美しくも残酷な世界
出会ったのは十二月の終わり
「かっこいい」が最初の印象。
会話したのは二月の半ば
「優しい」…けど警戒されていると感じた。
好きになったのは四月の初め
「温かい」触れた肩が熱を持った。
失恋したのは六月の終わり
「寒い」彼に好きな人がいることを知った。
諦めたのは八月の半ば
「ふわふわ」会えない時間が逆に慰めてくれている気がした。
驚愕したのは九月の初め
「固まる」いきなり告白されて理解が追い付かなかった。
私の時計の刻むリズムが変化した。
興奮が冷めない十月の初め
まだ一か月しか経っていないことが不思議でならない。
少し落ち着いてきた十一月の半ば
二か月が過ぎてなんだかイラつくようになる。
喧嘩が絶えない十二月の終わり
涙が止まらず頬を伝って苦しさが増す。
ようやく落ち着いた一月の初め
ここで禁句を確認しあってまるでなんかの取り決めみたいだ。
少し離れて二月の半ば
彼はどんどん甘えん坊になっていく。
卒業を控えた三月の初め
また喧嘩の嵐がやってきて、もうそろそろ疲れてくるところ。
進学してまだまだ忙しい四月の半ば
会話がだんだん減ってきた。
環境が落ち着いてきた五月の終わり
彼は高三受験生だから、あまり会うことがなくなった。
雨降る季節、六月の初め
彼から連絡がほとんど来なくなった。受験前だし仕方ないかって大人の対応。
進学後初の夏休みが来る七月終わり
サプライズで彼の家に行く途中に彼と見知らぬ女子が歩いているところを見かける。
長い長い夏休みな八月の初め
見なかったことにして一心不乱に仕事に励んで疲れて体を壊した。
絶望的な九月の半ば
私は過労で倒れて病院へ。彼は慌てて駆けつけてくれた。
時が止まったかのような十月の終わり
私はしばらく学校を休みバイトを休み、一人で家にこもっていた
診断結果はあまりよくなかった。
ここで再び私の時計は刻むリズムが変化した。
暗い暗い十一月の初め
学校もバイトも再開しては体を壊すの繰り返し。
目の前がぼんやりする十二月の半ば
彼が怒ることが増えた。言い返す気力もない。
重い体を引きづって動く一月終わり
金銭問題でバイトはやめられず、彼は私を心配することが増えた。
疲れ果てたは二月の初め
彼が言いにくそうに「別れよう」
眠い眠いは三月の半ば
へらへら笑って自由に生きては「ありがとう」
苦しい辛いは四月の終わり
いつまで続くの「寂しい思い」
夢に包まれたは五月の初め
バイト先で倒れて運ばれ「入院決定」
諦めたのは六月の半ば
誠に勝手ながら「退院します」
治らないなら自由に、七月の終わり
また学校とバイトを再開「あと二か月」
いろいろ諦めたことから楽しくなってきた八月の初め
先生と店長に有無も言わさぬ一言を「あと一か月で辞めます」
頑張って貯めたお金を眺める九月の半ば
身の回りの整理をし始める「あと少し」
全部終わった十月の初め
「さようなら、美しくも残酷な世界」
一度自分の中で“言葉”や“文章”を纏め直そうと思い書いた詩です。
思うがままに自由に描いた時を刻む作品を目指しました。
あまり万人受けはしないでしょう。
物語でもなければ面白い話でもありませんから、失望される方もいるかもしれません。
しかし一度整理するためには必要なものなのだと理解していただけると幸いです。
…ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは再び面白おかしい世界の物語でお会いしましょう。