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4/10

④笑いギャル

【上映まで10分】

コメディ映画にひとりで来てしまった。コメディ映画というものは、友達と観るから面白い。それが、本来のカタチかもしれない。でも今は、ひとりのようで、全然ひとりではない。ギャルたちが、一緒に観てくれる。それがこの映画館の、醍醐味だから。楽しんで、楽しんで、楽しみまくりたい。


【上映から00分】

家から一番近いから。そんな理由で、この映画館にした。昔、高校を選ぶときにも、そんな理由を使ってしまったっけな。ギャルの聖地だけど、全然気にしない。ギャルの聖地だから、むしろいい。そんなことの方が、多いかもしれない。上映が開始されたが、ギャルは騒がずに、きちんと見ていた。


【上映から10分】

僕は、ひとりで家にいても、笑いを抑えてしまう人だ。だから、自然体になれて、楽しい。コメディ映画だけど、ただ面白いわけではない。普通に、ためになることも含まれている。ギャルが、僕のさらけ出し度を、高めてくれている。今は、そういった感じだ。


【上映から30分】

ギャルの何人もの笑いが、合わさっていた。それはそれは、とてつもないハーモニーを奏でていた。家で観るときは、特にスピーカーは気にしない。でも、スピーカーにこだわっている、友達の家で観た映画の衝撃は、覚えている。あの音の重厚感を、今でも覚えている。あの重厚感に、ギャルの笑いの重厚感は、負けていなかった。


【上映から60分】

ひとりだけ、モールス信号みたいな笑いのギャルがいた。モールス信号みたいというか、ほぼモールス信号だ。しかも、真後ろだ。僕の真後ろの席で、それなりの声量で、お送りなさっている。それが、やや思考を鈍くはしてきた。でも、和みをややプラスさせる、いいアクシデントとして受け入れていた。


【上映から90分】

たぶん、右にいる人だと思う。そこから、上品な声が聞こえる。オホホホホ、みたいな笑いのギャルがいる。偏見かもしれないが、ギャルはギャハハと笑う人ばかりだと思っていた。でも、上品な人もいた。ここは、やっぱりすごい。モールスな人もいる。いろんな人がいて、とても楽しい。


【上映から120分】

これは、他の映画館で観たら、別物になっただろう。この映画館だからこそ、こんなにコメディ映画を楽しめたのだろう。空気感で、映画の感じかたも、ガラリと変わる。それを学べた、最高の機会だった。映画は終わったが、興奮は終わる気配を見せなかった。


【上映終わり10分】

3Dとか、その先まで進化しているのが映画業界だ。しかし、機械に頼らない、100GAL。それも、他と違った魅力があっていいと感じた。100GALとは、100人くらいのギャルが盛り上げる映画のことだ。僕が考えた。大勢のギャルが、気ままに映画を楽しむ。そのなかで、映画を観る。そんなスタイルも、きっと近い未来、流行るような予感がする。

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