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第3話 転生しました。

 アトレイアに転生させて貰って早くも3年の月日が流れていた、身体が動かせるようになり言葉もそれなりに話せるようになってきた今日この頃である。


 産まれてすぐの記憶は曖昧だが自我が芽生え始めた頃に少しずつ前世の記憶を取り戻し現在3歳になる、まだ全てを思い出せてはいないが前世の記憶を思い出したお陰で今自分が今どんなことが出来るのかや今住んでいる家の状況を把握する等いろいろな事が確認できた。


 まず自分の名前なのだがテンリ=エレノールと言う、テンリが名前でエレノールが家名だ。


 名前が前世と同じなのはアトレイアが気をきかせてくれたからなのだろう。


 国の名前はデイステン王国、そしてエレノール家は貴族の爵位を持つ家でその爵位は辺境伯だそうだ。


 貴族の爵位には公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵の八つの爵位がありその貴族達の上に王族がいる。


 王族は王や王妃、王子や王女までの事を指す。


 公爵は王の親族の分家その当主が持てる爵位だ、王家の血を濃く継いでおり王位継承権を持っている、貴族の枠に入ってはいるが少し特別な存在だ。


 侯爵、公爵と読みが同じではあるがここからが本来の貴族と呼ばれるもの達だろう、貴族で最も力がある。


 辺境伯、デイステン王国の東西南北に別れている四人しかいない貴族だ、領土がとても広く軍事力も相当高い、国を守る要とも言える存在だ、エレノール家はその一角を担う立場である。


 伯爵、中堅どころであり良くも悪くも長く続いている貴族が多い。


 子爵、伯爵と同じく中堅どころでここまでが上位貴族と呼ばれている。


 男爵、権力的に余り強くなくどこかしらの派閥に属しているものが多い、ここから下が下位貴族と言われるもの達だ。


 準男爵、男爵よりもさらに下な立場で商人達が国に莫大な金額を払って貴族入りする事も出来る、一代限りの貴族であり子供に爵位を譲ることが出来ない、どこかの派閥に属しているものが殆んどである。


 騎士爵、国に貢献することにより与えられる爵位、こちらも一代限りの爵位で殆んどがどこかの派閥に属している。


 貴族に関してはこのようになっている。


 そして俺は今広すぎる自分の部屋で本を読んでいる、前世と違う文字なのだが不思議な事に全て読めるのだ、これがステータスの特典なのだろうか?しかしステータスを授かるのは五歳になってからのはず、まぁ考えても仕方がない、得をしたと思っておこう。


 コンコンっとノックをされ部屋の扉が開く。


「テンリ、今いいかしら?」


 開いた扉から黒髪ロングで整った顔立ちのとても綺麗な女性が入ってくる、名前はカレン=エレノール、この世界での俺の母親である。


「本を読んでいたのね、お邪魔だったかしら?」

「丁度読み終わりましたから大丈夫です、それに何度も読んでいますから、それよりカレンお母様お一人ですか?」

「ええ、タリアはあの人が仕事に出たからちょっと実験してくるって研究塔に行ったわ」


 カレンはそう言いながら頬に手を当て溜め息をついた。


 ちなみにタリアとは俺にとってもう一人の母親である、名前をタリア=エレノールと言い金髪で可愛らしい顔立ち、大人と思えない見た目でふんわりした雰囲気を持つ少女、いや女性だ。


 タリアは第一婦人でカレンは第二婦人になる。


 この二人は幼馴染みでとても仲が良く殆んど一緒にいる、むしろ一緒にいないときの方が珍しい程だ、実年齢は不詳で二人共永遠の22歳と言っている、初対面で夫や子供がいるとは思わないだろう。


