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第三話 魔法誕生


 あのハプニングから二人の距離がもにょもにょしている。

 お互い気になっているのに照れくささから距離を取ってしまう。


『アオハルかよ!!』


 思わず叫んでしまう。叫べないけど。

 こういう状態を進めるのにはイベントなんだが、特に目立った動きもなく日々穏やかに暮らしてくれている。

 食糧や薪などの備蓄が増えてきて棚がいっぱいになったので納屋を作った。

 それと料理技術を取ったら燻製とか保存食量を作り出した。

 しまっちゃうおじさん。げーっほげほげほ。大人の味。味覚の文明開化。などなどいくつも達成してポイントも86まで増えている。


『ちょっと部屋に手を加えるか』


 軽い気持ちで部屋の間取りを大きくした。

 区切りをつけたり用途別に場所を移動して、トイレとか水場も室内に取り込んだ。

 中庭みたいな感じにした。これで雨の日も安心だ。

 その時に気が付いていなかった。シングルベッドを置いた部屋が扉が無く出入りが出来なくなっていることに。


「初めてのキス。が達成されましたポイントが与えられます」


 突然100ポイントも増えてびっくりした。すぐに二人を確認するとダブルベッドに腰かけてキスをしていた。


 俺は……幸せになれよ……そう願って。

 しばらく空を見上げていた。

 泣いてないよ。泣いてなんかいないんだからね。家だから泣けないけど。


 そんなわけで、シロとハクはすっかり仲良しさんになった。

 仕事の前にはキス。帰ってきたらキス。食事を作っていたらキス。食後にキス。水浴びでキス。

 ベッドに腰かけてキス、からのキス……


『拷問かよ』


 白人間だからまだいい、まだいいよ。

 それでもまぁ、いちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃ……(#^ω^)ピキピキ

 童貞の俺の中でお前らはナニしてるんですかー!? って話ですよ。


 絶好調!!。もう離れたくない。大当たり。などなど、これ関係の達成多すぎじゃない? ってぐらい達成してポイントも211になっていた。


 大当たり。はどうやら妊娠だったようで。ハクのお腹が大きくなってきた。

 人間よりもはるかに速い。

 流石に外の仕事は全部シロがやっていたが、食事を作ったりそれらの仕事をしっかりとするハク。

 出産に必要そうな道具や技術をポイントを取って手伝ってあげる。


『暖炉つくってお湯はいつでも準備できるようにして、外に竈を作って陶芸も上げて、ベッドもアップグレードして、知識系基礎セット100ポイントだけど取ろう。湯船も作ってあげるか、いつも水浴びだけだもんな、生まれた子供の世話をする部屋とかも……』


 改造するとなにか達成してポイントが入るのでまた改造したり技術を取る。

 白人間たちの成長は早いらしく、あっという間に出産の日を迎える。

 

『頑張れー頑張れー!』


 俺には応援するしかできないが……無事に子供が生まれる。

 なんと双子だ!

 シロもハクもすごくうれしそうに抱き合っている。

 これからシロは大忙しだね。


 出産イベントが終わると外はシロが、家の中はハクというのが普通になる。

 食料の調達、薪の調達、獣の皮や被毛から布を作ったり。出来ることが増えた分シロは大忙しで働いている。

 ハクも二人の子供に振り回されながら一生懸命母親の役目をこなしていく。

 二人の子供はアカとボウにした。

 

「原始言語が初歩言語になりました。伝わる気持ち。が達成されましたポイントが与えられます」


『おおお、そういう発展の仕方もあるのか! つまりポイントをかけない楽しみ方もあるんだ……

 どんだけだよこのゲーム、一生分の時間を注がせるつもりか!』


 ログアウトできないし、俺は家だし、それでもこれはゲームだ。ゲームなんだ。

 そういえばおなかもすかなければ眠くもならずにずーっとこれをやってるなぁ……

 す、すごいゲームだなぁ……


「毛だらけの友達。が達成されましたポイントが与えられます」


 ある日、採取を終えたシロが一匹の犬を連れてきた。

 どうやら採取中に出会ったらしく、腹を空かせていた。

 シロたちが食事を与えると喜んで平らげてシロたちにすっかり慣れてしまった。

 ぶんぶんと尻尾を振る姿は白人間の動きとまた違った可愛らしさがある。

 ポチと名付けよう。

 

