学園ヴァンレラン
普通な一日
普通な一日
普通な一日
普通な一日
普通な一日
普通な一日
普通な一日
一週間が過ぎる
一週間、一週間、一週間
一ヶ月、半年、一年間が過ぎて、
過ぎて、過ぎて、過ぎて行く。
だが世界は常に特別な存在だ。
普通とはかけ離れた一日………いや
一時間、一分、一秒
一瞬たりとも普通などありはしない
世界は常に特別でしかないのだから
「何をぼ~としておる」
「あ……カラスか」
「あ……カラスかではないぞ」
「カラスじゃん」
「何度言ったらわかる
確かに見た感じはカラスかもしれんが」
カラスはそう言って羽根を広げるが
「見よこの羽根を何だったら一枚一枚見てみるがいい、普通のカラスではないのがわかるであろう」
男には興味がない
カラスの羽根を見て何を思うことができるか。
そもそもこのカラスの羽根は普通の羽根と何も変わっている所などないのだが……
カラスは饒舌に語った。
「この漆黒よりもさらに黒い羽根、
他のカラスにはそうそういないぞ!!!」
と言われてもやはり男には興味がない
「少しは興味を持ってあげたら」
「副会長」
「良いことを言うでないか、この羽根にふれてよいぞ副会長」
「二人ともそろそろ時間だ」
「会長も来たのか」
「他は準備万端だ、乗り込むぞ」
「了解」
男は思う。
いろんなことがあった。
変なカラスは始めから居たが
見て、聞いて、感じて、出会った。
世界がいかに特別な存在か
普通に過ごすことのいかに特別な事か
■■■■■
バルエド公国
その内の約六分の一の人達がバルエド公国が誇る大都市エザルに住む。
そしてひときわ目立つエザルの中央に存在している学園、ヴァンレランに一人と一羽が訪れるそして…………
「我より随分と大きいではないか」
「当たり前だ。学園がただのカラスより小さいはずがないだろ」
訪れていたのはカラスとそのカラスを引き連れた少しくたびれた感じの青年であった。
「そうは言うがノードよ、ちょいと大き過ぎやしないか?」
「仕方ないさ、バルエドには学園そのものがここにしか存在していない、それだけで事足りてしまう。その代わりこの学園にはすべてがある」
バルエド公国の学園ヴァンレランにはすべてがある。他の国々からでさえそう言われているほどに巨大な学園それがヴァンレラン。
「とりあえずノードよ」
「なんだ?」
ノードの肩に乗っていたカラスがノードの前へ飛びある提案をする。
「腹が減った。飯を食うぞ!!!」
飯を食いたいと言い出したカラス。
ノードはこのカラスを連れて来なければ良かったと思うが…今更後悔しても遅い。
もう学園に来てしまった。
「カラス朝食べただろ、それにこれから入学式だ。終わるまで我慢しろ」
「我がその間暇ではないか」
暇だからと飯を食いたいと言い出すのは意味がわからん。
「すぐに終わる、たかが入学式だ。太ガラス」
やはり連れて来なければ良かった凄く邪魔だこのカラス。ノードはそう思わずにはいられなかった。
「誰が太ガラスだ!!!太ってなどいないわ!!!それとなぜさっきからカラスカラスと呼ぶのだ。我にはカレイサ・ランガーオ・スノーツという名前がある。そう呼ぶがいいと言っているではないか!!!」
ノードは興味なさそうに
「長いから略してカラスそれでいいだろ」
「なにを〜大体お主はだな〜」
このカラス名前をカレイサ・ランガーオ・スノーツという、長いので略してカラス。
このカラス魔物なのだが見た目は普通のカラスと変わっている所が一切ないただのカラスだ……いやしゃべるカラスは変わっているか。
「おい!聞いておるかノードよ!」
とりあえずノードは思う。とてつもなくうるさいカラスだと。
ノードは一息つき
「縛るか」
「な、何をしておるノード、や、やめろ!!」
ノードは何処からか縄を取り出す。
このうるさいカラスを縛るために
そして置いていくために
「おい、ノード置いて行くな。この縄を外せ~」
~入学式~
「以上を持って入学式を終了する」
「案外あっさり終わったなノード」
「だからそう言ったすぐに終わると」
結局の所、後ろからずっとぎゃあぎゃあ騒ぎたてるうるさいカラスの縄を外したノード。
案外入学式中は静かにしていた。
「これより各クラスに別れ移動する。
各自指定された場所に行くように」
そう指示されたがノードのクラスは
「特別科って何処だ?」
そうノードのクラスは特別科
他は何も説明されていないクラス
その在り方そのものすらも
「ノードよ、同じくちらほら何人か残っておるぞ」
周りを見ると何人かが同じように残っていた。動いていない者、困惑する者、そして呆れ果てる者、そんな時
「クラス特別科の者たちはこちらへ」
一人の男性の声が聞こえた。特別科の案内のようだ。
「全員いるな。特別科担当のダンリ・セントだよろしく。始めましての挨拶をしたいが、まずは自分たちのクラスに移動しようか。そこで話させてもらう」
青髪の好青年そうな男性
齢はそんなに離れていなそうだがノードは感じた。この人は強いこの上なく想像ができないレベルだと。
「どうかしたか?」
「いえ」
ノードは少し見ただけで勘づかれたことに驚きつつも感じた強さそのものが本物であると確信した。
何もわからないのでついていくノード。
同じくクラス特別科であろう自分含め合計八人。
これから特別科について説明があるのかとノードは思う。
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