 カレンは実母でタリアは義母である。


 タリアには二人の子供がおり長男のレイン=エレノール、長女のマイン=エレノール、俺の兄と姉である。


 この二人は今屋敷におらず長男のレインは現在ラウスヴェル学園都市に長女のマインは王都にあるエレノール家の屋敷に住んでいる。


 ラウスヴェル学園都市は10歳になると入学できるアロン大陸最大の学業都市だ、特殊な都市で領土としてはデイステン王国内にあるのだがアロン大陸にあるデイステン王国、バルカン帝国、マネスキヤ共和国の3つの国が支援しており中立地帯になっている、そんなこともあり各国の貴族や豪商の子供達が多く通っている、その他にも平民や孤児、多くはないが他種族も通っており様々な立場や人種がいたりする。


 王都はデイステン王国で最も賑わう場所であり貴族と言う魑魅魍魎が渦巻く場所だ。


 さてカレンの話でタリアは研究塔に行ったと言っていたな。


「数日前に実験の失敗で塔の一部爆発しましたよね、研究塔ってまだ仕様禁止だったんじゃ」

「そうよ、でもタリアだもの」

「止めましょうよ」

「止めたわよ、でも止まらないの、あの子の性格だもの、わかるでしょ」

「怒られますよ」

「タリアがね」

「・・・そうですね」


 俺は苦笑いをする。


「ところでここに来た用事はなんだったんですか?」

「特にないは、ただ可愛い息子とお話ししようと思ってね、嫌かしら?」


 俺は首を横に降ってカレンと親子の会話をする。


 カレンと話していると扉をノックしてメイドが入ってくる、昼食の時間だそうだ、カレンと話して気づけばそこそこの時間が経っていたことに気付く。


 二人で食堂に向かい食堂に入ると金髪で髪を短くし整った顔立ちのイケメン男性がこちらに笑顔を向ける、この人物の名前はカロン=エレノール、エレノール家の現当主でありカレンとタリアの夫、そして俺の父親である。


 年齢は不詳でカレンとタリアとは幼馴染みだそうだ、正確にはカロンの年齢がわかると二人の年齢も解ってしまうため秘匿させられている、その為実際の年齢を知る者は昔からいる者達だけらしい、調べれば簡単に解る事ではあるがカレンとタリアの二人を敵にしてまですることではない。


「父様、お帰りなさい」

「カロン、お帰り」

「テンリ、カレン、ただいま、どうやらまだタリアが来ていないようだが一緒じゃなかったのか?」


 カロンは不思議そうな顔で訪ねる、何せカレンとタリアは常に一緒にいるのだ。


「タリアならあなたが出掛けたのを確認してからずっと研究塔で実験してるわよ」


 カレンはタリアを庇うこともせずありのままを伝えそれを聞いたカロンは深い溜め息をつく。


「少し待っててくれ、直ぐに連れてくるから」


 カロンはそう言い食堂から出ていく、その10分後疲れた顔のカロンと泣きながらタリアが食堂に入って来た。


「カレンちゃーん!」


 タリアは泣きながらカレンに抱きつく、カレンはタリアの頭を撫でながらハンカチでタリアの涙を拭く、姉妹もしくは親子と言われても納得してしまう光景だ。


「カロン君酷いんだよ、カロン君がお仕事でちょっとお外に出た隙にこっそり研究塔に行って前回失敗した実験をちょっとやり直してたら行きなり扉が開いてね、いつのまにか帰って来てたカロン君が頭をパシッてするんだよ、酷いよね!」

「ええ、酷いわね、カロンにタリアの居場所を教えたのは私だけどね」


 タリアは信じていた相手に裏切られたかのように絶望した顔をする。


「カレンちゃん酷い!上手く誤魔化してってお願いしたのに!」

「嫌よ、私が怒られるもの、カロンの言いつけを守らなかったのはあなたでしょ」

「むー」

「タリア、あなたがいけないと言われたことをしたのだもの素直にあなたが怒られていれば皆幸せなのよ、それにあなたが泣きながら怒られているのを見てるのが私は楽しいの」


 カレンは実にイキイキして楽しそうだ。


「カレンちゃん酷い!」


 確かに酷い話だ。


 タリアは俺を見ると素早く俺のもとに来る。


「テンリちゃん、聞いて!カロン君とカレンちゃんが酷いんだよ!」


 今度は俺に泣きついてきた。


「二人して私をいじめるの!」

「そうですね、話を聞いていたのでわかりますよ、それよりもタリア母様、今日のお昼は生クリームたっぷりの濃厚パスタだそうです、デザートは蜂蜜たっぷりのパンケーキにアイスが乗っていると言っていました、早く食べたいと思いませんか?」


