三十九話 分からない
藤井智子視点
「どうしてこうなったの・・・・・・」
光のない暗い部屋の隅っこに私は閉じ篭もるように小さくなり震えていた。
ピコンピコンとスマホからは私の心配をする連絡が来ているが、それを確認することすら、今の私にはできない。
「どうしてこうなったの・・・・・・」
ただそれだけしか言えない。
脳裏に浮かぶのは、大罪を犯してしまったと思わせるほど歪んだ表情をする赤菜さんと全てに絶望した表情をし、涙を流しながらその場を去る春野さんの姿だった。
その光景が自分のしてしまったことの罪の大きさを嫌でも理解させられた。
「どうしてこうなったの・・・・・・」
何度も何度も何度も振り返る。
これ以外の結末になる方法はなかったのか。
暴走を始める親友を止める方法はなかったのか。
悲しみ苦しむ親友を救う方はなかったのか。
歪で恐ろしいものへと変わりゆく最愛のグループを止める方法はなかったのか。
親友を守るために私が赤菜さんの指を怪我させる以外の手段はなかったのか。
何度も何度も何度も振り返り考える。
だけど、私にはどうすればいいのか分からない。
何度考えたって、最終的に同じ選択を迫られた。
最愛のグループと親友である森岡凜奈と神田真美を守るために他人を傷つけるのかどうか。
「智子、いつも私を支えてくれてありがとう!」
「藤井さんには感謝してます。あなたが私の手を引っ張ってくれなかった、私はこんなにも楽しい学生生活を送れなかった」
「友梨ちゃん、ごめんね・・・・・・ごめんね・・・・・・私が悪かったの」
「あーあーああああああああ!!!!愛佳ちゃん・・・・・・待って・・・・・・待ってよ・・・・・・」
(分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない)
「私は・・・・・・どうすればよかった・・・・・・」
涙を流し、力無く言う。
何度振り返って考えても分からない。
私はどうすればよかったのか。
そうして、私は振り返る。
全てがうまくいって楽しかった日々から明るく元気な赤菜さんとクラスのために頑張ってくれた春野さんを壊したあの時まで。
そうしなければ、私は罪に耐えられない。