 なんとポチと一緒に採取や狩猟に行くと、得られるアイテムがよくなったり増えたりするみたいだ。

 言葉はいらない。素晴らしい嗅覚。狩猟の供。などが達成する。

 そして今度はポチと一緒にもう一匹犬を連れて帰ってきた。

 タロにしよう。あとでわかるが、ポチがメスでタロがオスだった。

 こうしてシロの家族は増えていくのであった。


 タロとポチを連れてシロが狩猟に行くと、傷ついた白人間を連れてきた。

 タロとポチも少し怪我を負っている。

 シロが薬草などを使い皆を治療している。

 ちょこちょことアカとボウが俺の中を這いずり回っている。

 ハクも傷ついた白人間に驚いたがすぐにスープを渡したりしている。

 二人の看病のおかげでこの白人間はすっかり元気になった。

 タロとポチは怪我が治ると子作りをはじめつがいとなった。

 怪我をしたことで生存本能が刺激したのかもしれない。


 来訪者。敵!?。慈愛の心。犬だって結婚したって言うのにお前ときたら。などを達成したが、なんか目から汗が出たような気がする。家だから(ry


『それにしても、敵……ここを襲いに来たりしないよな……いや、考えたほうがいいな。

 もう一人の人の家も作らないといけないし』


 ポイントも溜まっていたのでいろいろと家づくりと技術解放の時間だ。

 採掘。鍛冶。武術。を取る。

 新入りの白人間さんトモのための家を作る。

 それと、住居を守る設備もだ。

 軍く……軍靴の音。二軒目!。好物の鉱物。カーンカーンカーン。などなどたくさんの実績を解放する。


 予想通りしばらく暮らしているとトモが白人間を連れてやってきた。

 友の友……知り合い……リアにしよう。

 トモとリアがリア充生活になるのはそんなに時間がかからなかった。

 シロとハクの子供たちはもう歩き始めている。白人間の成長は早い。

 そしてタロとポチの子供も誕生している。

 なんというか、可愛さの爆弾だ。


『とうとう来たか……』


 木で作られた柵を乱暴に破壊しようとするものが現れた。

 緑色の小鬼、ゴブリンだ。なぜかこいつらは実写調ですこぶる恐ろしい。

 鍛冶によって出来た槍、それと弓でゴブリンを攻撃するシロとトモ、リア。

 柵の隙間から突き出された槍はゴブリンの肩に突き刺さり鮮血を散らす。

 リアの弓矢がゴブリンの右目を貫き、柵からたじろいで離れていく、顔を押えがら空きの腹に槍が深々と突き刺さり、タロもポチも柵を飛び越えて横っ腹を激しく咬みちぎった。

 断末魔を上げてゴブリンは倒れ、そして灰のようになって消えていった。

 柵を破壊することは叶わず、ゴブリンは命を落とす。


「モンスターサプライズドユウ。初めての戦闘。やったー戦利品だ!。魔法の産声。が達成されましたポイントが与えられます」


 謎だった魔法の産声。なんでだろうと調べていると、ゴブリンを倒して小さな魔石を手に入れていた。

 おかげで原始魔術が解放できる……が、なんと1000ポイント。

 魔法の産声一つで500ポイントももらえたので足りることは足りるのだけど、そろそろ白人間強化を考えていた。

 

『子供たちも増えて実績がどんどん達成するから、いっちょかけに出るか!』


 住人、進化を選択する。

 すると白人間たちの手足が伸びて3頭身から5頭身ぐらいに進化した。

 もにゅっと物をつかんでいた手先にきちんと指が出来た。

 男女の差もきちんとわかる!


「高ーい!。これなら届く。細かな作業で目が……。頭もサクサク。綺麗だ。新しい発見。フェチへの目覚め。が達成されましたポイントが与えられます」


 なるほど、ハクとリアにはきょういの格差社会が生まれていた……

 進化に600ポイントを使ったら300ポイント入ってきた。

 迷わず原始魔術を選択。


「火よ!。水よ!。風よ!。土よ!。内なる声。我が力よ右手に集まれーとか一度はやるよね。オリジナルの魔方陣を書いたことがある人は手を上げなさい。が達成されましたポイントが与えられます」


 (^ω)ノ

 1000ポイント使って420ポイントを手に入れました。

 結果としては887ポイントは確保できていた。

 この森には魔物がいる。

 僕の民を守らなければいけない!


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