 その言葉を聞きタリアは素早く椅子に座り笑顔だ、子供か!


 俺とカロンは呆れカレンはクスクス笑っていた。


 月日が流れ俺は4歳になった、一年後にはステータスを授かる。


 ステータス、早くどんな物か見てみたい。


 さて今俺は何をしているのかと言えば読書である、本の内容は各大陸の種族や国家、天が与えた称号等が書かれている。


 アロン大陸、人族が多く住む地で3つの国に別れている。


 俺が住むデイステン王国、力がある者が優遇される軍事国家バルカン帝国、商業が盛んで小国が集まり出来たマネスキヤ共和国の3ヶ国だ。


 ここで少し特殊なのがラウスヴェル学園都市である、国としてはデイステン王国になるもののここは国や家柄を特別扱いせず平民や他種族は勿論孤児でさえ能力が認められれば通うことが出来る、完全中立地帯だ、とは言え問題が起きないように貴族や平民その他は区分けされている、独立しているため第4の国と言われていたりする。


 アシュフォード大陸、多種多様な種族が住む地で3大陸の中で一番大きい大陸だ、未だ2/3が未開である、この大陸も3つの国が存在する。


 獣人族が住むジュマ獣王国、竜人族が住むドラグニア竜王国、エルフが王として納め多種多様な種族が住まうエルリンド王国。


 ドロテシア大陸、自然災害や毒の沼、ディスピアマウンテンと言われる最高位の魔物が住まう山があるなど普通に暮らすには難しいと言われる大陸だ、魔人族が住む地でここにはメルテツシナ魔王国と言う国が一つだけある。


 この3大陸の全ての種族は基本創造神であるアトレイアを絶対とし信仰している、そしてアトレイアの手足となり世界のために働く天使達もまた信仰されている対象になっている、天使達は自分達を信仰している各種族の国の一部の者達に称号を与えた。


 アロン大陸に暮らす3ヶ国に4人ずつ最強の称号を与え彼等を総称して十二聖天。


 ジュマ獣王国には八天幻獣。


 ドラグニア竜王国には五行天竜。


 エルリンド王国には十聖天門。


 メルテツシナ魔王国には六天魔刻と言う具合だ。


 転生前にアトレイアから聞いた内容と重複することも多いがやはり自分で調べて置くことも大事である。


 さて、なぜ今このような本を読んでいるかと言えば将来自分で世界を旅してみたいからだ。


 領主は兄であるレインが継ぐ、本来次男である俺は兄を支えたり兄であるレインにもしもの事があればその代わりにならなければならないのだが、カレンが俺を貴族に関わらせる気がないようでその辺は自由にしていいと言ってくれている、カロンもそれに了承しており好きなようにしていいと言ってくれた。


 やはり前世で漫画や小説を読んでいれば世界を旅してみたい思うものだ、なので俺は冒険者になり世界を旅して見て回ろうと思っている。


 冒険者ギルドに登録できるのは10歳からだ、なのでその年になれば直ぐにでも登録するつもりである、ただそのまま冒険者に慣り世界を旅できる訳ではない、俺は10歳になればラウスヴェル学園に通うことになるからだ。


 これは貴族の子供として教養を身につけて置くようにとのことだ、なので学園が休みの日に冒険者をしてお小遣いをためながらゆっくりっと実積をつみ学園を卒業してから本格的に冒険者になる予定だ。

 編集しました。

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