幸せ探し3
私は、ある人を探すためにバイトがない日
は、毎日クレープ屋さんに通いつめている。
その他に見つける方法がないかと思ってた
ら、いい事をひらめいてしまった。
そう。
出会いの神さまにお願いに行こうと。
今日は、学校早く帰れたし。
パワースポットに早速足を運んだ。
まずは、バスに乗るのか。
「あれー、サチちゃん?」
あ、あんまり話した事ないクラスの女子達。
ってか、ほとんどのクラスの人と話さない
んだけどね。
「あ、どうも。」
「ねぇ、どこ行くの?」
一人の女子が興味津々で聞いてきた。
いつもなら、別に。野暮用。なんて答えて
いたはず。
でも、今日は何故かテンションが上がって
いた。
「出会いの神さまにお願いにいくの。どうし
ても会いたい人がいるから。」
そう話すと、私達も行きたい!
一緒にいいなんて言われてしまった。
ま、一人より多い方が迷わず行けるかな?
そういうわけで、なんか急に遠足みたいに
なった。
話してみると、みんないい人だ。
みんなでワイワイ話してたら、あっという
間に目的地に到着した。
なんか、雰囲気が神秘的でいいねぇ。
なんて、みんな圧巻された。
さすがパワースポット。
早速、みんなでそれぞれ願いを神さまにお
願いした。
そして、彼氏持ちの人は縁結びの御守りを
買ったりしていた。
私は、素敵な音が鳴る猫の鈴を買った。
早速バックにつけてみた。
シャランシャラン〜
良い音だ。
もう、その音だけで癒される。
帰りのバスを待っていた。
意外とバスが混んでいるみたい。
前方のドアから降りる人が続々と。
シャランシャラン〜
前方から降りた人から鈴の音しなかった?
「早く、サチちゃん。」
「う、うん。」
鈴の音がする方をチラッと見た。
あれ⁈
あの背の高さ。
まさにあの人じゃない⁈
早速、ご利益!
と思ったけどチラッとしか見えなかったし、
もっとぽっちゃりだったよな…
人違いか。
そう思ってバスに乗り込んだ。
バスの中で早速さっき買った御守りなんか
を見せ合いっこした。
楽しい。
話す相手がいるってなんかいいな。
なんで今まで一人でも平気みたいなことし
ちゃってたんだろう。
もったいない時間過ごしちゃったかも。
なんだか、あの人に出会ってから世界が変
わって見えてきたかもしれない。
やっぱり、直接会ってお礼したいな。
さっき、仲良くなったひとりにそのクレー
プ屋さんでこの際、バイトしちゃえばなん
て言われた。
おぅ。
そんな事、思いもしなかった。
やりたいと思ったら、即行動に移す女。
それが私だ!
すぐさま、新しいバイト先のクレープ屋さ
んで面接をしていただいた。
見事採用。
なんか、ほんとついてない?
そして、早速クレープ屋さんでバイトを始
めた。
毎日大好きなスイーツに囲まれてバイトで
きるなんて幸せ。
あ!私今幸せって思った!
しかも、毎日が楽しい。
友達ができたし、バイトも楽しい。
それに、仕事しながらあの人を待つ事が出
来る。
最高じゃん!
そして、一か月が過ぎた。
もう、クレープが上手に作れるようになっ
た。
あの人が来たら美味しいクレープを提供で
きる。
早く来ないかなぁ。
あれから、毎日なまけものスリッパも持ち
歩いている。
もう、必須アイテムかっていうくらい毎日
一緒だ。
お店のロッカーに置いといてもいいけど、
いつ遭遇できるか、わからないもんね。
バイトをしていると、どこからともなく
シャランシャラン〜って、
私と同じ鈴の音が聞こえてくる。
どこから?
しかも、たまに聞こえるんだけど一瞬なん
だよな…
お客さん?
それとも、空耳なのかな…
次の日、バイト終わり
またシャランシャラン〜って音が鳴った。
あ、バスで見かけた人じゃない?
思わずじーっと見てしまった。
あちらも、じーっ。
よく見るとあのぽっちゃり眼鏡君になんと
なく似ていた。
双子?
ちょっと勇気を出して聞いてみた。
「あの、もしかして双子ですか?」
「いえ、ちがいます。」
「あ、突然すみません…」
「いえ、いえ。」
ニコッ。
え⁈
その笑い方は…
続く。