実力
「軽く全員の自己紹介は終わったな。さて、今日がお前たちの入学式だったわけだが俺と勝負をしようか」
いきなり勝負をしようと言い出したダンリ
「しょ、勝負ですか?」
「今日なら修練場も空いているだろうし俺としてもお前たちの実力を知っておきたいからな、これからのことを考えて」
これからのこととは遠征と言った実地研修のために
「いいよ」
「ぜひとも望む所だな」
アリアとシュウザは闘志をむき出しにして答える。守護家の人間として剣帝と呼ばれているダンリと勝負できる機会を逃すはずがなかった。
「あぁそうだ、それから俺一人に対してここにいる全員で挑んでくるといい。時間がもったいないしな」
平然と全員を一度に相手にすると言いはなったダンリ・セント。
傲慢などではなくそれくらいの差が存在しているのだろうと皆が理解出来てしまった。
そして
~修練場~
全員が修練場につき勝負の準備をする。
ダンリは自身の獲物たる剣を構える。
普通の剣より少し刀身が長い剣であった。
その姿を見て
特別科の全員が自身の武器を構える。
アリアは二刀の剣を
シュウザは自身と変わらぬ大きさの大剣を
ノードは何枚も腰に差している短剣を
ヴァンは研ぎ澄ました穂先を持つ槍を
ライファは美しい刀身のレイピアを
ルージュは自身の拳を覆うガントレットを
ソフィは魔力を媒体とする2つの魔道銃を
ネーラは兄と瓜二つの剣を
「いつでも何処からでもいいぞ」
始めに仕掛けたのはアリアとシュウザそれを援護するようにソフィが魔道銃を放つ。
ダンリはソフィが放った弾丸を一振で消し去りアリアとシュウザの剣をなんなく受け流す。そこにルージュの拳が上からくる。ダンリは体勢を後ろに下げて躱し片手でルージュをアリアの方に投げ飛ばす。
そこに正面からネーラが斬りかかる。ダンリは受け止めようとするがそこに後ろからノードが仕掛ける。ダンリはあえて一歩前に出てネーラの横に付きネーラの背中を押す。それによってダンリとネーラの位置が変わる。ノードとネーラは同士討ちしないように攻撃をやめてお互いの体を飛ばす。
ダンリは一歩前にでたがそこにはヴァンとライファの槍とレイピアがあった。そして
「いきなりいい連携じゃないか。準備する間に作戦を考えやがったな」
作戦を考えたのはダンリのことをよく知るネーラであった。
ネーラは時間がもったいないからといって全員で挑んで来るといいと言ったダンリに一撃加えたかった。
アリアとシュウザは正面から挑んでみたかったが今の自分では軽くあしらわれることくらい簡単に想像ができた。いや二人でなくとも想像できてしまっていた。よってネーラの作戦に乗った。
「結局の所一撃も加えることができなかったけど」
ダンリはヴァンとライファの槍とレイピアを剣で弾き飛ばした。
ダンリにはネーラの後ろにヴァンとライファがいるのに気づいていた。ゆえに剣を持っていない手でネーラの背中を押し前に出ていた。
「いやいや、初めからあそこまでできたらいい方だって」
その後もダンリに攻めにいったが受け流され、躱され、全員の体力が先に尽きた。ダンリの方は軽く体を動かしたとされるくらいだろうか。それくらい明確な差がそこにはあった。
「まぁ大体全員の現時点における実力は把握できた。これで次に行けるな」
「次にですか?」
「あぁそうだ、お前たち特別科の一番初めての遠征について」
どうやら特別科はもう遠征をするようだった。
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