銀の折れ線グラフ
微分・積分。苦手でした。
てか、数学、そこでこけた。
赤道と黄道を刻む毛の長い絨毯を
枝を繁らせた角と 偶数の蹄をもつ水牛が
葦の茎を咀嚼しながら 牛車を曳く
西へ渡るか 東へ戻るか
どっちか選べるなら
車輪にまかせて 雲ゆきの危うさに
肝を冷やしてみるのも ひそやかな杞憂だね
銀の山脈が描く折れ線グラフを
太陽が斜めにつきぬけてくけど
その傾きを微分してみせる
なんとかゴラスはお呼びじゃないぜ
いまや ダイスの目の確率をはじきだすのさえ
野暮って気がしてらぁ
この一投のきまぐれこそ おれが愛すべきもの
南天と北天をわかつ石畳の道を
十二の首と 奇数の蹄をもつ天馬が
爬虫類の羽を背にして 荷馬車を曳く
西へくだるか 東へさかのぼるか
どっちかしかないんなら
車輪をとめて 星どもの蠢きに
目を凝らしてみるのも ささやかな愉しみだぜ
銀の山脈が描く折れ線グラフが
夜空をぎざぎざに切りとってくけど
その領域を積分してみせる
なんとかテレスのお帰りはあちら
すでに カードの組み合わせを数えあげるのすら
無粋って感じてらぁ
この一枚のめぐりあわせこそ おれが慈しむべきもの
確率・順列・組み合わせ。得意でした。
総和とか使うとアウト(汗)