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特別科1

「ここが特別科の教室だ」


 そう言われて入った教室には何もなかった。

 机やイスの一つさえも


「先生~ここ何もないんですけど」


 ノードと同じく特別科としてついて来た赤髪の少女が問う。

 ここは空き教室として存在しているように見えるほど使われた痕跡そのものがなかった。


「何もないのは仕方ない。

 とりあえず軽く説明するぞ」


 ここにいる者たちが気になっていた特別科について説明がされた。



「クラス特別科とは特別も特別なクラスだ!!!」





「「「「「「「………は?」」」」」」」





「兄さん、流石にしっかり説明して上げてください!!!」


 そう声を上げたのは青髪の少女。


「そう言われてもネーラ、俺たちの代も割とこんな感じの説明だったぞ」


 担任を名乗ったダンリ・セントと似た少女ネーラ・セント。顔立ちからして似ている兄妹であった。


「私は兄さんから少し聞いているので分かりますが、他の七人の方々はそうではないでしょう!!」

「仕方ないだろ、特別科は説明がめんどくさいんだから。何だったらネーラが特別科の説明をするか?」


 案外この担任はめんどくさがりであったが…


「兄さん」

「わかったよ。そう睨むなネーラ」


 妹には弱そうだ。

 ダンリは今後こそ特別科の説明をしだした。


「さて、特別科とは特別も特別なクラスと言う事自体におかしい所は何一つもない。特別科自体が六年に一度作られるクラスだからな」


 この学園ヴァンレランには多種多様な学科が専門的に存在している。剣術、魔法、芸術、工学、情報、自然、科学と他にも様々。

 ヴァンレランにはすべてがある。そう言われている由縁でもあった。


「そもそもヴァンレランに来る奴らは大体が専攻する学科に完全特化している者たちが多くてな、その中でも戦闘、戦術関係ができる者たち、そういうや奴らが学園に選ばれ特別科になる」


 ノードはここに来るまでに自身以外の七人も最低限戦えそうでは?と思っていたが学園側によって意図的に集められたようだ。


「学園側が特別科に戦える者たちを集める理由は遠征だ。学園内で勉学に励まず学園外が多い。この教室が空き教室みたいになっている理由だな」

「学園内ではなく外でしかも遠征ですか?」


 紫髪の青年が問う。


「遠征と言っているがようは実地研修みたいなものだな」

「実地研修ですか?それなら他の学科の者たちもあることでは?」


 この学園ヴァンレランならばそれくらい他の学科の者たちでもあること、むしろない方がおかしなレベルなはずだが………


「もちもん他の学科の者たちもあるぞ。だが国外に行くことはありえない。特別科の者たちはバルエド公国以外の国々に行くこともある。だからこそ実地研修ではなく遠征などと仰々しく呼んでいる」


 ここにいる者たちが息を飲んだ。

 実地研修と始めから言わず遠征と言った意味を理解してしまったからだ。バルエド公国以外の国々に行くことになるなどとは誰も思っていなかった。


「六年に一度作られるクラスという理由もそこにある、他の国々に行くことになるからな。何も起こらず平穏に終わることのほうが少ないかもしれん。ゆえに戦闘、戦術関係が出来る者たちを集める。力ずくで突破する可能性があるからだ」


「なぜそのようなことをする?他の国々に行ってまで」


 金髪の青年が問う。


「答えは単純。すべてを持ち帰るため」

「持ち帰るですか?」


 橙髪の少女が問う。


「ヴァンレランにはすべてがある。それを体現するために」

「他の国々から物や技術でもいいから盗んでこいと?」


 黒髪の少女が問う。


「盗むには盗むが物や技術ではない。ただ今の世界をお前たちには体験して得てもらう。そしてお前たちが次のすべてに、特別になる」


《ヴァンレランにはすべてがある》

 その言葉の本当の意味合いは特別科が担っていた。




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